内部スケルトンリフォーム+インナーサッシ設置

新耐震の家で、間取り変更と「断熱を向上」したい方へ

 — 手軽に室内の寒さ暑さを改善する“インナーサッシ”リフォームのすすめ —

新耐震基準の家、でも夏暑く冬寒いのはなぜ?

「うちの家は1981年(昭和56年)以降に建てられたから“新耐震基準”で、地震への安心度はそこそこある。だけど、断熱性能はそこまでこだわっていないらしく、真冬は足元が冷えるし夏もムッと暑い……。ついでに大きめのリビングが欲しいから、間取り変更も考えているけど、耐震は今回は見送りたい。」

こういったお悩みは、**新耐震基準(1981年~)**で建てられた家の中でも、特に「1981~2000年の“ハチイチゼロゼロ住宅”」に多く見られます。耐震面では旧耐震より改善されているものの、断熱性能に関しては厳しく義務化されていなかったため、築年数が経つと「夏暑く冬寒い」現象に悩む方が多いのです。

さらに日本の場合、2000年以降も断熱基準(断熱等級4など)が義務化されていなかったため、「建てた年代によって断熱のバラツキが激しい」という現実があります。

そこでここでは、

 

  1. 新耐震の家で、

  2. 間取り変更は行いたい(内部スケルトンリフォーム想定)

  3. 耐震補強は不要または優先度が低い

  4. でも夏冬の快適性はどうにかしたい→インナーサッシによる断熱アップが重要
    ――という条件に当てはまる方に向け、内部スケルトン化+インナーサッシ設置リフォームを中心に、コストや効果・注意点などを解説します。

耐震 建築基準方改正の変遷

新耐震基準にも2つの建物があることを知りましょう。

性能向上リノベーションとは、主に、耐震性能と断熱性能を現行の新築最低基準を上回る性能値でリノベーションをすることを言いますが、

新耐震基準の建物にも築年数より2つのタイプがあることがわかります。

まずは簡単に築年数でわかる建物の耐震性能からみていきましょう。あなたの耐震改修を考えている建物はどちらの建物でしょうか?

 

〇2000年以前(1981年以降2000年以前)の建物 ➡81-00(ハチイチゼロゼロ)住宅 ※新耐震基準

〇2000年以降の建物 ➡2000年基準の建物

つの基準の建物があることがわかります。

下記の図でみてみましょう。それぞれの年代の切れ目に赤いラインを引いてあります。

 

81‐00住宅と2000年基準の建物の違いを見ましょう。

建築基準法改正の変遷

建築基準法改正の変遷

日本の住宅市場において最も大きな改正となったのが、1978年に起きた宮城県沖地震の教訓から改正となった1981年の建築基準法大改正となります。この改正以降に建てられた建物を 「新耐震基準」、それ以前の建物を「旧耐震基準」と分けられるようになりました。

その後の阪神淡路大震災を受け2000年に建築基準法が改正され、以降の基準を「2000年 基準」と呼んでいます。

つまり81年以降の新耐震基準の建物であっても2000年以降に建てられた建物では耐震改修をする際に注意すべきポイントが変わってくるという事です。

皆さんの家が建てられた時代はどの時代になりますか?

耐震の具体的な方法を解説する前に断熱についても確認していきましょう。

断熱リフォームを考える前に押さえておきたい基礎知識

断熱性能のグレード

 

日本の断熱基準は国際的に見ても低水準

日本の建物は、なぜ夏暑く、冬寒い家なのか?

この現象は今現在新築されている建物の多くもこの現状は変わっておりません。

それは我が国が、耐震性能以上に、断熱性能を軽視してきたからにほかなりません。

先進国のサッシの性能を見れば一目瞭然ですが、数年前までは、先進国最下位の性能となっておる状態でした。

ここ数年、やっと国が省エネを叫ぶようになり、サッシメーカーからもようやく高性能サッシが発売されることになりました。

ただし、義務化されていませんので、しっかりとした知識や経験がない施工会社、設計会社でないとサッシを含め断熱性能はないがしろにされるケースが大半となっている悲しい現実があります。

 

ここまで、お話すればお分かりかと思いますが、先の耐震の法改正ほど劇的な特徴はなく、今現在の建物であっても平成11年の基準で建てられている、つまり30年以上前の基準で建てられているということになります。

我が国では、昭和55年に省エネ基準が制定されて以来、4回の改正を得て現在に至っておりますが、4回目の改定の平成25年改正省エネ基準を2020年に最低限達成する基準として義務化される予定でしたが、努力義務として見送りされました。

理由は、施工する施工会社の断熱に対する知識、技術が追い付いていないからというお粗末なものです。

さまざまな技術優位の施工会会社から寄せられた意見書などが多数届けられ、ここにきて大きな変化も起きておりました。

2022年4月より断熱等級5が新設され、2022年10月より断熱等級6・7が新設されました。とりわけ、断熱等級6・7は、これまでの断熱等級4と比べてはるかに高いレベルの断熱性能を求められるようになります。

 

断熱性能については、とりわけ上図のZEH基準(断熱等級5)レベルではじめて断熱性能を体感できるというレベルですので、これから解説する3つの年代を問わず、断熱性能を大幅に向上させる必要があると言えることを念頭においていただければと思います。

 

新耐震でも築20年以上経つと断熱性能に不満が出やすい

1981年以降に建てられた家であっても、築20~40年程度が経過すると、以下のような状況が多いです。

  • 壁の断熱材が入っていても質量や経年劣化で性能ダウン

  • 窓サッシがアルミ単板ガラスで結露がひどい

  • 床下や天井裏は断熱材がほとんど入っていない or 薄い

「寒さが本当に耐えられない」「結露でカビが生える」という悩みが高まってくると、本格的なスケルトンリフォームを考える方もいるでしょう。しかし、大がかりな工事には数百万円以上の費用と長い工期が必要。
そこで、手軽に断熱を上げるには「窓まわり」を集中して改修する方法が最も効果的と言われます。家の熱のうち、夏場は窓から74%の熱が入り、冬場は窓から50%以上の熱が逃げる――これが通説です。

 

なぜ“インナーサッシ(二重窓)”が効果的なのか

窓断熱の要点:外壁を壊さず室内から工事可能

すでに家を建て替える予定もなく、耐震補強をする気もない場合、「外壁をすべて剥がして高性能サッシに交換する」という工法は費用・工期が大きく膨らみがちです。一方、**インナーサッシ(二重窓)**なら、既存サッシの内側にもう1枚樹脂フレーム+複層ガラスを設置するだけ。外壁を大きく傷めずに済むため、工期も短く、コストも比較的抑えられます。

 

気密・断熱だけでなく結露対策にも

インナーサッシを取り付けると、窓と内窓の間に空気層が生まれ、熱や音が通りにくくなります。冬場は暖かさを逃がしにくく、結露で窓周りが濡れる現象も軽減することが期待できます。もちろん戸建ての構造上、壁断熱が弱い部分からも冷気は伝わりますが、窓面の断熱性アップだけでも体感温度がかなり変わります。

 

大幅に窓位置や大きさを変えないなら最適

 

「間取りも変えない、耐震補強や外壁工事も最小限に抑えたい」という方にとって、内窓は最適解の一つです。外側の窓を丸ごと交換すると外壁との取り合いで大工事になるため、室内側だけで作業が完結する内窓は大きなメリットがあります。

 

インナーサッシ導入の費用と工期イメージ

窓あたり数万円~十数万円が目安

部屋の大きさ、窓の種類、サッシフレームの材質(樹脂or複合)やガラスのグレード(複層・Low-E・真空ガラスなど)によって価格は変わりますが、一般的な1.7m幅の掃き出し窓1カ所につき8~15万円程度が目安です。

腰高窓や小窓ならもう少し安く収まるでしょう。
2LDK~4LDK規模の戸建てだと、窓の数は大小合わせて10~20枚ほどあるため、すべてインナーサッシを付けると100~200万円を超えることも。とはいえ、これでも既存窓を外してサッシごと交換するよりは安価になるケースが多いです。

 

工期は数日~1週間程度(部分施工なら1日も可)

 

内窓リフォームは施工時間が短いのが最大のメリットです。たとえば腰高窓1つだけなら数十分~1時間で取り付けが完了します。全部屋の窓をまとめて依頼しても、数日~1週間程度の工期で終わることが多いです。
もちろん、壁のクロスを一部張り替えたり、カーテンレールの位置調整を行ったりする場合は追加工事が生じますが、それでも外壁を壊す必要がない分、大掛かりなリフォームと比べれば遥かに簡単と言えます。

どこまで断熱を上げたいか?目標レベルの考え方

等級4~5相当を狙うか、簡易的な改善にとどめるか

近年は断熱等級6~7が新設されたとはいえ、既存住宅でそこまで大幅な断熱リフォームを行うと、壁・天井・床下まで含めたスケルトン改修が必要になり費用は数百万円~1,000万円規模になることも珍しくありません。
インナーサッシだけの導入で断熱等級4相当まで近づける場合もありますが、家全体としては外壁・屋根の断熱材が脆弱なままだと、最高水準の暖かさは得られません。


そこで、多くの施主様は「とりあえず窓を強化して、冬場の冷気と結露を減らす」「足りない部分はファンヒーターやエアコンで補う」という簡易的な断熱改善を目指すことが多いです。

 

「絶対にすごく暖かい家にしたい」なら内壁・天井・床下も改修を

 

もし、「もう少し予算に余裕があるから本格的に暖かい家にしたい」とお考えなら、内壁を開けて断熱材を入れ直す、床下にもしっかり断熱材を敷き込むなど、より広範囲のリフォームが視野に入ってきます。ただ、そこまで行くといわゆる“内部スケルトン”に近い工事となり、費用も工期も大幅に増えます。
「耐震補強は不要」という前提なら、大工事を避けたい施主様も多いはず。結局、「インナーサッシだけで快適性をある程度上げられれば充分」という結論になるケースが少なくありません。

新耐震の家で耐震改修をしないリスクとは

耐震等級3が新基準

出典:日経ホームビルダー

「新耐震基準の家(1981年以降築)で、耐震の補強はやらない。断熱だけどうにかしたい」という方向けですが、一応念のため、新耐震基準でも地震リスクはゼロではない点に触れておきます。

  • 1981~2000年築(通称8100住宅)

    • 筋かいや金物配置が不十分、壁量バランスが悪い家がある。

    • 阪神淡路大震災や熊本地震で倒壊事例が出ている。

  • 2000年以降

    • 法規制がさらに厳格化されているが、施工不備や直下率不整合など設計ミスがあると倒壊事例も。

 

もし大地震がきた場合、現行基準の家ですら倒壊してしまう可能性もある(耐震等級2や3でなければなおさら)という事実を、施主様は理解しておく必要があります。
「耐震補強をするかどうか」は完全に予算とリスクの見合いで、断熱だけ強化する施主様も珍しくはありませんが、「せっかくリフォームするなら万一の地震に備えたい」と思う方も増えています。
とはいえ、本記事は耐震改修を希望しないケースが前提のため、ここでは深く掘り下げません。ただ最低限、耐震診断だけは受けてみると安心かもしれません。

それでも「断熱リフォームだけ」に踏み切る理由

  • 間取り変更が最優先で、同時に「寒さをどうにかしたい」が2番目

  • 地震リスクよりも日常的な快適性を重視(あと十数年住めればOK、など)

  • 耐震補強見積もりが想定以上に高額だったので断念

 

こうした施主様の声は多いです。「今の構造でも一応新耐震だからそこそこは耐えられるだろう」と割り切り、間取りの自由度と断熱向上にお金をかけたい気持ちは理解できます。
もちろん、将来までずっと住み続けるなら耐震補強も検討すべきですが、予算とリスクのバランスは各家庭で違うでしょう。

内窓以外にできる小さな断熱工夫

インナーサッシ以外にも、小規模な工事で断熱性を少し上げる方法はあります。例えば:

  • 玄関ドア交換(リフォーム用ドア)

    • 玄関まわりの隙間風が大きい場合、断熱ドアに替えるだけでも冷気侵入を抑えられる。

  • 床下断熱材の後付け

    • 床下に人がもぐれる程度の空間があれば、専門業者に依頼し断熱材を張り付ける工事が可能。

  • 屋根・天井裏断熱の補強

    • 小屋裏点検口があるなら、グラスウールやセルロースファイバーなどを追加敷設する簡易工事で、冬の暖房効率が変わる。

  • 部分的な壁内部の断熱吹き込み

    • 吹き込み断熱は工賃がかかる場合があるが、壁を全て剥がすよりは低コスト。

 

いずれも、外壁や構造を大きく壊さないため、耐震補強なし・間取りもそのままの状態でできる断熱アップ施策です。ただし、床下・天井裏への工事はスペースや環境が許すかどうか要確認。効果も大規模断熱改修よりは限定的ですが、インナーサッシと組み合わせると「まぁまぁ快適」な住環境が手に入る可能性は高いです。

まとめ:インナーサッシでコスパ良く断熱向上を

 

 

 

 

< 著者情報 >

稲葉 高志

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ハイウィル株式会社 四代目社長

1976年生まれ 東京都出身。

【経歴】

家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。

中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。

この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。  TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを職人として施工、管理者として管理

2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟、営業、施工管理に従事。2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。250棟の木造改修の営業、施工管理に従事

2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級4」への推進を目指し、 自身の500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン

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※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。

2025年(令和7年)4月1日より建築基準法改正が施行されました。現在大変混みあっております。

お問い合わせ・ご相談多数のため、ご返信、プランのご提案までに日数を頂いております。ご了承の程お願い申し上げます。

改正後の新法では、4号特例措置が廃止され、一般住宅の多くの建物である2階建て以下かつ200平方メートル以下の建築物は2号となり、大規模修繕・大規模模様替えを行う場合には、建築確認申請が必要となります。

大規模修繕や大規模模様替えを行う場合、

つまり、主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の50%を超える修繕工事等を行う場合は、建築確認申請が必要となることが決まりました。

今回の改正では、床の下地を含む張替え、階段の変更、間取りの変更等が含まれます。

 

詳細解説はこちらをお読みください。

⇒ https://www.zoukaichiku.com/application

 

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