戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP木造リノベーションの“全”疑問に答える|匠が教える460の知恵【徹底比較】設計事務所と工務店、リノベーションはどっちに頼む?デザイン、費用、責任…「設計施工」という第三の選択肢

更新日:2025/11/20

木造リノベーションの“全”疑問に答える|匠が教える460の知恵

【徹底比較】設計事務所と工務店、リノベーションはどっちに頼む?デザイン、費用、責任…「設計施工」という第三の選択肢

【徹底比較】リフォーム会社と工務店、どっちに頼む?「百貨店」と「専門店」で使い分ける、失敗しないパートナーの選び方
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序章:あなたの「理想の家」を叶えるのは、建築家か、職人か?

第1章:【基礎知識】設計事務所の仕事と、他の依頼先との決定的な違い

第2章:【メリット】設計事務所に頼む3つの大きな利点

第3章:【デメリットと注意点】「理想」の裏にある「現実」

第4章:【第三の選択】なぜ、性能向上リノベは「設計施工」が強いのか?

終章:デザインも、性能も、予算も。全てを諦めないためのパートナー選び

序章:あなたのリフォーム、誰に託すべきか迷っていませんか?

 

章の概要:

結論として、依頼先選びは「デザインへのこだわり」と「予算・性能への現実性」のバランスで決まります。

「雑誌に出てくるような、おしゃれな家に住みたい!」…誰しも一度は憧れますよね。

その夢を叶えるための選択肢として、「設計事務所(建築家)」は非常に魅力的です。

しかし、そこには「設計と施工が別々」という、一般的な工務店とは根本的に異なる仕組みがあることを、知っておく必要があります。

この記事では、その仕組みの違いを分かりやすく解き明かし、あなたにとってのベストな選択を導き出します。

 


 

序章.1 「おしゃれな家=設計事務所」というイメージの正体

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所は「デザインの自由度」が圧倒的に高く、オンリーワンの空間づくりが可能です。しかし、その自由は「既製品を使えない」という制約でもあります。

 あなたがリノベーションを考え始めた時、インターネットや雑誌で、素敵な施工事例をたくさん見られたことでしょう。 「こんな広々としたリビングにしたい」

「この写真みたいな、造作キッチンが欲しい」

そんな夢が膨らむ中で、「設計事務所」という選択肢が気になるのは、自然なことです。

一般的に、「設計事務所」は、ハウスメーカーや工務店と比べて、「デザイン性が高い」「おしゃれ」というイメージを持たれています。 なぜでしょうか?

それは、彼らの仕事が「オーダーメイド」を基本としているからです。 ハウスメーカーのように、決められたカタログから選ぶのではなく、あなたの要望に合わせて、ゼロから図面を描き起こす。 だからこそ、他の誰とも違う、オンリーワンの空間が実現できるのです。

しかし、その「自由」は、裏を返せば、「既製品を使えない(あるいは、使わない)」という「制約」でもあります。

全ての窓、扉、収納を、一つひとつデザインし、素材を選び、造作する。 それは、後ほど詳しくお話ししますが、「時間」と「コスト」がかかる、ということでもあります。

 

 

序章.2 「設計」と「施工」を分けることの意味とは?

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所に頼むということは、「設計(図面を描く人)」と「施工(工事をする人)」を、意図的に分けるという選択です。これは、工事の品質チェック機能を高める一方で、責任の所在が曖昧になるリスクも伴います。

 

もう一つ、設計事務所に依頼する上で、理解しておくべき重要なポイントがあります。

それは、「設計」と「施工」が、会社として「分かれている」ということです。

一般的な工務店やハウスメーカーは、「設計施工(せっけいせこう)」と言って、同じ会社の中に、設計担当と工事担当がいて、一つのチームとして動きます。

これに対して、設計事務所に依頼した場合、あなたの家づくりのチームは、以下のようになります。

 

  1. 設計事務所(建築家):図面を描き、あなたの代わりに工事を「監理(チェック)」する。

  2. 工務店(施工者):設計図に基づいて、実際に工事を行う。

 

この二者は、全く別の会社です。 設計事務所は、あなたの代理人として、第三者の立場から、「工務店が、手抜きや間違いなく、図面通りに工事をしているか」をチェックします。 これが、設計と施工を分けることの、最大のメリットです。

しかし、この体制は、「チームワーク」という点では、複雑さも生みます。 もし、現場で問題が起きた時、誰が責任を取るのか。「設計の指示ミス」なのか、「施工のやり方が悪かった」のか。 「設計」と「施工」を分けることは、リスクヘッジになる一方で、責任の所在が曖昧になるリスクも、同時に抱え込むことになります。

次の第1章では、この複雑な関係性を、図解を使ってさらに分かりやすく解説していきます。

第1章:【基礎知識】設計事務所の仕事と、他の依頼先との決定的な違い

章の概要:

結論として、設計事務所の最大の特徴は「施工(工事)をしない」ことです。彼らの仕事は「設計」と「監理」であり、工事は別の工務店が請け負います。 「家を建てたい」「リノベーションしたい」と考えた時、依頼先として候補に挙がるのが、設計事務所、工務店、ハウスメーカーです。しかし、それぞれの役割や立ち位置の違いを明確に理解している方は少ないのではないでしょうか。特に、設計事務所に依頼する場合、他の二者とは根本的に異なる仕組みがあることを知っておく必要があります。この章では、この3者の役割の違いを、分かりやすく解説します。

 


 

1-1. 設計事務所の役割:あなたの代理人としての「設計」と「監理」

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所は、あなたの要望を形にする「設計」と、工事が図面通りに行われているかをチェックする「監理」の二つを主な業務としています。施工は行わず、あなたの代理人として、施工者である工務店を指導・監督する立場にあります。

 

まず、設計事務所(建築家)の仕事について、深く掘り下げてみましょう。

多くの方がイメージするのは、「おしゃれな図面を描く人」という側面かもしれません。

確かに、それは彼らの重要な仕事の一つです。あなたの漠然とした要望やライフスタイルをヒアリングし、敷地の条件や予算を考慮しながら、世界に一つだけの空間をデザインし、図面(設計図書)に落とし込んでいきます。これが「設計」です。

しかし、設計事務所の仕事は、図面を描いて終わりではありません。

もう一つ、非常に重要な役割があります。それが「監理(かんり)」です。

「監理」とは、簡単に言えば、「工事が、設計図書通りに、正しく行われているかをチェックすること」です。

設計事務所に依頼した場合、実際の工事は、別の会社である「工務店」が行います。

設計事務所は、あなたの代理人として、第三者の立場から、工務店の仕事ぶりを監督します。

例えば、 「基礎の鉄筋の配置は、図面通りか?」 「断熱材の厚みや施工方法は、適切か?」 「使用している材料は、指定されたものか?」 といったことを、現場に足を運んで確認し、必要であれば是正を指示します。

これは、例えるなら、オーケストラにおける「指揮者」のような役割です。

指揮者自身は楽器を演奏しませんが、楽譜(設計図)に基づいて、演奏者(工務店・職人)を指導し、全体の調和(完成度)を高めていくのです。

この「監理」という機能が働くことで、手抜き工事や施工ミスを防ぎ、設計の意図が正しく反映された、高品質な住まいが実現します。これが、設計事務所に依頼する最大のメリットの一つと言えるでしょう。

 

 

1-2. 工務店(設計施工)の役割:設計から工事までを一貫して引き受ける「造り手」

 

ここでのポイント:

結論として、工務店(設計施工)は、設計から施工までを一貫して自社で行う「造り手」の集団です。設計と施工が密接に連携し、現場の状況に合わせて柔軟に対応できるのが特徴です。

 

次に、私たち『増改築.com®』のような「工務店(設計施工)」の役割について見ていきましょう。

工務店は、地域に根ざし、自社で職人を抱え(あるいは、専属の職人チームを持ち)、設計から施工までを一貫して請け負うのが一般的です。これを「設計施工」と呼びます。

設計施工の最大の特徴は、「設計者と施工者が、同じチームである」ということです。

社内に設計部があり、工事部があります。彼らは日常的に顔を合わせ、情報を共有し、連携しながら仕事を進めます。 例えば、設計段階で、施工担当者が、「この納まり(おさまり)は、現場で難しいかもしれない」「この材料は、納期がかかるかもしれない」といった意見を出し、設計にフィードバックすることができます。

また、工事が始まってから、現場の状況(特にリノベーションの場合、解体してみないと分からないことが多い)に合わせて、設計を変更する必要が出てきた場合も、社内で迅速に協議し、柔軟に対応することができます。

これは、例えるなら、シェフが自分でメニュー(設計)を考え、自ら厨房で料理(施工)を作る、個人経営のレストランのようなものです。 食材(材料)の仕入れから、調理(施工)、盛り付け(仕上げ)まで、全てのプロセスに責任を持ち、お客様に最高の料理(住まい)を提供するのです。

この「一貫体制」は、コミュニケーションのロスが少なく、スピーディーな意思決定が可能であり、また、コストコントロールもしやすい、というメリットがあります。

 

 

1-3. 【図解】3つの依頼先の比較:「お金の流れ」と「責任の所在」はどう違う?

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所は「設計監理料」と「工事費」が別々に発生し、責任の所在も「設計」と「施工」に分かれます。工務店(設計施工)は、これらが一体となっており、窓口も責任も一本化されています。ハウスメーカーは、ブランド力による安心感がありますが、その分、コストは高くなる傾向があります。

それでは、設計事務所、工務店(設計施工)、ハウスメーカーの3者を、「お金の流れ」と「責任の所在」という観点から、比較してみましょう。

 

【比較表】3つの依頼先の特徴

 

依頼先 設計事務所(建築家) 工務店(設計施工) ハウスメーカー
主な役割 設計・監理 設計・施工(一貫) 商品開発・販売・施工管理
施工者 別の工務店 自社(または専属チーム) 下請け工務店
契約形態 設計監理契約 + 工事請負契約 工事請負契約(設計含む) 工事請負契約(設計含む)
お金の流れ

設計事務所へ「設計監理料」

 

工務店へ「工事費」

工務店へ「工事費」(設計料含む) ハウスメーカーへ「工事費」(設計料・広告費等含む)
設計料の目安 工事費の10〜15%程度 工事費に含まれる(または別途定額) 工事費に含まれる(比較的高額)
責任の所在

設計ミス → 設計事務所

 

施工ミス → 工務店

設計・施工ともに工務店 設計・施工ともにハウスメーカー
メリット デザイン性、第三者監理 コスト、スピード、柔軟性 ブランド力、安心感、保証
デメリット コスト高、責任の所在が曖昧 デザインの幅(会社による) コスト高、自由度が低い

 

【図解:お金と責任の流れ】
【図解:お金と責任の流れ】

 

1. 設計事務所の場合                                                  図解のように、あなたは設計事務所と「設計監理契約」を結び、工務店と「工事請負契約」を結びます。つまり、契約が二つになります。 お金も、設計事務所には「設計監理料」を、工務店には「工事費」を、それぞれ別々に支払います。 責任の所在も、設計に関する責任は設計事務所が、施工に関する責任は工務店が負います。 この仕組みは、設計と施工を分離することで、相互のチェック機能を働かせ、品質を高めるというメリットがありますが、一方で、契約手続きが煩雑になったり、万が一のトラブル時に責任の所在が曖昧になりやすかったりするデメリットもあります。

 

2. 工務店(設計施工)の場合                                              あなたは、工務店と「工事請負契約」を一つだけ結びます。この契約の中に、設計も施工も含まれています。 お金も、工務店に「工事費(設計料込み)」を支払うだけです。 責任の所在も、設計・施工ともに、工務店が一手に引き受けます。 窓口が一本化されているため、分かりやすく、スピーディーに家づくりを進めることができます。

 

3. ハウスメーカーの場合                                                あなたは、ハウスメーカーと「工事請負契約」を結びます。 しかし、実際の工事は、ハウスメーカーから依頼を受けた「下請け工務店」が行います。 あなたが支払う「工事費」には、実際の工事にかかる費用だけでなく、ハウスメーカーの莫大な広告宣伝費や、展示場の維持費、営業マンの人件費などが上乗せされています。そのため、他の二者に比べて、割高になる傾向があります。 その分、ブランド力による安心感や、充実した保証制度などを享受することができます。

 

このように、依頼先によって、その仕組みは大きく異なります。 「デザイン性」を最優先するなら設計事務所、「コストと品質のバランス」を重視するなら工務店(設計施工)、「ブランド力と安心感」を求めるならハウスメーカー。 それぞれの特徴を理解した上で、あなたの価値観に合ったパートナーを選ぶことが、家づくりを成功させるための第一歩となります。

次の章では、設計事務所に依頼するメリットについて、さらに詳しく解説していきます。

第2章:【メリット】設計事務所に頼む3つの大きな利点

 

章の概要:

結論として、設計事務所のメリットは、①オンリーワンのデザイン提案力、②施工者に対する第三者監理、③しがらみのない自由な素材選定にあります。 「雑誌に出てくるような、おしゃれな家に住みたい!」そんな夢を叶えるために、設計事務所は非常に魅力的な選択肢です。彼らは、ハウスメーカーや工務店とは異なるアプローチで、あなたの家づくりをサポートします。この章では、設計事務所ならではの3つの大きなメリットについて、具体的に解説します。

 


 

2-1. メリット①:圧倒的なデザインと提案力

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所は、あなたの要望やライフスタイル、敷地の特性を深く読み解き、既成概念にとらわれない、世界に一つだけの「オンリーワンのデザイン」を提案してくれます。

 

設計事務所(建築家)の最大の強みは、何と言ってもその「デザイン力」と「提案力」にあります。 ハウスメーカーの家づくりは、あらかじめ用意された規格やプランをベースに、オプションを追加したり、間取りを微調整したりする「セミオーダー」が基本です。ある程度の自由度はありますが、根本的なデザインや構造を変えることは難しく、どこか似たり寄ったりの家になりがちです。

これに対して、設計事務所の家づくりは、白紙の状態からスタートする「フルオーダー」です。 彼らは、まず、あなたの要望やライフスタイル、家族構成、趣味、将来の夢などを、時間をかけてじっくりとヒアリングします。 「朝食は、家族揃って明るいダイニングで食べたい」 「休日は、趣味の自転車をいじれる土間が欲しい」 「将来は、両親と同居するかもしれない」 といった、具体的な要望はもちろん、 「木の温もりが感じられる、落ち着いた空間が好き」 「シンプルで、無駄のないデザインにしたい」 といった、抽象的なイメージまで、丁寧に汲み取ります。

そして、敷地の形状や方位、周辺環境(隣家の窓の位置、道路の交通量、風の通り道など)を徹底的に調査・分析し、それらの条件を最大限に活かすプランを練り上げます。 例えば、 「北側の窓から、安定した柔らかな光を取り入れる」 「中庭を設けて、プライバシーを守りながら、開放感を得る」 「スキップフロアで、空間に変化と広がりを持たせる」 といった、ハウスメーカーでは思いつかないような、独創的で、かつ、理にかなったアイデアを提案してくれるのです。

彼らのデザインは、単に「おしゃれ」なだけではありません。 あなたの生活動線や、家事のしやすさ、収納計画、そして、光や風の取り入れ方まで、綿密に計算されています。 「ここに窓があると、風が抜けて気持ちいいな」 「ここに収納があると、片付けが楽だな」 と、住み始めてから気づくような、細やかな配慮が、随所に散りばめられているのです。

また、彼らは、空間のプロポーション(比率)や、素材の質感、光の陰影といった、目に見えない部分にも、徹底的にこだわります。 「天井の高さを、少し抑えて、落ち着きを出す」 「壁と天井の境目を、すっきりと見せる(納まり)」 「自然素材を使って、経年変化を楽しむ」 といった、プロならではの視点で、空間の質を高めてくれるのです。

このように、設計事務所は、あなたの要望を、単に形にするだけでなく、建築家としての感性と技術で、期待以上の空間へと昇華させてくれます。 「自分だけの、特別な家に住みたい」 「デザインには、絶対に妥協したくない」 そんな強いこだわりを持つ方にとって、設計事務所は、最高のパートナーとなるでしょう。

 

 

2-2. メリット②:第三者による「監理」

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所は、設計者としての立場から、工事が設計図書通りに適正に行われているかをチェックする「監理」を行います。これにより、手抜き工事や施工ミスを防ぎ、高品質な住まいを実現することができます。

 

第1章でも触れましたが、設計事務所のもう一つの重要な役割が「監理(かんり)」です。 これは、ハウスメーカーや工務店(設計施工)にはない、設計事務所ならではの機能であり、大きなメリットと言えます。

一般的に、家づくりにおいて、お施主様(あなた)は、建築の素人です。 現場で、職人さんがどんな作業をしているのか、それが正しいのか間違っているのか、判断することは難しいでしょう。 「鉄筋の太さは、これで合っているの?」 「断熱材は、隙間なく入っているの?」 「コンクリートの強度は、大丈夫なの?」 といった疑問を持ったとしても、それを現場監督や職人さんに直接聞くのは、勇気がいるものです。

そこで、あなたの強い味方となるのが、設計事務所の建築家です。 彼らは、あなたの代理人として、専門的な知識を持って、工事の現場をチェックします。 具体的には、

  • 設計図書との照合: 工事が、設計図書(図面や仕様書)通りに行われているかを確認します。

  • 施工状況の確認: 鉄筋の配筋検査、コンクリートの受入検査、断熱材の施工状況の確認など、工事の節目節目で、現場に立ち会い、品質をチェックします。

  • 是正指示: もし、図面と異なる施工や、品質に問題がある施工を発見した場合は、施工者(工務店)に対して、是正(やり直し)を指示します。

  • お施主様への報告: 工事の進捗状況や、監理の結果を、定期的にお施主様に報告します。

 

この「監理」という機能が働くことで、施工者は、常に第三者の目を意識しながら、緊張感を持って工事に取り組むことになります。その結果、手抜き工事や施工ミスが未然に防がれ、設計の意図が正しく反映された、高品質な住まいが実現するのです。

特に、構造や断熱といった、完成してからは見えなくなってしまう部分のチェックは重要です。 設計事務所の建築家は、これらの部分についても、専門的な知識を持って、厳しくチェックしてくれます。

また、工事中に、現場の状況に合わせて、設計変更が必要になることもあります。 そのような場合でも、設計事務所の建築家が、お施主様と施工者の間に入って、調整役を務めてくれます。 「ここは、こうした方が、もっと良くなるのではないか」 「ここは、コストを抑えるために、少し仕様を変更しよう」 といった提案を、専門家の立場から行ってくれるので、安心して家づくりを進めることができます。

このように、「第三者による監理」は、家づくりの品質を担保し、お施主様の安心感を高める上で、非常に大きな役割を果たします。これは、設計と施工が一体となったハウスメーカーや工務店にはない、設計事務所ならではの強みと言えるでしょう。

 

 

2-3. メリット③:自由な素材と設備の選定

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所は、特定のメーカーや建材屋とのしがらみがないため、世界中のあらゆる素材や設備の中から、あなたの予算や要望に合ったベストなものを、自由に選び出すことができます。

 

ハウスメーカーや、多くの工務店は、特定の建材メーカーや設備メーカーと提携していることが一般的です。 彼らは、標準仕様として、特定のメーカーの商品を採用することで、大量仕入れによるコストダウンを実現しています。 そのため、お施主様が選べる素材や設備は、ある程度、限定されてしまいます。 「キッチンの水栓は、海外の、このデザインのものがいい」 「床材は、この、希少な無垢材を使いたい」 といった要望があっても、「うちでは取り扱っていません」「オプション料金が高くなります」と、断られてしまうこともあるでしょう。

これに対して、設計事務所は、特定のメーカーや建材屋との「しがらみ」がありません。 彼らは、独立した立場にあるため、世界中のあらゆる素材や設備の中から、あなたの予算や要望、そして、その家のデザインに合った、ベストなものを、自由に選び出すことができます。

 

例えば、

  • 自然素材: 無垢の床材、漆喰や珪藻土の壁、和紙の障子など、質感や経年変化を楽しめる自然素材を、積極的に提案してくれます。

  • 海外製品: デザイン性の高い、海外製のキッチン、水栓、照明器具、家具などを、独自のルートで調達してくれることもあります。

  • オーダーメイド: 既製品に、気に入ったものがなければ、キッチン、洗面台、家具、建具などを、オリジナルでデザインし、家具職人や建具職人に製作を依頼することもできます。

 

彼らは、常に、新しい素材や情報にアンテナを張っており、あなたの知らない、魅力的な素材や設備を、たくさん知っています。 「こんな素材があったんだ!」 「こんな使い方ができるんだ!」 と、驚くような提案をしてくれることも、少なくありません。

また、彼らは、コスト調整のプロでもあります。 「ここは、こだわって、良い素材を使おう」 「ここは、少しグレードを落として、コストを抑えよう」 といった、メリハリのある予算配分を提案してくれます。 限られた予算の中で、最大限の効果を引き出すために、知恵を絞ってくれるのです。

このように、設計事務所に依頼すれば、素材や設備選びの自由度が、飛躍的に高まります。 「自分だけの、こだわりの空間をつくりたい」 「素材の質感や、ディテールまで、妥協したくない」 そんな方にとって、設計事務所は、頼りになるパートナーとなるでしょう。

次の章では、設計事務所に依頼する場合のデメリットや注意点について、解説していきます。

第3章:【デメリットと注意点】「理想」の裏にある「現実」

 

章の概要:

結論として、自由な設計の代償として、①設計監理料という追加コスト、②工事費のコントロールの難しさ、③責任の所在が曖昧になるリスク、という3つの現実的な課題があります。特に木造リノベーションの場合、構造や温熱環境に関する専門知識の不足が致命的な欠陥につながる可能性があるため、慎重な事務所選びが不可欠です。

 


 

 

3-1. デメリット①:別途必要な「設計監理料」

 

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所に依頼する場合、工事費とは別に「設計監理料(工事費の10〜15%程度)」が発生します。これはデザイン料ではなく、あなたの代理人としての「技術的対価」です。特に性能向上リノベーションでは、構造計算や温熱計算といった高度な技術検討が含まれているかを、契約前に必ず確認する必要があります。

 

設計事務所に依頼する上で、まず最初に理解しておくべき「現実」が、お金の話です。

ハウスメーカーや工務店(設計施工)に依頼する場合、提示される見積もり金額(工事費)の中に、設計料も含まれているのが一般的です。 しかし、第1章で図解した通り、設計事務所に依頼する場合は、「工事費」とは別に、「設計監理料」を設計事務所に支払う必要があります。

この設計監理料は、工事費の10〜15%程度が相場と言われています。

例えば、工事費が2,000万円のリノベーションであれば、設計監理料は200万円〜300万円程度になります。

工事費が3,000万円であれば、300万円〜450万円程度です。 これは、決して安い金額ではありません。予算計画を立てる上で、この費用を最初から見込んでおかないと、後で資金計画が狂ってしまうことになりかねません。

では、この数百万円という費用は、何に対する対価なのでしょうか?

多くの方が、「おしゃれなデザインをしてもらうための費用(デザイン料)」と捉えがちです。確かに、それも含まれています。

しかし、設計事務所の仕事は、単に「絵を描くこと」ではありません。 第2章で解説した通り、あなたの要望を形にするための「詳細な設計図書の作成」と、工事が図面通りに行われているかをチェックする「現場監理」が、彼らの主な業務です。 これらの業務には、膨大な時間と、専門的な知識・技術が必要です。

 

【ここでの注意点】

特に、私たちが専門とする「性能向上リノベーション」においては、この設計監理料の意味合いが、さらに重要になります。 なぜなら、耐震性や断熱性といった「家の性能」は、意匠デザイン(見た目)以上に、高度な専門知識と技術計算を必要とするからです。

あなたが支払う設計監理料には、以下の技術的検討が含まれているでしょうか?

  • 構造計算: 既存の建物の耐震性を診断し、必要な補強計画を立てるための詳細な計算(木造の場合は、壁量計算だけでなく、許容応力度計算など)が行われるか?

  • 温熱環境設計(断熱・気密・換気): 目標とする断熱性能(Ua値)や気密性能(C値)を実現するための、断熱材の種類・厚み、施工方法、換気計画などが、根拠に基づいて設計されるか?

  • 結露リスクの検討: 壁内結露を防ぐための防湿計画が、シミュレーションなどを用いて検討されるか?

 

もし、これらの技術的検討が含まれておらず、単に「見た目をきれいにする」だけの設計料であれば、それは「高すぎる」と言わざるをえません。 逆に、これらの高度な技術検討がしっかりと行われ、安全で快適な住まいが実現するのであれば、それは「必要な投資」と言えるでしょう。

 

契約前に、設計事務所に対して、「設計監理料には、どのような技術的検討が含まれていますか?」と、具体的に確認することをお勧めします。 「構造計算は別途費用がかかります」「温熱計算は行っていません」といった回答であれば、その事務所は、性能向上リノベーションのパートナーとして、適切ではない可能性があります。

安易な「デザイン料」として捉えるのではなく、あなたの命と財産を守るための「技術的対価」として、その中身をしっかりと見極めることが重要です。

 

 

 

3-2. デメリット②:工事費(見積もり)が膨らみやすい

 

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計事務所の設計はオーダーメイドであるため、こだわりを積み上げると工事費が予算オーバーになりがちです。特に木造リノベーションでは、解体後の「予期せぬ補修費用」が発生するリスクが高いため、経験豊富な事務所を選び、設計段階から厳密な予算管理とリスクヘッジ(予備費の計上など)を行う必要があります。

 

設計事務所の家づくりは、白紙の状態からスタートする「フルオーダー」です。 これは、最大のメリットである反面、コストコントロールを難しくする要因でもあります。 既製品の組み合わせではなく、一つひとつをゼロからデザインし、素材を選び、造作していくため、どうしても手間とコストがかかります。

打ち合わせが進むにつれて、 「やっぱり、床は無垢材がいい」 「キッチンは、オーダーメイドにしたい」 「お風呂は、タイル張りにしたい」 といった「こだわり」が、次々と出てくるものです。 建築家は、あなたの夢を叶えるのが仕事ですから、そうした要望を積極的にプランに取り入れていきます。 その結果、気がつけば、当初の予算を大幅にオーバーしてしまう…というのは、設計事務所との家づくりで、最もよくある失敗パターンの一つです。

また、設計事務所の場合、設計が完了した段階で、複数の工務店に見積もりを依頼する(入札)ことが一般的です。

この時、各工務店から出てくる見積もり金額には、かなりのばらつきが出ることがあります。 同じ図面で見積もりをしているにもかかわらず、工務店によって、得意な工事、取引先との関係(仕入れ値)、職人の手間賃、会社の経費などが異なるためです。 一番安い工務店に依頼すればコストは抑えられますが、安かろう悪かろうでは困ります。 見積もりの内容を精査し、適切な工務店を選定するのも、設計事務所の重要な役割ですが、最終的な工事費がいくらになるのか、フタを開けてみるまで分からない、という不安がつきまといます。

 

【ここでの注意点】

特に、木造リノベーションの場合、このコストコントロールは、新築以上に難しくなります。 なぜなら、既存の建物は、解体してみないと、その本当の状態が分からないからです。 壁を剥がしてみたら、柱がシロアリに食われていた、土台が腐っていた、雨漏りの跡があった…といった「予期せぬ事態」が、高確率で発生します。 これらの補修費用は、当初の見積もりには含まれていません。 工事が始まってから、数十万円、時には数百万円単位の追加費用が発生し、資金計画が破綻してしまう、というケースも少なくありません。

このようなリスクを避けるためには、経験豊富な設計事務所を選ぶことが重要です。 リノベーションの経験が豊富な建築家であれば、 「この築年数で、この立地なら、シロアリ被害のリスクが高い」 「この構造なら、耐震補強にこれくらいの費用がかかるだろう」 といったことを、ある程度予測することができます。 そして、設計段階から、これらのリスクを見越して、予算に「予備費」を計上したり、解体後に、現場の状況を確認した上で、再見積もりを行うプロセスを契約に盛り込んだりするはずです。

 

「開けてみないと分からないから、とりあえずやってみましょう」という、行き当たりばったりの姿勢の設計事務所には、注意が必要です。 あなたの予算を守るために、どのようなリスクヘッジを考えているのか、契約前にしっかりと確認しましょう。 また、あなた自身も、「予算オーバーは当たり前」くらいの気持ちで、資金計画に余裕を持たせておくことが大切です。

 

 

 

3-3. デメリット③:トラブル時の「責任の所在」

 

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計と施工が分離しているため、トラブル時に責任の所在が曖昧になるリスクがあります。

特に木造リノベーションは、RC造とは異なる専門知識が不可欠です。RC造を主戦場としてきた設計者が、安易に木造リノベーションに参入する場合、知識不足が致命的な欠陥を招く恐れがあります。

事務所選びの際は、木造リノベーションの実績と、構造・温熱に関する具体的な技術的知見(Iw値、C値など)を必ず確認しましょう。

 

設計事務所(設計・監理)と、工務店(施工)が、別の会社であること。

これは、第2章で解説した「第三者監理」というメリットを生む一方で、万が一のトラブル時には、「責任の所在」が曖昧になるというデメリットも生み出します。

例えば、完成後に「雨漏り」が発生したとします。 原因を調査した結果、 「設計図の、防水の納まり(おさまり)が、不適切だった」 という可能性もあれば、 「設計図は正しかったが、現場の職人が、施工手順を間違えた」 という可能性もあります。

前者の場合は「設計ミス」であり、設計事務所の責任です。後者の場合は「施工ミス」であり、工務店の責任です。

しかし、現実には、原因がどちらにあるのか、明確に切り分けられないケースも多々あります。

「図面が分かりにくかったから、職人が勘違いしたんだ」 「いや、職人の腕が悪かったから、図面通りにできなかったんだ」 といった、責任のなすり合い(言った言わないのトラブル)に発展し、解決が長引いてしまうことも、少なくありません。

お施主様であるあなたからすれば、 「こっちは、高いお金を払って依頼したんだから、どっちの責任でもいいから、早く直してよ!」 と言いたくなるでしょう。 しかし、契約が二つに分かれている以上、それぞれの契約に基づいて、責任を追及していかなければなりません。 これは、精神的にも、時間的にも、大きな負担となります。

 

【ここでの注意点】

特に、私たちが専門とする「木造リノベーション」においては、この責任問題が、より深刻な形で現れる可能性があります。 なぜなら、木造住宅は、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨造とは異なる、独特の「構造特性」や「劣化メカニズム」を持っているからです。

近年、リノベーションブームに乗って、これまで新築のRC造マンションやビルなどを主戦場としてきた設計事務所が、木造戸建てのリノベーションに参入するケースが増えています。

彼らは、意匠デザイン(見た目)に関しては、非常に優れたセンスを持っています。 しかし、残念ながら、「木造」という素材に対する理解や、「既存住宅」に対する経験が不足しているケースが、散見されます。

例えば、 「デザインのために、構造上重要な柱や壁を、安易に撤去してしまう」 「木の特性(収縮や変形)を考慮せず、RC造と同じ感覚で、仕上げ材を施工してしまう」 「断熱材をただ厚くするだけで、気密や防湿の重要性を理解していないため、壁内結露を引き起こしてしまう」 といった、致命的なミスが、実際に起こっているのです。

これらのミスは、住み始めてから数年後に、 「家が傾いてきた」 「壁の中が、カビだらけになっていた」 といった、取り返しのつかない被害として、顕在化します。 その時になって、設計事務所と工務店が責任をなすり合っていたら、目も当てられません。

木造リノベーションを設計事務所に依頼する場合は、その事務所が、

 

  • 木造リノベーションの実績が豊富にあるか?

  • 木造固有の「構造計算(耐震診断)」に関する知見があるか?(例:耐震指標「Iw値」に基づいた評価を行っているか?)

  • 木造の「温熱環境設計(断熱・気密・防湿)」に関する知見があるか?(例:気密性能「C値」の測定を行っているか?結露リスクの検討を行っているか?)

 

といった点を、必ず確認しましょう。 おしゃれな施工事例の写真だけでなく、その裏にある「技術的な裏付け」を、しっかりと見極めることが重要です。 あなたの命と財産を預けるパートナーとして、その事務所が本当に信頼に足るかどうか、慎重に判断してください。

次の章では、これらのデメリットを克服し、デザインと性能を両立させるための「第三の選択肢」について、解説していきます。

 

第4章:【第三の選択】なぜ、性能向上リノベは「設計施工」が強いのか?

 

章の概要:

結論として、耐震や断熱といった高度な技術を要する性能向上リノベーションにおいては、設計と施工が一体となった「設計施工(専門工務店)」が、品質確保とコスト管理の面で最も合理的です。

これまで、設計事務所のメリット・デメリットを見てきました。

「デザインは魅力的だけど、コストや責任の面で不安がある…」そう感じた方も多いのではないでしょうか。

特に、私たちが専門とする「性能向上リノベーション」においては、その不安が現実のものとなりやすい、構造的な課題があります。

この章では、その課題を解決し、デザインと性能、そしてコストのバランスを最適化する「第三の選択肢」=「設計施工」について、その強みを解説します。

 


 

4-1. 「現場を知らない設計図」の危うさ

 

 

ここでのポイント:

結論として、リノベーション、特に木造の既存住宅は、解体してみないと本当の姿が分かりません。机上の空論で描かれた「現場を知らない設計図」は、現場で予期せぬ問題を引き起こし、品質低下やコスト増大の温床となります。

新築とリノベーションの決定的な違い。それは、「既存の建物」があるかどうかです。 新築は、何もない更地に、ゼロから図面通りに建てていきます。ですから、設計図は絶対的な「正解」であり、現場はその通りに施工することが求められます。

しかし、リノベーションは違います。

そこには、築何十年という時を経た、既存の建物があります。 その建物は、新築時の図面通りに建てられているとは限りません。 長年の雨風や地震によって、歪みや劣化が生じているかもしれません。 過去に、適切なリフォームが行われているかどうかも分かりません。

特に、木造住宅の場合、その「本当の姿」は、壁や床を剥がし、解体してみないと、誰にも分からないのです。

「柱が、図面の位置と微妙にずれていた」

「土台が、シロアリに食われてボロボロだった」

「断熱材が、全く入っていなかった」

「雨漏りの跡があり、構造材が腐っていた」 …これらは、私たちがリノベーションの現場で、日常的に遭遇する「現実」です。

 

もし、設計者が、この「現場の現実」を知らずに、机の上だけで図面を描いていたら、どうなるでしょうか?

きれいなパース(完成予想図)や、緻密な設計図ができたとしても、いざ工事が始まると、

「図面通りに納まらない!」

「このままでは、耐震補強ができない!」

「想定外の補修費用が、かさむ!」 といった問題が、次々と発生します。

その度に、工事はストップし、設計変更の協議が行われ、追加費用が発生します。

最悪の場合、予算や工期の都合で、必要な補修や補強が見送られ、見た目だけがきれいな「張りぼて」のような家になってしまうリスクさえあります。

「現場を知らない設計図」は、リノベーションにおいて、百害あって一利なしです。 特に、耐震性や断熱性といった、目に見えない「性能」を向上させるためには、既存の建物の状態を正確に把握し、それに合わせた適切な設計と施工が不可欠です。

それができない設計体制では、真の性能向上リノベーションは実現できないのです。

 

 

4-2. 設計施工の強み①:リアルタイムなフィードバック

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計施工(工務店)は、設計者と施工者が同じチームであるため、解体後の現場状況に合わせて、設計(計算)と施工(納まり)を柔軟かつスピーディーに調整できます。この「リアルタイムなフィードバック」こそが、予期せぬ問題がつきもののリノベーションを成功させる鍵です。

 

では、私たち『増改築.com®』のような「設計施工」の工務店は、このリノベーション特有の課題に、どう向き合っているのでしょうか? 最大の強みは、「設計チーム」と「施工チーム」が、社内で一体となっていることです。

私たちの家づくりは、まず、設計担当者と施工担当者(現場監督や職人)が、チームを組むところから始まります。 設計段階から、施工担当者が打ち合わせに参加し、 「この既存の状態なら、この工法がベストだ」 「この納まりは難しいから、こう変更した方がいい」 といった、現場視点からの意見を、図面に反映させていきます。

そして、いざ工事が始まり、解体が進むと、想定外の「現実」が顔を出します。 ここからが、設計施工の真骨頂です。 現場監督は、直ちに状況を把握し、設計担当者に報告します。 設計担当者は、現場に駆けつけ(あるいは、オンラインでリアルタイムに状況を共有し)、その場で対策を協議します。

 

例えば、耐震補強を予定していた壁の中から、腐った柱が出てきたとしましょう。 設計事務所と工務店が別々の場合、

  1. 工務店が工事をストップし、設計事務所に報告。

  2. 設計事務所が現場を確認し、持ち帰って対策を検討。

  3. 設計変更図を作成し、工務店に提示。

  4. 工務店が、追加費用の見積もりを作成し、お施主様に提示。

  5. お施主様の承認を得て、ようやく工事再開。 …という、長いプロセスが必要になります。その間、現場は止まり、工期は遅れ、お施主様の不安は募ります。

 

しかし、設計施工なら、

  1. 現場監督と設計担当者が、その場で協議。

  2. 「柱を入れ替え、補強金物を追加する」という方針を決定。

  3. 設計担当者は、直ちに構造計算をやり直し、安全性を確認。

  4. 現場監督は、必要な材料を手配し、職人に指示。

  5. お施主様に状況と対策を報告し、工事を続行。 …という、スピーディーな対応が可能です。

 

この「リアルタイムなフィードバック」のループが、工事期間中、常に回り続けています。 設計(理論)と施工(現実)が、乖離することなく、常に同期している状態。

これこそが、予期せぬ事態が連続するリノベーションの現場を、高品質かつスムーズに進めるための、唯一の解であると私たちは考えています。

特に、耐震や断熱といった「性能」は、少しの施工ミスや、現場判断の誤りが、命取りになります。

「計算通りの金物が、正しく取り付けられているか」

「断熱材が、隙間なく、連続して施工されているか」

「気密シートの継ぎ目は、完璧に処理されているか」

これらを、設計者の意図を深く理解した施工者が、責任を持って実行する。

そして、何かあれば、すぐに設計者が飛んできて、確認・修正する。 この、緊密な連携があって初めて、絵に描いた餅ではない、「本物の高性能住宅」が実現するのです。

 

 

4-3. 設計施工の強み②:コストと品質のバランス

 

 

ここでのポイント:

結論として、設計施工の工務店は、職人の手間や材料費の相場を熟知しているため、「予算内で最高のパフォーマンスを出す」ための現実的な提案が可能です。デザイン、性能、コストのバランスを最適化し、お客様の満足度を最大化します。

 

設計施工のもう一つの大きな強みは、「コストと品質のバランス」に優れた提案ができる点です。

設計事務所の建築家は、デザインのプロですが、必ずしもコストのプロではありません。

「このデザインを実現するには、どれくらいの手間(人件費)がかかるのか」

「この材料は、今、いくらで仕入れられるのか」

「もっと安くて、同じような効果が出せる代替品はないか」

といった、現場のリアルなコスト感覚が、どうしても希薄になりがちです。

その結果、素晴らしい設計図ができたものの、見積もりを取ってみたら予算を大幅にオーバーしてしまい、泣く泣くデザインを諦めたり、仕様を落としたりする…という悲劇が起こります。

 

一方、設計施工の工務店は、日々、現場で職人と向き合い、材料を仕入れています。

「この納まりなら、大工さんの手間がこれくらい省ける」

「このメーカーのサッシなら、性能は同じで、コストを抑えられる」

「ここは既製品を上手く使って、浮いた予算を、こだわりの無垢床に回そう」

といった、具体的なコストダウンのノウハウを、豊富に持っています。

 

私たちは、設計の初期段階から、常に「予算」を意識しながら、プランを練り上げていきます。

「お客様の予算内で、最大限のデザインと性能を実現するには、どうすればいいか?」

この難問に、設計チームと施工チームが、それぞれの知恵を出し合って挑みます。

決して、「安かろう悪かろう」ではありません。

無駄なコスト(例えば、設計者の自己満足のための過剰なデザインや、施工の手間ばかりかかる複雑な納まりなど)を省き、その分を、お客様が本当に価値を感じる部分(例えば、耐震性や断熱性、肌触りの良い自然素材など)に投資する。 いわば、「賢いお金の使い方」を提案するのです。

また、設計施工は、設計監理料が工事費に含まれている(あるいは、別途であっても割安な)ことが一般的です。

設計事務所に依頼する場合の「工事費の10〜15%」という費用を、そのまま、家のグレードアップや、性能向上のための費用に回すことができるのです。

これは、限られた予算の中でリノベーションを行うお客様にとって、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

「デザインも諦めたくない。でも、性能も大切だし、予算も守りたい。」

そんな、わがままとも言える要望を、現実的なカタチで叶えることができるのが、「設計施工」という選択肢なのです。

私たちは、建築家の「デザイン力」と、職人の「現場力」を兼ね備えた、リノベーションのプロ集団です。 あなたの「理想の家」を、絵空事ではなく、確かな技術と、適正な価格で、現実のものとします。

次の終章では、これまで見てきた、設計事務所、工務店、ハウスメーカーの違いを踏まえ、あなたが「運命のパートナー」を選ぶための、最終的な指針をお示しします。

 

終章:デザインも、性能も、予算も。全てを諦めないためのパートナー選び

 

章の概要:

結論として、大切なのは「誰とつくるか」です。私たちは、建築家のデザイン力と、職人の現場力を兼ね備えた、あなたのための「専属チーム」です。

ここまで、設計事務所、工務店、ハウスメーカーという3つの依頼先について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを見てきました。情報が多く、混乱してしまったかもしれません。

最後に、あなたが「運命のパートナー」を選び、後悔のない家づくりを実現するための、シンプルな指針をお伝えします。

 


 

終章.1 あなたの優先順位を見極めよう

 

 

ここでのポイント:

結論として、家づくりに「絶対の正解」はありません。大切なのは、あなたが「何に最も価値を感じるか」という優先順位を明確にし、その価値観に合ったパートナーを選ぶことです。

 

 

家づくりは、人生で最も大きな買い物であり、一大プロジェクトです。

「デザインも、性能も、予算も、全て完璧にしたい!」 そう思うのは当然のことです。

しかし、現実には、予算や時間、敷地条件など、様々な制約があります。 その中で、あなたが最も大切にしたいことは何でしょうか?

 

  • 「とにかく、雑誌に出てくるような、おしゃれで個性的な家に住みたい!」 → デザインが最優先なら、設計事務所(建築家)がベストな選択肢かもしれません。コストや手間はかかりますが、唯一無二の空間が手に入ります。

  • 「ブランドの安心感と、充実した保証が何よりも大切!」 → 安心感が最優先なら、ハウスメーカーが良いでしょう。費用は高くなりますが、倒産リスクが低く、アフターサービスも体系化されています。

  • 「デザインも性能も諦めたくない。でも、予算内で賢く建てたい!」 → バランスを重視するなら、私たちのような設計施工の工務店が、最も現実的な選択肢です。建築家のデザイン力と、職人の技術力、そしてコスト管理能力を、バランスよく享受できます。

 

正解は一つではありません。あなたの心の声に耳を傾け、優先順位を見極めること。それが、パートナー選びの第一歩です。

 

 

終章.2 増改築.com®が目指す「設計」と「施工」の理想的な融合

 

 

ここでのポイント:

結論として、私たちは「建築家のデザイン力」と「職人の技術力」を高い次元で融合させた、新しい時代の工務店です。特に、高度な技術を要する性能向上リノベーションにおいて、設計と施工が一体となった私たちの体制は、最強のソリューションとなります。

 

私たち『増改築.com®』は、単なる「町の工務店」ではありません。

目指しているのは、設計事務所のデザイン力・提案力と、地域密着工務店の技術力・コストパフォーマンスを、高い次元で融合させることです。

社内には、デザインセンスと専門知識を兼ね備えた設計士がいます。彼らは、あなたの要望を丁寧にヒアリングし、耐震性や断熱性といった「性能」を科学的に計算しながら、美しく、快適な空間をデザインします。 そして、その図面をカタチにするのは、経験豊富な自社(専属)の職人たちです。彼らは、設計者の意図を深く理解し、現場の状況に合わせて、確かな技術で施工します。

設計と施工が、同じチームとして、同じ目標に向かって進む。 この「ワンストップ体制」こそが、

  • 「デザインと性能の両立」

  • 「高品質な施工」

  • 「適正な価格」

  • 「スムーズな進行」

  • 「責任の明確化」 を可能にする、私たちの最大の強みです。

 

特に、既存の建物を扱うリノベーション、中でも「性能向上リノベーション」においては、この体制が不可欠です。

「開けてみないと分からない」現場の現実に、設計と施工がリアルタイムで連携し、柔軟に対応していく。

それができて初めて、絵に描いた餅ではない、本物の「安心」と「快適」が手に入るのです。

私たちは、あなたの代理人(設計事務所)であり、同時に、あなたの家を造る職人(工務店)でもあります。 あなたの夢を、私たちという「専属チーム」に、託してみませんか?

 

 

終章.3 まずは、あなたの「夢」と「不安」をお聞かせください

 

 

ここでのポイント:

結論として、家づくりの第一歩は、信頼できるプロに相談することです。私たちは、あなたの「夢」を共有し、「不安」を解消するための、無料相談会や勉強会を随時開催しています。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

「設計施工の良さは分かったけど、実際にどんな家ができるの?」

「うちの古い家でも、本当に性能向上できるの?」

「予算内で、どこまで要望が叶うの?」

まだまだ、分からないことや、不安なことがたくさんあると思います。 当然です。家づくりは、多くの人にとって初めての経験なのですから。

だからこそ、まずは私たちと「話す」ことから始めてみませんか? 私たちは、随時、無料の相談会や、リノベーション勉強会、完成見学会などを開催しています。

 

  • 無料相談会: あなたの「夢」や「悩み」を、プロの設計士が直接お伺いします。具体的なプランや見積もりの話でなくても構いません。「何から始めたらいいか分からない」という段階でも、丁寧のサポートします。

  • リノベーション勉強会: 「耐震」「断熱」「資金計画」など、家づくりの基礎知識を、分かりやすく解説します。失敗しないためのポイントが学べます。

  • 完成見学会: 私たちが実際に手がけた、リノベーション物件をご覧いただけます。写真だけでは伝わらない、空間の空気感や、素材の質感、性能の高さを、肌で感じてください。

 

これらのイベントは、全て無料です。しつこい営業は一切いたしません。 なぜなら、私たちは、お客様に「納得」して選んでいただくことこそが、最高の家づくりにつながると信じているからです。

あなたの「理想の家」への第一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。 お問い合わせを、心よりお待ちしております。

 

< この記事の著者情報 >

稲葉 高志

 

ハイウィル株式会社 四代目社長

1976年生まれ 東京都出身。

【経歴】

家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。

中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。

この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。  TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを大工職人として施工、管理者として管理

2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟営業、施工管理に従事

2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。

250棟の木造改修の営業、施工管理に従事

2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級6」への推進を目指し、 自身の通算500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン

フルリフォームをどこに相談すればいいか迷っている方は、木造戸建て専門会社の増改築.com®にご相談下さい。木構造を熟知する技術者が直接現場を担当致します。お問い合わせはこちらからどうぞ!

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お越しいただき、誠に有難うございます。
 
増改築.comメンバーは技術集団となり、
他社のような営業マンがおりません。
技術者が直接ご相談にのり問題解決を行います。
 
従いまして、
お客様の方である程度のご要望が整理されました段階、
お悩みが工事内容のどのようなところにあるのか?
ご予算がどの程度絞る必要があるのか?
など明確になった段階でのご相談をお願いしております。
お問合せ・ご相談はお電話・メールにて受け付けております。
メールの場合は以下のフォームに必要事項をご記入の上、
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代表稲葉高志

戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
一戸建て家のリフォームに関することを
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よくあるご質問
  • 他社に要望を伝えたところできないといわれたのですが・・・
  • 他社で予算オーバーとなってしまい要望が叶わないのですが・・・
  • サービスについて詳しく聞きたいのですが・・・

どのようなお悩みのご相談でも結構です。

あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。

営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。

設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。

2026年の大型補助金が確定したことで現在大変込み合っております。

耐震性能と断熱性能を向上させるフルリフォームには6か月~7か月の工期がかかります。

補助金獲得には年内に報告を挙げる必要があることから、お早目にご相談をお願いいたします。(6月着工までが目安

ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。

(5月までの着工枠が埋まりました)・・・2026/03/01更新

※すでにプランをお持ちのお施主様・設計資料をお持ちのお施主様は内容をフォームで送信後、フォーム下のメールアドレスに資料をお送りください。対応がスムーズです。

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(例:増改築太郎)

必須

(例:contact@high-will.co.jp)

(例:03-5615-2826)

必須

(例:東京都荒川区西日暮里2-35-1)

(例:築40年)

(例:25坪・100㎡など)

(例:2000万程度など)

  • ※再建築不可のリフォームでは金融機関が限られます。事前審査をお勧めいたします。

    (例:2024年3月くらいに完成希望など)

    必須

    できるだけ具体的にお知らせくださいませ。既存設計資料、リフォーム後のイメージ図等をお持ちであれば下記のメールアドレスより添付をお願いします。

    ※次の画面がでるまで、4~5秒かかりますので、
    続けて2回押さないようにお願いいたします。

    ※次の画面が出るまで、4〜5秒かかりますので、
    続けて2回押さないようにお願いいたします。

    図面や写真等を送信いただく場合、また入力がうまくいかない場合は、上記内容をご確認のうえ、下記メールアドレスまでご連絡ください。

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    4代目代表よりご挨拶

    稲葉高志

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