ハイウィルが炭を建築に採用する理由

炭のはなし

 

 

高温多湿の我々日本の気候は、

建造物にとって必ずしも良い環境とは言えません。

 

とりわけ木造の建物においては、

この高湿度状態は、

シロアリや結露の原因にもなり、

建物の寿命そのものを短くしている

現状があります。

日本の建物の寿命は先進国では

異例の短寿命なものになっています。

 

過去、伝統構法で建てられた

日本の木造家屋には、

日本の気候に合った自然素材をふんだんに使い

建物が呼吸する理にかなったものでした。

 

ところが、

現代の高気密・高断熱住宅は

ビニールハウス同様、

室内の湿気が壁内にこもる状態となり、

壁内結露の原因となっています。

室内でのカビ、腐食以上に、

構造体の腐食にもつながる原因となっているのです。

ダニも発生しやすい環境になり、

新建材特有の有害物質から

ぜん息やアトピーなどを誘発することなどが

言われております。

 

これらの環境改善のために注目したのが

日本古来から使用されてきた「炭」という素材です。

 

炭には多孔質構造をもつため、

その孔が空気中の湿気を調整し、

湿度が高ければ吸ったり、

湿度が低いと放湿したりと

湿度をコントロールする性質があります。

そして炭は気になる臭いを吸着し、

人体に有害な電磁波などを吸着することがわかってきました。

 

 このような優れた特徴を持つ、

この「炭」を住まいに取り入れることで、

より自然で、建物にとって安全、

かつ快適な空間にすることができます。

 

炭はどこからきたの?

 

 

樋口清之『日本木炭史』(講談社学術文庫版)

によると、

「日本における火使用の年代は三十数万年前に遡ることが証明された。

この新発見の事実は、愛媛県喜多郡肱川村山鳥坂字唐岩谷、

下敷水の河辺川渓谷にある石灰岩洞窟中に、

前期最新世の各種の動物化石とともに、

人類の歯と人類史用の骨器石器にともなって、

木炭(一部は消炭、一部は原始的な和炭(にこずみ)

・灰・焼土が相当量発見されたのである。

(1958年8月以降))

この発見は全人類史の上における大発見

であるのみならず、

日本木炭史の第一章を飾る事実としても

大書される重要な発見である」

 

とあります。

 

およそ30万年前の古代より

我々の祖先は木炭を使用してきたのですね。

 

樹木をそのまま燃やし燃料にするのでなく、

一度蒸し焼きにして木炭を作る。

木炭を作ることで炎を出さずに、

火力が持続し、保存までできる燃料材となる。

燃料としての木炭を捉える最古の発見であったようです。

 

日本に炭焼き技術を伝えたのは

あの有名な弘法大師空海といわれています。

 

空海は804年に遣唐使と共に中国に渡り、

当時は最先端だった炭焼きの技術(白炭)を持ち帰り、

仏教の布教と同時に日本各地に

この技術を伝えたと言われています。

時代背景として、

仏教の布教(仏像作り)とリンクしています。

仏像にはこの炭焼き技術が必要であった

と言われています。

 

江戸時代には炊事に使用する炭の他に、

暖を取るための炭の他に、水の濾過に、

農業でも苗床の保温の際に使用したり、

また薬品として飲む炭として、

そして、さらには

化粧品や絵画などに炭が利用されていた

ことがわかっています。

つまり、古くから炭は

我々の身近にあった素材であることがわかります。

 

 

たくさんの炭の効果

炭がわれわれ日本人の生活文化に与えた影響は

計り知れないものがあります。

古代からの先人の知恵からも分かる通り、

先祖代々「炭」は常に、我々の生活の身近にありました。

その時代時代で、使われ方もさまざまですが、

江戸時代には薬としてまでも

利用されてきたことが分かっています。

効果効能はさまざまですが、

現在、この「炭」のさまざまな効果が

立証されてきました。

 

我々は建築会社ですが、

この自然素材の「炭」をさまざまなところへ

利用し、提案しております。

 

「炭」がなぜ良いのか?

 

どんな効果があるのか?

 

そのたくさんの効果を順番に見ていきたいと思います。

防腐(酸化抑制)効果

 

1974年に、中国湖南省の馬王堆で

発掘された前漢(紀元前206~紀元25年)の古墳から、

完全に保存された女性の遺体(ミイラ)が

発見された話は大変有名です。

 

 

見つかった遺体の全身の筋肉には

柔軟性があり、つやがあったといいます。

胃には数時間まえに食べたとされる

種子が残っていて、

その種を蒔いたらところ、

なんと発芽したといわれています。

 

 

なんでここまで腐食がすすまず、

きれいな形で遺体が保管されていたのか?

 

その理由のひとつとして、

地下16メートルの赤土の中に埋葬された

棺の周囲40~50センチには、

約5トンもの木炭層があったといわれています。

 

この木炭の防湿・吸水の作用が

腐敗の進まなかった理由の一つとして

考えられています。

 

 

日本でも同様、

古事記の編者太安万侶の墓の底にも、

世界遺産の中尊寺にある

奥州藤原氏の棺の周囲にも、

炭が敷き詰められていたといわれています。

 

さらに、

世界遺産の中尊寺にある奥州藤原氏の棺の周囲にも、

そして青森県長勝寺にある

江戸時代の津軽承祐の遺体にも

大量の木炭に包まれていたという事実があります。

 

 

このように、炭の防腐効果を利用してきた事実があります。

 

消臭・脱臭効果

 

炭といえば消臭、脱臭効果を

思い浮かべる人が一番多いのではないでしょうか?

冷蔵庫に入れたり、

下駄箱に入れたりされている方も多いかと思います。

 

これは、炭に

空気中に含まれる物質(臭い分子)を

強力に吸着する性質があるからで、

炭の最大の特徴にもなっている

炭のもつ「多孔質構造」にあります。

 

多孔質とは孔がたくさん空いている

構造を言いますが、

孔がたくさんあることから、

大気に触れる表面積が広く、

その広さは1g当たりで、

なんと250~300平方メートル、

約75坪~90坪もあります。

そして、

高品質な高温焼成された炭はアルカリ性です。

このアルカリ性質によって、

臭いの元となる酸性物質を中和することで、

臭いを消しています。

 

調湿効果

 

防腐効果のひとつでもありますが、

炭には、ジメジメしたら吸湿、

そして空気が乾燥したら放湿する性質があります。

 

その時々に応じて湿度を調整することができる

性質が「調湿効果」です。

この調湿作用が、

室内の体感温度が快適に保ち、

日本の四季を通じ、

人間の環境に最も適した湿度(40~60%)

に近づけることができるのです。

 

例えば、

エアコンは室内の温度を下げる仕組みとして、

空気中の湿気、つまり水を

ドレンで室外へ排出する仕組みになっています。

そのため、

エアコンを使用し過ぎると空気が乾燥しますよね。

 

炭は湿度を吸湿しますから、

体感温度を下げるてくれます。

そのため、

エアコンの使用量を抑えて過乾燥を防ぐ効果もあるのです。

 

しかも炭の調湿効果は

機械ではなく自然の調整力ですので、

エアコンの湿度を下げ過ぎることもなく、

冬の乾燥時期に加湿器を使用するのとは違い

加湿し過ぎることない

自然の素材特性なのです。

 

弊社では床下に炭を置く提案をしておりますが、

まさにこの床下の湿度を調整をする目的で使用します。

 

空気清浄効果

揮発性有機化合物(VOC)

目に見えませんが、炭には、

たくさんの孔があいた「多孔質構造」

と先ほどお話しましたが、

 表面積がは1g当たり約75坪~90坪という

驚くほどの表面積があります。

 

 この無数の孔が、

空気中のホルムアルデヒドやトルエンやキシレンといった

シックハウス症候群の原因とされる

揮発性有機化合物(VOC)など、

いわゆる有害物質を吸着・分解してくれますので、

 空気を清浄に保つ効果があるといわれています。

 

臭い成分だけでなく

有害化学物質まで吸着分解してくれる

ありがたい素材なのです。

 

弊社では内装壁、天井の下地に炭を塗り、

通気性クロスを仕上で張る工事なども

お施主様のご要望で施工しています。

 

保温効果(断熱効果)

 

炭は、

広大な表面積をもつ多孔質構造で空気を含むため、

高い蓄熱、断熱能力をもつのも炭の特長です。

 

要はダウンジャケットをまとうように、

内部に空気を多く含む多孔質構造のため、

寒い時期には

室内の暖かさを守って外に逃しません。

 

「空気を着ると暖かい」という理屈が、

炭の場合はこの多孔に当てはまり、

優れた断熱・蓄熱効果を利用した

天井材断熱材なども

現在は販売されています。

 

 

これらの天井断熱材は、

室内の暖房を付けた時には短時間で空気が暖まりやすく、

エアコンを消した後も天井付近の室温を保ち、

暖房時間の短縮と暖房費の節約が可能になります。

 

 

防音効果(吸音効果)

 

炭は凄いですね、

炭の多孔質構造は、

なんと音までも吸収してしまうというわけです。

1階の天井、

つまり2階の床の緩衝材など使用することが

実際にあり、

その効果を実証するデータがあります。

 

壁材としても大変良い素材となります。

 

人工的な工業製品の吸音版や遮音ボードのような

専門的な吸音には向きませんが、

自然素材「炭」の能力として、

そのような能力、効果もあるのだと

考えると良いと思います。

 

通電効果

 

一般的に炭は、

低温で焼かれた黒炭と、

高温で焼く白炭に分かれています。

 

1000℃以上で焼かれた炭は、

グラファイト(炭素から成る元素鉱物)構造となり、

非常に電気を通しやすくなります。 

 

つまり高温焼成された炭ほど

電気をよく通すということですね。

 

この通電効果により、

炭がアースとなって、

静電気を除去してくれるというわけです。

 

帯電体質の方は炭に触ってから

電化製品を触るとよいと言われるのも、

この通電効果からですね。

 

弊社では地中に炭を埋める

炭素埋設を行っておりますが、

炭素埋設を行う理由が、

この炭の通電効果を利用したものになります。

 

遠赤外線効果

 

遠赤外線というと、

炭火焼きを想像しますよね。

 

炭火焼きで料理をすると火が深部を温めるため、

おいしくなるというのも

この遠赤外線効果によるものですが、

炭は、実は火がついていない状態でも

炭自体が遠赤外線を発しています。

 

よく炭入りの寝具が体によいといわれるのも、

寝汗の消臭、水分の吸収、

通電性質から静電気の発生を抑制する

効果の他に、

この遠赤外線効果で

体全体の血行が促進され細胞の働きが活発になるため、

心地よい眠りができるという理由になっています。

 

 

電磁波吸収効果

 

高温焼成(1000℃以上)された炭は、

通電しやすくなるとお話しましたが、

電磁波は通電性のある物体に

吸い込まれる特性があります。

 

そのため、

電磁波の側にあることで吸収する性質があります。

 

よく「電磁波を遮蔽する」と

書かれていることがありますが、

遮蔽ではなく吸収するということです。

 

ただし、

すべての電磁波を炭だけで吸収することは

難しいでしょう。

 

現在の住宅には電磁波を出す家電製品で

溢れています。

ドライヤーや電子レンジ、

パソコンやテレビを炭で包み込むようなことは、

通常の生活をしていて難しいですからね。

 

 

マイナスイオン効果

 

炭の主成分である炭素質は、

動きやすい活発なマイナス電子を多く持っています。

炭自体がマイナスイオンを発生すると

書かれている記事を見ますが、

正確には、

炭自体がマイナスイオンを発生させるのではなく、

プラスの電子を吸着除去する性質があるのです。

 

空気中にはプラスイオンと

マイナスイオンが混在しています。

そのため、プラスイオンが吸着され、

減ることでマイナスイオンが多くなると

理解した方が良いと思います。

 

弊社では、

天井壁に炭を塗り、

微量のマイナス電子を供給する機器を設置し、

空間自体のプラスイオンを吸着させる

工法を採用しています。

こちらの工法は、

臨床試験で実証されて学会で発表もされた工法です。

免疫力、特にがん細胞やウイルス感染細胞などを

攻撃するNK細胞の活性効果が

あることを国内外の学会で発表されている工法になります。

 

 

水質浄化効果

 

炭をろ過材として利用するイメージをもたれている

方は多いと思いますが、これは

多孔質構造体から吸着能力に優れているのが理由です。

臭いを取るという意味で、水道のカルキ臭を

取るために水に入れる使い方もされますよね。

 

高温焼成の炭ほどアルカリ性が高いため、

酸化抑制目的としても利用されるなど

さまざまな利用をされています。

 

水中の溶解性物質が吸着され、

木炭の表面にできる微生物の膜が、

水中の有機物を分解することから、

汚染された川や湖沼、

池などの水の浄化にも利用されています。

 

熱帯魚などの水槽などでは

立ち上げ当初の白濁を取るために活性炭を利用したり、

水面に浮かぶ油膜を取る際にも炭を使用します。

 

食用としての効果

 

炭を飲料水や炊飯につかうというのは、

皆さんも知っている方が多いのではないでしょうか?

これはなぜ良いのでしょうか?

炭が水道水のカルキ臭や、

米のヌカ臭さを多孔質構造が吸着するからです。

さらに、炭のミネラル分が、

米に染みこむことで、

粘り気があるおいしお米が炊き上がります。

 

備長炭などの高温焼成炭は

アルカリ性ですので、

でんぷん分解酵素の働きがよくなり

お米に甘みが出るといわれています。

 

その他、コーヒーを煎れる際に炭をいれたり、

炭のパウダーをパンやケーキの小麦粉に混ぜて

実際に食べる「炭」も注目されています。

 

 

薬品としての炭の効果

 

人間の体内には

健康を損なうさまざまな有害物質が入り込んでいますが、

炭はこうした有害物質を強力な吸着作用で内部に吸い込み、

便とともに体外に排出させることで、

わたしたちの健康を守ってくれるのです。

 

 

さまざまな毒物治療に効果を発揮しています。

 

強力な吸着作用を持つ炭は

わたしたちの健康を助ける医薬品としても使われています。

 

 

私は医者ではありませんので、

効果効能を宣言することはできませんが、

古くは江戸時代、

腹痛の際の治療薬として使用されていた歴史があります。

 

医薬品として使われる炭が「薬用炭」と呼ばれる活性炭です。

 

薬用炭は腸内の消化物から発生した有害物質やガスを吸着して、

便とともに体外に排出。腸内環境を整えることで

下痢止めや整腸剤として使われています。

 

 

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