旧耐震基準の無筋基礎への対処

【基礎補強工事】抱き基礎(ツイン基礎)補強のポイント

抱き基礎(ツイン基礎)補強
抱き基礎(ツイン基礎)補強

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耐震改修のセオリー

戸建てフルリフォーム・リノベーション等の大規模なリフォームに際してはスケルトン化することが多く、本格的な性能向上リフォームが可能です。とはいえ既存の問題点をすべて解決し、「新築並み」にもっていくのは容易ではない。性能向上という意味では最も重要な耐震性、その中でも最も重要なのが基礎補強といっても過言ではありません。

絶対にやってはいけないのは基礎を無視した上部構造のみの耐震補強。旧耐震基準の無筋基礎の建物へ基礎補強を無視して、上部構造のみを耐震化する業者もありますが、これでは「耐震性能」は絵に描いた餅となってしまいます。

ここでは、旧耐震基準の無筋基礎の布基礎への抱き基礎補強のポイントを解説していきたいと思います。

抱き基礎補強(増し基礎補強)

無筋基礎への増し基礎補強

ケミカルアンカーの主剤。エポキシ樹脂系

無筋基礎への増し基礎補強

ケミカルアンカーの硬化剤

無筋基礎への増し基礎補強

既存の無筋基礎に目荒らし後に差し筋施工、その後ケミカルアンカーで一体化。

無筋基礎への増し基礎補強

配筋後の様子。
施工時期の異なる2棟が連なる「ウナギの寝床」
抱き基礎(増し基礎)により耐力壁と一体化する工法を採用

無筋基礎への増し基礎補強

増し基礎部分と軸組をつなぐ専用部材を使用。
ホールダウンアンカーの働きをする。抜け防止としてアラミド繊維を使用

無筋基礎への増し基礎補強

建物をコの字型に囲むように増し基礎をする。

無筋基礎への増し基礎補強
無筋基礎への増し基礎補強

基礎補強前の状態

無筋基礎への増し基礎補強
無筋基礎への増し基礎補強

コンクリートと一体化するように専用部材をせき板に固定

無筋基礎への増し基礎補強

両端の間口付近に増し基礎。土台・柱も新設。

無筋基礎への増し基礎補強

型枠施工後の様子。既存の土間床に水勾配が付いているため、せいの低い型枠部分が生じる。

無筋基礎への増し基礎補強

無筋基礎への増し基礎補強

型枠の段差。土間床に水勾配があるためで基礎底盤のレベルは同じ。

無筋基礎への増し基礎補強

打設直後のコンクリート

無筋基礎への増し基礎補強

猫車でコンクリートを運んで打設

無筋基礎への増し基礎補強

コンクリート打設。密集地なので小型の2tミキサー車が2回に分けて運搬。

無筋基礎への増し基礎補強

基準量を打設したら天端を均す。ここでは天端均しの段階で熟練工が応援に来た。

無筋基礎への増し基礎補強

打設後の様子

無筋基礎への増し基礎補強

打設した脇からバイブレータを掛けて充填性を高める。

無筋基礎への増し基礎補強

立ち上がり部分は幅が狭いため、打設しながらバイブレータを掛ける。

無筋基礎への増し基礎補強

間口部分の新規基礎の打設。ミキサー車から直接流し込む。

無筋基礎への増し基礎補強

コンクリートが回りにくい部位なので、頻繁にバイブレータを掛ける。

無筋基礎への増し基礎補強

ネコ車で不足分を微調整。

無筋基礎への増し基礎補強

間口部分のスラブの打設。生コン車から直接打設。

アンカーボルトの設置

無筋基礎への増し基礎補強

玄能で叩いて指定の高さまで押し込む。

無筋基礎への増し基礎補強

アンカーをある程度手で押し込んでいく。

無筋基礎への増し基礎補強

新規基礎部分に用いるアンカーボルト。力の掛かる部分には、定着長さを稼げる曲がり部分が大きなアンカーを使用。

無筋基礎への増し基礎補強

アンカーボルトを固定し終えた様子。

無筋基礎への増し基礎補強

巻き尺で高さを確認。

基礎と耐力壁の一体化

無筋基礎への増し基礎補強

土台敷後の様子。この上に柱を立てて耐力壁を設ける。

無筋基礎への増し基礎補強

脱型後の様子。

無筋基礎への増し基礎補強

鉄筋コンクリート基礎へは抱き基礎補強は行わずにホールダウンの代わりとなるアラミド繊維で既存基礎と耐力壁を緊結。

無筋基礎への増し基礎補強

構造用合板を設置

無筋基礎への増し基礎補強

上記の続きを別の現場で解説。外壁をカットして耐力壁を増強。

無筋基礎への増し基礎補強

既存でホールダウン金物が配置されていない鉄筋コンクリート基礎への対処

無筋基礎への増し基礎補強

基礎と耐力壁を一体化することで最大6.3倍の壁倍率が得られる。

無筋基礎への増し基礎補強

引き抜き対応の専用部材を柱脚金物で挟んで基礎と合板、柱を一体化。

無筋基礎からツイン基礎(抱き基礎)への補強

 

無筋基礎へ増し打ちをして基礎補強をするツイン基礎(抱え基礎)への補強方法について紹介していきます。 スケルトンリフォームでの解体時の布基礎の状態から

鋤取り→砕石の敷き詰め→転圧→防湿シートの敷き詰め(並行するように基礎底盤の配筋を行うこともある)→既存布基礎と鉄筋の緊結→コンクリートの打設までを流れを追って紹介します。

 

既存の布基礎

まずは布基礎のチェックから
基礎補修工事

既存の布基礎状態。補強前の段階です。建物によって布基礎の状態も違います。

目荒らしとあと施工アンカー

基礎補修工事

まず、既存の布基礎表面を目荒らししていきます。目荒らしをするの後に打設するコンクリートとの馴染みを良くするために行う工程となり目荒らし後に布基礎にハンマードリルで孔を空け、D13mmの鉄筋を200mmピッチで結合させます。 

配筋

基礎補修工事

補強計画図に基づき配筋をしていきます。

コンクリート打設

砕石をランマ―等をかけることで基礎面が地盤に均一に荷重がかかるようにします。

添え基礎(抱え基礎)完成

 無筋基礎への添え基礎補強が完成しました。

更新日:2020/10/29

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【耐震補強リフォーム工事完全ガイド】


 

第1部:【診断編】我が家の“カルテ”を読み解き、真実と向き合う

 

診断編の役割とコンセプト: 皆さんの漠然とした「家への耐震不安」に寄り添い、その正体を突き止めるための「診断」に特化したパートです。地震の歴史からご自宅の築年数が持つ意味を学び、耐震性の客観的な物差しを知り、そしてプロの診断技術の深淵に触れることで、読者の不安を「解決すべき具体的な課題」へと転換させます。すべての治療は、正確な診断から始まります。

記事(全6本):

➡️ なぜ今、あなたの家に「耐震」という対話が必要なのか

➡️ あなたの家が生まれた時代:旧耐震・81-00住宅・2000年基準、それぞれの「常識」と「弱点」

➡️ 我が家の体力測定:耐震性の“三位一体”「評点・偏心率・N値」とは何か

➡️ 耐震診断の全貌:費用・流れ・依頼先は?プロが教える診断結果の正しい読み解き方

➡️ 究極の診断法「スケルトンリフォーム」。なぜ私たちは壁を剥がし、家の“素顔”と向き合うのか

➡️ 壁の中に潜む時限爆弾:見えない木材の腐食とシロアリが、あなたの家の体力を奪っている


 

 

第2部:【治療編】築年数別の最適解。“三位一体”を取り戻す構造外科手術

 

治療編の役割とコンセプト: このガイドの技術的な核心です。第1部で明らかになった家の“カルテ”に基づき、それぞれの時代が抱える固有の病巣に対する、具体的な「治療計画=補強工事」を詳述します。旧耐震の宿命である基礎補強から、81-00住宅のバランス修正、そして現代住宅の損傷防止まで。プロが執刀する「構造外科手術」の全貌を、豊富な経験に基づいて解説します。

記事(全11本):

 

➡️ 【旧耐震の宿命】なぜ「基礎補強」なくして、評点1.5(強度)は絶対に不可能なのか

➡️ 【旧耐震の治療法】無筋基礎を蘇らせる「基礎補強工事」と、骨格を再構築する「壁量・金物」計画

➡️ 【81-00住宅の落とし穴】「新耐震なのに倒壊」の衝撃。過渡期の家に潜む“バランス”と“結束力”の罠

➡️ 【81-00住宅の治療法】偏りを正し、骨格を繋ぐ。あなたの家を“本物の新耐震”にする補強工事

➡️ 【2000年基準以降の課題】「倒壊はしないが、住めなくなる」という現実

➡️ 【次世代の備え】絶対的な耐震性能の上にこそ。「制震」がもたらす“損傷防止”という価値

➡️ 柱の抜けを防ぐ生命線「N値計算」:500棟の経験が明かす、本当に意味のある耐震金物補強の全貌


 

 

第3部:【技術編】「本物の強さ」を構築する、専門医の外科手術

 

計画編の役割とコンセプト: 家の“健康”を取り戻すための、具体的な「手術(工事)」の全貌を解説する、応用技術の核心部です。耐震・制震・免震といった基本的な考え方の違いから、家の骨格を自在に操り、理想の空間と絶対的な安全を両立させるための、高度な専門技術まで。私たちが持つ「技術の引き出し」のすべてを、ここに開示します。

記事(全5本):

➡️ 「耐震」「制震」「免震」の違いとは?それぞれのメリット・デメリットをプロが徹底比較

➡️ 【最重要】「制震」は耐震の“代わり”ではない。損傷を防ぐための制震ダンパー“正しい使い方”

➡️ リノベーションの壁倍率計画:面材耐力壁「ノボパン」剛床工法で実現する“三位一体”の耐震補強

➡️ 大空間リビングの夢を叶える「柱抜き・梁補強」。構造とデザインを両立させる匠の技

➡️ リフォームで「耐震等級3」は取得できるのか?その方法と費用、そして本当の価値


 

 

第4部:【計画編】見えざる壁を乗り越える。法規と費用を味方につける航海術

 

計画編の役割とコンセプト: どんなに優れた治療計画も、現実の壁を乗り越えなければ絵に描いた餅です。このパートでは、リフォーム計画を阻む二大障壁である「法規」と「費用」に正面から向き合い、それらを敵ではなく「味方」につけるための、具体的な航海術を授けます。2025年法改正、補助金、コストコントロール。プロの知恵で、計画実現への確かな道筋を照らします。

記事(全4本):

➡️ 【2025年法改正】建築確認申請を“賢く回避”する、性能向上リノベーションの戦略的計画術

➡️ 検査済証なき家、再建築不可物件の再生シナリオ:法的制約の中で命を守るための現実解

➡️ 【費用全貌】モデルケースで見る耐震リフォーム工事のリアルな費用と、賢いコストダウン術

➡️ 【最新版】耐震リフォーム補助金・減税制度フル活用マニュアル


 

 

第5部:【実践・難関編】500棟の軌跡。どんな家も、決して諦めない

 

実践・難関編の役割とコンセプト: このガイドの、増改築.com®の真骨頂。他社が匙を投げるような、極めて困難な状況を、いかにして克服してきたか。その具体的な「臨床報告」を通じて、私たちの圧倒的な技術力と、決して諦めない情熱を証明します。これは、単なる事例紹介ではなく、困難な状況にある読者にとっての、希望の灯火となるパートです。

記事(全5本):

➡️ 【難関事例①:傾き】家が傾いている…その絶望を希望に変える「ジャッキアップ工事」という選択

➡️ 【難関事例②:狭小地】隣家との距離20cm!絶望的な状況を打破する「裏打ち工法」とは

➡️ 【難関事例③:車庫】ビルトインガレージの弱点を克服し、評点1.5以上を達成する構造計画

➡️ 【難関事例④:無基礎】「この家には、基礎がありません」。絶望の宣告から始まった、奇跡の再生工事

➡️ 【最終方程式】「最強の耐震」×「最高の断熱」=家族の健康と資産価値の最大化


 

 

第6部:【最終決断編】最高の未来を手に入れるための、最後の選択

 

最終決断編の役割とコンセプト: 最高の未来を実現するための、最も重要な「パートナー選び」に焦点を当てます。技術論から一歩進み、読者が自らの価値観で、後悔のない、そして最高の決断を下せるよう、その思考を整理し、力強く後押しします。

記事(全4本):

➡️ 耐震リフォーム業者選び、9つの最終チェックリスト:「三位一体」と「制震の役割」を語れるか

➡️ なぜ、大手ハウスメーカーは木造リノベーションが不得意なのか?業界の構造的真実

➡️ セカンドオピニオンのススメ:あなたの家の診断書、私たちにも見せてください

➡️『【最終結論】500棟の経験が導き出した、後悔しない家づくりの“絶対法則”』へ


 

 

終章:エピローグ ~100年先も、この家で~

終章の役割とコンセプト: 物語を締めくくり、技術や知識を超えた、私たちの「想い」を伝えます。なぜ、私たちがこの仕事に人生を懸けているのか。その哲学に触れていただくことで、読者との間に、深い共感と、未来へと続く信頼関係を築きます。

記事(全1本):

➡️ 【特別寄稿】耐震とは、文化を未来へ繋ぐこと。四代目として。

 

 

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