耐震が不安・・・

耐震補強を木造一戸建てリフォームでの耐震補強の工法・費用を
ケース別に徹底解説網羅!

耐震が不安という悩み

ポイント⑥ 開口部補強という新たな発想 『マド耐震』??  新耐震の建物の補強

新耐震と旧耐震で対策方法は変わる!

 

東京都調布市の物件、2棟目の「耐震リフォーム」について、紹介します。

 

前回同様、窓まわりを補強する画期的な工法で、

耐震補強フレーム「フレームプラス G2」を使った「マド耐震」の施工事例です。

 

「マド耐震」のポイントは、3つありました。

1)窓をなくさない・小さくしない(壁をつくらない)

2)2日でできる耐震(かんたん施工、省施工)

3)外側施工なので、室内(床・壁・天井)を壊さない。そして、荷物移動・引っ越し不要。

 
マド耐震

既存の建物の基礎と梁にフレームを固定することで開口部(窓)を耐力壁にしてしまう工法

この「マド耐震」について、じっさいの施工写真を使って、順に説明していきますね。

 

【After写真】

 
マド耐震

調布H様邸での施工事例

さっそく、Afterをお見せします。

ブラックの外壁、プラチナシルバーのサッシ。

シックな外観です。お洒落ですよね?

 

どう見ても新築ですが、外壁サイディングは貼り替えて、

窓も全部交換しました。

 

耐震リフォームに使ったフレームプラス G2もブラックで、

外壁にすっかり溶け込んでいます。

シャッターはプラチナシルバーです。

 

南側ファサードはもともと、のぺっとした意匠計画だったんですが、

フレームプラス G2とシャッターをつけることで、特徴的なデザインに仕上がりました。

 

外観が良くなっただけでなく、

防災・耐震・防犯面でも大幅にグレードアップしたリノベーションです。

 

木造住宅は、築20年ほど経つと、外壁が古くなって劣化してくるので、

このタイミングでリフォームされるお客様は多くいらっしゃいます。

 

ですが、せっかくリフォームするなら、

耐震リフォーム、防災・防犯リフォームをついでにやってみることをおススメします。

 

築20年というと… 建築時期は1997年(平成9年)ですね。

法律上は、「新耐震基準」に準拠して建てられた「新耐震住宅」ということになります。

 

新耐震住宅なのに、耐震リフォーム???

 

こう思われた方は、かなり、鋭い勘をお持ちです。

 

ピンと来なかった方は、

「築20年ならまだ新しいじゃない。それなのに、耐震?」

という素朴な疑問でもOKです。

 

じつは耐震を考える上でここが、とても重要なトコロになってきます。

ここでは、「築20年の住宅への耐震リフォーム」というお話をします。

 

さて、熊本地震の後、このようなニュースが話題になりました。

「新耐震 過信は危険」とありますね。

 
マド耐震

読売新聞の抜粋です

新聞紙面の右にグラフが出ています。

ちょっと小さいので、別な資料を見てみましょう。

 
マド耐震

日本建築学会資料

新耐震800棟のうち、倒壊・崩壊は9.1%(73棟)、大破は9.8%(78棟)というショッキングなデータです!

 

倒壊というと、「命を落とす危険性大」の状態です。

 
マド耐震

無被害〜大破までの被害状況

避難所で亡くなった方も多かったようですが、

大破、中破でも、避難所生活をしなければならない可能性が大きくなります。

上のグラフ(左から2番目)から推測すると、

新耐震建物のうち40~50%くらいは、「中破・大破・倒壊・崩壊」のリスクがあるということです。

 

新耐震、旧耐震の定義を見ておきましょう、次のとおりです。

●新耐震の建物

1981年6月1日以降に建築確認が下りた建物

●旧耐震の建物

1981年6月1日以前に建築確認が下りた建物

 

「新耐震は安全」と考えがちですが、じつは、そうでもないんですね。

築20年の建物もこの範囲に入ります。

築17年(2000年以降に建築)だと、「2000年基準」つまり一段のグレードに入ります。

 

下の図を見ると、耐震基準というのは、2000年にようやく、すべてが出そろったことが分かります。

 
マド耐震

建築基準法は2000年に大きく変わっていることに注目

新耐震は旧耐震と比べて、「壁量が多い」のと、「基礎に鉄筋が入っている」という2点が違うだけなんです。

 

新耐震建物でも、2000年以前は、接合金物が入ってなかったり、

建物の平面プランのバランスが悪かったり、言ってみれば「グレーな」状態なんですね。

2000年基準が現基準となっている建築基準法ですが、

弊社もさまざまな耐震補強をやって参りましたが、

旧耐震の建物にお住まいのお施主様は、自宅の建物に不安を感じていることが

多く改築レベルの工事をして補強をすることが多いのですが、

新耐震の建物にお住まいのお施主様は、意外とこの問題点に気付いていない

ケースがかなり多く見受けられます。

一番の問題になるケースとしてはバランスです。

 

 

前回紹介した「フレームプラスG2」をポイント補強に使うことで、

こののバランス改善ができるため、画期的な商品と考え採用をしています。

バランス改善をすれば、とても効率的な耐震リフォームが可能になります。

 

これから、その説明をしたいと思います。

 

「平面プランのバランスが悪い」というのは、このような状態を言います。

 
マド耐震

上の図で、黒い太線が「耐力壁」です。

地震が来たときに、建物に抵抗する壁です。

 

上の図は新耐震の建物に多いポピュラーな間取りになりますが、特徴的なのが

北側・西側(浴室・トイレ側)に耐力壁が多く、

反対に、南側・東側(LDK側)は耐力壁が少ない(=窓が多い)です。

これは典型的な戸建住宅のプランです。

全体を見る限り、耐力壁の量はそこそこあり(壁量の基準は満たしていそう)なので、

ここでは新耐震住宅と考えてみましょう。

 

「窓は構造上の弱点」というのは、前回お話したとおりです。

 

建物の中心を「重心」といいます。赤い●です。

建物の強さの中心を「剛心」といいます。青い×です。

 

重心と剛心がズレていますね。これを偏心といいます。

 
マド耐震

さて、地震が起こると、力は建物の重心に一番多くかかり、

揺れに対しては剛心のまわりを回転します。

偏心が大きければ大きいほど、つまり、バランスが悪ければ悪いほど、

建物は大きく・多く回転し、大きく揺れることになります。

 

大きな揺れに耐えきれないと、建物は被害を受けます。

最悪な場合は、倒壊にいたります。

 

「バランスが悪い建物は危険」なのです。

 

ではどうしたらいいでしょうか。

このようなケースでは、今まで構造計算をして、耐力壁を増やし、

バランスを補うことで偏心率を下げる方法が主流となっていました。

このようなケースに大変有効なのが、

耐震補強フレーム「フレームプラス G2」を使った「マド耐震」となります。

 

耐震リフォームというと、ふつうは、床・壁・天井を解体して、

耐震工事をして、復旧するという手間がかかるので、かなりの日数がかかる、のが難点でした。

 

その点、このフレームプラス G2は、かんたん施工、省施工が嬉しい点になります。

外側から施工するので、床・壁・天井を壊しません。「2日でできる耐震」なんです。

 

「構造上の弱点となる窓」のまわりに、

ポイント補強としてフレームプラス G2を取り付けると、

バランス改善ができるからです。

 

先ほどの平面図であれば、LDKの南面の大きな窓にフレームプラス G2を取り付けると、

「窓を耐力壁に変える」ことができます。

もちろん、今ある窓をそのままに、です。

 
マド耐震

 

緑の枠がフレームプラス G2、緑の×が新しい剛心です。剛心と重心が近く(偏心が小さく)なるのです。

 

「剛心と重心が近くなる」ことによって、「建物の揺れは小さく」なります。

 

これが、「マド耐震」の仕組みなんです。

 

前回紹介した物件でも、仕組みは同じです。

南側の大きな窓(掃出し窓)にフレームプラス G2を取り付けましたが、

建物のもっとも弱い箇所をポイント補強して、バランス改善をしたわけなんです。

 

さて、「フレームプラス G2」を使った「マド耐震」の仕組みの種明かしはここまでとして、

今回の住宅の耐震リフォームの施工手順を見ていきましょう。

 

マド耐震

オーダーで部材を発注するため、この墨出しが最も重要になってきます

マド耐震_施工

墨出し位置に従い切り欠き加工を行います。

フレームプラス G2のアルミ梁材の取り付け位置(外壁をカットしておいた部分)の確認をします。

現場は、外壁と窓の交換工事がすべて終わり、シャッターボックスを取り付けた状態です。

マド耐震_施工

梱包部材の確認から行っていきます。

マド耐震_施工

マニュアルの工程順に部材を並べておきます

フレームプラス G2のパーツが到着し、1点1点、確認します。

マド耐震_施工

施工マニュアルを見て、作業手順を確認しながら、すべてのパーツの梱包を解いていきます。

マド耐震_施工

上梁の受け部材を墨出し位置に沿って合っているか確認をしています

足場に上がって、作業前の確認をしています。

マド耐震_施工

位置に間違いがないことを確認し固定していきます

マド耐震_施工

GL面からの固定位置までの距離を測っています

 

マド耐震_施工

寸法をすべて確認後上梁部材の設置となります

アルミ梁材を持ち上げます。

大人一人で抱えることのできる重さです。

 
マド耐震_施工

日本初となるフレームプラスG2の設置ということで、全国からYKKAP社の開発グループや
耐震構造を担当するスタッフがたくさん来られました。

アルミ梁材を、外壁の切欠き部に取り付けます。

マド耐震_施工

アルミ上梁部材を墨出しした位置に設置します。

マド耐震_施工

受け材と固定していきます

梁材を固定した後は、アルミ梁材の左右の端部に、「XX」接合金具を取り付けます。

マド耐震_施工

XX接合金具とアルミ梁材の固定

アルミ柱材を用意します。

マド耐震_施工

アルミのため一人で持てる重さです

マド耐震_施工

柱は壁と固定はしません。間が空いている状態になります

マド耐震_施工

XX接合金具とアルミ柱材を固定しています

アルミ柱材を取り付けていきます。

 

窓の左側になります。

マド耐震_施工

柱部材の固定

アルミ柱材の下端に、「XX」接合金具をボルトで接合します。

マド耐震_施工

XX接合金具と下張りの接合

窓の右側にアルミ柱材を取り付けます。

それから、アルミ梁材(下梁)を用意します。

 
マド耐震_施工

すべての部材に使用する金物が決まっていますので確認をしながら作業をしていきます

アルミ梁材(下梁)を仮設置します。

マド耐震_施工

下梁部材を仮固定し、基礎との接合が完了後本締めを行います

アルミ梁材と建物のコンクリート基礎の間に入れる、スチール金具を取り付けます。

マド耐震_施工

既存基礎面とスチール金具面を合わせ孔を開ける位置を確認します

コンクリートの基礎に、ドリルで穴を空けます。

マド耐震_施工

ドリルでの孔開け位置を確認後 孔を開けていきます

マド耐震_施工

粉じんを丁寧に取り除くのがポイントになります。
粉じんを取り除いた後は、ヒルティ社の接着剤を注入していきます。

マド耐震_施工

規定量を入れていきます

穴に接着剤を充填します。

マド耐震_施工

接着剤が乾かない間にアンカーボルトを接合します

接着剤が乾かないうちに、アンカーボルトを入れます。

接着剤が乾くと、建物のコンクリート基礎とアルミ梁材が、スチールの接合金物を介して、ガッチリと固定されます。

 
マド耐震_施工

フレームプラスG2 日本初の現場となりました。

完成です。

 

さて、まとめです。

 

前回に引き続き、今回の工事では、YKK APのフレームプラス G2を使い、「マド耐震」を行いました。

時間的には、こちらの現場が最初になります。

 

「マド耐震」のメリットは3つです。

1)窓をなくさない・小さくしない(壁をつくらない)

2)2日でできる耐震(かんたん施工、省施工)

3)外側施工なので、室内を壊さない。そして、荷物移動・引っ越し不要。

 

「マド耐震」がなぜ効くのか? というと、

建物のもっとも弱い箇所にフレームプラス G2で補強して、

バランス改善をしたからです。

 

「もっとも弱い箇所」は、一番大きな窓、と考えていいでしょう。

一般的な住宅の場合、南側(庭側)の掃出し窓です。

前回の現場では、道路側の掃出し窓でした。

今回の現場では、道路側の腰窓です。

こちらの現場ではもともと掃き出しの窓が付いており

掃き出し窓でも問題はなかったのですが、道路面ということで

あえて腰高窓をお施主様がご要望されました。

 

この「マド耐震」、とくに新耐震住宅では、

ポイント補強するだけで、耐震性能が大きくアップするので、とくにおススメです。

 

余談になりますが、このフレームプラス G2、先行商品があったんです。

フレームプラスといいます。

 
マド耐震_施工

今回の2事例は新商品のフレームプラスG2(右の商品)

フレームプラスとフレームプラス G2の違いは、基礎部分にあるようです。

マド耐震

こちらはフレームプラスG2下梁がアルミになっているのが特徴です

フレームプラス G2 【新耐震基準の家に最適】

マド耐震

フレームプラス 【旧耐震基準の家に最適】

となっています。

 

南側に縁側と大きな窓が並ぶ、サザエさんの家のような旧耐震住宅。

郊外に行くとよく目にしますね。

 

一見して南面全体が弱点となっていることが想像できますね。

このような建物は南面に壁がほとんどないので…。

 

強度アップには、それ相応の仕掛けが必要になります。

フレームプラスは、鉄筋コンクリート基礎を打設しその基礎と柱部材、梁部材で固定するタイプとなり

その分強度を確保できるようになっています。

 

既存の建物の基礎がぜい弱な場合など、旧耐震基準の建物での耐震リフォームで

必要となる商品になります。

 

 

 土台と柱の補強について   
詳細はこちらへ
 梁を使った補強について   
詳細はこちらへ
 2階床の剛床化について   
詳細はこちらへ
 基礎補強について      
詳細はこちらへ
 制震ダンパーによる地震対策 
詳細はこちらへ
 開口部窓を補強する新工法  
詳細はこちらへ
 築古の建物が新築の最高耐震基準の耐震等級3相当へリフォームできる工法
詳細はこちらへ

フルリフォームをどこに相談すればいいか迷っている方は、木造戸建て専門会社の増改築.com®にご相談下さい。木構造を熟知する技術者が直接現場を担当致します。お問い合わせはこちらからどうぞ!

戸建てリノベーション・リフォームに関するお問合せはこちら

増改築.comの一戸建てリフォーム専用ホームページに
お越しいただき、誠に有難うございます。
 
増改築.comメンバーは技術集団となり、
他社のような営業マンがおりません。
技術者が直接ご相談にのり問題解決を行います。
 
従いまして、
お客様の方である程度のご要望が整理されました段階、
お悩みが工事内容のどのようなところにあるのか?
ご予算がどの程度絞る必要があるのか?
など明確になった段階でのご相談をお願いしております。
お問合せ・ご相談はお電話・メールにて受け付けております。
メールの場合は以下のフォームに必要事項をご記入の上、
「送信する」ボタンをクリックをお願いします。

代表稲葉高志

戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
一戸建て家のリフォームに関することを
お気軽にお問合せください

よくあるご質問
  • 他社に要望を伝えたところできないといわれたのですが・・・
  • 他社で予算オーバーとなってしまい要望が叶わないのですが・・・
  • サービスについて詳しく聞きたいのですが・・・

どのようなお悩みのご相談でも結構です。

あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。

営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。

設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。

※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。

2025年の建築基準法改正が決定、フルリフォームに確認申請が義務化されることから、現在大変混みあっております。

お問い合わせも殺到状態のため、プランのご提案までに日数を頂いております。

首都圏のリノベーションにつきましては、2024年度工事枠は4月解体着工のお施主様まで埋まっております。

・直近は2024年5月GW明けの解体着工スタートに1枠が空きありとなります。※2024年2月6日時点

※ご契約順に施工班の予定を組ませて頂いております。スケルトンリフォームには6ヶ月程度の期間が必要になります。余裕をもったスケジュールでご相談をお願い申し上げます。

必須

(例:増改築太郎)

必須

(例:contact@high-will.co.jp)

(例:03-5615-2826)

必須

(例:東京都荒川区西日暮里2-35-1)

(例:築40年)

(例:25坪・100㎡など)

(例:2000万程度など)

  • ※再建築不可のリフォームでは金融機関が限られます。事前審査をお勧めいたします。

    (例:2024年3月くらいに完成希望など)

    必須

    できるだけ具体的にお知らせくださいませ。既存設計資料、リフォーム後のイメージ図等をお持ちであれば下記のメールアドレスより添付をお願いします。

    ※次の画面がでるまで、4~5秒かかりますので、
    続けて2回押さないようにお願いいたします。

    ※次の画面が出るまで、4〜5秒かかりますので、
    続けて2回押さないようにお願いいたします。

    図面や写真等を送信いただく場合、また入力がうまくいかない場合は、上記内容をご確認のうえ、下記メールアドレスまでご連絡ください。

    お電話でのお問合せはこちら

    0120-246-991

    営業時間:10:00~18:00(土日祝日を除く)

    ★Facebookページにいいね!を押して最新コンテンツ情報をいち早くGET!!★

    4代目代表よりご挨拶

    稲葉高志

    親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。