公開日:2020-07-05
不動産を売却する場合、売買を円滑化そして問題が起こらないようにするために、売主と不動産を売却する仲介会社の間で行う契約が媒介契約になります。依頼者の不利にならないように媒介契約の締結が法律で義務付けされています。
<すべての媒介契約で共通のルール>
媒介契約の期間は3カ月以内というルールがあります、例えば4カ月と定めた場合でも3カ月になります。(一般媒介契約に限り行政の指導で3カ月になっています)
<どんな種類の媒介契約があるのか>
媒介契約には・専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類の媒介契約があります。なぜ3種類用意されているのでしょうか。まずは3種類の媒介契約の中身を解説します。
1つ目に一般媒介契約があります。一般媒介契約の特徴は複数の不動産会社に依頼ができる点にあります。他の媒介契約に比べて、制限が少ないのが特徴になります。
一般媒介契約には明示型と非明示型の2種類があり、明示型の場合は、仲介を依頼した不動産会社以外に複数の会社で媒介契約を締結している場合は、どこの不動産会社に依頼をしているのかを知らせる方法です。非明示型の場合は知らせる必要がありません。
2つ目は専任媒介契約です。専任媒介契約は1社にのみに依頼できる契約になります。有効期限は3カ月になります。レインズ(指定流通機構)への登録義務が媒介契約を締結した翌日から7日以内、販売状況の報告を14日に1回以上と義務化されています。
3つ目専属専任媒介契約になります。専属専任媒介契約も1社のみに依頼できる契約になります。他の不動産会社と併せて媒介契約の依頼をすることはできません。有効期間は同じく3カ月で、レインズには媒介契約締結の翌日から5日以内に登録しなければなりません。依頼を受けた不動産会社は依頼主に対して7日に一回以上の割合で販売状況の報告を行います。
以上3つが媒介契約に種類となります。
一般媒介契約→専任媒介契約→専属専任媒介契約の順に制限が厳しくなります。
違いはお分かりいただけたと思いますが、結局のところ、どの媒介契約が良いのでしょうか?
どの媒介契約が良いか、ズバリ結局条件によって変わってきます。もちろん不動産会社に立場からしたら専属専任か専任の方がよいのではないでしょうか。他の不動産会社と競合することがなくなり、仲介手数料がもらえる可能性が高くなるからです。別の言い方をすればその分広告料をかけても回収できる可能性が高くなるので、積極的に販売活動を行えますので、売主側としてもメリットとなることでしょう。もちろん各不動産会社の戦略によって一般媒介契約しか引き受けないところや、専任媒介契約しか媒介契約を結ばないなど様々だと思います。
但し、一般媒介契約の場合で、一般媒介契約だから手抜きをするというわけではないので、複数社に依頼できる一般媒介契約で良いのではないでしょうか。但しデメリットもございます。例えば3社に依頼した場合3社に同じように情報の提供や、案内の確認を入れなければなりませんので、売主側の負担が増える可能性も考えられます。こまめな対応はできない方には専任媒介契約の方がおススメです。
ご自身にあった売却の方法を考えてください。
また、不動産会社によっては、媒介契約の種類によって広告予算や媒体を変えている会社もありますので、そのあたりも売却の相談と同時に確認されてはいかがでしょうか。
また、こっそり売却をご希望の方は一般媒介契約でレインズへの登録を断り売却活動をしてもらうことをお勧めします。こうすることで、他人に売却していることがばれる可能性がぐっと減ります。
媒介契約は売却時だけでなく購入時にも行います。それは仲介手数料が発生するからです。
仲介手数料が高いなと感じられた方もおられるのではないしょうか。もちろんそれだけの高度な知識や技術、そして、他の業者との仲介能力(例えばローンの銀行や司法書士)を必要とした仕事になります。よく不動産会社に仲介手数料は3%+6万+消費税額になりますと説明を受けることがあると思いますが、その金額が報酬上限額になります下限額は決められていません。ですから仲介手数料の交渉は可能です。調査費や重要事項説明書・契約書、案内時にも経費がかかります。1回の仲介には思った以上に時間と経費が発生するということを理解した後に交渉してみるのもよいのではないでしょうか。
媒介契約も大切な契約ごとの一つとなりますのでご参考にして下さい。
著者情報
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早13年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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