戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP > 中古住宅を購入してフルリノベーションするメリット、なぜおすすめなのか? > 中古戸建の仲介時に出てくる用語解説 > 瑕疵担保責任が不適合責任に変わりました
公開日:2020-07-05
民法の改正が120年ぶりに行われ、2020年4月1日に施工されました。
不動産に係ることは大きく分けて5つあります。今回はそのなかで、「契約不適合責任」を取り扱っていきたいと思います。
「契約不適合責任」とは以前は「瑕疵担保責任」が新しくリニューアルされたというのがニュアンス的には近いのではないでしょうか。
大まかな変更点は
・買主が欠陥を知っていても責任追及ができる事
・契約解除や損害賠償の他、修理の請求や売買代金の請求ができる事
です。かなり大まかに言ってしまっているので詳しく比較できる表にしてみましたので、ご覧ください。
まずは改正前の民法では、売買物件に「隠れた瑕疵」が存在する場合は、売主は瑕疵担保責任を負うものとされ、瑕疵担保責任の内容は、①原則として損害賠償➁例外的に契約の目的を達しない場合に限り契約の解除が認められるというものでした。瑕疵担保責任に基づく損害倍書も契約の解除もいずれも売主が無過失の場合であっても発生するものとされていました。
ところがこれには実務上で非常に難しい点がございます。
例えば瑕疵担保責任では、購入前に買主が確認したにも関わらず雨漏りが発見できなかったが、購入後に実は雨漏りが起こっている場合に売主に責任追及が可能でした。
「購入前に買主が確認したにも関わらず雨漏りが発見できなかった」という内容がポイントになります。瑕疵担保責任ではこのように隠れていた瑕疵に該当するのです。
実際の裁判では、この隠れた瑕疵なのかそうではない瑕疵なのかを実証するのが大変難しく買主を守る機能を十分に果たしていなかったというのが実態でした。
そこで契約不適合責任では、買主が欠陥を知っていても責任追及ができる事が認められ「隠れた瑕疵」である必要がなくなりました。
その代わり、契約時に契約書に「書かれている内容」か「そうではない内容」かが争点となります。
売主には、しっかりと物件の説明を行わなければ以下の内容を請求されてしまう可能性が出てきます。
契約不適合責任で買主が請求できる内容
瑕疵担保責任と契約不適合責任では万が一問題が起こった場合の請求仕方にも変更があります。
1. 追完請求
例えば、数量が不足している場合その数量を追加することが追完請求になります。
不動産の場合は数量の使いが出来ませんので、修補請求が該当します。
修補請求とは契約書に「雨漏りはしていません」と記載してあるにもかかわらず雨漏りしていたら、雨漏りをしていない状態にすることを請求することが追完請求になります。但し前もって契約書に「雨漏りしている」と記載してあるがある場合は追完請求をすることはできません。
2. 代金減額請求
契約不適合責任では売主が追完を実行しない場合、代金減額請求をすることが出来ます。(但し、追完請求を行ったにもかかわらず売主が実行しなかった場合にできるのがポイント)
3. 催告解除
追完を実行しない場合は催告解除をすることも可能になります。
4. 無催告解除
契約の目的が達成できない場合は無催告解除が出来ます。この内容は瑕疵担保責任でもありました。契約の目的が達成できない状態なのでかなりひどい状況の際になります。
5. 損害賠償
損害賠償請求も瑕疵担保責任でも認められていた請求権になります。契約不適合責任と瑕疵担保責任での損害賠償請求では少し内容が異なります。瑕疵担保責任の損害賠償請求は売主の無過失責任でしたが、契約不適合責任では売主の過失責任になります。
売主の責めに帰すべき事由がない場合は、買主は損害賠償請求をすることはできません。つまり、売主もやるべきことをやれば守られるという側面も見られます。
※契約不適合責任では損害賠償請求の範囲は信頼利益に加え履行利益も含まれます。
このように請求のバリエーションが増え万が一の事態があった場合でも双方にあった、解決策を見出すことが出来るようになりました。
<特約での免責について>
契約不適合責任も、瑕疵担保責任と同様に特約での免責が可能です。
但し、契約不適合の免責は、瑕疵担保責任の全部免責のようにひとまとめに免責にすることが不可能になりました。
免責にあたる事項をすべて契約書に記載し、買主に容認させたうえで、契約不適合責任を負わないことを明記する必要があります。
<まとめ>
瑕疵担保責任が契約不適合責任に変わりましたので、今回はその変更点を解説してきました。
契約不適合責任は、単純に言ってしまえば契約に書いてある内容を基準に判断し、買主は基準通りになっていない場合「追完請求」「代金減額請求」「催告解除」「無催告解除」「損害賠償」の5つの請求が可能になりました。
簡単に言ってしまえば、契約の際にしっかりと一つずつ白黒判断をして売主と買主の双方にとって安全な取引を行いましょうということと、問題があった場合もなるべくその状況に合わせて解決しましょうという内容となっています。
中古取引は土地や建物の取引は内容が複雑ですし、責任の所在もわかりにくい事が通常でした。今回はそんな中古市場の今後を見越しての改正ではないかと思われます。瑕疵担保責任が契約不適合責任に変わったことにより、取引の際はしっかりと物件の判断を行わないと、買主と売主、両者とも損をする可能性が高いですよということが明確に法律でもあと押しをされた形となります。
今後はこの考え方が主流になった場合は、建物の状況を診断するインスペクションや耐震診断が取引を行う際はスタンダードになってきます。
つまり、中古住宅の際は建物の性能を見極めることが当たり前となります。簡単に言ってしまえば性能や品質が悪い家は安く売られ、耐震等級や断熱等級が高い家は高く売れ資産価値が保たれる時代になるということです。
建物の価値をしっかりと判断できるので、日本の住宅事情にはかなり良い法改正だと思います。
不動産の購入や売却のお考えの方は、契約不適合責任をしっかりと理解し実施に努力をしている不動産会社に依頼するようにしましょう。
著者情報
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早13年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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