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更新日:2025/9/7

戸建てスケルトンリフォーム完全ガイド|費用・期間から“できない”建物の見極め方まで

スケルトンリフォーム、費用、相場、注意点を徹底解説!

 

リフォームの相談を日々受ける中で、ここ数年の問い合わせの多くが、「中古住宅を購入しました、"スケルトンリフォーム"を検討しています。」「実家に二世帯で住むことになりました。"スケルトンリフォーム"を検討しています」といった「スケルトンリフォーム」という言葉でダイレクトにご相談がくることが大変増えてきました。

 

スケルトンリフォーム」とはいったいどのようなリフォームで、どのような種類があるのでしょうか?そして、実際にどのような工事をするのか?スケルトンリフォームは、その他のリフォームと比較して、どんなメリットがあるのか?デメリットはないのか?また、「スケルトンリフォーム」をする際に、どのようなことに注意をすればよいのか?

 

リフォームポータルサイトを見ても、リノベーション事例として掲載されているのは、キレイなビフォー&アフターの写真ばかりで実際の工事現場の中身をみることはなかなかできません。ここでは、実際の現場の中身の写真と共に、スケルトンリフォームを1000棟以上手掛けてきた『増改築com®』運営会社で創業大正八年の老舗工務店四代目社長がスケルトンリフォームの種類や費用、施工事例や注意点、メリットやデメリットを徹底解説します。

 

内外部スケルトンとは
内壁だけではなく、外壁まで剥離解体して構造から再生されるリフォーム

  • 耐震性能は現在の新築の最高基準!断熱性能も大幅に向上
  • 構造躯体の状態から作り直すから、間取りも自由自在!
内外部スケルトンリフォームの施工イメージ

序章:なぜ、賢い人は「新築」ではなく、「スケルトンリフォーム」を選ぶのか?

第1章:スケルトンリフォームとは?|フルリフォームとの違いと“3つの種類”

第2章:【重要】あなたの家は大丈夫?スケルトンリフォームが“できない”建物の条件

第3章:メリット・デメリットを徹底比較|後悔しないための全知識

第4章:【費用はいくら?】種類別のリアルな費用相場と、賢いコスト削減術

第5章:【期間と流れ】計画から完成までを完全ドキュメント

第6章:【成功の鍵】スケルトンリフォームで絶対に押さえるべき“究極のポイント”

第7章:【施工事例】写真で見る、構造別・感動のビフォーアフター

終章:最高の未来を託せる、本物の“専門家”とは

【序章】:なぜ、賢い人は「新築」ではなく、「スケルトンリフォーム」を選ぶのか?

 

章の概要:

「家を、骨格だけ残して、全てをゼロから、作り直す」。それが、スケルトンリフォームです。

それは、単なるリフォームの、一つの手法ではありません。それは、既存の家の、歴史と価値を、最大限に尊重しながら、新築を超えるほどの、安全性と快適性を、その手にいれる、最も賢明な「第三の選択」なのです。

この章では、なぜ今、多くの賢明な選択をされる方が、新築でも、一般的なリフォームでもなく、この「スケルトンリフォーム」を選ぶのか。その、思想的背景(スケルトン&インフィル)と、本質的な理由、そして、このガイドが、あなたの、その決断を、いかにして、成功へと導くのか、その全貌をお話しします。

 

 

序章.1 「スケルトンリフォーム」という、究極の選択

 

ここでのポイント:

まず、スケルトンリフォームが、単なる工事の「手法」ではなく、家の、そして、暮らしの、未来を見据えた、一つの、崇高な「哲学」である、という、本質について、お話しします。

古い家の、歴史と価値を、受け継ぎながら、未来の、世代のために、最高の性能を与える。その、賢明な「思想」こそが、この、究極の選択の、根底に流れています。

 

 

序章.1.1 家の未来を前にした時、私たちに与えられた「二つの道」

 

こんにちは、増改築どっとコムの稲葉です。 築年数を経た、愛着のある我が家。その、未来を、真剣に考えた時、これまでの、日本の社会が、私たちに、与えてくれた選択肢は、主に、二つしかありませんでした。

一つは、古くなった部分を、部分的に修繕し、見た目をきれいにする「リフォーム」という道。

そして、もう一つが、思い出の詰まった家を、一度、全て、解体し、更地に戻して、新しい家を建てる「建て替え(新築)」という道です。

どちらも、それぞれの、メリットがあり、素晴らしい選択です。

しかし、その一方で、この二つの道は、どちらも、ある種の「妥協」と「諦め」を、私たちに、強いてきました。

「リフォーム」では、家の、根本的な性能(耐震・断熱)を、諦めなければならない。

「建て替え」では、その土地に、刻まれた、家族の歴史と、記憶を、諦めなければならない。

 

 

序章.1.2 私たちが、ご提案する「第三の道」

 

しかし、もし、その、どちらも、諦めることなく、「歴史と思い出を、受け継ぎながら、新築を、遥かに超える、性能を手に入れる」という、究極の「第三の道」が、存在するのだとしたら。

それこそが、私たちが、このガイドを通じて、皆様にご提案したい、「スケルトンリフォーム」という、究極の選択なのです。

 

この思想の根底には、「スケルトン&インフィル」という、先進的な、建築哲学があります。

建物の、長寿命な「骨格(スケルトン)」と、暮らしの変化に合わせて、更新していく「内側(インフィル)」とを、明確に分離して考える。この、持続可能な、思想こそが、スケルトンリフォームの、全ての、背骨となっているのです。

 

 

序章.2 あなたの家は、新築以上に、生まれ変われる

 

 

ここでのポイント:

ここで、皆様の、常識を、覆すかもしれない、一つの、衝撃的な「真実」を、お伝えします。

それは、正しく、計画され、そして、施工された戸建てスケルトンリフォームは、その辺の、ありきたりの「新築住宅」を、あらゆる面で、遥かに、凌駕する、という、動かぬ事実です。

 

 

序章.2.1 「新築が、一番良い」という、幻想

 

「これだけ、大掛かりなことをして、高い費用をかけるなら、いっそのこと、新築にした方が、良いのではないですか?」

これは、私たちが、お客様から、最も多く、いただく質問です。

その、お気持ちは、痛いほど、分かります。

しかし、500棟以上の、木造住宅を、再生させてきた、プロとして、私は、こう、断言します。

「いいえ、違います。最高の、スケルトンリフォームは、多くの場合、ありきたりの新築住宅よりも、遥かに、価値が高いのです」と。

 

 

序章.2.2 スケルトンリフォームが、「新築を超える」三つの理由

 

なぜ、そう、断言できるのか。そこには、三つの、明確な理由があります。

 

  • 理由①:法的な制約を、逆に「武器」に変えられる                                  都心部の、中古戸建ての多くは、現在の、厳しい法律(建築基準法)のもとでは、建て替えを行うと、セットバックなどによって、今よりも、遥かに小さな家しか、建てられない、という問題を抱えています。スケルトンリフォームは、既存の「骨格」を、活かすことで、その、貴重な「広さ」と「空間」を、合法的に、守り抜くことができるのです。

  • 理由②:完璧な「品質管理」が、可能になる                                     新築の現場は、工期と、効率が、最優先される、戦場です。その、猛烈なスピードの中で、壁や床の、内側に隠れてしまう、最も重要な部分が、時に、疎かになってしまうことも、少なくありません。 しかし、スケルトンリフォームの現場は、違います。私たちは、一度、丸裸になった、家の骨格の、その一本一本を、自らの手で、触れ、確かめ、そして、最高の性能を、ミリ単位の精度で、充填していく。それは、工業製品の「製造」ではなく、一人の患者と、向き合う「医療行為」に近い、極めて、高いレベルの、品質管理を、可能にするのです。

  • 理由③:時が、育てた「良質な骨格」を、活かせる                                  古い家の、柱や梁には、今の時代では、もはや、手に入れることのできない、乾燥しきった、良質な「古材」が、使われていることが、少なくありません。その、時が育てた、最高の「骨格」を、最新の技術で、補強し、活かす。それは、新しいだけの建材では、決して、手に入れることのできない、本物の「価値」を、家に、与えることなのです。

 

スケルトンリフォームとは、決して、新築の「代替案」では、ありません。

それは、新築という、選択肢を、積極的に、超えていくための、最も、賢明な、戦略なのです。

 

 

序章.3 このガイドが、あなたの「最高の未来」への、羅針盤となる

 

ここでのポイント:

この、究極の選択である、スケルトンリフォームを、成功へと導くための、全ての知識と、知恵を、この「完全ガイド」に、凝縮しました。

この章の最後に、このガイドが、いかにして、あなたの、漠然とした「不安」を、揺るぎない「確信」へと、変えるための「羅針盤」となるのか。その、全貌を、お示しします。

 

 

序章.3.1 複雑な、旅路を、照らし出す「光」

 

 

スケルトンリフォームは、可能性に、満ちていると同時に、極めて、複雑で、そして、専門的な、判断を、必要とする、長い旅路です。

どこに頼むか、期間は、どのくらいか、費用は、いくらかかるのか。

そして、そもそも、自分の家は「できない建物」なのではないか。

その、無数の、問いと、不安の、暗闇の中で、道に迷うことがないように。

このガイドは、あなたの、足元を、そして、進むべき道を、力強く、照らし出す「光」となることを、お約束します。

 

 

3.3.2 この「羅針盤」が、示す、明確な「航路」

 

この、壮大なガイドを通じて、私たちは、

  • 第1章で、スケルトンリフォームの、明確な「定義」と「3つの種類」を知り、

  • 第2章で、あなたの家が、そもそも、この手術を、受けられるのかどうか、その「適性」を、見極め、

  • 第3章で、その「メリット」と「デメリット」を、天秤にかけ、

  • 第4章で、リアルな「費用相場」と、「コスト削減術」を、学び、

  • 第5章で、計画から、完成までの「流れ」と「期間」を、把握し、

  • 第6章で、成功の鍵である「究極のポイント」を、知り、

  • 第7章で、感動の「施工事例」に、触れ、

  • そして、最後の章で、最高の「パートナー」を、見抜くための、最終的な、知恵を、手に入れる。

 

という、全ての航路を、旅していきます。

この旅を、終える頃には、あなたは、もはや、情報の沼で、溺れる、無力な存在では、ありません。

スケルトンリフォームという、複雑なプロジェクトの、全体像を、完全に、その手に、収め、自らの意志で、最高の未来を、選び取る、賢明な「計画者」へと、生まれ変わっているはずです。

さあ、それでは、あなたの家が、新築以上に、生まれ変わる、壮大な旅へと、出発しましょう。

 

第1章:スケルトンリフォームとは?|フルリフォームとの違いと“3つの種類”

スケルトンリフォームとは?

章の概要:

この旅の、全ての「地図」となる、スケルトンリフォームの、全体像を、掴みましょう。

世の中で、曖昧に使われがちな「フルリフォーム」や「リノベーション」という言葉と、私たちが、専門とする「スケルトンリフォーム」との、本質的な違いは、何なのか。

そして、そのスケルトンリフォームの中にも、実は「3つの種類」が存在する、という事実。

この章では、その、明確な「定義」と「分類」を、皆様にご理解いただくことで、あなたの家にとって、最適な手術方法を、見極めるための、最初の、そして、最も重要な一歩を、踏み出します。

 

1.1 「スケルトンリフォーム」と「フルリフォーム」「リノベーション」の、決定的違い

木造スケルトンリフォーム
木造スケルトンリフォーム

北区N様 木造スケルトンリフォーム

鉄骨造スケルトンリフォーム
鉄骨造スケルトンリフォーム

杉並区 T様邸 
鉄骨造スケルトンリフォーム

鉄筋コンクリート造
スケルトンリフォーム
鉄筋コンクリート造 スケルトンリフォーム

新宿区K様邸 鉄筋コンクリート造
スケルトンリフォーム

木造&鉄骨の混構造
スケルトンリフォーム
木造鉄骨の混構造 スケルトンリフォーム

市川市S様邸 混構造
スケルトンリフォーム

 

ここでのポイント:

まず、皆様の、頭の中を、混乱させているであろう、三つの、似て非なる言葉の「交通整理」から、始めさせていただきます。「フルリフォーム」「リノベーション」「スケルトンリフォーム」。

それぞれの、言葉が持つ、本当の意味と、その、関係性を、明確に、定義します。

この、最初の「言葉の定義」こそが、業者との、認識のズレを防ぎ、後悔しない、家づくりを実現するための、全ての、始まりです。

 

 

1.1.1 なぜ、これほどまでに、言葉は、混乱しているのか

 

 スケルトンリフォームという、壮大な旅を始める前に、私たちは、まず、自分たちが、今、どこにいるのか、その現在地を、正確に、知る必要があります。

しかし、リフォーム業界は、残念ながら、その「地図」となるべき、言葉の定義が、極めて、曖昧なまま、放置されてきました。

特に、「フルリフォーム」「リノベーション」「スケルトンリフォーム」という、三つの言葉。

これらは、多くのリフォーム会社のウェブサイトや、雑誌記事で、ほとんど、同じ意味であるかのように、無責任に、使われています。

その結果、お客様は、「一体、どの言葉を、信じれば良いのか」「会社によって、言うことが、全く違う」という、深い、情報の霧の中で、道に迷ってしまうのです。

このセクションでは、まず、その深い霧を、完全に、晴らすための、明確な「光」を、皆様に、お示しします。

 

 

1.1.2 私たちプロが、定義する、三つの言葉の、本当の意味

 

500棟以上の、木造住宅の再生に、向き合ってきた、私たち、プロフェッショナルの視点から、この三つの言葉を、明確に、定義し直してみましょう。

 

  • ① フルリフォーム(全面リフォーム)                                     これは、最も、範囲の広い、言葉です。文字通り、「家を、全面的に、リフォームする」という“工事の範囲”を示しています。しかし、その「中身」については、何も、定義していません。壁紙を張り替えるだけの、表層的な工事も、骨格から作り直す、大掛かりな工事も、全て「フルリフォーム」と、呼ぶことができてしまう。これこそが、混乱の、最大の原因です。

  • ② リノベーション                                              これは、「工事の“目的”」を示す、言葉です。リノベーションとは、単なる「修繕」ではなく、既存の建物に、「新しい価値や、機能を付加し、その性能を、刷新する」という、明確な「目的」を持った、改修行為を指します。例えば、中古戸建てを、現代の、耐震・断熱基準に、適合させたり、一つの家を、二世帯住宅へと、作り変えたりすること。それらは全て、リノベーションです。

  • ③ スケルトンリフォーム                                           そして、これこそが、最も重要です。スケルトンリフォームとは、その「リノベーション」という目的を、達成するための、最も、パワフルで、そして、根本的な「工事の手法」を示す、言葉なのです。それは、家の、構造躯体(スケルトン=骨格)だけを残し、それ以外の、全てを、一度、ゼロに戻して、再構築する、という、究極の「手段」です。

 

この、関係性を、ご理解いただけたでしょうか。

「私たちは、リノベーションという“目的”を、達成するために、スケルトンリフォームという“手法”を用いて、戸建てのフルリフォームを、行っているのです」。

この、明確な、自己認識こそが、皆様が、どこに頼むべきか、その業者を、見極めるための、最初の、試金石となるのです。

 

 

1.2 種類①:内部スケルトンリフォーム(最も標準的な手法)

 

ここでのポイント:

ここからは、スケルトンリフォームの、具体的な「3つの種類」について、解説していきます。

まず、最も多くのケースで、採用され、コストパフォーマンスにも優れた、王道の手法「内部スケルトンリフォーム」。

その、工事内容、メリット・デメリット、そして、どのような家に、最適なのかを、詳しく、見ていきましょう。

 

 

1.2.1 工事の定義 ― 家の“内臓”だけを、再生する

 

内部スケルトンリフォームとは、その名の通り、家の、外周部(外壁・屋根・窓サッシ)には、大規模な手を加えず、内部だけを、骨格の状態まで、完全に解体し、再生する、という手法です。

家の、外見という「皮膚」は、そのままに、その内側にある、間取り、設備、そして、性能を司る「内臓(断熱材など)」を、一度、全て、取り出し、最新の、健康なものへと、入れ替える、大掛かりな「内科的、外科手術」と、お考えください。

この手法の、最大の「肝」は、外壁に、大規模な解体を加えないため、比較的、費用を抑えながら、家の、最も重要な性能である「耐震」と「断熱」を、根本から、改善できる、という点にあります。

 

 

 

1.2.2 このような家に、最適です

 

この手術が、最も効果を発揮するのは、築30年~40年程度の、木造住宅です。 この年代の家は、

  • 外壁や屋根は、一度、メンテナンスをしており、まだ、十分に、健全な状態にあることが多い。

  • しかし、その内側では、断熱材が入っていない、あるいは、機能しておらず、冬は寒く、夏は暑い。

  • そして、耐震性能も、現行の、最高基準から見れば、著しく、劣っている。 という、典型的な、症状を抱えています。 まさに、佐藤様(ペルソナ)の、お住まいのようなケースこそ、この「内部スケルトンリフォーム」が、最高の「処方箋」となるのです。

1.2.3 スケルトンリフォームとは?

 

内部スケルトンリフォームとは、建物の内部だけを解体し、骨格(構造躯体)を残して再生させるリフォーム手法です。

外壁や屋根などの外部はそのままに、室内の天井、壁、床、設備機器などの内装材をすべて取り除き、柱や梁などの構造体を露出させた状態にします。

そこから新たな間取りや設備、内装を組み上げるため、内装の自由度が非常に高いリフォームとなります。この手法は、外観に影響を与えず、建物の内部を一新したい場合や、耐震補強・断熱性能の向上を目指す場合に最適です。

 

内部スケルトンリフォームの詳細な工事内容

  1. 内装材の解体と撤去
    内部スケルトンリフォームの第一段階は、既存の内装材のすべてを撤去することから始まります。具体的には、壁紙、床材、天井材、仕切り壁、古い配管、配線、そして水回りの設備など、目に見えるものをすべて取り外します。このプロセスでは、古くなった木材や断熱材の撤去も行うため、建物の内部が完全に剥き出しの状態となります。

  2. 構造体のチェックと補強
    内部を解体した状態で構造体が露出するため、建物の骨組みである柱や梁、基礎の状態をしっかりと点検します。特に築年数の経過した建物では、木材の腐食やシロアリの被害、接合部の緩みなどが見つかることがあります。このタイミングで必要に応じた補強工事を行い、建物の耐久性を向上させます。例えば、劣化している柱の交換や、梁の補強、金物による接合部の強化などが行われます。

  3. 耐震補強の実施
    内部スケルトンリフォームの大きなメリットの一つに、耐震補強がしやすいことが挙げられます。内部をすべて解体しているため、耐震補強工事の自由度が高く、耐力壁の新設や制震装置の導入、筋交いの増設などが容易にできます。特に、旧耐震基準で建てられた住宅では、現行基準に適合させるための耐震補強が必須となる場合が多いです。このような補強により、地震に強い安全な住まいを実現します。

  4. 断熱性能の向上
    内部スケルトンリフォームでは、断熱材の交換や追加が容易に行えます。既存の断熱材は劣化が進んでいることが多く、断熱性能が著しく低下している場合があります。新たに高性能な断熱材を充填することで、夏は涼しく冬は暖かい快適な住環境が実現できます。また、内壁を解体しているため、断熱改修の方法も選択肢が広がります。例えば、高性能グラスウールやセルロースファイバー、吹き付け断熱材など、建物の仕様に合わせた最適な断熱材を選定し、施工することが可能です。

  5. 間取り変更とインフィルの再設計
    内部スケルトンリフォームの醍醐味は、間取り変更の自由度が高いことです。既存の間取りを一度リセットして、現代のライフスタイルに合った間取りを設計できます。例えば、LDKを広く一体化することで開放的な空間を作り出したり、収納を増やして使い勝手を向上させたり、家事動線を改善するなど、住まいの利便性が格段にアップします。また、インフィル(居住空間)の設計には、施主の要望や生活スタイルを反映させたオリジナルなデザインが可能です。

  6. 新規配管・配線の設置
    解体後の骨組み状態を活かして、古くなった水道管や電気配線、ガス配管をすべて新しく引き直します。築古の住宅では配管類が経年劣化していることが多く、漏水や電気トラブルのリスクが高いのが実情です。これを機に、新しい配管や配線を最新の仕様にアップデートすることで、住宅の安全性を高めるとともに、快適な生活をサポートします。また、新しい配管経路を考える際には、将来的なメンテナンス性も考慮し、アクセスしやすい位置に配管を配置することも重要です。

  7. 内装仕上げと設備の新設
    内部スケルトンリフォームの仕上げ段階では、新しい内装材や設備機器を設置します。床材には無垢フローリングやタイル、壁にはクロスや塗り壁、天井にはデザイン天井や間接照明を取り入れるなど、多彩な選択肢があります。設備についても最新のシステムキッチンやユニットバス、トイレ、洗面化粧台などを設置し、快適な生活環境を整えます。施主のデザインや機能に対するこだわりを最大限反映できるのも、内部スケルトンリフォームの大きな魅力です。

 

 

1.2.4 内部スケルトンリフォームのメリット

 

  1. 間取りの自由度が高い
    内部スケルトンリフォームは、既存の間取りを完全に変更できるため、施主の要望に応じた最適なプランが実現できます。広々としたLDKや趣味を楽しむための専用スペース、収納量を確保したクローゼットなど、自由自在に設計できます。

  2. 耐震・断熱性能が向上
    解体後の内部構造に対して、最新の耐震補強や断熱改修が行えるため、安全で快適な住環境を構築できます。特に、耐震性能の向上は住宅の資産価値を高める重要な要素です。

  3. 設備の一新で利便性が向上
    内部スケルトンリフォームでは、老朽化した配管や配線をすべて新しいものに交換できるため、設備のトラブルリスクを低減できます。また、最新の省エネ設備を導入することで、光熱費の削減も期待できます。

 

 

1.2.5 内部スケルトンリフォームのデメリット

  1. 工事費用が高額になりがち
    内部をすべて解体し、新しい間取りや設備を導入するため、通常のリフォームと比較して工事費用が高くなる傾向があります。特に、耐震補強や断熱改修を行う場合、費用はさらに増加します。

  2. 工期が長くなる
    内部スケルトンリフォームでは、解体から再生までの工程が多いため、工期が長くなることが一般的です。特に、予期せぬ構造補強の必要性が発生する場合など、計画通りに進まないこともあります。

  3. 住みながらの工事が難しい
    内部全体を解体するため、工事中は居住できない場合がほとんどです。そのため、一時的な仮住まいや引っ越しが必要になるケースが多いこともデメリットとして挙げられます。

 

 

1.2.6 内部スケルトンリフォームを成功させるためのポイント

内部スケルトンリフォームを成功させるためには、工事経験が豊富で、構造補強や断熱改修に精通した施工会社の選定が重要です。

また、施工前には十分な現地調査とプランニングを行い、予算に見合った最適な工事内容を見極めることが必要です。

リフォーム後の暮らしやすさと建物の安全性を高めるために、しっかりと計画を練り、信頼できるプロと共に進めていくことが成功への鍵となります。

 

 

 

1.3 種類②:内外装スケルトンリフォーム(建て替えに近い、究極の再生)

 

ここでのポイント:

次に、最も大掛かりで、そして、最も高性能な、まさに「リノベーションの王様」と言える内外装スケルトンリフォーム」をご紹介します。

家の「骨格」以外、その、内外装の全てを、一度、ゼロに戻し、全く新しい家として、再創造する。建て替えに近い、究極の再生手法です。

 

 

1.3.1 工事の定義 ― “骨格”以外、全てを、ゼロから再創造する

 

 

内外装スケルトンリフォームとは、家の、内側だけでなく、外壁や、屋根、窓サッシといった、外装部分も、全て、一度、解体・撤去し、残された、構造躯体(スケルトン)に対して、内外の、両面から、アプローチする、最も、包括的なリフォーム手法です。

これは、もはや「リフォーム」というよりも、「既存の骨格を活かした、新築工事」と呼ぶのが、ふさわしいかもしれません。

家の、記憶と歴史を、受け継ぐ「骨格」は、そのままに、それ以外の、全ての要素を、現代の、最高の技術と、デザインで、再構築していくのです。

 

 

 

1.3.2 このような家に、最適です

 

 

この、究極の再生手術が、必要となるのは、家の「内臓」だけでなく、「皮膚」そのものにも、深刻な疾患を抱えている場合です。

  • 築50年以上が経過し、外壁や屋根の、防水機能が、完全に、寿命を迎えている、築50年スケルトンリフォーム

  • 家の、傾きや、構造体の、深刻な腐食など、骨格そのものに、大掛かりな治療が必要な場合。

  • そして、家の、外観デザインも含めて、完全に、イメージを一新したい、あるいは、窓の位置や、大きさを、自由に変更したい、という、強いご要望がある場合。 これらのケースでは、中途半端な、内部だけの改修では、根本的な解決には、至りません。一度、全てを、ゼロに戻す、という、勇気ある決断こそが、最高の未来を、拓くので

1.3.3 内部及び外部スケルトンリフォームとは?

 

内部及び外部スケルトンリフォームは、建物の内部と外部を両方とも解体し、骨格である構造躯体を残した状態で再生させる大規模なリフォーム手法です。

内部の天井、壁、床の解体に加えて、外壁や外装材も取り除くことで、建物全体を構造体の状態まで解体します。

このリフォームは、既存の建物の骨組みを最大限に活用しながら、内部と外部の両方を一新するため、見た目も性能も新築同等、あるいはそれ以上のレベルに引き上げることが可能です。

この方法は、築年数が古く、外壁の劣化が激しい場合や、外観デザインも大きく変えたい場合、または構造体の補強を強化し、耐震性能や断熱性能を大幅に向上させたい場合に最適なリフォーム手法です。

 

 

1.3.4 内部及び外部スケルトンリフォームの詳細な工事内容

 

  1. 全面解体:内部と外部の完全なスケルトン化
    内部及び外部スケルトンリフォームでは、建物の内部と外部のすべての仕上げ材を取り除きます。室内の天井、壁、床だけでなく、外壁材、サッシ、屋根材なども撤去し、建物の柱や梁、基礎だけを残した状態にします。この解体作業は、建物を一から新築する以上の手間と時間がかかり、全体の工程の中でも最も重要なステップとなります。

  2. 構造躯体の点検と補強
    解体によって建物の骨格が露出するため、構造材の状態を徹底的にチェックします。特に古い建物では、柱や梁の劣化や接合部の不備が見つかることが多く、その場で適切な補強を行います。例えば、腐食した部分の交換、梁の補強、必要に応じた柱の追加や金物の強化などが行われます。基礎も無筋基礎である場合は、補強が必要です。既存の基礎に新たに鉄筋を入れて補強する抱かせ基礎による補強が実施されることがあります。

  3. 外壁の新設と防水・断熱の強化
    外壁を解体することで、新たな外装材を選定・設置できるのが内部及び外部スケルトンリフォームの大きな特徴です。例えば、外壁に高性能な構造用合板を取り付け、壁倍率を大幅に向上させることで耐震性を強化することができます。また、外断熱工法を採用することで、建物全体の断熱性能が飛躍的に向上します。防水透湿シートを貼った上で、モルタル仕上げやサイディング仕上げなど、お好みの外装材で仕上げます。これにより、建物の外観も新築同様に美しく、性能面でも優れたものにすることが可能です。

  4. 屋根の新設と断熱強化
    外部まで解体することで、屋根の葺き替えも可能となります。特に、屋根の形状や素材を見直し、断熱性能の高いガルバリウム鋼板や遮熱効果のある屋根材に交換することで、夏の熱を大幅に遮断し、室内温度の上昇を抑えることができます。また、ルーフィング材の防水性能も強化することで、雨漏りリスクを最小限に抑え、耐久性の高い屋根を実現します。

  5. サッシや開口部の最適化
    内外部スケルトンリフォームでは、窓や玄関ドアなどの開口部も自由に位置変更が可能です。これにより、日当たりや風通しの良い快適な間取り設計ができます。断熱性の高い複層ガラスの樹脂サッシに交換することで、冷暖房効率が大幅に向上し、エコで快適な住まいを実現します。特に、断熱性能が重要視される寒冷地や猛暑地においては、サッシの性能向上が室内環境の改善に直結します。

  6. 耐震補強の強化
    内外部スケルトンリフォームの大きな利点は、耐震補強を内部と外部から同時に行えることです。壁倍率を向上させるために構造用合板を貼り付けたり、制震ダンパーを設置したりすることで、建物全体の耐震性を劇的に改善します。これにより、耐震等級3相当、すなわち現行の新築住宅の最高レベルの耐震性能を目指すことが可能です。

  7. 断熱性能の強化
    内部スケルトンリフォームとは異なり、内外部スケルトンリフォームでは外断熱も可能です。外壁の内側だけでなく、外側にも断熱材を取り付けることで、建物全体の断熱性能を大幅に向上させます。これにより、室内の温度を年間を通して安定させることができ、冷暖房費の削減にもつながります。断熱材には、硬質ウレタンパネルやセルロースファイバーなど高性能な素材を使用し、隙間なく施工することが重要です。

  8. 内部の再設計と新しい内装の設置
    内外部を解体しているため、内部の間取りも完全に自由に設計し直すことができます。家族のライフスタイルに合わせた間取り設計を行い、新しい壁や天井、床を設置します。無垢材のフローリングやタイル、デザイン性の高いクロスや左官仕上げなど、デザインも自由自在です。また、最新のシステムキッチンやユニットバス、洗面台なども導入し、快適な住空間を実現します。

 

1.3.5 内部及び外部スケルトンリフォームのメリット

  1. 建物の性能を新築以上に向上できる
    内部だけでなく外部まで解体することで、耐震性能、断熱性能、防音性能、防水性能など建物の性能を新築同等、またはそれ以上に引き上げることが可能です。これにより、長期にわたって安心・安全な住まいを実現します。

  2. 間取り変更の自由度が非常に高い
    外壁やサッシ、屋根なども取り除くため、間取りの自由度が高く、窓の位置や大きさ、玄関の位置なども変更可能です。これにより、家族のニーズに合わせたオーダーメイドの空間設計ができます。

  3. 外観デザインを完全に刷新できる
    外壁材や屋根材を新しくすることで、建物の外観も一新され、新築同様の美しい仕上がりが得られます。これにより、住宅の資産価値も大幅に向上します。

 

 

1.3.6  内部及び外部スケルトンリフォームのデメリット

  1. 工事費用が高額になる
    内部と外部をすべて解体し、新たに構造補強や断熱強化を行うため、工事費用は一般的なリフォームよりも高くなります。また、サッシの交換や外壁材の選定など、仕上げ材にこだわるほど費用が膨らむ傾向があります。

  2. 工期が長期化する
    工事範囲が広いため、工期も長くなります。特に、解体後の補強計画の変更や追加工事が発生した場合、さらに期間が延びることがあります。工事期間中の仮住まいの手配も考慮する必要があります。

  3. 予期せぬ問題が発生しやすい
    解体後に構造体の不具合や予想以上の劣化が発見されることがあります。その際、追加補強や修繕が必要となり、当初の予算やスケジュールに影響を及ぼすことがあります。

 

1.3.7  まとめ

内部及び外部スケルトンリフォームは、建物の内部と外部を全面的に解体し、構造体から再生させる大規模なリフォーム手法です。耐震性や断熱性を大幅に向上させることができ、新築以上の性能を実現することが可能です。しかし、工期や費用が大きくなるため、しっかりとした計画と信頼できる施工業者の選定が重要です。専門的な知識を持つプロと共に進めることで、安心・安全で快適な住まいを手に入れることができるでしょう。

 

 

1.4 種類③:外部スケルトンリフォーム(特殊なケースの選択肢)

 

ここでのポイント:

最後に、少し特殊な、しかし、特定の状況下では、極めて有効な、選択肢となる「外部スケルトンリフォーム」をご紹介します。これは、家の内部は、比較的、きれいな状態を保ちながら、外壁の劣化が、特に深刻な場合に、外側だけを、骨格の状態まで、解体・補強する、という、レアケースです。

 

 

1.4.1 工事の定義 ― 家の“皮膚”だけを、再生する

 

外部スケルトンリフォームとは、その名の通り、家の内部には、大規模な手を加えず、外壁だけを、一度、全て解体・撤去し、むき出しになった骨格に対して、外側から、耐震補強や、断熱改修を行い、新しい外壁を、創り上げる手法です。 パターン②の「内部スケルトン」とは、全く逆のアプローチですね。家の、内臓は健康なので、皮膚と、そのすぐ下の、筋肉だけを、一度、剥がして、再生させる、という、特殊な外科手術です。

 

 

1.4.2 このような家に、最適です

 

この、特殊な手術が、選択肢となるのは、極めて、限定的な状況です。 例えば、数年前に、大規模な、内装リフォームを、行ったばかりで、内部は、まだ、非常にきれい。しかし、その後の、調査で、外壁の、深刻な劣化や、構造的な、耐震性能の、不足が、発覚した、といったケースです。 内部を、壊すことなく、家の「外皮」の性能だけを、集中的に、高めたい。そんな、特殊なニーズに、応えるための、専門的な、処方箋と言えるでしょう。 さあ、これで、スケルトンリフォームという、手術の、主な「術式」は、全て、出揃いました。 次の章では、この中から、あなたに、最適な術式を、選ぶための「自己診断」へと、進んでいきましょう。

 

 

1.4.3 外部スケルトンリフォームとは?

 

外部スケルトンリフォームは、建物の外部、すなわち外壁や屋根をすべて解体し、外装部分を中心に改修するリフォーム方法です。内部には手を加えず、外観や断熱性能、防水性能を大幅に向上させることができます。このリフォームは、外壁のひび割れや劣化、外装材の経年劣化が激しい場合に採用されることが多く、特に外部からの雨水の浸入が懸念される場合には有効な選択肢です。

外壁や屋根を取り除くことで、建物の外周部が完全に露出します。これにより、躯体の劣化状態を直接確認し、必要な補強や改修を行うことが可能です。また、断熱材の追加や交換、外部からの耐震補強も同時に行えるため、建物全体の耐久性と居住性を大幅に向上させることができます。

 

1.4.4 サッシの扱いと内装工事の必要性

 

外部スケルトンリフォームでは、外壁をすべて解体するため、既存の窓やサッシも一度取り外す必要があります。これにより、外部だけでなく、内装にも影響を及ぼし、サッシ周りの内装工事が必要となるケースが多いです。外壁の改修に伴い、サッシの位置を変更したり、新たなサッシに交換することが求められることが少なくありません。

 

1.4.5 サッシ交換の方法:カバー工法とインナーサッシ

 

サッシの交換には主に2つの方法があり、それぞれの方法によって工事の範囲や費用、効果が異なります。

カバー工法によるサッシ交換

カバー工法は、既存のサッシ枠を残し、その上から新しいサッシを取り付ける工法です。この方法では、既存の壁を大幅に傷めることなくサッシを交換できるため、工事が迅速に進みます。外部スケルトンリフォームでは外壁を解体する際にサッシ枠が残っている場合、カバー工法が最も適した選択となります。

カバー工法のメリット:

  • 施工の簡便さ:既存の枠を活用するため、解体や大規模な復旧工事が不要です。これにより、工期が短縮され、コストの削減にもつながります。

  • 断熱・防音性能の向上:カバー工法で取り付けるサッシは、最新の断熱仕様や防音仕様の製品を選ぶことが可能です。これにより、建物の外部環境からの影響を大幅に軽減し、居住空間の快適性が向上します。

  • 見た目の向上:既存の窓の枠が見えることがないため、窓周りのデザインが一新され、モダンな外観に仕上がります。

ただし、カバー工法ではサッシ枠の幅がやや小さくなり、光の取り入れが若干制限されることがデメリットです。しかし、それを補う断熱性能やデザイン性の向上を考慮すると、非常に有効な選択肢です。

 

1.4.6 インナーサッシの設置でコストを抑える

予算を抑えつつ断熱性能を強化したい場合は、「インナーサッシ」を設置する方法がおすすめです。インナーサッシとは、既存のサッシの内側にもう一枚新たなサッシを追加する方法で、外壁を解体しなくても断熱性と防音性を向上させることができます。

 

 

1.4.7 インナーサッシのメリット

  • 低コストでの断熱強化:既存のサッシを残したまま追加で取り付けるため、工事費用を抑えられます。施工も短期間で完了し、手軽に断熱性を高めることが可能です。

  • 防音効果:インナーサッシを取り付けることで外部からの騒音を遮断し、室内の静寂性を確保します。特に都市部や交通量の多いエリアでは、防音効果の向上が大きなメリットとなります。

  • 結露防止:インナーサッシは室内の暖かい空気と外気との温度差を緩和するため、冬場の結露を防ぐ効果も期待できます。これにより、室内環境の快適さがさらに高まります。

 

 

1.4.8 サッシ交換の選定と施工ポイント

 

外部スケルトンリフォームでは、サッシ交換が建物の快適性やエネルギー効率に大きく影響する重要なポイントです。カバー工法を採用することで、既存のサッシ枠を活用しながらも新しいサッシを導入し、断熱や防音性能を大幅に向上させることが可能です。一方、予算を抑えたい場合はインナーサッシの設置を検討することで、効果的に断熱強化を図ることができます。

それぞれの方法には特有のメリットがありますが、リフォームの目的や予算に合わせた最適な選択をすることが重要です。建物の状況や住まい手のニーズに合わせて、最も適したサッシ交換方法を選定することで、外部スケルトンリフォームの効果を最大限に引き出すことができます。施工前には、信頼できるリフォーム会社としっかりと相談し、最善のプランを策定することが成功の鍵となるでしょう。

 

 

 

【深掘り記事へ】

ここで、ご紹介した「スケルトンリフォーム」「フルリフォーム」「リノベーション」という、三つの、言葉の、より詳細な違いや、関係性について、さらに深く、知りたい方は、ぜひ、こちらの、専門ガイドを、ご覧ください。

 

➡️リノベーションとリフォームの違い
➡️性能向上リノベーションとは?リフォームとの違いを徹底解説

第2章:【重要】あなたの家は大丈夫?スケルトンリフォームが“できない”建物の条件

 

章の概要:

スケルトンリフォームは、家の再生における、極めてパワフルな手法ですが、残念ながら、全ての建物を救うことができる「魔法」では、ありません。

建物の「構造」や、守らなければならない「法律」によっては、「できない」、あるいは「不向き」なケースも、確かに、存在するのです。

この章では、皆様が、リノベーション計画の、初期段階で、道を踏み外し、無駄な時間と労力を費やすことのないよう、私たちプロの視点から、スケルトンリフォームが「できない」建物の、具体的な条件を、正直に、そして、詳しく解説します。

これは、あなたの家の、可能性を、正確に見極めるための、極めて重要な「診断」の章です。

 

 

2.1 構造上の制約①:ツーバイフォー(枠組壁工法)の、越えられない壁

 

ここでのポイント:

まず、木造住宅の中でも、近年、その数を増やしている「ツーバイフォー(2×4)工法」の建物が、なぜ、スケルトンリフォームによる、大胆な間取り変更に、根本的に「不向き」であるのか。その、構造的な、理由について、日本の伝統的な「在来工法」との、比較で、解説します。壁そのもので、家を支える、この工法の、越えられない「壁」の存在を、ご理解いただきます。

 

 

2.1.1 あなたの家は、「柱と梁」で、できていますか?それとも「箱」ですか?

 

 

スケルトンリフォームが、可能かどうか、その、最初の、大きな分かれ道。

それは、皆様のお住まいが、どのような「工法」で、建てられているか、という点にあります。 日本の木造住宅は、大きく分けて、二つの「工法」に、分類されます。

 

  • 在来工法(木造軸組工法): 日本の、伝統的な工法です。「柱」「梁」という、線状の部材で、まず、家の「骨格」を組み上げ、その間に、壁を配置していく、という考え方です。骨格が、しっかりと自立しているため、構造的に重要でない、間仕切り壁などは、比較的、自由に、撤去・移動することが可能です。

  • ツーバイフォー工法(枠組壁工法): 北米から、伝わった工法です。柱や梁、という「線」で支えるのではなく、床・壁・天井という「6つの面」で、家全体を、一つの強固な「箱」として支える、という考え方です。地震の力を、面全体で、受け止めるため、非常に、高い耐震性を、発揮します。

 

 

 

2.1.2 なぜ、ツーバイフォーでは、壁が抜けないのか

 

 

そして、この、ツーバイフォー工法の「面で支える」という、最大の強みこそが、スケルトンリフォームにおいては、最大の「弱点」へと、姿を変えます。 なぜなら、その「壁」は、単なる、間仕切りでは、ありません。

その壁、一枚一枚が、家全体の、構造を支える、極めて重要な「耐力壁」だからです。

在来工法が、人体の「骨格」に、近いとすれば、ツーバイフォー工法は、昆虫や甲殻類の「外骨格」に近い、とイメージしてください。

その、外骨格の一部を、安易に、取り払ってしまえば、どうなるか。全体の強度が、致命的に、低下し、自重にさえ、耐えきれず、崩壊してしまう、危険性すらあるのです。

もちろん、専門家が、緻密な構造計算を行えば、一部の壁を撤去し、梁などで補強することも、不可能では、ありません。

しかし、スケルトンリフォームの、最大の魅力である「間取りの、抜本的な、自由変更」は、この、ツーバイフォー工法においては、極めて、困難な、あるいは、不可能な挑戦となるのです。

 

 

2.2 構造上の制約②:マンション(RC造)における、管理規約と、構造壁の限界

 

ここでのポイント:

次に、戸建てと並行して、検討される方も多い「マンション」スケルトンリフォームが抱える、二つの、大きな「制約」について、解説します。それは、法律以前の、そのマンション独自のルールである「管理規約」と、物理的に、決して壊すことのできない「構造壁」という、二つの、高い壁の存在です。

 

 

2.2.1 あなたが、自由にできるのは「箱の内側」だけ

 

マンションスケルトンリフォームは、近年、非常に人気が高まっています。

しかし、戸建てのそれとは、全く、似て非なるものである、ということを、まず、ご理解いただく必要があります。

なぜなら、マンションにおいて、皆様が、所有し、自由にリフォームできるのは、あくまで、お部屋の「専有部分」、すなわち、コンクリートの箱の「内側」だけだからです。 窓サッシや、玄関ドア、そして、バルコニーといった「共用部分」は、皆様の、所有物では、ありません。

これらを、勝手に、交換したり、変更したりすることは、原則として、許されません。

 

 

2.2.2 立ちはだかる、二つの「壁」

 

そして、マンションのスケルトンリフォームにおいて、皆様の、自由な間取り変更の前に、立ちはだかるのが、二つの、高い壁です。

  • ①「管理規約」という、法律の壁                                          全てのマンションには、そのマンション独自の、法律である「管理規約」が存在します。そこには、「フローリングの、遮音等級」や、「水回りの、移動範囲」など、リフォームに関する、細かなルールが、定められています。この規約を、無視したリフォームは、決して、許されません。

  • ②「構造壁(耐力壁)」という、物理的な壁                                      そして、より、根本的な問題が、コンクリートの「構造壁」です。特に、古いマンションに多い「壁式構造」の場合、お部屋の中にある、間仕切り壁そのものが、建物全体の、構造を支える、極めて重要な「耐力壁」となっています。この壁は、当然ながら、絶対に、壊すことはできません。

 

これらの、厳しい制約の中で、いかにして、最大限の、快適空間を、創り出すか。マンションのスケルトンリフォームには、戸建てとは、全く異なる、専門的な知識と、経験が、求められるのです。

 

 

2.3 構造上の制約③:特殊な古民家(無筋基礎・石場建て)の、高度な課題

 

ここでのポイント:

次に、築50年を超えるような、古い木造住宅、いわゆる「古民家」のスケルトンリフォームが、なぜ、特別な、注意を要するのか。その、足元に潜む、二つの、大きな「課題」、「無筋基礎」「石場建て」について、解説します。これらは、決して「不可能」では、ありません。しかし、その治療には、最高レベルの、外科医の技術が、求められます。

 

 

2.3.1 あなたの家の「足元」は、本当に、大地を掴んでいるか

 

 

スケルトンリフォームの、可能性は、無限大です。しかし、その、全ての可能性の、大前提となるのが、「その家が、強固な“基礎”によって、大地と、しっかりと、結ばれているか」ということです。 そして、築40年50年を超える、古い中古戸建ての、多くが、この、最も重要な「足元」に、深刻な、問題を抱えています。

 

 

2.3.2 二つの、古民家特有の「課題」

 

  • ①「無筋基礎」という、時限爆弾                                           1981年の、建築基準法改正以前に、建てられた家の多くは、「無筋基礎」、すなわち、コンクリートの中に、鉄筋が入っていない、極めて脆弱な基礎で、できています。この基礎は、地震の力で、簡単に、破壊されてしまいます。このような家で、スケルトンリフォームを行う場合、その、全ての計画の、大前提として、大掛かりな「基礎補強」が、絶対に、必要となります。

  • ②「石場建て」という、伝統構法の知恵と、向き合う                                 さらに、古い家になると、「石場建て」といって、コンクリートの基礎がなく、石の上に、直接、柱が、乗っているだけの、伝統的な構法で、建てられていることもあります。これは、地震の力を、受け流す「免震」の知恵ですが、現代の「耐震」の考え方とは、全く、異なります。その、特性を、深く理解せず、安易に、コンクリートで固めてしまうと、かえって、家の寿命を、縮めてしまう、危険性すらあるのです。 これらの、特殊な課題を、抱えた家のスケルトンリフォームは、もはや、通常のリフォームの範疇を、超えています。それは、文化財を、修復するような、極めて、高度な、知識と、経験を、必要とする、特別な「医療行為」なのです。

2.4 法的な制約:建築基準法に違反している建物の、リスク

 

ここでのポイント:

 

最後に、全ての建物に、共通する、最も、根本的な制約、「法律」のリスクについて、解説します。特に、2025年の法改正によって、より厳格化される「確認申請」の、問題です。あなたの家が、知らず知らずのうちに、法律違反の状態になっていた場合、スケルトンリフォームが、いかに、困難なものとなるか。その、厳しい現実を、お伝えします。

 

 

2.4.1 「既存不適格」と「違法建築」

 

 

あなたの家は、建てられた、その当時は、合法的なものであったとしても、その後の、法改正によって、現在の法律には、適合しなくなってしまっている「既存不適格」の状態かもしれません。

あるいは、過去の、無許可な増築によって、そもそも「違法建築」の状態に、なってしまっている、可能性も、あります。

 

 

2.4.2 「確認申請」が、暴き出す、過去の“罪”

 

 

通常、スケルトンリフォームは、「大規模な修繕・模様替え」に、該当しますが、多くの場合、確認申請は、不要です。

しかし、もし、その工事が、少しでも「増築」を伴うものであったり、あるいは、2025年の法改正以降、より厳格な、基準に、抵触してしまったりした場合。あなたは、行政に対して「確認申請」を、提出しなければなりません。

その瞬間、あなたの家の、全ての「過去」が、白日の下に、晒されます。そして、もし、そこに「既存不適格」や「違法建築」という、問題が、発見された場合。行政は、あなたに、その「是正」を、求めてきます。それは、時に、建物を、小さくしなければならない「減築」を、意味することもあるのです。 この、スケルトンリフォーム確認申請の、複雑な関係性を、深く理解し、法的なリスクを、回避しながら、最適な計画を、立案すること。それこそが、私たち、プロの、最も重要な、役割の一つなのです。

 

 

【深掘り記事へ】

この章で、ご紹介した、2025年の建築基準法改正における、より詳細な、注意点や、可能性については、ぜひ、こちらの、専門ガイドを、ご覧ください。

 

➡️2025年建築基準法改正によるリフォームへの影響

第3章:メリット・デメリットを徹底比較|後悔しないための全知識

 

章の概要:

スケルトンリフォームは、家の再生における、最もパワフルで、そして、最も可能性に満ちた、選択肢です。

しかし、その輝かしい「光」の裏側には、同時に、皆様が、その決断の前に、必ず、直視しなければならない、厳しい「影」も、存在します。

この章では、その「光と影」、すなわち、スケルトンリフォームメリットデメリットの両側面を、私たちプロとして、一切の忖度なく、正直に、全てお話しします。

「新築を超える性能が、手に入る」という、絶大なメリット。

そして、「地盤の問題」「長期の仮住まい」といった、厳しいデメリット。その、両方を、冷静に、天秤にかけ、あなたが、本当に、この道を選ぶべきか、その、覚悟を、固めていただきます。

 

 

3.1 メリット:新築を超える「性能」、完全自由な「間取り」、そして「資産価値」の向上

 

ここでのポイント:

まず、スケルトンリフォームが、皆様の未来にもたらす、三つの、絶大な「メリット(光)」について、お話しします。

それは、単なるリフォームでは、決して、手に入れることのできない、

①新築を、遥かに凌駕するほどの「絶対性能」

②家族の、暮らしの変化に、完璧に寄り添う「完全自由な間取り」

そして、③未来永劫、輝き続ける「揺るぎない資産価値」

この、三つの、究極の価値こそが、多くの賢明な方々を、この、壮大な旅へと、駆り立てるのです。

 

 

3.1.1 なぜ、これほど、多くの人が、この「困難な道」を選ぶのか

 

この後のセクションで、私たちは、スケルトンリフォームが、いかに、費用期間を要する、困難な道であるか、その厳しい現実について、お話しします。

しかし、その前に。なぜ、それほどの、困難を、乗り越えてでも、多くの人が、この道を選ぶのか。

その、根源的な「理由」について、まず、皆様と、共有させてください。

その答えは、一言で言えば、圧倒的な「コストパフォーマンス」にあります。

スケルトンリフォームの最大のメリットは、なんといっても、新築同レベル、あるいは、それ以上の建物性能まで家の価値を引き上げながら、その費用価格を、新築の2分の1から3分の2程度で実現できる、という点なのです。

では、なぜ、そのような、驚くべきコストパフォーマンスが、可能になるのでしょうか。その秘密は、スケルトンリフォームだけがもたらす、三つの、輝かしい「果実」の中に隠されています。

 

 

3.1.2 あなたが、手に入れる、三つの「究極の、果実」

 

  • メリット①:新築を、超えるほどの「絶対性能」― 耐震・断熱からライフラインまで               「どうせ、リフォームなのだから、性能は、新築には、敵わないだろう」。 もし、あなたが、そう、お考えだとしたら、その、古い常識は、今日、この場で、捨て去ってください。 私たちが行う性能向上を、目的としたスケルトンリフォームは、その、気密・断熱性能、そして、耐震性能において、市場に流通している、並みの、新築の建売住宅を、遥かに、凌駕します。 なぜなら、新築の現場が、常に、工期と、効率を、最優先される、戦場であるのに対し、私たちの現場は、一棟の家の、性能を、極限まで高めるための「実験室」であり、「アトリエ」だからです。丸裸になった、その骨格の、一本一本と、対話しながら、ミリ単位の精度で、断熱材を充填し、気密処理を施し、そして、構造計算に基づいた、最適な補強を、加えていく。その、一切の妥協のない、オーダーメイドの仕事が、ありきたりの新築では、決して、到達できない、圧倒的な「絶対性能」を、生み出すのです。 さらに、忘れてはならないのが、水道管やガス管、電気配線といった、家の「ライフライン」です。築40年の家では、これらの「血管」や「神経」も、著しく老朽化しています。スケルトンリフォームでは、これらの、目に見えない、しかし、極めて重要なインフラを、全て、最新のものへと、一新することができます。これにより、将来の、漏水や、電気トラブルといった、深刻なリスクを、根本から、断ち切ることができるのです。

  • メリット②:完全に、自由な「間取り」― 家族の“今”と“未来”に寄り添う

    スケルトンリフォームの、二つ目の、大きな魅力。それは、間取り設計における、圧倒的な「自由度」です。 家の、内側を、一度、完全に、ゼロの状態に戻すため、皆様は、既存の、間取りの、呪縛から、完全に、解き放たれます。 「暗くて、使いにくかった、北側の台所を、家族が集まる、南側の、広々としたLDKへ」 「子供たちが、独立した後の、夫婦二人の、未来の暮らしに、最適化された、平屋のような、ワンフロアの生活空間へ」 「親世帯との、同居を見据えた、完全分離型の二世帯住宅へ」 皆様の、ライフステージの変化と、理想の暮らしの、物語に合わせて、その、舞台そのものを、ゼロから、再創造することができる。これこそが、スケルトンリフォームの、醍醐味なのです。

  • メリット③:未来永劫、輝き続ける「資産価値」― 賢明な投資                          そして、この、圧倒的な「性能」と、暮らしに寄り添う「間取り」。この二つが、掛け合わされた時、皆様の家は、未来の、中古戸建て市場において、揺るぎない、輝きを放つ「資産」へと、生まれ変わります。 エネルギー価格が、高騰し続け、そして、巨大地震への、不安が、増大し続ける、これからの日本において、「燃費が良く、安全な家」の価値は、相対的に、上がり続けていくことは、間違いありません。 さらに、建物を、建て替えるのではなく、既存の骨格を活かすスケルト-ンリフォームは、廃棄物の排出を、最小限に抑える、極めて「環境配慮型」の、家づくりでもあります。建物の長寿命化は、将来のメンテナンスコストの低減にも繋がります。 スケルトンリフォームは、単なる「消費」では、ありません。それは、皆様の、未来の、暮らしと、資産、そして、地球環境を、同時に、守り抜くための、最も、賢明な「投資」なのです。

 

3.2 デメリット:高額な初期投資と、コントロールできない根源的なリスク

 

ここでのポイント:

次に、その輝かしい「光」の、裏側にある、厳しい「影」、すなわち、スケルトンリフォームデメリットについて、プロとして、正直に、全てお話しします。

新築と比較すれば、圧倒的なコストパフォーマンスを誇る一方で、それでもなお、乗り越えなければならない「高額な初期投資」と「長期の仮住まい」という現実。

そして、どんなプロフェッショナルでさえも、完全にはコントロールすることのできない、二つの根源的な「リスク」。その、厳しい現実を直視し、皆様の「覚悟」を問います。

 

 

3.2.1 本当のパートナーは、「良い話」だけは、しない

 

本当の、良きパートナーとは、決して、耳障りの良い、甘い言葉だけを語る存在ではありません。

時には、厳しい現実を直視させ、そして、その困難な道を、共に乗り越えるための「覚悟」を問いかける。

それこそが、誠実なパートナーの証です。スケルトンリフォームは、素晴らしい可能性を秘めていますが、同時に、皆様が、その旅に出る前に、必ず知っておかなければならない、大きな「デメリット」と「リスク」が存在します。

 

 

3.2.2 あなたが、乗り越えるべき「壁」

 

  • デメリット①:絶対額としての「高額な初期投資」と「長期の仮住まい」                      前項で、私たちは「新築の2/3の費用で、新築以上の性能が手に入る」という、素晴らしいコストパフォーマンスについて学びました。これは、動かしようのない事実です。 しかし、私たちは、同時に、その「絶対額」の大きさからも、目をそらしてはなりません。戸建てスケルトンリフォームは、2,000万円、3,000万円という、人生で、何度も経験することのない、極めて高額な「投資」です。この、大きな経済的な負担を、乗り越える覚悟が、まず、必要となります。 そして、その高額な投資は、長い期間を要します。計画から完成まで、短くとも半年、長い場合には、一年以上。その間、皆様は、現在の家を離れ、「仮住まい」での生活を余儀なくされます。その、精神的、そして経済的な負担も、決して小さなものではありません。

  • デメリット②:コストパフォーマンスを覆す、最大のリスク「地盤」                       「新築の2/3」という、圧倒的なコストパフォーマンス。実は、この計算式が成り立つためには、一つの、大きな前提条件があります。それは、皆様の家が、建っている「大地」、すなわち「地盤」が、健全である、ということです。 私たちは、スケルトンリフォームによって、その上に立つ「建物」を、完璧に再生することはできます。しかし、その建物を支える「大地」そのものを、変えることは、原則としてできません。 もし、事前の地盤調査によって、その土地が、極度の軟弱地盤である、と判明した場合。地盤改良という、さらに、莫大な費用のかかる追加工事が必要となり、結果として、建て替えの方が、合理的である、という、苦渋の決断を迫られる可能性も、ゼロではないのです。

  • デメリット③:計画の“自由”を縛る、もう一つのリスク「法規」                         そして、もう一つの、コントロール不能なリスク。それが「法律」です。 スケルトンリフォームの、大きなメリットである「自由な間取り」。しかし、その自由は、無限ではありません。前章で学んだ通り、皆様の家が、もし、既存不適格、あるいは、違法建築の状態にあった場合。リフォーム計画が、予期せず確認申請の対象となり、減築を求められる、といった、法的なリスクも、常に存在します。また、増築を伴う場合、固定資産税が増加する可能性も、考慮しなければなりません。

 

これらの、厳しい「影」の部分から、目をそらさず、それらを乗り越える「覚悟」を固めること。それこそが、後悔しないための、第一歩なのです。

 

3.3 それでも、私たちが、スケルトンリフォームを、推奨する理由

 

ここでのポイント:

この、厳しい「デメリット」を、全て、ご理解いただいた上で、それでも、なぜ、私たちプロフェッショナルが、中古戸建て、特に、築40年を超えるような家の再生において、スケルトンリフォームを、強く、推奨し続けるのか。その、最後の、そして、最も重要な「理由」について、私たちの、哲学と、共に、お話しします。

 

 

3.3.1 なぜなら、それは「最大にして、最後の、チャンス」だから

 

 

私たちが、なぜ、これほどまでに、スケルトンリフォームという、困難な道を、推奨し続けるのか。 その理由は、極めて、シンプルです。 なぜなら、築40年を超えるような、皆様の家にとって、その、根本的な「病」を、治療し、新しい命を、吹き込むことができる、機会は、この、スケルトンリフォームを、おいて、他に、存在しないからです。

 

 

3.3.2 あなたは、未来へ、何を、残しますか?

 

 

今、この、人生の、大きな節目で、もし、あなたが、目先の費用を、惜しみ、中途半端な「表層改装」で、済ませてしまったとしたら。 その、美しい壁紙の下で、家の「病巣」は、静かに、進行し続けます。そして、10年後、20年後。

その時には、もはや、手遅れな状態となり、次の世代は、「解体」という、選択肢しか、残されていないかもしれません。 しかし、今、このタイミングで、あなたが、勇気を持って、スケルトンリフォームという、大手術に、踏み切るならば。 あなたは、ご自身の、これからの人生を、最高の「安全性」と「快適性」の中で、過ごすことができるだけでなく、その、最高の価値を、そのまま、次の世代へと、受け渡すことができるのです。

 

スケルトンリフォームで、後悔しないための、最大の秘訣。それは、「この工事は、自分のためだけではない。家族の、未来の、歴史を、創るための、尊い投資なのだ」と、確信することです。 その、揺るぎない「覚悟」こそが、この、長い旅を、乗り越えるための、最大の、力となるのです。

 

【深掘り記事へ】

ここで、ご紹介した、スケルトンリフォームの、メリットデメリットについて、さらに、詳細な、チェックリストと、共に、ご自身の状況を、客観的に、判断したい方は、ぜひ、こちらの、専門ガイドを、ご覧ください。

□ スケルトンリフォームのメリット・デメリットを正直に解説!後悔しないための判断基準

第4章:【費用はいくら?】種類別のリアルな費用相場と、賢いコスト削減術

 

章の概要:

これまでの章で、スケルトンリフォームの、壮大な可能性と、同時に、その、厳しい現実についても、学んできました。

いよいよ、この旅の、核心とも言える、皆様が、最も知りたいであろう、「お金」の話をします。戸建てスケルトンリフォームには、一体、いくら費用がかかるのか。

その、リアルな費用相場を、「坪単価」という、安易な言葉の、危険性と共に、私たちの、500棟以上の、膨大な実績データに基づき、完全に、ガラス張りにします。

さらに、ただ安いだけの、危険な値引きではない、性能を一切落とさずに、費用を賢く抑える「3つのコツ」も、プロの視点から、皆様にだけ、お伝えします。

 

 

4.1 なぜ、「坪単価」という言葉を、信じてはいけないのか

 

ここでのポイント:

まず、皆様が、リフォームの情報収集の際に、必ず、目にするであろう、「坪単価」という、一見、便利で、分かりやすい言葉の、裏に潜む「大きな罠」について、警鐘を鳴らします。なぜ、こと、中古戸建てスケルトンリフォームにおいて、「坪単価」という物差しが、全く、役に立たないどころか、時に、皆様を、不幸な結果へと導いてしまうのか。その、構造的な、理由を、解説します。

 

4.1.1 「坪単価〇〇万円!」という、甘い誘惑

 

 スケルトンリフォーム費用を、調べ始めると、おそらく、皆様は、必ず、この言葉に、出会うはずです。

「坪単価(つぼたんか)」。 「スケルトンリフォーム、坪60万円から!」。

そのように、謳っている、ウェブサイトや、広告を見て、「うちの家は30坪だから、60万円をかけて、1800万円か。意外と、安いじゃないか」と、安易に、計算してしまった、経験は、ありませんか。

その、あまりにも、シンプルで、分かりやすい「坪単価」という言葉。それこそが、リフォーム業界が、長年、抱える、根深い問題であり、そして、お客様を、後悔へと導く、最初の、そして、最大の「罠」なのです。

 

 

4.1.2 なぜなら、あなたの家は「一点物」だからです

 

なぜ、私が、これほどまでに、強く、「坪単価」という言葉を、否定するのか。 その理由は、スケルトンリフォームという行為が、規格化された「工業製品」を作るのとは、全く、対極にある、唯一無二の「一点物」を、創り上げる、という、作業だからです。

「坪単価」という考え方が、有効なのは、同じ設計図で、同じ建材を使い、同じプロセスで、何棟も、同じ家を建てる、新築の、建売住宅の、世界だけです。 しかし、皆様が、これから向き合う、築40年の、木造住宅は、どうでしょうか。

 

  • その、壁の内側は、健全な状態ですか?それとも、雨漏りで、腐っていますか?

  • その、基礎は、鉄筋の入った、強固なものですか?それとも、鉄筋のない、無筋基礎ですか?

  • その、立地は、トラックが、横付けできる、広い道路に面していますか?それとも、職人が、手で、資材を運ばなければならない、狭い路地の奥ですか?

 

これらの、一つひとつの「条件」によって、本来、スケルトンリフォーム費用は、何百万円、時には、1,000万円以上、変動するのが、当たり前なのです。

その、あまりにも、複雑で、個別性の高い、現実を、無視して、全てを「坪単価」という、乱暴な、一つの物差しで、測ろうとすること。

それ自体が、プロとして、極めて、不誠実な、態度であると、私は、断言します。

「坪単価」を、安易に、口にする業者には、どうか、くれぐれも、ご注意ください。

 

 

4.2 【種類別】リアルな費用相場と、価格実例の、全公開

戸建スケルトンリフォームの費用相場

※増改築.com®過去平均に基く

ここでのポイント:

では、一体、何を、信じれば良いのか。その、皆様の、当然の疑問に、お答えします。唯一、信頼できる物差し。

それは、工事の「種類(=パターン)」別に、算出された、正直な「費用相場」です。

このセクションでは、第1章で、分類した「3つの種類」別に、私たちの、500棟以上の、実績データに基づいた、リアルな費用相場と、その価格で、何が、可能になるのか、その、全てを、公開します。

 

 

4.2.1 500棟の実績が、示す「偽らざる、相場」

 

これから、お示しする費用相場は、どこかの、ウェブサイトから、引用した、曖昧な数字では、ありません。それは、私たちが、これまで、手掛けてきた、500棟以上の、戸建てスケルトンリフォーム、その、一つひとつの、血の通った、見積書と、請求書から、導き出した、極めて、リアルで、そして、偽らざる「現実の相場」です。(※東京都内・延床面積30坪(約100㎡)の木造住宅を想定)

 

 

4.2.2 種類別・費用相場一覧

 

  • 種類①:内部スケルトンリフォーム

    • 費用相場:1,800万円 ~ 2,800万円(税別)

    • 解説: これは、性能向上を目指す、スケルトンリフォームの、最も、標準的な価格帯です。費用の、約半分が、目には見えない、耐震・断熱といった、構造躯体の、強化に、投資されます。築40年の家の、性能を、根本から改善したい、という方に、最も、コストパフォーマンスの高い、選択肢です。スケルトンリフォーム費用2000万円台で、お考えの場合、このパターンが、現実的な、目標となります。

 

築年数が30年以上を経過している建物、旧耐震以前に建てられた建物で耐震を見直したいが、外部外装をすべて解体するほど外壁の傷みがないケースでは、この内部スケルトンリフォームは採用が多いスケルトンリフォームになっています。

基本外壁を傷めない(解体しない)ことが前提となります。大手リフォーム会社の「新築●●」や「まるごと新築●●」などとネーミングされているスケルトンリフォームがこれにあたります。サッシを変更する場合は外壁にカッターをいれ入れ替え、もしくは間取り変更後に窓の位置が変わる場合などはプラスアルファの費用が掛かってきます。間取り変更、階段位置変更が可能で自由度が高い工事です。内部を躯体残しにすることで、構造体の全体的な補強が可能です。床を剥がすため、基礎の補強も必要に応じて施工することが可能となります。

 

外周面の内壁を剥がすことから、外周面への断熱工事も断熱材の選択肢が広がります。施工面積によって費用も変わって参りますが、下記の金額が一つの指標になるはずです。

2階建て建築面積30坪の場合のスケルトンリフォーム
工事費(費用相場)
※過去事例平均
2100万円
  • 種類②:内外装スケルトンリフォーム
    • 解説: 新築と、ほぼ同等の、工事内容となる、究極の再生です。内部の改修費用に加えて、屋根、外壁、そして、全ての窓サッシを、ゼロから、作り直すための、高額な費用が、加わります。外壁の劣化が、著しい、築50年以上のスケルトンリフォームや、家の傾きを、伴うような、大規模な補修が必要な場合に、選択される、最高峰の、リノベーションです。

    • 費用相場:2,800万円 ~ 3,800万円以上(税別)

 

 

外部までの解体を進め、一戸建て(一軒家)が完全なスケルトン(躯体)状態になるのがこの工事になります。プランも自由度が最も高く、建物も形によっては、玄関の位置を変更することも可能になるため、2世帯住宅へのリフォームをされるケースなどで採用されるケースが多いリフォームになります。

 

耐震面では基礎補強工事に加え、耐震補強は構造内部からの補強、さらに外部から補強が加わります。外壁面は壁倍率の高い合板で全面張りが可能です。断熱についても、断熱性能の高い窓サッシの設置が自由に設置できることや、内部のスケルトンリフォームでは不可能な外断熱など断熱の選択肢は広がります。

 

解体は既存の躯体を残すためすべて手壊しの為、内部スケルトンリフォームよりも費用がかかってきます。施工面積によって費用も変わって参りますが、下記の金額が一つの指標になるはずです。

2階建て建築面積30坪の場合のスケルトンリフォーム
工事費(費用相場)
※過去事例平均
3000万円
渋谷区I様邸内外部スケルトンリフォーム現場写真
  • 種類③:外部スケルトンリフォーム
    • 費用相場:1,500万円 ~ 2,500万円(税別)

    • 解説: 内部を、傷つけずに、工事を進めるため、特殊な、技術と、手間が必要となり、工事範囲の割には、費用が、割高になる傾向があります。内部は、まだ新しいが、外周部の性能だけを、集中的に高めたい、という、特殊なケースの、選択肢です。

この、客観的な費用相場を、まず、皆様の、判断の「軸」として、しっかりと、心に、留め置いてください。

 

施工面積によって費用も変わって参りますが、下記の金額が一つの指標になるはずです。

専有面積100㎡の場合のスケルトンリフォーム
工事費(費用相場)
※過去事例平均
2000万円
渋谷区I様邸内外部スケルトンリフォーム現場写真

※渋谷区I様マンションスケルトンリフォーム現場写真より

  • 種類④:マンションスケルトンリフォーム

マンションスケルトンリフォームでは専有部のみの躯体残しの解体、その後自由に間取りを変更できるリフォームになります。

鉄筋コンクリートが壁式構造なのかラーメン構造なのか、年代により異なります、

S40年代に建てれた壁式構造では、スケルトンにしても天井高が取れないケースもあります。木造との大きな違いとして、躯体にかかわる工事がないこと、外部工事がないことがあげられ、基本的に内装、造作主体の工事となります。給排水の排水の出口は移動できないため、排水の水勾配を検討し水周りの設置位置を決定することが大切です。多くのリフォーム会社が定額制のパッケージを用意しており、60㎡程度で平米当たり10万以上が相場となっています。

 

施工面積によって費用も変わって参りますが、下記の金額が一つの指標になるはずです。

専有面積100㎡の場合のスケルトンリフォーム
工事費(費用相場)
※過去事例平均
1000万円

4.3 プロが実践する、賢いコスト削減術「3つの秘訣」

ここでのポイント:

 

スケルトンリフォームは、高額な投資です。だからこそ、一円たりとも、無駄にはできません。このセクションでは、私たちプロが、常に、現場で実践している、性能を、一切、妥協することなく、全体の費用を、賢く、コントロールするための「3つの秘訣」を、皆様にだけ、お伝えします。

 

 

4.3.1 「値引き」ではなく、「価値の、再配分」という思想

 

 

まず、皆様に、ご理解いただきたい、最も重要なこと。それは、「コスト削減」とは、単に、業者に「値引き」を、要求することでは、断じてない、ということです。

無理な値引きは、必ず、どこかに、歪みを生み、見えない部分の、手抜き工事へと、繋がります。

本当の、プロが行う、コスト削減とは、「価値の、再配分」という、極めて、知的な、戦略です。

限られた、予算の中で、どこに、重点的に、投資し、どこを、賢く、諦めるか。その、優先順位を、明確にすること。それこそが、成功の鍵なのです。

 

 

4.3.2 賢いコスト削減術「3つの秘訣」

 

 

  • 秘訣①:「骨格」には、金を惜しまず、「衣服」で、調整する                           これは、私たちの、揺るぎない、鉄則です。家の「骨格」である、耐震・断熱性能に関わる費用は、絶対に、削ってはなりません。一方で、キッチンや、ユニットバスといった「衣服」である、設備機器は、10年後、15年後、また、交換することができます。今は、最高のグレードを、求めず、標準的な、グレードで、我慢する。その、勇気ある決断が、家の、100年の寿命を、買うのです。

  • 秘訣②:「造作」の、魔術を、使いこなす                                   例えば、収納。既製品の、高価な、システム収納や、クローゼット扉を、採用するのではなく、大工の「造作」で、シンプルな棚を、作り、そこに、美しいカーテンや、ロールスクリーンを、取り付ける。それだけで、数十万円の、コスト削減が、可能になることもあります。

  • 秘訣③:「減らす」という、勇気を持つ                                    例えば、窓。たくさんの、中途半端な性能の窓を、つけるのではなく、本当に、必要な場所に、最高の性能の窓を、厳選して、設置する。窓の「数」を減らすことで、浮いた予算を、残した窓の「質」へと、再投資する。それは、時に、家の性能を、向上させながら、コストを、下げる、という、究極の、コスト削減術と、なり得るのです。

4.4 賢い資金計画 ― ローン、補助金、そして、親からの贈与という、選択肢

ここでのポイント:

 

最後に、この、大きな決断を、後押ししてくれる、心強い「味方」の存在について、お話しします。

リフォーム費用は、必ずしも、全てを、自己資金で、賄う必要は、ありません。「ローン」「補助金」「贈与」という、三つの、賢い、資金計画の選択肢を、知り、そして、使いこなすことで、皆様の、夢の実現は、さらに、確実なものとなります。

 

 

4.4.1 あなたの、夢を、後押しする「三本の矢」

 

戸建てスケルトンリフォームという、大きな夢を、現実のものとするために。皆様が、活用できる、資金計画には、大きく分けて、三つの、強力な「矢」が、存在します。

 

  • 第一の矢:リフォームローン                                         現在では、多くの金融機関が、リフォーム専用の、ローン商品を、提供しています。担保の有無や、金利、返済期間など、その種類は、多岐にわたります。皆様の、ライフプランに合った、最適なローンを、選ぶことが、重要です。

  • 第二の矢:補助金・助成金                                          耐震断熱といった、質の高い性能向上リノベーションに対して、国や、自治体は、手厚い「補助金」を、用意してくれています。これらは、返済不要の、貴重な「贈与」です。活用しない手は、ありません。

  • 第三の矢:親からの、資金贈与(贈与税の非課税措置)                             もし、ご両親などから、資金的な援助を、受けられる、可能性があるのなら、「住宅取得等資金の、贈与税の非課税措置」という、極めて、有利な、税制優遇を、活用することができます。

 

 

4.4.2 「専門家」と、共に、歩む、資金計画

 

これらの、複雑な、資金計画を、皆様、ご自身だけで、全て、組み立てるのは、至難の業です。 どこに頼むか、迷った時。スケルトンリフォームの、パートナー選びとは、単に、工事を、依頼する、業者を、選ぶことでは、ありません。

それは、皆様の、この、複雑な資金計画の、段階から、親身になって、相談に乗り、そして、補助金の申請手続きなども、含めて、トータルで、サポートしてくれる、信頼できる「専門家」を、見つけ出す、ということなのです。

 

 

【深掘り記事へ】

この、スケルトンリフォーム費用に関する、ローンや、補助金、そして、具体的な、資金計画の、立て方について、さらに、詳しく知りたい方は、こちらの、専門ガイドを、ご覧ください。

□ スケルトンリフォームの費用はいくら?坪単価・内訳・ローンまで徹底解説

第5章:【工期・期間】計画から完成までを完全ドキュメント

 

章の概要:

スケルトンリフォームは、思い立って、すぐに完成するものでは、ありません。それは、半年、時には、一年以上にも及ぶ、長い、長い、旅路です。

この章では、その、複雑な旅路の、全工程を、「最初のご相談」から「感動のお引渡し」まで、実際の現場写真と共に、ドキュメンタリーのように、解説します。

いつ、何を、決断し、そして、どれくらいの期間仮住まいが必要になるのか。その、リアルな、タイムスケジュールを、事前に、そして、正確に、把握することで、あなたの、漠然とした不安は、具体的な「計画」へと、変わっていくはずです。

 

 

5.1 最初の相談から、契約までの「計画フェーズ」(約2~4ヶ月)

 

ここでのポイント:

まず、多くの方が、意外と、見落としがちな、しかし、リフォームの成否の9割を決定づける、「工事が始まる、前の時間」の重要性について、お話しします。最初のご相談から、ご契約に至るまでの「計画フェーズ」には、実は、数ヶ月という、長い時間が必要です。なぜ、私たちは、この、準備期間を、これほどまでに、大切にするのか。その、理由と、具体的な流れを、解説します。

 

 

5.1.1 成功の9割は、「準備」で決まる

 

皆様が、スケルトンリフォーム期間について、お考えになる時、その、意識は、どうしても「工事が、始まってから、終わるまで」の、時間に、向きがちです。

しかし、500棟以上の、大規模なリノベーションを、手掛けてきた、私の、経験から、断言できることがあります。

それは、「リフォームの、本当の戦いは、一本の釘を打つ、その、ずっと前に、始まっている」ということです。

最高のスケルトンリフォームを実現するための、最も重要な期間。それは、実は、この「計画フェーズ」なのです。この、最初のボタンを、掛け違えてしまえば、どんなに、腕の良い職人が、工事をしても、後悔の残る、リフォームになってしまいます。

焦らず、急がず、しかし、緻密に。この、最も重要な、準備の流れを、見ていきましょう。

 

 

5.1.2 私たちの「計画フェーズ」― その、具体的な流れ

 

私たち、増改築どっとコムでは、お客様との、最初の出会いから、ご契約まで、おおよそ、以下の、4つのステップを、平均して2ヶ月から4ヶ月という、時間をかけて、じっくりと、進めていきます。

 

  • Step1:初回ご相談・現況調査(約1~2週間)                                    全ての物語は、ここから始まります。私たちが、皆様のお住まいへ、お伺いし、皆様の、夢や、不安、そして、理想の暮らしについて、2時間、3時間と、時間をかけて、徹底的に、ヒアリングさせていただきます。そして、同時に、家の隅々まで、プロの眼で、観察し、その家の、現在の「健康状態」を、診断します。

  • Step2:詳細調査・科学的分析(約3~4週間)                                    ここからが、専門家の、腕の見せ所です。構造計算や、外皮計算(断熱性能の計算)といった、科学的な分析を行い、皆様の家の、目には見えない「性能」を、客観的な数値として、完全に「見える化」します。この、詳細な「カルテ」が、全ての計画の、土台となります。

  • Step3:詳細設計・仕様決定(約1~2ヶ月)                                     その「カルテ」を基に、いよいよ、その「夢」を、具体的な「設計図」へと、落とし込んでいく、最も、楽しく、そして、最も、悩ましい時間です。間取りの、1センチ単位の調整から、キッチンやお風呂の、メーカー、グレードの選定、そして、壁紙や、照明器具の一つひとつまで。この、詳細な仕様を、ここで、完璧に、固めてしまうことこそが、後々の、追加費用や、トラブルを防ぐ、最強の「お守り」となります。

  • Step4:本見積もり・ご契約(約2~3週間)                                     全ての仕様が、確定した段階で、私たちは、一円単位の、誤差もない、詳細な「本見積書」を、作成します。その、全ての項目を、皆様に、ご納得いただいた上で、初めて、私たちは、工事請負契約を、締結させていただくのです。

 

この、一見、長く感じられるかもしれない、計画期間こそが、皆様の中古戸建てスケルトンリフォームを、成功に導く、最も重要な、助走なのです。

 

5.2 解体から、竣工までの「工事フェーズ」― 7つのステップ完全解説

 

ここでのポイント:

いよいよ、皆様の家の、新しい物語が、物理的に、動き出す「工事フェーズ」です。その、ダイナミックな、変貌のプロセスを、7つの、主要な工程に分解し、それぞれの、役割と、おおよその期間について、解説します。壁や床の、内側で、一体、どのような「命の手術」が、行われているのか。その、普段、決して見ることのできない、舞台裏を、ご覧いただきます。

 

5.2.1 家が、生まれ変わる、ということ

 

完璧な「計画」という、羅針盤を手に入れ、私たちの船は、いよいよ、リノベーションという、大海原へと、漕ぎ出します。 ここから始まる「工事フェーズ」は、古い家が、一度、その命を終え、そして、新しい、より強い命として、生まれ変わる、感動の、プロセスです。

 

5.2.2 家の「再生」を、支える、7つの工程

Step0: 既 存

一戸建てスケルトンリフォーム(ビフォー)

築60年を超える中古木造一戸建てのスケルトンリフォームを例に、どのような流れで工事がすすんでいくのかをハイライトで見ていきたいと思います。外壁はモルタル、室内は木舞壁(土壁)の築古住宅です。

 

Step1:解体工事(約2~4週間)

一戸建てスケルトンリフォーム_解体

スケルトンリフォームの手壊し解体

一戸建てスケルトンリフォーム_解体

解体時の廃材の搬出

 

内部の解体より進めていきます。解体はすべて機械壊しではなく、手壊しとなります。木造のスケルトンリフォームでの解体は、室内の天井・床・壁をすべて撤去するところから始まります。主要構造部が見えてきたら、間取り変更後の間取りに必要な柱や基礎の位置をチェックしつつ、間取り変更により撤去する柱を抜いていきます。この際、補強を入れながら解体していく工事になるため、木造を熟知した職人の施工が必須となります。内部の解体が終わり次第、外壁の剥離も合わせて施工していきます。この工程は、同時に、家の、本当の健康状態を、知るための、最後の「精密検査」でもあります。

Step2:基礎・構造補強工事(約3~6週間)

軸組み構造補強

 

木造のスケルトンリフォームでは、構造計算をした上で、新たな間取りに対して解体後の現況の軸組の構造を再度照らし合わせ、補強工事を行っていきます。柱を抜いた部分への梁補強も空間のスパンによっては、鉄梁を入れるケースもあります。

その他、耐力壁となる筋交いの金物補強、制震ダンパーの設置など新規の間取りに対して、耐力が最大化かつ偏心率を最小化させるよう用バランスを検討し耐震補強を施工します。これらの構造補強は、木造新築のみを施工している工務店、マンションを施工している内装大工では、出来ない工事となりますので、木造の改築の実績が豊富な施工会社(工務店・リフォーム業者)へ相談をされることをおススメします。

 

一戸建てスケルトンリフォーム_補強

H鋼による鉄梁補強

一戸建てスケルトンリフォーム_補強

筋交いへの柱頭、柱脚部への金物補強、仕口への制震ダンパー設置

一戸建てスケルトンリフォーム_補強

抜いた柱への梁補強(尺梁)

基 礎

 

築30年以上の建物では、布基礎になってることも多く、中でも昭和56年の旧耐震基準の建物は無筋基礎であることが大変多いため、「ベタ基礎への基礎補強工事」、「アラミド繊維による補強」、「抱かせ基礎(ツイン基礎)による基礎補強」などさまざまな基礎補強法からその建物にベストな補強を検討することになります。既存の基礎高(立ち上がり)によって補強法も変わって参ります。

スケルトンリフォームの基礎補強
スケルトンリフォームの基礎補強
スケルトンリフォームの基礎補強

Step3:外部工事(約4~8週間)

外 部

 

外壁まで解体する内外部スケルトンリフォームでは、外部からの補強工事も可能となります。既存の外壁を剥離し、外周面の柱や桁に壁倍率の高い構造用合板等を全面張りすることで、壁倍率が倍になります。その他建設大臣認定の補強金物工法などを使用することで、新築でいう最高基準の耐震等級3相当の評点1.5以上を目指すことが可能です。

 

スケルトン状態になった外部(屋根・壁)は、早い段階で屋根をの工事があります。新築と同じで室内作業をしやすくするためにまず屋根を構造用合板等で増し打ち(下地が痛んでいる場合は下地まで交換)し、ルーフィングを張ります。

ルーフィング施工後、仕上げ工事となりますが、屋根は、瓦・ガルバリウム鋼板等

選択が可能なことが一般的です。外壁はサッシを入れ、外周面を構造用合板等、壁倍率の高い面材を全面に張り、その後、防水透湿シートを張り、通気胴縁を打ち、仕上材のサイディング施工が一般的ですが、外断熱をするケースでは、構造用合板の上に、断熱材を張り、その後モルタルを塗り、左官仕上げとするなど、仕上も選択が可能です。

 

一戸建てスケルトンリフォーム_外部
戸建てスケルトンリフォームブレース補強
戸建てスケルトンリフォームの屋根葺き替え

Step4:断熱・気密工事(約2~4週間)

断熱工事

一戸建てスケルトンリフォームの断熱改修

セルロースファイバー充填

スケルトンリフォームでは、断熱工事の選択肢も広がります。外周面の内壁が剥がされることから、新たに家全体の断熱工事が可能となり、高性能グラスウールやセルロースファイバー、硬質ウレタン充填等セレクトできます。外部までのスケルトンリフォームをされる場合、外断熱工法での断熱も選択肢に入ってきます。せっかくのスケルトンリフォームです。あまりに遅れている日本の断熱基準の現状を知っていただき最低でもZEH基準以上のUa値を目指したいところです。

サッシ

戸建てスケルトンリフォームのサッシ入れ替え

夏の暑さの7割、そして冬の寒さの6割の原因が、窓(サッシ)と言われています。スケルトンリフォームでは、窓サッシを取り換えないケースもありますが、外部まで解体するスケルトンリフォームではサッシは新規で設置となります。また、内部のスケルトンリフォームであってもサッシをカッターで開口し、新たな間取りに合わせてサッシを新設するケースがあります。スケルトンリフォームをされるなら、生活された後のことを考え、サッシにはある程度費用ウエイトをかけておくことをおススメしています。

地域によってサッシの選定は変わってきますが、東京都内など準防火地域が大半をめるエリアでは、理想は樹脂サッシの防火タイプ、最低でもアルミ(外側)+樹脂(室内側)サッシに通常の複層ガラスではなく、Low-Eペアガラス以上の仕様にはしておきたいところです。

準防火以外のエリアであれば費用対効果からも樹脂サッシのLow-Eガラスには最低しておきたいところです。

Step5:内装・仕上げ工事(約4~8週間)

一戸建てスケルトンリフォーム_内装

構造的な補強工事や断熱工事が完了しますと、表装(美装)工事へと移行していきます。仕上の仕様はさまざまです。床や建具は、新建材なのか?無垢材ないのか?

壁や天井は、壁紙なのか左官仕上げなのか?選択肢は沢山あります。ご予算に応じてセレクトされることをおススメします。

Step7:最終検査・お引渡し

 

築年数を経過した旧耐震の建物へのスケルトン解体から、基礎補強、軸組部の補強、外部からの補強を加え、さらに、断熱工事をすることで、新築における最高基準での建物へバージョンアップすることが可能です。冒頭のリフォーム前の古屋が、間取りを大幅に変更することで、ここまで変わります。全ての工事が、完了した後、私たちは、自社の、厳しい基準と、そして、第三者機関による、客観的な検査を行います。その、全てのチェックを、クリアして、初めて、私たちは、自信と、誇りを持って、新しい家の鍵を、皆様に、お渡しするのです。

 

5.3 仮住まい計画の、重要性と、注意点

 

ここでのポイント:

最後に、この長い期間中、皆様の、暮らしの拠点となる「仮住まい」について、その、計画の、重要性と、絶対に、押さえておくべき「注意点」を、お話しします。スムーズで、ストレスのない、スケルトンリフォーム期間を、過ごすための、プロならではの、実践的な、アドバイスです。

 

 

5.3.1 「仮住まい」は、プロジェクトの、一部である

 

スケルトンリフォームは、家の、内部の全てを、一度、空っぽにする、大掛かりな手術です。そのため、工事期間中は、当然ながら、その家に、住み続けることは、できません。 この、「仮住まい」の計画は、リフォームの、付帯的な、作業では、ありません。それは、皆様の、リフォームプロジェクト全体の、成功を左右する、極めて重要な「一部」である、と、お考えください。

 

 

5.3.2  スケルトンリフォームの工事期間の目安

 

スケルトンリフォームの工期は、建物の種類やリフォーム内容によって異なります。たとえば、マンションのスケルトンリフォームは、解体から始まり約1か月から1か月半程度が標準的です。一方で、木造一戸建ての場合、内部のみをスケルトンにするリフォームで約3か月、内外部の解体を伴う場合は4か月から5か月程度が目安となります。この期間はあくまで標準的なものであり、実際には現場の状況や想定外の事象が発生することで工期が延びることがあります。

 

 

 

5.3.3 解体後に発覚する想定外の問題とその対応

 

スケルトンリフォームでは、解体後に初めて明らかになる問題も少なくありません。特に築年数の経過した住宅では、柱や梁の腐食、土台の劣化、過去の工事履歴が不明な場合など、想定外の状態が多く発見されます。「柱が抜けない」「構造が不安定で補強が必要」などの問題は、工事が進行してから判明することが多いため、リフォーム前に正確な工期を断言するのは難しいのが現実です。これらの問題が見つかった場合、追加工事や補強が必要となり、工期がさらに延びることも考慮しなければなりません。

そのため、スケルトンリフォームを検討する際には、現場調査をしっかりと行い、可能な限りリスクを洗い出すことが大切です。また、予想外の事態に対応できる柔軟なスケジュール管理が求められます。仮住まいが必要な場合は、工期延長のリスクも踏まえて、余裕を持った契約を結んでおくと安心です。

 

 

5.3.4 工事の変更や追加要望がもたらす工期延長のリスク

 

スケルトンリフォーム中に「やっぱりここはこうしたい」「素材を変更したい」といった変更が発生することは珍しくありません。しかし、工事進行中の変更や追加要望は、工程の見直しや材料の手配、職人の再調整が必要になり、結果的に工期が大幅に延びる要因となります。そのため、工事内容の最終決定は工事開始前にしっかりと行い、可能な限り途中での変更を避けることが重要です。

特に、素材の変更や設備の追加は納期に影響を与え、職人のスケジュールにも影響します。例えば、特殊なタイルやオーダーメイドのキッチンが必要な場合、注文から納品までに数週間を要することもあります。工事の遅れを防ぐためにも、材料選定やデザインの確定は工事前に十分に行い、施工会社と綿密に打ち合わせを重ねておくことが大切です。

 

 

 

5.3.5 施工会社選びの重要性と工期への影響

 

スケルトンリフォームの工事期間を左右する大きな要因の一つに、施工会社の選定があります。経験豊富な会社であれば、工事の進行中に起こり得るトラブルへの対応力も高く、柔軟に対処することができます。しかし、スケルトンリフォームの経験が浅い会社や、木造住宅の構造を理解していない施工会社では、想定外の問題に対応しきれず、工事が遅れるリスクが高まります。施工会社の選定は、工期を守るための重要なポイントです。

施工会社選びの際は、過去の施工事例を確認することや、現場での対応力を確認するために複数の業者と打ち合わせを行うことをおすすめします。特に、木造住宅に強い工務店や、マンションリフォームの実績が豊富な会社など、専門分野に特化した施工会社を選ぶことで、工事期間のトラブルを最小限に抑えることができます。

 

 

5.3.6 仮住まいの計画と工期の見通し

 

スケルトンリフォームでは長期間の工事が避けられないため、仮住まいの手配も必要となるケースが多いです。仮住まいの期間中に工事が遅れると、予期せぬ住居費用の増加につながるため、余裕を持った仮住まいの契約を結んでおくことが推奨されます。また、仮住まい先が工事現場に近い場所であれば、定期的に進捗を確認できるため、工事内容の確認や変更に迅速に対応できます。

仮住まいの期間が長引く場合も想定し、短期の契約が可能な物件や柔軟な更新ができる契約内容を選ぶと安心です。工事が進む中で発生する予期せぬ問題にも迅速に対応できるように、仮住まい先の選定は慎重に行いましょう。

 

 

5.3.7 工事期間中のリスク管理と施工管理の重要性

スケルトンリフォームの工事期間中には、様々なリスクが伴います。天候の影響による外装工事の遅れや、職人のスケジュール調整の問題など、工事現場では常に予測できない要素が絡みます。こうしたリスクを最小限に抑えるためには、施工管理の徹底と、施工会社との連携が重要です。工期の進捗を定期的に確認し、問題が発生した際には迅速に解決策を講じることが求められます。

 

 

 

【深掘り記事へ】

この、スケルトンリフォームの、より詳細な、週単位での流れや、仮住まい探しの、具体的なコツについては、こちらの、専門ガイドで、さらに深く、解説しています。

□ スケルトンリフォームの期間と流れ|計画から仮住まい、完成まで

第6章:【成功の鍵】スケルトンリフォームで絶対に押さえるべき“究極のポイント”

 

章の概要:

この章こそが、あなたの、スケルトンリフォームを、単なる「改修工事」から、未来の価値を創造する「性能向上リノベーション」へと、昇華させるための、最も重要な「核心」です。これまでの章で、種類や費用、期間といった「事実」を学んできた私たちが、ここで、いよいよ、その先の「真実」へと、足を踏み入れます。

なぜ、私たちは、新築の最高等級である「耐震等級3」と「断熱等級6」に、こだわり続けるのか。スケルトンリフォームという、最大にして最後の機会を、最大限に活かし、後悔しないための、究極のポイントを、お伝えします。

 

6.1 ポイント①:「耐震」― なぜ、評点1.5(耐震等級3)が、絶対条件なのか

スケルトンリフォームの耐震補強

軸組金物補強

ここでのポイント:

まず、スケルトンリフォームという、家の骨格にまでメスを入れる、大手術を行う上で、絶対に、妥協してはならない、第一の究極のポイントについてお話しします。それは、「耐震性能」を、国の定める、最低基準の、さらに1.5倍の強度を持つ「耐震等級3(評点1.5以上)」にまで、引き上げること。2016年の熊本地震の、あの悲劇を、二度と繰り返さないために。それは、もはや「理想」ではなく、私たちの「絶対条件」です。

 

 

6.1.1 その「壁」は、何のために、創るのか

 

 

スケルトンリフォームの現場では、古い壁が、次々と、取り払われ、そして、新しい壁が、創られていきます。 その時、私たちは、自問しなければなりません。「この、新しい壁は、一体、何のために、創るのか」と。

ただ、部屋を、仕切るためだけの壁ならば、そこに、構造的な強度は、必要ないかもしれません。 しかし、私たちが、創るべき壁は、違います。 その壁は、ある日、突然、あなたの家族を襲うかもしれない、巨大地震の、その、凄まじいエネルギーを、正面から受け止め、そして、その命を、守り抜くための「盾」でなければならないのです。

 

 

6.1.2 「耐震等級1」では、もはや、家は守れない

 

 

日本の建築基準法が、新築住宅に求める、最低限の耐震性能。それが「耐震等級1(評点1.0)」です。そして、多くのリフォーム会社が、耐震補強の目標として、この数値を、掲げています。 しかし、私たちは、断言します。

「もはや、耐震等級1という、基準は、あまりにも、不十分である」と。

その、厳しい現実を、私たちに、突きつけたのが、2016年の「熊本地震」でした。 震度7という、観測史上、類を見ない、強烈な揺れが、二度も、同じ地域を襲った、あの未曾有の災害。その中で、建築基準法ギリギリの「耐震等級1」で建てられた、多くの木造住宅が、倒壊は免れたものの、大きな損傷を受け、住み続けることが、困難な状態になりました。

そして、さらに衝撃的だったのは、その1.25倍の強度を持つはずの「耐震等級2」の住宅でさえ、数棟が、倒壊してしまった、という、動かぬ事実です。

この教訓から、私たちが、学ぶべきこと。 それは、本当の「安全」とは、ただ、一度の揺れから「命が助かる」という、最低限のレベルでは、ない、ということです。

本当の安全な家とは、巨大地震の後も、大きな損傷なく、家族が、避難所に行くことなく、そのまま、自宅で、安心して、暮らしを再建できる、ということ。 そして、あの熊本地震で、その、圧倒的な、強さを証明したのが、消防署や警察署といった、防災拠点と、同レベルの強度を持つ「耐震等級3」の住宅だったのです。 スケルトンリフォームという、家の骨格にまで、手を入れる、またとない機会。

その、千載一遇のチャンスに、中途半端な、強さで、満足する、という選択肢は、私たちには、ありません。

 

 

6.2 ポイント②:「断熱」― なぜ、「暖かい家」が、家族の健康寿命を延ばすのか

スケルトンリフォームの断熱改修

外断熱パネル

 

ここでのポイント:

次に、耐震と、同じくらい、重要であるにも関わらず、あまりにも、軽視されがちな、もう一つの、命を守る性能「断熱」について、お話しします。家の「寒さ」が、冬のヒートショックを引き起こし、地震と同じように、人の命を、静かに、しかし、確実に、奪っている。その、衝撃的な事実。暖かい家は、単なる快適性を、超え、ご家族の「健康寿命」を、延ばすための、最高の「予防医療」なのです。

 

 

6.2.1 家の中に潜む、もう一つの「サイレントキラー」

 

 

家の「安全性」と聞いた時、ほとんどの方が、地震や台風といった、物理的な、破壊力を、想像するでしょう。 しかし、日本の家の中には、もう一つ、全く別の、そして、より静かで、日常的な「死のリスク」が、潜んでいます。 それが、冬の、急激な温度差が、引き起こす「ヒートショック」です。

暖房の効いた、暖かいリビングから、一歩、廊下や、脱衣所に出た瞬間、その、10℃以上の、急激な温度変化に、身体が晒され、血圧が、ジェットコースターのように、乱高下する。そして、それが引き金となり、心筋梗塞や、脳卒中といった、命に関わる、深刻な発作を、引き起こす。

その、犠牲者の数は、私たちの想像を、絶します。交通事故による、死亡者数が、年間、3,000人を下回る、現代の日本において、このヒートショックに関連する、家庭内での、死亡者数は、実に、年間1万9,000人にものぼる、と推計されているのです。 地震は、いつ来るか、分かりません。

しかし、冬は、毎年、必ず、やってきます。 スケルトンリフォームという、家の、全てを、丸裸にする、この機会に、この、静かなる暗殺者「ヒートショック」の、根本原因を、断ち切らずして、本当の安全な家は、あり得ないと、私たちは、考えます。

 

 

6.2.2 「暖かい家」は、最高の「薬」である

 

 

そして、近年の、様々な研究によって、「家の断熱性能と、そこに住まう人の、健康状態には、極めて、強い相関関係がある」という、衝撃的な事実が、次々と、明らかになっています。

室温が、安定した、暖かい家に、引っ越したことで、住人の、血圧が、正常値まで、下がった。あるいは、アトピー性皮膚炎や、喘息といった、アレルギー疾患が、改善された。

そのような、医学的なデータが、数多く、報告されているのです。 最高の断熱とは、もはや、単なる「快適性」や「省エネ」のためだけの、ものでは、ありません。

それは、ご家族の、未来の、健康を守り、そして、その「健康寿命」を、延ばすための、最も効果的で、そして、副作用のない「最高の、予防医療」なのです。

スケルトンリフォームは、その、最高の医療を、皆様の家に、実装することができる、唯一無二の、機会なのです。

6.3 ポイント③:「診断」― なぜ、解体後の“再診断”が、家の未来を決定づけるのか

 

ここでのポイント:

最後に、これらの「最強の耐震」と「最高の断熱」を、机上の空論で、終わらせないための、最も重要な、プロの「作法」について、お話しします。それは、解体後、家の、本当の姿が、現れた、その瞬間に、もう一度、立ち止まり、計画を、見直す「再診断」という、プロセスです。

この、誠実な、一手間を、惜しまないことこそが、皆様の家の、未来の、品質を、最終的に、決定づけるのです。

 

 

6.3.1 計画書は、「仮説」に過ぎない

 

 

私たちは、工事の前に、最新の注意を払って、皆様の家を、調査し、そして、最高の「設計図」と「計画書」を、作成します。 しかし、500棟以上の、古い家と、向き合ってきた、私たちには、分かっていることがあります。 それは、「どんなに、優れた計画書も、解体前の時点では、一つの“仮説”に過ぎない」ということです。

なぜなら、古い家の、壁や床の内側には、私たちの、想像を、遥かに超える、数々の「ドラマ」が、隠されているからです。 図面には、描かれていない、過去の、無茶な増改築の跡。 雨漏りによって、静かに、腐り果てていた、柱。 あるいは、シロアリに、食い荒らされ、その、断面を失ってしまった、土台。

 

 

6.3.2 「真実」と、向き合う、勇気

 

これらの、解体後に、初めて、明らかになる「真実」を前に、どう振る舞うか。そこに、プロの、真価が、問われます。

多くの業者は、当初の計画と、予算に、固執するあまり、その、不都合な真実から、目をそらし、見て見ぬふりをして、工事を、進めてしまうかもしれません。

しかし、私たちは、違います。 私たちは、解体後、家の、本当の姿が、現れた、その瞬間に、必ず、一度、立ち止まります。そして、お客様と、共に、その「真実」を、共有し、当初の計画を、もう一度、見直す「再診断」の、時間を、設けるのです。

「奥様、残念ながら、この柱は、想定以上に、腐食が進んでいました。しかし、ご安心ください。このように、新しい柱を、添わせることで、計画以上の、強度を、確保することができます」。

この、誠実な「再診断」の、プロセスを経て、初めて、当初の計画は、単なる「仮説」から、皆様の家の、現実に、即した、揺るぎない「真実」へと、昇華されるのです。

耐震、断熱、そして、解体後の再診断。 この、三つの究極のポイントこそが、あなたのスケルトンリフォームを、後悔のない、最高の成功へと、導くための、鍵なのです。

この、最高の「安全性(耐震)」と「快適性(断熱)」を、実現するためには、それぞれ、極めて、深く、そして、専門的な知識が、必要となります。このガイドでは、その、全体像を、お伝えしてきましたが、より深く、その、専門領域を、学びたい、という、知的な探究心を持つ、皆様のために、私たちが、総力を挙げて、作り上げた、二つの「専門ガイド(バイブル)」を、ご紹介します。

 

 

6.3.3 「耐震」と「断熱」― それぞれに、極めるべき「道」がある

 

性能向上リノベーションの、二大巨頭である、「耐震」と「断熱」。

この二つは、同時工事することが、極めて重要である、と、私たちは、繰り返し、お伝えしてきました。

しかし、その、一つひとつの、専門分野は、それぞれが、一つの、独立した、学問体系として、成立するほど、奥深く、そして、広大な世界です。

 

 

6.3.4  あなたを、さらなる「専門家」へと導く、二つの「詳細ガイド」

 

この「フルリフォーム完全ガイド」で、その、全体像と、重要性を、ご理解いただいた皆様が、さらに、その、専門性の、深淵へと、旅を続けたい、と、お望みになるのであれば。

 

私たちは、その、知的な、冒険のための、二つの、詳細な「航海図」を、ご用意しています。

 

【深掘り記事と深堀動画解説へ】以下のバナーからお進みください。

 

① 耐震性の、本質を、ゼロから学ぶ 熊本地震の教訓から、耐震の「三位一體」、そして、9つの、業者選びのチェックリストまで。安全な家づくりの、全てを網羅した、究極の耐震専門書。

 

② 健康で、快適な暮らしの、全てが分かる ヒートショックの、本当の恐ろしさから、HEAT20という、世界の断熱基準、そして、結露を防ぐための、科学的なアプローチまで。暖かい家づくりの、全てを網羅した、究極の断熱専門書。

 

これらの、専門ガイドを、以下のバナーから併せて、お読みいただくことで、皆様の知識は、もはや、プロと、遜色のないレベルへと、到達することでしょう。

フルリフォームする前に必ず知っておく耐震の知識

耐震リフォーム完全ガイド

全32話で耐震知識ゼロから完全マスター

耐震リフォーム完全ガイドコンテンツ

耐震リフォーム完全ガイド動画

フルリフォームする前に必ず知っておく断熱の知識

断熱リフォーム完全ガイド

全16話で断熱知識ゼロから完全マスター

断熱リフォーム完全ガイドコンテンツ

断熱リフォーム完全ガイド動画

第7章:【施工事例】写真で見る、構造別・感動のビフォーアフター

 

スケルトンリフォームの構造別ビフォーアフターを公開します。

①内外部スケルトンリフォーム

②マンションスケルトンリフォーム

 

ここでは、2つのスケルトンリフォームの実際の施工事例を見てみたいと思います。

 

7-1 戸建てスケルトンリフォームの施工事例

戸建てスケルトンリフォームの施工事例

※横浜市T様戸建てスケルトンリフォームより

木造のスケルトンリフォームの対象は、在来工法の建物がメインとなります。

ツーバイフォー工法など壁工法の建物は、間仕切り壁自体が耐力壁、床自体を梁と考える構造なっているため、基本的にスケルトンにすることはできません。柱と梁で構成される木造軸組工法、在来軸組工在来工法と呼ばれる木造住宅で、スケルトンリフォームのメリットが生かされます。外部までの解体をする完全なスケルトンリフォームでは、プランも自由度が最も高く、建物も形によっては、玄関の位置を変更することも可能になります。

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    戸建てスケルトンリフォーム(ビフォー)
戸建てスケルトンリフォームの施工事例ビフォー
戸建てスケルトンリフォームの施工事例ビフォー
戸建てスケルトンリフォームの施工事例ビフォー
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    スケルトン解体
戸建てスケルトンリフォームのスケルトン解体
戸建てスケルトンリフォームのスケルトン解体
RC造リノベーション流れ<解体>
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    戸建てスケルトンリフォーム(アフター)
戸建てスケルトンリフォーム(アフター)
戸建てスケルトンリフォーム(アフター)
戸建てスケルトンリフォーム(アフター)

7-2 マンションスケルトンリフォームの施工事例

マンションスケルトンリフォームの施工事例

※新宿区K様マンションスケルトンリフォームより

鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションスケルトンリフォームは、木造の戸建てリフォームとは工事ができる範囲が変わります。管理組合の規定に沿い、リフォームプランを作ることになりますが、サッシの変更をする際は、木造と比較しても、溶接が必要なカバー工法が主体となりますので、費用が高くなります。中古マンション物件を選択する際には、この規約を良く見て工事範囲がどこまで可能かの確認をご自分でまずされることをおススメします。

マンションスケルトンリフォームは、木造と違い構造体に手を加える工事はないのですが、コンクリート躯体に囲まれた限られた天井高で、排水の勾配、ダクトをどこに計画するのか?既存の開口部を利用できるのか?など空調計画、排水計画などもしっかりと行う必要があります。

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    マンションスケルトンリフォーム(ビフォー)
マンションスケルトンリフォーム(ビフォー)
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    スケルトン解体
マンションスケルトンリフォーム(スケルトン解体)
マンションスケルトンリフォーム(スケルトン解体)
マンションスケルトンリフォーム(スケルトン解体)
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    マンションスケルトンリフォーム(アフター)
マンションスケルトンリフォーム(アフター)
マンションスケルトンリフォーム(アフター)
マンションスケルトンリフォーム(アフター)

【終章】:最高の未来を託せる、本物の“専門家”とは

 

章の概要:

この長い、長い「戸建てスケルトンリフォーム完全ガイド」の旅も、いよいよ、終わりです。

種類、費用、期間、メリット・デメリット、そして成功の鍵。全ての知識と、視点を、その手にした、あなたが、最後に、すべきこと。

それは、この、最高難易度の「外科手術」を、安心して、任せることができる、最高の「専門医(パートナー)」を、見つけ出すことです。

この終章では、あなたの、その、最も重要な決断が、最高の未来へと、繋がるための、最後のメッセージを、お届けします。

 

終章.1 スケルトンリフォームは、どこに頼むべきか?

 

ここでのポイント:

このガイドの、全ての知識と、経験を、凝縮した、究極の問い。「一体、スケルトンリフォームは、どこに頼むのが、正解なのか?」。その、問いに対する、私たち、500棟以上の木造住宅を再生させてきた、プロフェッショナルとしての、明確で、そして、揺るぎない「最終回答」を、ここに、示します。

 

 

終章.1.1 「総合病院」か、「専門クリニック」か

 

 

 私たちは、このガイド全体を通じて、スケルトンリフォームを、家の、根本的な健康を取り戻すための「大掛かりな、外科手術」である、と、繰り返し、お伝えしてきました。

そして、その、最後の問い、「どこに頼むべきか?」に対する、私たちの答えもまた、この、医療の比喩の中に、あります。 もし、あなたが、風邪をひいたなら、近所の「総合病院」へ行くでしょう。

しかし、もし、あなたが、極めて難易度の高い「心臓外科手術」を、必要としているのなら。あなたは、日本中を探してでも、その分野で、最高の実績と、経験を持つ「専門クリニック」の、名医の元を、訪ねるはずです。

スケルトンリフォームも、全く、同じです。 「新築」という、標準化された治療を得意とする、巨大な「総合病院(大手ハウスメーカー)」ではなく。

一棟一棟、全てが違う、中古戸建ての、複雑な再生手術だけを、専門的に、執刀し続けてきた「専門クリニック(私たちのような、専門工務店)」に、その、命運を、託すべきである。 それが、私たちの、揺るぎない、結論です。

 

 

終章.1.2 なぜなら、私たちは「再生のプロ」だから

 

 

なぜ、そう断言できるのか。 それは、私たちが、単なる「建築のプロ」ではなく、古い木造住宅の「再生のプロ」である、という、強い自負があるからです。

私たちは、新築の現場にはない、無数の「想定外」と、戦う術を知っています。

私たちは、古い木材の「声」を聞き、その、記憶を、未来へと、繋ぐ、技術を知っています。

そして、何よりも、私たちは、スケルトンリフォームという、最大にして最後の機会に、お客様の家の「性能」を、新築以上に、引き上げる「性能向上リノベーション」という、哲学を持っています。

スケルトンリフォームを、どこに頼むか。その答えは、皆様が、何を、最も大切にするか、という、価値観に、委ねられています。

 

終章.2 あなたは、もはや「情報弱者」ではない

 

ここでのポイント:

この、壮大なガイドの旅を、終えた、皆様へ。最大の、賛辞と、そして、一つの「宣言」を、させてください。この、究極の羅針盤を手に入れた、あなたは、もはや、業者の、言いなりになるしかない、無力な「情報弱者」では、ありません。自らの、確かな物差しで、未来を、選び取る力を持った、賢明で、そして、主体的な「選定者」へと、生まれ変わったのです。

 

 

終章.2.1 旅の始まりの、あなたを、思い出してください

 

 

この、長い旅の、始まりの日。 「スケルトンリフォーム」という、言葉の、曖昧な定義の前に、途方に暮れ。 インターネットの、情報の沼の中で、何を信じて良いのか、分からなくなり。 ご自身の、大切な家の未来を、誰に託すべきなのか、その、あまりにも重い、決断を前に、大きな不安を、感じていた、あの日の、あなたのことを、少しだけ、思い出してみていただけますでしょうか。

 

 

終章.2.2 今、あなたの手の中にある「羅針盤」

 

 

そして今、この、最終章に、たどり着かれた、あなたの姿を、見てください。 あなたは、もはや、あの日の、無力な、漂流者では、ありません。 今の、あなたなら、もう、理解しているはずです。

 

  • あなたの家が、スケルトンリフォームに「できる建物」か「できない建物」か、その、見極め方を。

  • あなたの、理想の暮らしと、予算に、最適な「リフォームの種類」を。

  • その、リアルな「費用相場」と、賢い「コスト削減術」を。

  • そして、最高の「安全性」と「快適性」を手に入れるための、究極のポイントを。

 

あなたは、この長い旅を通じて、ご自身の家の、未来を、自らの力で、切り拓くための、全ての「知識」と「羅針盤」を、その手に、手に入れたのです。

その、知的な、探究心と、ご家族への、深い愛情に対して、私は、心からの、敬意を表します。 あなたは、もはや「情報弱者」ではない。ご自身の、未来の、主体的な「創造主」なのです。

 

 

終章.3 さあ、あなたの、新しい物語を、始めよう

 

ここでのポイント:

最後に、この、壮大なガイドの、本当の、締めくくりとして。その、揺るぎない「確信」を、具体的な「行動」へと、変えるための、最初の一歩。その、あなたの、勇気ある一歩が、いかにして、最高の未来へと、繋がっていくのか。その、希望に満ちた、メッセージを、お届けします。

 

 

終章.3.1 全ての知識は、最初の一歩のために

 

 

この、長いガイドの、全てのページは、実は、たった一つの、目的のために、書かれてきました。

それは、皆様が、何の不安も、そして、後悔もなく、最高の未来への「最初の一歩」を、踏み出す、その、背中を、そっと、押すためです。 その、最初の一歩。 それは、私たちのような「専門医」に、あなたの家の「診断書」を、見せていただく、という、勇気ある、行動です。

 

 

3.3.2 新しい物語の、最初のページ

 

 

このガイドの、次のページは、白紙です。 なぜなら、その、次のページを、描くのは、もはや、私では、なく、あなた自身だからです。 その、白紙のページに、あなたの家の「新しい物語」の、最初の、一行を、記すのは、他の誰でもない、あなたなのです。

それは、地震の、不安に、怯えることなく、家族の、笑顔と、笑い声が、響き渡る、物語かもしれません。 それは、冬の、寒さに、震えることなく、陽だまりのような、暖かさの中で、穏やかな、時が流れる、物語かもしれません。

その、新しい、そして、希望に満ちた、物語の、最初のインクが、この、壮大なガイドであったとすれば。

私たちにとって、それ以上に、嬉しいことは、ありません。 この、長い、長い、旅に、最後まで、お付き合いいただき、本当に、ありがとうございました。 皆様の、家づくりが、最高の、未来へと、繋がることを、心より、お祈りしております。

そして、いつか、その、新しい物語の、登場人物として、私たちを、呼んでいただける日が、来ることを、心から、楽しみに、お待ちしております。

 

 

【深掘り記事へ】

この、最高の未来を、託すに値する、本物の「専門家」を、見抜くための、具体的な、業者選びの、最終チェックリストは、ぜひ、こちらの、専門ガイドで、ご確認ください。

スケルトンリフォームはどこに頼む?失敗しない専門業者の見極め方

< この記事の著者情報 >

稲葉 高志

 

ハイウィル株式会社 四代目社長

1976年生まれ 東京都出身。

【経歴】

家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。

中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。

この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。  TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを大工職人として施工、管理者として管理

2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟営業、施工管理に従事

2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。

250棟の木造改修の営業、施工管理に従事

2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級6」への推進を目指し、 自身の通算500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン

耐震で失敗しない為の
『耐震補強リフォーム工事 完全ガイド』

500棟以上のスケルトンリノベーションの耐震改修知見を網羅!

耐震補強リフォーム工事をする前に必ず読んでください!

耐震補強リフォーム工事完全ガイドは6部構成(診断編6記事・治療編11記事・技術編5記事・計画編4記事・実践難関編5記事・最終決断編4記事・エピローグ1記事)の全32話構成で、耐震補強リフォーム工事に必要な全知識を網羅的に解説します。500棟以上の知見を凝縮した他とは一線を画する深い内容としました。

読みたいテーマが決まっている方は以下からお進みください。

※すべてのページでYouTube動画解説リンクがありますので、合わせてご覧ください。

 


 

【耐震補強リフォーム工事完全ガイド】


 

第1部:【診断編】我が家の“カルテ”を読み解き、真実と向き合う

 

診断編の役割とコンセプト: 皆さんの漠然とした「家への耐震不安」に寄り添い、その正体を突き止めるための「診断」に特化したパートです。地震の歴史からご自宅の築年数が持つ意味を学び、耐震性の客観的な物差しを知り、そしてプロの診断技術の深淵に触れることで、読者の不安を「解決すべき具体的な課題」へと転換させます。すべての治療は、正確な診断から始まります。

記事(全6本):

➡️ なぜ今、あなたの家に「耐震」という対話が必要なのか

➡️ あなたの家が生まれた時代:旧耐震・81-00住宅・2000年基準、それぞれの「常識」と「弱点」

➡️ 我が家の体力測定:耐震性の“三位一体”「評点・偏心率・N値」とは何か

➡️ 耐震診断の全貌:費用・流れ・依頼先は?プロが教える診断結果の正しい読み解き方

➡️ 究極の診断法「スケルトンリフォーム」。なぜ私たちは壁を剥がし、家の“素顔”と向き合うのか

➡️ 壁の中に潜む時限爆弾:見えない木材の腐食とシロアリが、あなたの家の体力を奪っている


 

 

第2部:【治療編】築年数別の最適解。“三位一体”を取り戻す構造外科手術

 

治療編の役割とコンセプト: このガイドの技術的な核心です。第1部で明らかになった家の“カルテ”に基づき、それぞれの時代が抱える固有の病巣に対する、具体的な「治療計画=補強工事」を詳述します。旧耐震の宿命である基礎補強から、81-00住宅のバランス修正、そして現代住宅の損傷防止まで。プロが執刀する「構造外科手術」の全貌を、豊富な経験に基づいて解説します。

記事(全11本):

 

➡️ 【旧耐震の宿命】なぜ「基礎補強」なくして、評点1.5(強度)は絶対に不可能なのか

➡️ 【旧耐震の治療法】無筋基礎を蘇らせる「基礎補強工事」と、骨格を再構築する「壁量・金物」計画

➡️ 【81-00住宅の落とし穴】「新耐震なのに倒壊」の衝撃。過渡期の家に潜む“バランス”と“結束力”の罠

➡️ 【81-00住宅の治療法】偏りを正し、骨格を繋ぐ。あなたの家を“本物の新耐震”にする補強工事

➡️ 【2000年基準以降の課題】「倒壊はしないが、住めなくなる」という現実

➡️ 【次世代の備え】絶対的な耐震性能の上にこそ。「制震」がもたらす“損傷防止”という価値

➡️ 柱の抜けを防ぐ生命線「N値計算」:500棟の経験が明かす、本当に意味のある耐震金物補強の全貌


 

 

第3部:【技術編】「本物の強さ」を構築する、専門医の外科手術

 

計画編の役割とコンセプト: 家の“健康”を取り戻すための、具体的な「手術(工事)」の全貌を解説する、応用技術の核心部です。耐震・制震・免震といった基本的な考え方の違いから、家の骨格を自在に操り、理想の空間と絶対的な安全を両立させるための、高度な専門技術まで。私たちが持つ「技術の引き出し」のすべてを、ここに開示します。

記事(全5本):

➡️ 「耐震」「制震」「免震」の違いとは?それぞれのメリット・デメリットをプロが徹底比較

➡️ 【最重要】「制震」は耐震の“代わり”ではない。損傷を防ぐための制震ダンパー“正しい使い方”

➡️ リノベーションの壁倍率計画:面材耐力壁「ノボパン」剛床工法で実現する“三位一体”の耐震補強

➡️ 大空間リビングの夢を叶える「柱抜き・梁補強」。構造とデザインを両立させる匠の技

➡️ リフォームで「耐震等級3」は取得できるのか?その方法と費用、そして本当の価値


 

 

第4部:【計画編】見えざる壁を乗り越える。法規と費用を味方につける航海術

 

計画編の役割とコンセプト: どんなに優れた治療計画も、現実の壁を乗り越えなければ絵に描いた餅です。このパートでは、リフォーム計画を阻む二大障壁である「法規」と「費用」に正面から向き合い、それらを敵ではなく「味方」につけるための、具体的な航海術を授けます。2025年法改正、補助金、コストコントロール。プロの知恵で、計画実現への確かな道筋を照らします。

記事(全4本):

➡️ 【2025年法改正】建築確認申請を“賢く回避”する、性能向上リノベーションの戦略的計画術

➡️ 検査済証なき家、再建築不可物件の再生シナリオ:法的制約の中で命を守るための現実解

➡️ 【費用全貌】モデルケースで見る耐震リフォーム工事のリアルな費用と、賢いコストダウン術

➡️ 【最新版】耐震リフォーム補助金・減税制度フル活用マニュアル


 

 

第5部:【実践・難関編】500棟の軌跡。どんな家も、決して諦めない

 

実践・難関編の役割とコンセプト: このガイドの、増改築.com®の真骨頂。他社が匙を投げるような、極めて困難な状況を、いかにして克服してきたか。その具体的な「臨床報告」を通じて、私たちの圧倒的な技術力と、決して諦めない情熱を証明します。これは、単なる事例紹介ではなく、困難な状況にある読者にとっての、希望の灯火となるパートです。

記事(全5本):

➡️ 【難関事例①:傾き】家が傾いている…その絶望を希望に変える「ジャッキアップ工事」という選択

➡️ 【難関事例②:狭小地】隣家との距離20cm!絶望的な状況を打破する「裏打ち工法」とは

➡️ 【難関事例③:車庫】ビルトインガレージの弱点を克服し、評点1.5以上を達成する構造計画

➡️ 【難関事例④:無基礎】「この家には、基礎がありません」。絶望の宣告から始まった、奇跡の再生工事

➡️ 【最終方程式】「最強の耐震」×「最高の断熱」=家族の健康と資産価値の最大化


 

 

第6部:【最終決断編】最高の未来を手に入れるための、最後の選択

 

最終決断編の役割とコンセプト: 最高の未来を実現するための、最も重要な「パートナー選び」に焦点を当てます。技術論から一歩進み、読者が自らの価値観で、後悔のない、そして最高の決断を下せるよう、その思考を整理し、力強く後押しします。

記事(全4本):

➡️ 耐震リフォーム業者選び、9つの最終チェックリスト:「三位一体」と「制震の役割」を語れるか

➡️ なぜ、大手ハウスメーカーは木造リノベーションが不得意なのか?業界の構造的真実

➡️ セカンドオピニオンのススメ:あなたの家の診断書、私たちにも見せてください

➡️『【最終結論】500棟の経験が導き出した、後悔しない家づくりの“絶対法則”』へ


 

 

終章:エピローグ ~100年先も、この家で~

終章の役割とコンセプト: 物語を締めくくり、技術や知識を超えた、私たちの「想い」を伝えます。なぜ、私たちがこの仕事に人生を懸けているのか。その哲学に触れていただくことで、読者との間に、深い共感と、未来へと続く信頼関係を築きます。

記事(全1本):

➡️ 【特別寄稿】耐震とは、文化を未来へ繋ぐこと。四代目として。

 

 

断熱リフォームで失敗しない為の『断熱リフォーム 完全ガイド』

500棟以上のスケルトンリノベーションの断熱改修知見を網羅!

断熱リフォームをする前に必ず読んでください!

何から読めばいいかわからない方は総合案内よりお進みください。

導入編2記事・基礎知識編3記事・部位別実践編4記事・特殊ケース攻略編2記事・計画実行編5記事の全16話構成で、断熱リフォームに必要な全知識をを網羅的に解説します。読みたいテーマが決まっている方は以下からお進みください。

※すべてのページでYouTube動画解説リンクがありますので、合わせてご覧ください。

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    4代目代表よりご挨拶

    稲葉高志

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