戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP > 施工事例 > 都道府県で探す > 東京都 > 板橋区 > 施工事例 I様 外部スケルトンで「住みながら」耐震等級3相当へリノベーション
本プロジェクトの最大の特徴は、一般的な「内部スケルトン」とは真逆の、「外部スケルトンリフォーム」を採択した点にあります。 板橋区常盤台のI様邸は、通常、耐震補強は室内の壁を剥がして行いますが、本現場では「室内改装をリビングのみに限定」。それ以外の居室は手をつけず、外壁をすべて剥がして外部から構造を補強する手法を選びました。 生活への影響を最小限に抑えつつ、構造計算に基づいた精密な補強を「外側」から流し込む。これは、高度な設計力と施工精度が要求される、まさに「計算された外科手術」です。
| 建物概要 | |
|---|---|
| 名前 | I様 |
| 場所 | 東京都板橋区常盤台 |
| 築年数 | 築50年 |
| 構造種別 | 木造一戸建て |
| 家族構成 | 大人1人 子供1人 |
| 対象面積 | 17.3坪 |
| リフォーム部位 | 基礎補強/断熱サッシ/耐震補強 |
| 工期 | 3ヶ月 |
| 価格 | 1300万 |
今回のリフォームで、I様からのご要望は以下の4点です。
I様邸の設計思想は「構造の皮膚移植」です。
室内を壊さないということは、補強のチャンスは「外壁を剥がした瞬間」しかありません。
私たちは構造計算を駆使し、外側から設置できる耐震金物と構造用面材の配置をミリ単位でシミュレーションしました。 リビング以外の内装に触れないという制約は、一見不自由に思えますが、実は「コストを構造と外装に集中投下できる」という大きなメリットがあります。外部スケルトンによって、建物の「箱としての強さ」を外側から拘束し、既存の鉄筋コンクリート基礎と一体化させる。このハイブリッドな補強により、もともと優秀だった評点1.53を、さらに「揺るぎない確信」へと昇華させました。
I様邸の調査では、室内の壁を壊せないため、外部からの非破壊検査と、一部外壁を剥がしての内部状況確認を徹底しました。「モルタル塗壁」という重い外装の下で、40年前の木ずり下地がどう柱を支えているか。 石塚様との打ち合わせでは、「どの部屋まで壊し、どの部屋を残すか」の境界線を明確に引き、リビングの改装と外部補強が干渉しないようなシビアな工程表を作成しました。
上部構造評点1.5をクリアすために、脱衣所部分の基礎補強が必須であったことから、リビングに加え、脱衣所は工事範囲とさせていただきました。
▲耐震改修構造計算結果 評点「1.53」
▲構造計算をもとに耐震補強プランを作成
工事は、住み慣れた室内はそのままに、外壁のモルタルを一枚ずつ剥がしていく作業から始まりました。 剥き出しになったのは、築年数を感じさせない健全な柱と梁。外部スケルトンの利点は、家中の「柱と梁の接合部」が外側から一望できることです。これにより、室内の壁を壊さずとも、すべての重要箇所にアクセスできる「攻めのフィールド」が整いました。
!大事な構造部のすべてが目視可能となるスケルトンリフォーム
内部の天井・壁・床だけでなく外壁まで解体しスケルトン状態(躯体残し)にする戸建てリノベーションの最大のメリットはこのような重要な主要構造部のすべての状態が目視でわかることになります。
フルリノベーション後は、これらの構造上の弱点をすべて修正し補強することで新築と同水準、もくしくはそれ以上の建物性能をもつ構造躯体へ甦らせることが可能となります。
I様邸はもともと「健全な鉄筋コンクリート基礎」でしたが、外部スケルトンにより基礎の外周部が完全に露出しました。このチャンスを逃さず、既存基礎の状態を再確認し、必要箇所にはケミカルアンカーを用いた微細な補強を実施。上部構造の強さを確実に地面に伝えるための「土台」を再整備しました。
【配筋工事】
【コンクリート打設】
脱型(完成)
本現場の真骨頂です。室内側には一切触れず、外側から全ての柱・梁の接合部に耐震金物を配置しました。
外部設置型金物の多用: N値計算に基づき、本来は室内からしか付けられないような箇所も、外壁を剥がした隙間から精密にボルトを貫通させ、構造体を「外から締め上げる」ように固定。
耐力壁の外部付加: 構造用面材(ノボパン等)を外側から全周に貼り巡らせ、建物全体をモノコック構造(飛行機のような一体構造)へと進化させました。
【構造補強】
外壁を剥がしているため、断熱材の入れ替えも外側から行いました。 室内を壊さないリフォームでは、断熱材の隙間ができやすいのが弱点ですが、外部スケルトンなら柱の間に断熱材を充填する様子を外から目視で確認できます。気密テープ処理も外側から完璧に行い、リビングのみの内装工事と合わせ、家全体に「温熱のバリア」を張り巡らせました。
【床断熱】
【壁断熱】
| 場所 | 製品 | 断熱グレード |
|---|---|---|
| 床断熱材 | 硬質ウレタンフォーム アキレス キューワンボード 50mm | F(熱伝導率0.021W/(m・K)) |
| 壁断熱材 | 高性能グラスウール 太陽SUNR 105mm | C(熱伝導率0.035W/(m・K)) |
| サッシ | YKKAP 内窓プラマードU | S(熱貫流率1.5W/(m2・K)以下) |
<HEAT20とは?>
HEAT20とは、「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」という団体名です。
その団体が設定しているのが、屋根や外壁、床、窓などの「外皮」と呼ばれる部位の断熱や遮熱などといった性能の評価基準であり、G1とG2の2段階あります。G2の方がより高性能な性能を有する外皮となっています。
▲HEAT20-G2の家は、省エネ基準の家の30~50%の暖房費を削減できる
「増改築.com®」によると、断熱リフォームの基準として、平成28年の建築物省エネ法基準に相当するUa値0.87が等級4(最高等級)とされています。しかし、この基準だけでは、真の省エネ住宅とは言えません。実際に、日本の断熱等級4は、2020年の建築基準法で努力義務とされているに過ぎません。しかし、2022年4月には断熱等級5が新設され、さらに2022年10月には断熱等級6・7が新設されました。断熱等級6・7は、これまでの断熱等級4と比べて、はるかに高いレベルの断熱性能が求められます。 HEAT20の計画においては、ZEH基準のUa値0.6を基準としています。これは、外壁105mm、U値2.33の樹脂アルミ複合サッシ窓で、天井の断熱材は105mmあれば実現できるとされています。さらに上位の「HEAT20 G1」グレードでは、6地域でUa値0.56となり、このレベルでは断熱環境を体感できるとされています。
最上位の「HEAT20G2」グレードでは、5地域でUa値0.46となっています。
断熱改修(温熱改修)リフォームを成功させるためには、これらの基準や計画をしっかりと理解し、適切な施工方法を選択することが重要となります。
▲施工前の屋根
▲塗装後
I様邸の外装工事は、単なる表面の貼り替えではありません。外部スケルトンによって全周の柱・梁が露出したこのチャンスに、構造の「外側」を完璧に固めた上で、最新の「サイディング(外壁材)」を纏わせる、機能美の追求です。
既存の石塚様邸は、木ずり下地のモルタル塗壁でした。これは風合いこそ良いものの、建物全体を「重く」し、地震の際の慣性力を増大させる要因でもありました。 今回のリフォームでは、モルタルをすべて撤去し、高耐久なサイディングを採用。これにより、外壁自体の重量を大幅に軽量化しました。
「重さを減らし、強さを増す」
この引き算の美学が、もともと優秀だった評点1.53を、さらに盤石なものへと押し上げました。建物が軽くなることで、地震時に基礎や柱にかかる負担を物理的に軽減させたのです。
室内側を壊さない工事において、最大の懸念は「内部結露」と「雨漏り」です。外部スケルトンであれば、内装材に邪魔されることなく、外側から構造体を直接、高性能な透湿防水シートで隙間なく包み込むことができます。
透湿防水シートの精密施工: 新しいサイディングを貼る前に、家全体を最新の防水シートでラッピング。特にサッシ周りや、外部から貫通させた耐震ボルトの突出部には、専用の防水テープと部材を多重に施し、一滴の雨水も構造体に触れさせない「止水ライン」を構築しました。
外壁通気工法の確立: シートの上に「通気胴縁(つうきどうぶち)」を打ち、サイディングとの間に空気の通り道を確保。これにより、壁体内の湿気を常に外部へ逃がす仕組みを整えました。室内の壁に触れないリフォームだからこそ、外側からの「排湿」が建物の寿命を左右するのです。
採用したサイディングは、石塚様がセレクトされた、落ち着きと気品を兼ね備えたデザイン。
かつてのモルタル外装が持っていた重厚感を継承しつつ、サイディング特有のシャープなラインが、建物に現代的な「ハイウィル」としての表情を与えました。
「リビングから一歩外に出た時、自分の家がまるで別の建物のよう。
でも、中の安心感は変わらないのが嬉しいですね」
外部スケルトンだからこそ実現できた、構造・断熱・防水の三位一体。サイディングの最後の1枚が貼られたとき、石塚様邸はときわ台の景観に新たな価値を添える、最新の「高耐久住宅」へと転生を遂げました。
== 外観==
▲施工前はモルタルの外壁でした
▲施工後はニチハ窯業サイディング仕上げとなりました
== 1F LDK ==
▲リビングの床はウッドワンの無垢フローリング
▲リビングの大きな窓に内窓を設置して断熱性能を高めました
== 1F 水まわり ==
▲トイレはハイウィルオリジナルトイレに入替
▲洗面化粧台はTOTOオクターブ
●板橋区IK邸の工事では、国の補助金「子育てグリーン住宅支援事業」と「先進的窓リノベ事業」を活用しました。
省エネにつながるエコ住宅設備や、断熱性能の高い断熱材・ドア・窓の設置などに対して交付される補助金です。
●I様邸の補助金対象工事
| エコ住宅設備の設置 | 節水型トイレ、節湯水栓 |
| 断熱改修 | 外壁・床の断熱材、内窓 |
●I様邸工事の補助金交付額:合計176,000円
I様、まずはこの大規模な「外部スケルトンリフォーム」の完遂、本当にお疲れ様でした。そして、常盤台という歴史ある街で、増改築com®に託してくださったこと、心より感謝申し上げます。
通常、耐震評点を1.5以上に引き上げるとなれば、家中の壁を剥がし、生活を完全に仮住まいへ移すのが「定石」です。しかし、石塚様のご要望は「今の生活リズムを崩さず、最小限の干渉で最大限の安心を得る」ことでした。
正直に申し上げれば、外部スケルトンは、私たち技術者にとっては内部スケルトンよりも神経を使う「精密な外科手術」です。室内の壁の裏側がどうなっているか、外側から透視するように構造を読み解き、1ミリの誤差も許されない位置に金物を配置していく。その緊張感は、通常の工事の比ではありませんでした。
「リビング以外は、いつものままで。でも、家全体を不落の要塞にする」
この一見矛盾するような理想を、構造計算と外部補強の技術で一つひとつ紐解いていく過程は、まさにプランナー冥利に尽きる刺激的な日々でした。
唯一、内部を改装したリビング。ここが、外部を完璧に固めたからこそ安心して過ごせる「家族のシェルター」となりました。断熱性能の向上により、冬の朝の冷え込みが和らいだこと、そして外装の更新によって、家の前を通るたびに誇らしく思えるようになったこと。石塚様がその変化を笑顔で語ってくださる姿が、私たちの最大の報酬です。
工事が終わった今、I様邸は「外側は最新、内側は住み慣れた安心感」という、リフォームの理想形を体現しています。
I様、外から注ぎ込んだこの「強さ」は、これから何十年とご家族を守り続けます。もし、また別の部屋を少しずつ手を入れたくなったときは、いつでもお声がけください。外側が完璧に固まっている今の家なら、どんな内装の変更も自由自在です。
板橋の空の下、新しくなったサイディングが夕日に映える様子を見るたびに、この現場の挑戦を思い出すことでしょう。これからのI様の毎日が、より豊かで、より心穏やかなものになることを願っております。
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※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※2026年の大型補助金が確定したことで現在大変込み合っております。
耐震性能と断熱性能を向上させるフルリフォームには6か月~7か月の工期がかかります。
補助金獲得には年内に報告を挙げる必要があることから、お早目にご相談をお願いいたします。(6月着工までが目安)
ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
(5月までの着工枠が埋まりました)・・・2026/03/01更新
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