戸建フルリフォームなら「増改築.com」TOP 耐震等級3リフォーム完全ガイド第1章 耐震等級3とは?既存住宅で考えるべき基本

更新日:2026/05/3

第1章 耐震等級3とは?既存住宅で考えるべき基本

耐震等級3リフォーム完全ガイド|既存住宅で正式取得する方法と費用

 

耐震等級3は、新築住宅では2024年度の取得割合が83.2%を超える「事実上の標準」です。

しかし、既存住宅(リフォーム)では、年間わずか172戸しか正式取得が動いていません。

なぜ既存住宅では極端に少ないのか。中古を買ってリフォームする方が、新築最高等級と同じ家を手に入れることは本当に可能なのか。

本章では、500棟超の実績から、耐震等級3の本当の意味と、既存住宅で考えるべき基本を整理します。

 

※本章は「正式取得」を前提として解説します。 「相当」と「正式取得」の決定的な違いについては、第2章「耐震等級3相当と正式取得の違い」で詳しく解説しています。

  1. 1. 耐震等級3とは何か — 等級1の1.5倍の強さの本当の意味
  2. 2. 既存住宅で耐震等級3を取得することは可能か
  3. 3. 耐震等級3は本当に必要か — メリットとデメリット
  4. 4. 「相当」と「正式取得」は別物 — 第三者評価書の有無で何が変わるか
  5. 5. 後付けで取得するという選択肢

1. 耐震等級3とは何か — 等級1の1.5倍の強さの本当の意味

結論:

耐震等級3とは、住宅性能表示制度における最高ランクの耐震性能です。

具体的には、建築基準法レベル(=耐震等級1)の1.5倍の地震力に対しても、倒壊・崩壊しないように設計された住宅を指します。

警察署や消防署など、災害時にも機能を維持する必要のある建物と同等の強度です。

等級1〜3の3段階のしくみ

住宅性能表示制度では、耐震性能を3段階で評価します。

【表パーツ】

等級 想定する強さ 該当する建物
等級1 建築基準法レベル(数百年に一度の地震で倒壊しない) 一般住宅の最低基準
等級2 等級1の1.25倍 学校・避難所など
等級3 等級1の1.5倍 警察署・消防署など

数値で言えば、震度6強〜7程度の地震を直撃しても、倒壊しないことが想定されています。

ただし、ここで重要なのは「1.5倍」が単純な強度の話ではないということです。

「1.5倍」は単独で成立しない

耐震等級3を実現するには、以下のすべてが揃う必要があります。

壁量計算で必要壁量を満たす ・N値計算で柱頭・柱脚の引き抜き耐力を確保 ・四分割法または偏心率計算で配置のバランスを取る ・床倍率を確保し、地震力を耐力壁に正しく伝達 ・基礎が無筋でないこと(または鉄筋コンクリート補強済) ・接合部の金物が構造計算に基づいて配置されている

つまり、「壁を増やせば等級3」という単純な話ではありません。

設計から施工、検査までの一貫した品質確保があって、初めて1.5倍の強さが実現します。

新築では8割超が等級3

国土交通省「住宅性能表示制度の利用状況」によれば、住宅性能評価を取得した新築一戸建ての83.2%が耐震等級3を選択しています。

【表パーツ】

等級 取得件数 取得割合
等級1 57,312件 約10.1%
等級2 37,768件 約6.6%
等級3 474,182件 約83.2%
免震 953件 約0.2%

(国土交通省「住宅性能表示制度の利用状況」/ 2026年5月3日確認)

新築住宅の世界では、もはや「等級3が標準」といえる状態です。

2. 既存住宅で耐震等級3を取得することは可能か

結論:

取得できます。ただし、実装できる会社は日本国内でごくわずかです。

国土交通省データによれば、2024年度に既存住宅で交付された建設住宅性能評価書は、全国でわずか172戸(うち一戸建て109戸)。

新築の191,091戸と比較すると、約1,111倍の格差です。

これは、既存住宅で耐震等級3を「正式取得」する家が、年間100〜200戸程度しか動いていないという事実を意味します。

 

なぜ既存住宅では極端に少ないのか

理由は、新築の等級3取得と既存住宅の等級3取得がまったく別物だからです。

新築の場合:

・初めから等級3を前提とした設計
・建材・工法・基礎仕様が等級3対応で標準化
・ハウスメーカーの設計部門が日常業務として処理

既存住宅の場合:

・現況図面の復元から始まる(図面がない家が多数)
・既存躯体の劣化・改変履歴の精査
・精密診断による評点算出
・無筋基礎なら鉄筋コンクリート補強がマスト
・補強計画と既存躯体の整合性確保
・第三者評価機関の検査を通過する記録準備

この5プロセスを一気通貫で回せる会社が、日本に少ないのが現実です。

「現況検査で止まる65.6%」の意味

国土交通省「住宅性能表示制度の利用状況」によれば、既存住宅評価利用者の81.3%が「耐震」を希望しているにもかかわらず、

65.6%が個別性能評価まで進めずに現況検査だけで止まっています。

 

項目 割合
既存住宅評価で個別性能評価を実施した割合 34.4%
既存住宅評価で個別性能評価まで進まなかった割合 65.6%
個別性能評価を選択した利用者のうち「耐震」を選んだ割合 81.3%

(国土交通省「住宅性能表示制度の利用状況」/ 2026年5月3日確認)

3人に2人が、耐震を見たくても見られないまま、家の購入や工事に進んでいる。

これは、「やりたい人はいるのに、やり切れる会社がいない」という業界の構造そのものを物語る数字です。

3. 耐震等級3は本当に必要か — メリットとデメリット

結論:

過剰」「オーバースペック」という意見もありますが、

地震保険料50%割引・固定資産税減額・住宅ローン控除拡大・売却時の差別化といった5つの優遇制度を受けられるのは正式取得した家だけです。

新築では8割超が選んでいる事実は、「等級3は過剰ではない」ことを暗黙のうちに示しています。

耐震等級3のメリット

1. 地震時の安全性

震度7クラスの地震を直撃しても、倒壊しない設計です。

家族の生命と生活拠点を守る、最も基本的な価値です。

2. 地震保険料50%割引

耐震等級3の家は、地震保険料が50%割引されます。

(等級1=10%割引、等級2=30%割引、等級3=50%割引)

期間限定なく継続適用される、生涯にわたって効く優遇です。

3. 固定資産税の減額

旧耐震建物の耐震改修を行った場合、翌年度の固定資産税が1/2減額されます。

長期優良住宅化リフォームなら2/3減額まで拡大されます。

4. 住宅ローン控除の拡大

長期優良住宅(増改築)認定を取得すれば、中古住宅取得時の借入限度額が2,000万円→3,000万円に拡大します。

別途、耐震改修ならリフォーム促進税制で最大25万円の所得税控除も。

5. 売却・相続での差別化

第三者評価書を提示できる家は、市場全体で**累計0.026%(1万戸に2.6戸)**しかありません。

中古売買市場で、情報非対称性を解消する強力な材料になります。

耐震等級3のデメリット(と、その実態)

「デメリット」として語られることが多いのは、以下の3点です。

1. 費用が上乗せされる

確かに、構造計算・設計・第三者検査・記録整備で130万円前後の追加費用が発生します。

ただし、これは「補強した家を説明できる家に変えるための費用」であり、

地震保険50%割引などの優遇で長期的にはペイするケースが多数です。

2. 工期が延びる

現場工事が3〜6か月、それに加えて図面整備・設計・申請・第三者検査の「目に見えない時間」が必要で、

相談から引き渡しまで半年〜1年が標準です。

3. 間取りに制約が出る

壁量・配置バランス・床倍率の要件があるため、自由な間取りに対して制約は確かに生まれます。

ただし、500棟超の実績で確認すると、事前の設計で十分対応可能な範囲です。

「過剰」と言われる根拠の弱さ

ネット上では「耐震等級3はオーバースペック」という声もあります。

しかし、新築一戸建ての83.2%が選択している事実、地震保険料が50%も割り引かれる事実、

熊本地震・能登半島地震で等級3「相当」の家が倒壊した事実(第13章で詳述)を踏まえると、

過剰どころか「正式取得が標準」という考え方のほうが、データに合致します。

4. 「相当」と「正式取得」は別物 — 第三者評価書の有無で何が変わるか

結論:

「耐震等級3相当」と「正式な耐震等級3」は、補強工事の中身は重なる部分があっても、

地震保険50%割引・住宅ローン控除拡大・売却時の証明力に決定的な差が生まれます。

第三者評価機関の検査を経た「評価書の有無」が、その差を生む根本原因です。

「相当」と「正式取得」の決定的な3つの違い

 

項目 相当 正式取得
設計住宅性能評価・建設住宅性能評価の申請 ×
評価機関による第三者検査 ×
図面・計算書・写真が第三者の目で読める形で整っている ×

(本記事の核心ポイント)

工事の中身そのもの(基礎補強・耐力壁・金物等)は重なる部分があります。

決定的な違いは、「第三者が検証可能な記録が残っているか」の一点です。

「相当」では受けられない優遇

耐震等級3「相当」の家では、以下の優遇制度がほぼ受けられません

・地震保険50%割引 ・住宅ローン控除の借入限度額拡大 ・フラット35S 金利Aプラン ・固定資産税の減額(長期優良住宅化リフォームの場合) ・売却・相続時の第三者証明

なぜなら、これらの制度は「第三者評価書」または「適合証明書」の提示を適用条件としているからです。

「うちは相当で十分です」と勧められた場合、生涯にわたって優遇制度の恩恵を放棄することになる点を、必ず確認してください。

 

 

詳しくは、第2章「耐震等級3相当と正式取得の違い」をご覧ください。

➡️第2章 耐震等級3相当と正式取得の違い

5. 後付けで取得するという選択肢

結論:

新築時に取得していなかった家でも、後付けで耐震等級3を正式取得することは可能です。

ただし、設計図書がない家・無筋基礎の家・増改築履歴の複雑な家では、難易度が大きく変わります。

「あとから」取得は3つのケースに分かれる

ケース1:図面が残っている家

新築時の設計図書(構造図・伏図)が手元にある場合、最も取得しやすい家です。

現況調査と精密診断を経て、補強計画→工事→第三者検査の流れで取得を目指せます。

ケース2:図面が残っていない家

築40年・50年と古い家では、図面が残っていないケースが大半です。

この場合、床下・小屋裏調査、基礎調査、増改築履歴の整理を踏まえて、現況図面を復元するところから始まります。

「図面整備から始めるプロジェクト」として捉えるのが現実的です。

ケース3:旧耐震基準(1981年以前)の家

旧耐震基準で建てられた家では、無筋基礎の鉄筋コンクリート補強がマスト要件になります。

抱き基礎(ツイン基礎)、布基礎→ベタ基礎への変更、大谷石基礎の補強といった、3つの工法から最適なものを選びます。

これを実装できる会社は、日本国内でごく僅かというのが現実です。

(基礎補強の詳細は ➡️第16章 旧耐震×耐震等級3の必須技術 ─ 無筋基礎の鉄筋コンクリート補強 で解説します)

後付け取得を検討する人が増えている理由

 

あとから」「後から」「証明書 あから」といった検索が増えています。

 これは、新築が高騰して中古市場に施主が流入し、「中古でも等級3を取得して、新築並みの優遇を受けたい」というニーズが顕在化していることの表れです。>

 詳しくは 第14章 耐震等級3を後から取得する完全ガイド をご覧ください。

 「あとから」「後から」「証明書 あとから」といった検索が増えています。

 これは、新築が高騰して中古市場に施主が流入し、「中古でも等級3を取得して、新築並みの優遇を受けたい」というニーズが顕在化していることの表れです。

 

 詳しくは ➡️第14章 耐震等級3を後から取得する完全ガイド をご覧ください。

本章のまとめ

✅ 耐震等級3 = 建築基準法の1.5倍の強さ。新築では83.2%が選択する事実上の標準

✅ 既存住宅では年間172戸のみ。「やりたい人はいるのにやり切れる会社がいない」

✅ メリットは5つ:地震保険50%割引・固定資産税減額・住宅ローン控除拡大・売却差別化・安全性

✅ 「相当」と「正式取得」は別物。第三者評価書の有無で優遇の適用が変わる

✅ 後付け取得は可能。ただし旧耐震は無筋基礎補強がマスト要件

出典・参考資料

本章で参照した数値・事実は、以下の一次情報に基づきます(2026年5月3日時点で確認)。

  1. 国土交通省「建設住宅性能評価書(既存住宅)交付実績の推移」
    https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001896903.pdf
  2. 国土交通省「住宅性能表示制度の利用状況」
    https://www.mlit.go.jp/common/001047038.pdf
  3. 国土交通省「長期優良住宅建築等計画の認定実績(令和7年3月末時点)」
    https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001898237.pdf

< このガイドの著者情報 >

稲葉 高志

 

ハイウィル株式会社 四代目社長

1976年生まれ 東京都出身。

【経歴】

家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。

中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。

この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。 今では考えられないが、 TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、大工学校へ通いながら、100棟以上の木造フルリフォームを大工職人として施工、管理者として管理

2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟営業、施工管理に従事

2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。

250棟の木造改修の営業、施工管理に従事

2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級6」への推進を目指し、 自身の通算500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン。オープン10年、2025年現在750棟を超えるスケルトンリノベーションの実績を誇る

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