戸建てフルリフォームなら「増改築.com®」TOP>フルリノベーションの費用(戸建て・一軒家)を徹底解説
ここ数年「リノベーション」という言葉が定着してきました。
従来使われてきた「リフォーム」という言葉と「リノベーション」という言葉は皆さんはどのように使い分けしていますか?
現場レベルではあまり区別をされないで「リノベーション」したいなどご要望を頂くこともあります。
「リフォーム」と「リノベーション」という言葉の使い方に明確な違いはあるのでしょうか?
リノベーションと一言にいっても、「リノベーション」という言葉の使用される範囲はとても広く、いったいいくらの費用がかかるのかがわかりにくいものです。
このページでは、創業大正8年以来、100年以上にわたり4000件以上の戸建てリノベーション施工実績を誇る『増改築.com®』運営会社ハイウィル株式会社が、戸建てリノベーションにかかる費用価格を「築年数別から判断する戸建てリノベーションの費用」、「戸建てリノベーションの種類別費用」、「戸建てリノベーション施工事例の中身」を通して、わかりやすく徹底解説します。
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●2022年最新!資材高騰・値上げ情報とフルリノベーションでの対策法とは?
コロナパンデミック以降2021年より、ウッドショック、オイルショック、アイアンショック(メタルショック)と3つの波がトリプルパンチで押し寄せてきて、素材産業を直撃しております。住宅を構成するあらゆる素材が高騰しております。鉄鋼、非鉄、金属製品の業界だけではなく、建設業にも波及してきており、2022年初頭より価格転嫁が各メーカーより始まっております。
性能向上を前提としたフルリノベーションにおいて、最も厳しい値上げとなっているのが、木材での構造材の高騰・高断熱サッシの高騰・断熱材の高騰・基礎補強における配筋・コンクリートの高騰・外壁、屋根に使用する金属(ガルバリウム鋼板)・仕上げ建材などです。
小刻みに値上げをしてきた住宅業界ですが、2022年は過去にない値上げとなりました。すでに2023年にもちらほら値上げの話が出始めている今、戸建て一軒家のフルリノベーションをされる方はどのような点に注意すればよいのか、ポイントを解説しています。
↓のバナーで詳しく解説しています。これからフルリノベーションを検討されている方はぜひ一読ください。
「リフォーム」という言葉は知らない人はもはやいないと思いますが、実際に日々お客様とお話をしていると、ご年配のお施主様などは「修繕」や「改築」、増築するお施主様などでは「建て増し」などと言われる方もおられます。
従来はこれらのあらゆる工事を総称して「リフォーム」という言葉として使われてきました。ここ10年くらいの間に「リノベーション」という言葉が使われ始めるようになり、二つの言葉を対比させる意味で「リフォーム」という言葉のもつ意味が少し変わって来ました。
「リノベーション」という言葉と対比しての「リフォーム」となる場合、「リフォーム」は老朽化したものを新しかった状態まで戻す、いわばマイナスからゼロへ戻すような工事を指して使われます。
賃貸アパートの退出時に壁紙などを張り替えるような工事を「原状回復工事」と言いますが、このような意味で使われます。老朽化したキッチンの交換、浴室の入れ替え、トイレ便器の交換といった「営繕工事」、または汚れてしまった外壁の塗装などもマイナスからゼロへ戻す意味で「リフォーム」となります。
「リノベーション」の意味はもともと「刷新」という意味です。つまりまったく新しくするという意味の言葉です。この「リノベーション」という言葉を「リフォーム」という言葉との対比で使用する場合、まったく新しくするという意味はもちろんですが、「リフォーム」がマイナスからゼロへ戻す機能回復、先ほどの現状回復という意味で使用するのに対比し、「リノベーション」はマイナスからゼロを超えた新たな機能を付加するという意味で使われます。
つまり新たな価値や性能を付加、向上するような工事で使われます。例えば、子供が巣立った家を老後に備えてバリアフリーに全面工事をしたり、その逆で子供たちと同居するような2世帯への変更工事など。間取りを変更したり、一度躯体のスケルトンの状態にして、今のライフスタイルに沿った間取りへ作り直すような工事を指します。 このような新たに間取りを今の建物に新たな価値を持たせるような機能変更を付加する場合に「リノベーション」という言葉を用います。
現状回復的な表装工事やキッチンの交換等、設備の更新のような営繕工事、外壁の塗り替えなど。これらの局所的な工事、規模としては小さい工事を「リフォーム」として使います。
一方、「リノベーション」は、間取り変更等を伴うような工事を指し、内装は内装でも大規模なものを指し、間取り変更をするということは、戸建て住宅であれば階段の位置が変わったり、水周りの位置が変わったりと、必然的に給排水の配管の引き直しや間取り変更に伴う電気配線すべての一新などが必要になるケースが多く大規模になってきます。 このような大掛かりな工事規模になるものを「リノベーション」と言います。2つ目の指標が、性能、価値についての指標です。「リフォーム」は建物の老朽化等でマイナスの性能になったものをゼロレベルまで引き上げるいわば原状回復的な意味を指すのに対し、「リノベーション」はマイナスの性能をゼロ以上にもっていくような工事を指します。
フルリノベーションとは、既存の建物や部屋をまるごと解体して新たに全く違う価値を持たせるリフォームで使われることが多いキーワードといえます。木造であれば、外壁や内壁をすべて解体し、要は躯体の状態にして、全く違う間取りで新たな生活スタイルに合わせたリノベーションをするような工事をさします。マンションであれば、共用部を除く専有部を躯体の状態まで解体し、まったく新たな間取りでプランをしてリノベーション工事するケースがフルリノベーションだとイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
リノベーションは一戸建てとマンション、あるいは工事の範囲(正確には解体する範囲)によって費用が大幅に変わってきます。 ここでは、マンションリノベーションと戸建てリノベーションの施工事例と実際にかかった総額費用について考えたいと思います。
●マンションリノベーションの注意点とポイント
戸建てリノベーションと違い、マンションリノベーションでは、マンションならではの注意点があります。
その一つは共同住居であるということです。共同生活を送っている以上リノベーションの際は、工事期間中の騒音の配慮は必須になって参ります。少なくと上下左右のお部屋、搬出搬入の際に業者が通るお部屋へは公示前に挨拶が必要でしょう。
マンションリノベーションでは自己が所有する「専有部分」のみが工事対象になりますので、「共用部分」はリノベーションができません。
またよく誤解されるケースとして、マンションであれば戸建てと違い抜けない柱はないからすべてスケルトンにしてリノベーションして欲しいとご相談を受けることがありますが、「壁式構造」のマンションでは、壁を撤去できないケースが多く、思い描いておられる間取り変更ができないケースがあります。
このあたりは事前にクリアしておきたい準備となります。制約とという点では、水周りの移設にも注意が必要です。特にマンションでは水周り機器の排水の位置と換気ダクトの位置が決まっています。築年数が古いと天井高が低く天井が躯体になっているケースもあったり専有部の排水管が老朽化していて新規に更新をしても、マンション全体の本管が古い場合、排水の処理にナーバスにならなければなりません。キッチン等のレンジフードの換気など古い場合には躯面を触れないため、希望のレンジフードが設置できないケースなどもございます。天井の懐や床下スペースに余裕がない場合は移動が難しくなります。このあたりを最低限チェックしてからマンションリノベーション計画を立てましょう。
これらはあくまで専有部のみリフォームができるというマンションならではの問題になってきますので、木造一戸建てであれば、木構造を熟知した施工会社、マンションであれば、マンションの施工実績が豊富な施工会社へ工事を依頼することを推奨いたします。
マンションと戸建てでは、当然リフォーム出来る範囲が変わってきます。一戸建てであれば内装に加え外装の工事、庭があるようであれば、エクステリアの工事も可能になります。マンションは区分所有となりますので、基本は専有部のみがリフォームできる範囲となり、マンションごとに管理規約が定められておりますので、規約に沿ってリフォームを進める形になります。
さまざまなお客様とのご依頼を受ける中で、施工会社の立場から費用全体として言えることは、さまざまな定額プランがございますが、そもそもその定額プランの費用がご自分の建物にそのまま適合するのかを確認することが必要です。
相場の見方につきましても定額商品での費用を比較するのではなく、施工事例をみて、その現場が実際にいくらかかったのかを掲載している会社がございますので、商品ベースで比較するのではなく、実例ベースで費用を比較すること相場が見えてきます。
また少しずつ分けて何度もリフォームするより、一度に行った方が経費等でコストを圧縮できるケースが多く費用としては有利になります。
ここ数年のトレンドとして,中古マンションのリノベーション物件を販売する会社が増えてきました。
業者の立場でお話させていただくならば、リノベーション済物件を購入するよりもリノベーション前の物件を購入し、最適な施工会社へする方が費用を抑えることが可能になります。
不動産会社の新たなビジネスモデルとして、仲介料に加え,施工会社の原価に利益が厚めに乗っていることが大半だからです。不動産会社はリノベーションをしてしまえば現状の汚さや古さを感じさせないリノベーション後の一新されるイメージを知っていますので,安く中古マンションを仕入れ、安くリノベーション会社に工事をさせます。物件の見た目の価値が上がりますので、物件に対しても値上げをできる上に、リフォームの利益まで乗せることが可能なビジネスモデルとなっているからです。
問題なのは,確かな目を施主自身がもっていないケースが多いということです。そのためにも、物件を見つけた段階で、信頼できるリノベーション会社へ相談をすることがポイントとなります。
マンションリノベーション前
マンションリノベーション後
面積 | 100㎡ |
期間 | 3か月 |
費用 | 1100万 |
マンションリノベーションにかかる費用の相場は、工事内容により幅が広く3~15万円/㎡とレンジが広いです。表面の階層程度であれば当然安く収まりますし、スケルトンにして新たに再生するようなフルリノベーションであれば当然高くなっていきます。区分所有マンションにおいて,最も多いRC造のラーメン構造のマンションでは、柱と梁で各専有部がコンクリートの箱になっており、すべて解体をするとコンクリートの空間の状態に戻すことが可能です。一旦新築時の仕上げ工事前の状態まで戻し、あらたな間取りを自由に作ることが可能になります。解体をすると,従来の給排水の配管や電気配線がでてきますが、こちらも新たな間取りに合わせすべて一新します。木造と違い下地を軽鉄で組むケースが多いので木造の改築をする大工(棟梁)とマンションリノベーションをする内装大工は、まったく違う職人が入ることが多いです。フルリノベーションをされる場合は60㎡以上で10万円/㎡〜という費用がひとつの目安になっているようです。
●築45年のマンションフルリノベーション事例
こちらの現場も100㎡を超えるマンションですが、通常共用部分となるサッシの変更はマンションではできないことが多いのですが、管理規約で定められた仕様でサッシを入れ替えた事例となっており,レアなケースとなります。築45年のマンションをスケルトン状態まで解体、新たな間取りでフルリノベーションした事例。田の字型の間取りを開放的なLDKに。和室の格子は大工による造作、ルーバーは電動式のものを採用。仕様建材は無垢材を採用することで温かみのある空間となりました。
●戸建てリノベーションの注意点とポイント
戸建てリノベーションでは木造住宅での改築、スケルトンリフォームになるケースが多い為、内装主体のリフォーム会社ではなく、木工事に強い腕の良い棟梁のいるリフォーム会社、工務店へ相談するのがポイントになります。
両方を現場で数多くこなしている立場からお話すると、マンションリノベーションは,デザイン重視のリノベーションなど,造作工事主体で魅せる工事も可能ですが、木造はデザイナーや,時には建築家の先生であっても木造の納まりをしらない方が多いため、結果として、建築家より納まりを聞かれるようなことが多いのが実情でもあります。デザインに走りすぎると構造上問題があったり、雨仕舞いの悪い家になったりするケースが実際にありますので、納まりがわかる施工会社に直接相談するのが最短距離となります。そもそもリノベーションをする建物は築年数が古いケースが多い為、階段の勾配が急であったり、基礎が布基礎であったり、断熱の施工が甘かったり、土台や柱などが腐朽しているケースが多いため、プランニングにおいては、階段の勾配を緩和のアドバイスしてもらいましょう。また基礎や躯体部については木構造をしっかりと熟知している会社へアドバイスをもらうことが成功の秘訣となります。
リノベーション後
リノベーション後
面積 | 75㎡ |
期間 | 5か月 |
費用 | 1800万 |
戸建リノベーションにかかる費用の相場は、工事内容により幅が広く30万~100万円/坪とこちらもレンジが広いです。坪当たりで表せないのが戸建てリノベーションになるのですが、表面の化粧直し程度の工事であれば当然安く収まりますし、躯体残しまで解体し、基礎補強、建物全体の断熱改修といった性能向上リノベーションであれば当然高くなっていきます。戸建てリノベーションでは、間取りの大幅な変更となることが多く、営繕的なリフォームとは一線を画し,必然的に大規模な工事になるケースが大半となります。戸建てリノベーションにおいては,内容によっては新築を超える費用になることもしばしばです。戸建リノベーションの中でも多いのが、内部すべての間仕切り壁、天井、床等を解体して建物内部を躯体状態にする、いわゆる、スケルトンリノベーションをするケースです。
●築50年の古家を性能向上フルリノベーション
築50年古家を躯体の状態まで解体。無筋基礎の為、基礎補強後、木構造体の構造補強、建物全体の断熱改修、断熱サッシの設置。間取りは自由に変更が可能なため、大幅な間取り変更となりました。柱を抜き梁補強で開放的なLDKを配置しオープンな空間で設計しました。間取りの自由度が高い、木造在来工法で多くみられるケースになりますが、外壁を残し内部を柱と梁、土台と基礎といった、構造部のみの状態まで解体し、新たに間取りを作り直す事例になりますが、サッシの入れ替え(サッシ位置変更)と基礎補強、リビング部分の増築が加わり200万程度のプラスとなり総工費で1800万の事例です。
築年数 | おすすめ全面リフォームの内容 | 費用 |
---|---|---|
築15~30年まで | 水回り設備の交換、クロス・床張替え、屋根・外壁塗装 | 500万円前後 |
築30~40年まで | 内部のみスケルトンリフォーム | 1000万円前後 |
築30~40年まで | 内部+サッシ入替スケルトンリフォーム | 1200~1500万円前後 |
築50年以上 | 内部・外部ともにスケルトンリフォーム | 1800万円前後 |
※建坪25坪(83㎡)の前提
※税別の前提
築15年から築30年を経過した戸建て住宅のリノベーション費用を考える際に、この時期の建物の特徴とはどのようなものか考えてみましょう。現在お住まいの建物がこの年代の方も、また、これから購入される戸建て住宅がこの年代の建物にあたる方も共通認識として考えてみたいと思います。
築15年の建物というと、給湯器の寿命が10年程度であることから、故障が始まる時期というわかりやすいサインがあります。そして、目に見える形で症状が出てくる現象の多くは外回りです。塗装壁であれば、外壁の汚れが目立ち始めてくるのが10年から15年ですし、スレート屋根の劣化やコロニアル瓦などにコケなどが付着し始める時期もこの期間に症状として現れることが多いです。窯業サイディング仕上げの建物であれば、目地シーリングの劣化、同時に窓サッシまわりのシーリングの劣化、外壁にヒビがある場合などは早めの対処をしたいところです。一方、室内に目を向けると、内装の汚れや床の傷などは出てくるでしょう。水周り設備であれば、故障こそしていないものの、より快適な機器を求めて最新の設備機器に更新したいと思われる方が多いのもこの時期の特徴です。
築30年までの建物での戸建てリノベーションで注意をしておきたいのは、建物の性能面で考えると、なんといっても「雨仕舞対策」につきます。築30年以上の建物の戸建てリノベーションのご相談をお受けしている『増改築.com®』では、表面的なリフォームではなく、建物の性能向上をメインとした戸建てリノベーションを専門として多くの建物を見ておりますが、この築30年までの建物のケアをどこまでやってこられたかで、のちのちの戸建てリノベーションでの費用負荷に大きな差がでているのを日々、目の当たりにしています。
外壁にヒビがある場合、そこから雨水が浸水します。これを放置し続けると、柱や梁、桁といった主要構造部に雨水が浸水していきます。同時に断熱材までが雨水を吸ってしまい内部結露が始まります。そしてカビの温床となります。窓サッシ周りのシーリングも同様です。その為、外壁や屋根の塗装はしっかりと見ておきたい部位となります。
内部を建物の性能維持の視点でみるならば、お風呂浴室周りになります。お風呂がユニットバスではなく、タイル張りの在来浴室のケースでは、目地のひび割れ、洗面脱衣所との取り合いの間仕切り部分は注視しておきたいとこになります。目地から浸水し土台腐食が進行する建物は非常に多いです。最低限の補修は必須になりますが、戸建て用のシステムバスルームに更新されるのも検討に値するでしょう。
日々、築30年以上~築60年といった築古の戸建てリノベーションを専門とする『増改築.com』では、さまざまな症状の建物への対処を行っておりますが、築30年経過する前に、所有者様がどのような建物の手入れ、メンテナンスをしてきたか、構造部分の劣化の進行度合によって、費用が大きく変わってきます。劣化の進行を放置してきてしまった建物と、こまめにメンテナンスをきちんと行ってきた建物では、1,000万円程度の差が出てくることも実際にあります。
「リノベーション」という言葉を「リフォーム」という言葉と分けて使うケースとして、大きく既存(現在の状態)よりも性能が向上するという意味で用いられます。築15年から築30年までの戸建てリノベーションをリノベーションの種類から検討しますと、どちらかというと機能改善、メンテナンス的な工事の種類が多く営繕的な「リフォーム」にあたる工事が多いことがわかります。
この時期の建物の多くは、改装を主体としたリフレッシュ工事と言えます。
続いて、築30年~築40年までの戸建てリノベーションの費用につきまして、こちらもこの時期の建物の特徴を見ていきましょう。
この時代の建物は1981年(昭和56年)6月1日建築基準法施行令改正(新耐震)がポイントとなってきます。
日本の耐震基準の変遷の中で、大きな変更があったのがこの期間だからです。リノベーションを検討している建物が昭和56年以前に建てられた建物(旧耐震基準)なのか、あるいはそれ以降の建物(新耐震基準)なのかで耐震性が大きく変わるからです。
築30年~築40年の建物の多くは「新耐震基準」で建てられた建物となります。しかし、その後の阪神淡路大震災での教訓から改正された「2000年基準(現行基準)」前の建物となることを忘れてはいけません。
この時代の建物の特徴として、構造の接合部がくぎ打ち程度となっている建物が多く、国も金物を使った施工に関する明確な規定がなかったため、施工にばらつきがあるのが特徴的です。
基礎と土台を緊結するホールダウン金物の規定もありませんでしたので、先の熊本地震においても土台が基礎から抜けてしまった被害が多数出ていたのがこの年代の建物でした。また耐力壁の配置バランスも考慮されていない時代となりますので、偏心率(揺れがどれだけ緩和されるか)を考慮した補強計画の策定が必要となるでしょう。
築年数30年から築40年の建物を戸建てリノベーションをされる際には、間取り変更の自由度が高い内壁をすべて解体し再生する戸建てリノベーションを推奨します。部屋内の構造部をスケルトン状態にして、補強計画に基づき木組みの接合部を金物で補強、耐力壁の配置をリノベーション後の間取り合わせ配置することで、耐震性能は現行の新築での最高基準まで性能向上することも可能です。
断熱性能もこの時代の建物は現行の性能よりも低いと言わざるをえません。断熱改修もしっかりと行うことができる内部スケルトンリフォームは有効となります。必要に応じて断熱サッシを入れ替えるなども視野に入れてみるのもよいでしょう。
最後に築40年~築50年の建物の特徴からどのような戸建てリノベーションが最も適しているかを考えていきたいと思います。
築40年を超える築年数の建物は、旧耐震基準で建てられた建物になります。旧耐震基準で建てられた建物は新耐震基準以降に建てられた建物と比較し、圧倒的に壁量が不足しているのが特徴となります。
またこの時代の建物の多くが無筋基礎となっているのも特徴となることから、大手リフォーム会社では提案されることのない基礎補強が耐震補強計画上、必須となってきます。基礎補強をしない状態、つまり土台より上部の構造体を耐震補強する補強計画は、数字上現行の建築基準をクリアするための最低水準(評点1.0)をギリギリクリアするような計画にならざるをえません。この時代の建物を戸建てリノベーションされる場合、評点は1.5を超える水準に計画をしておきたいところです。
その水準まで耐震性能を引き上げるためには、基礎補強は必須となることを理解しておくことがポイントです。
また、外壁の傷みが進行している建物やサッシが木製の単板ガラスなどの建物は、内部をスケルトンにするだけでなく、外壁までを剥離して、外部からも補強が可能な内壁・外壁までを解体する戸建てリノベーションを推奨します。後述する施工事例で実際の中身を解説しておりますので、実際にどのようなリノベーションになるのかを見ていただきたいと思います。最新の外壁材を使用することで、耐震性能だけでなく、断熱性能・耐火性能までも向上させることが可能となります。
築30年から築40年の建物への戸建てリノベーションでお話しした内部をスケルトン(躯体残し)にする戸建てリノベーションについて。
外壁は解体せず、建物内部を躯体状態にする工事(内部スケルトン)リノベーションです。
内部のみを躯体残しにする戸建てリノベーションでは、部屋内の天井、間仕切壁、床をすべて解体することから、部屋内が構造躯体だけの状態となります。そのため基礎補強はもちろん、30年~築40年までの建物の特徴となっていた、金物補強や耐力壁のバランス考慮したリノベーションが可能となります。新たに間仕切りを設置することができますので、大幅な間取り変更ももちろん可能です。写真をみてお分かりの通り、部屋内の壁をすべて取り除くことから、外周面(外壁面)に断熱材を充填することで断熱性能向上も可能となります。外部(外壁)を解体しないことで、次に紹介する外壁までを解体する戸建てリノベーションよりは費用は抑えられますが、1点注意が必要です。それはサッシの問題です。サッシをすべて取り換える場合は外壁にカッターを入れて解体が必要になることから、外部の解体が発生してきます。現在の外壁の仕上げがモルタルであればモルタル解体後の補修が発生しますし、サイディングであれば、サイディンの補修が必要になります。間取り変更により、窓の位置が大幅に変わるケースでは、外壁までを解体する内外部をスケルトンにする戸建てリノベーションがお勧めとなります。
内壁・外壁までを解体する戸建てフルリノベーションの工事範囲
築40年以上の建物でご紹介した外壁まで解体し、主要構造体である土台や柱、梁などだけ躯体を残し、基礎から上部構造体すべての性能向上をはかるのがこの内外部をスケルトンにする戸建てリノベ―ションです。いわゆる「フルリノベーション」といわれる工事です。『増改築.com』で最もご依頼が多いのがこの戸建てリノベーションです。
外壁まで剥がす、戸建てフルリノベーションと呼ばれる工事を見てみましょう。(弊社施工のフルリノベーションの事例です。)↓
新築でいうところの上棟の状態まで解体をするのが、この戸建てフルリノベーションの特徴となります。
外壁を解体することから、現在の新築在来工法の主流となる、外壁面全体への構造用合板補強が可能となり耐力は大幅に向上、さらに既存の構造体の劣化状況をすべて目視で確認ができることから損傷が激しい構造体は差し替えも可能となります。また、基礎を補強することで、耐震性能は現行の新築の最高基準である「耐震等級3」まで引き上げることも可能となります。断熱性能は、壁内への充填断熱が可能になり、外壁も新規での施工となることから、断熱性能の高い外壁材を選定することも可能となります。もちろん断熱サッシを入れることで断熱性能も現行の最高基準を目指すことが可能となります。
●リノベーションは施工後に見えなくなってしまう隠蔽部の80%が最も重要!
下記のリノベーション施工事例は築60年の中古住宅を購入、戸建て(一軒家)リノベーションをさせていただいた事例です。
一般的なビフォーアフター形式ではなく、大切な工事の中身(工事過程)を詳細に解説します。
リノベーションの経緯(きっかけ)➡打ち合わせ➡着工➡解体➡基礎補強➡構造体補強➡断熱改修➡仕上げ
このような一連の流れ、特に工事が終わってしまうと見えなくなってしまう隠蔽部を中心に大量の写真と共に別ページにて解説をさせていただいております。あまり公開されるの事ない工事の中身を是非ご覧ください。
築60年越えの築古中古住宅がどのように生まれ変わったのか、別のページで解説していますのでご覧いただきたいと思います。下記のリンクよりお進みください。
冒頭よりご紹介してきました戸建てリノベーションの種類はを大きく区分すると4つパターンがあったことが、お分かりいただけたかと思います。
①改装での戸建てリノベーション(メンテナンス・リフレッシュ工事)
②内壁をすべて解体する戸建てリノベーション(間取りが大幅に変更可能)
③外壁までを解体する戸建てリノベーション(間取りの自由度に加え外部補強・本格的な断熱改修が可能)
④基本は内壁すべてを解体するリノベーションだが、 サッシは変更したい(外壁工事が必要なケース)
これらの4パターンに集約されることがわかりました。
もちろんですが、工事内容がかわるため費用価格も変わってきます。ご自身のご要望にあわせてどのケースに当てはまるのかをご覧いただくことで、どのくらいの費用感になるのか?などを検討してみることをお勧め致します。
『増改築.com®』で実際施工されたお施主様の事例より算出してみます。
戸建て(一軒家)リノベーションの中でも間取り変更がなく既存の間取りをいかし、すべての水回りも設置位置の変更のないいわゆる素取り換え交換、外装は屋根と外壁の塗装、内装は表面の改装を全体的に行うのが改装でのリノベーションです。まだキレイな状態の中古住宅、2000年以降に建てられた建物、築浅10年以内程度の中古住宅物件を購入された方や不動産会社からのご依頼の多い工事です。大手リフォーム会社でのパッケージ商品と同等のリフレッシュ的な工事になりますので、費用価格も最も安く収めることが可能です。
2階建て建築面積30坪の場合の工事費(費用相場)※過去事例平均 | 800万 |
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築年数が30年以上を経過しており耐震補強は見直したい。しかし外部外装をすべて解体するほどの予算をかける必要性がないというお施主からの採用が多い、戸建て(一軒家)を内部スケルトン状態にするリノベ―ション。間取り変更、階段位置変更が可能で自由度が高く耐震補強、断熱改修も施工可能。費用は当然改装よりもかかってまいります。外部工事が発生するサッシの変更はないケース。※間取り変更により大幅に窓の位置が変わるようなプランになるケースでははまらないケースとなります。
2階建て建築面積30坪の場合の工事費(費用相場)※過去事例平均 | 1300~1800万 |
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外壁の傷みが激しい、もしくは家をすべて解体して、新築を建ててしまうとセットバックの問題で、現在よりも建築面積が狭くなってしまうため、希望の間取りが実現できない。かえって狭くなり不便になってしまう。本来であれば新築したい。しかし再建築不可の建物。というような問題を抱えておられるお客様が新築のレベルの工事内容を希望し外部までの解体を進め、躯体残しの状態にするのがこちらの戸建てリノベーション工事。主要構造部のみ残すフルリノベーションになります。基礎補強工事や耐震補強は構造部からの補強が可能で、外壁面は壁倍率の高い合板で全面張りを行います。耐震性能・断熱性能を現行の新築の最高基準まで向上させることが可能となります。『増改築.com』で最もご依頼数の多い工事になります。解体はすべて手壊しです。
2階建て建築面積30坪の場合の工事費目安 (価格相場) ※過去事例平均 | 1850万〜2200万 |
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築年数は30年を超えている。家も古く、大幅な間取り変更も必要。でも外壁の状態はメンテナンスをしていたため、そこまで痛んではいない。または、すべてを解体して費用かける予算は厳しい。。。そんなお客様が大変多いです。せっかくの戸建てリノベーション。間取りや室内は新築同様の見た目になるのに、サッシがかわらないのはちょっと目立つのでどうしても取り換えたい、または断熱性能を上げたいのでサッシは変更したい。というお客様も大変多いです。そんなお客様にお勧めしているのが内部解体を前提とした戸建て(一軒家)リノベーションをベースにサッシ交換をするケースです。ご希望されるサッシ性能により金額は変動してきます。
2階建て建築面積30坪の倍の工事費目安 (費用相場) ※過去事例平均 | 1300~1700万 |
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ここまでお付き合い有難う御座いました。戸建てリノベーションの費用を検討する際に、建物の築年数から、あるいは、戸建てリノベーションの種類から費用を見てまいりましたが、大切なことは、建物の性能を大幅に向上させてるにあたり、現行の新築の最低基準を満たすのではなく、最高基準から逆算して、現在の建物に足りない性能を補う視点が大切だということです。
築年数別でお話した大きな目安では建築基準法の改正を軸に必要な戸建てリノベーションの工事内容をお話ししました。
国で定められている基準は、耐震性能・断熱性能ともにあくまで最低基準であるということを施主自身も気づいていく必要があります。
戸建てリノベーションはリフォームと違い、金額もそれなりにかかって参ります。その為、見た目にのみ目を奪われ性能を見ないリノベーションをしてしまうのは大変もったいないことです。戸建てリノベーションをされる以上は、是非とも性能向上を意識したリノベーションをしていただきたいと思いますし、戸建てリノベーションに特化した施工会社に相談されることをお勧め致します。
更新日:2022/10/13
フルリフォーム(全面リフォーム)で最も大切なのは「断熱」と「耐震」です。性能向上を第一に考え、末永く安心して住める快適な住まいを目指しましょう。
ハイウィル株式会社 四代目社長
1976年生まれ 東京都出身。
【経歴】
家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。
中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。
この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。 TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを職人として施工、管理者として管理。
2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟、営業、施工管理に従事。2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。250棟の木造改修の営業、施工管理に従事。
2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級4」への推進を目指し、 自身の500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン。
戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
一戸建て家のリフォームに関することを
お気軽にお問合せください
どのようなお悩みのご相談でも結構です。
あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。
営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
2025年の建築基準法改正が決定、フルリフォームに確認申請が義務化されることから、現在大変混みあっております。
首都圏のリノベーションにつきましては、2023年度工事枠は9月スタートのお施主様まで埋まりました。
・直近は10月1枠が空きありとなります。※2023年7月20日時点
※契約をさせていただいたお施主様より予定を組ませて頂いております。スケルトンリフォームには6ヶ月程度の期間が必要になります。余裕をもったスケジュールでご相談をお願い申し上げます。
誠に恐れ入りますが、「先進的窓リノベ」補助金を利用した窓リフォーム(内窓など)工事の受付は神奈川県のみ受付となります。
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