戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP >木造リノベーションの“全”疑問に答える|匠が教える460の知恵>【徹底比較】設計事務所と工務店、リノベーションはどっちに頼む?デザイン、費用、責任…「設計施工」という第三の選択肢
更新日:2025/11/27
序章:家は「使い捨て」ではない。100年先を見据える「新しい常識」
第1章:【定義】「スケルトン」と「インフィル」とは何か?―家を「骨格」と「肉体」に分ける
第2章:【メリット】スケルトン&インフィルがもたらす3つの「価値」
第3章:【実践編】マンションと戸建て、それぞれのS&Iリノベーション
終章:家は「消費」から「ストック」へ。未来につなぐバトン
章の概要:
結論として、「スケルトン&インフィル」とは、家を「長持ちする部分(骨格)」と「変えていく部分(内装・設備)」に明確に分離する、極めて合理的な設計思想です。
「日本の家は30年で寿命が来る」。そんな古い常識は、もう通用しません。これからの時代は、欧米のように、親から子へ、子から孫へと、100年以上にわたって家を受け継いでいくことが求められています。
そのために不可欠なのが、この「スケルトン&インフィル」という考え方です。この記事では、このカタカナ言葉が持つ本質的な意味と、あなたの家づくりに革命を起こす、その可能性を解き明かします。
✔ここでのポイント:
結論として、「スケルトン&インフィル」は、単なる専門用語や流行語ではなく、これからのサステナブルな社会における「家づくりの新しい世界標準(スタンダード)」です。
あなたがリノベーション雑誌や、おしゃれなインテリア特集のウェブサイトを見ている時、「スケルトン&インフィル」という、耳慣れないカタカナ言葉を目にしたことはありませんか?
「スケルトンって、あの、中身が透けて見える、透明なヤツ?」
「インフィルって、何? 詰め物?」
多くの方が、最初はそんな風に思われるかもしれません。
記事を読んでみると、コンクリートの壁が剥き出しになった、
武骨でかっこいいマンションのリノベーション事例が載っていたりします。
「ああ、なるほど。躯体(くたい)を見せるデザインのことね」
「壁や天井を全部取り払って、リフォームすることかな?」
そんな風に、何となく理解されている方も多いのではないでしょうか。
確かに、それらのイメージも間違いではありません。
しかし、それは「スケルトン&インフィル」という言葉が持つ意味の、ほんの一部に過ぎません。
この言葉の正体は、一時的なデザインの流行や、特定の工法の名前ではありません。
それは、これからの時代、私たちが家とどう向き合い、どう作っていくべきかという、
根本的な「思想」であり、「哲学」なのです。
世界に目を向けてみましょう。
イギリスやフランス、ドイツといったヨーロッパの国々では、
築100年、200年といった古い石造りやレンガ造りの建物が、今も現役で使われています。
街並みそのものが、歴史と文化を語りかけてきます。 彼らにとって、家は「使い捨て」ではありません。
親から子へ、子から孫へと受け継がれていく、かけがえのない「資産」であり、
社会全体の「共有財産(ストック)」なのです。
一方、日本はどうでしょうか? 高度経済成長期以降、
「作っては壊し、作っては壊す」という「スクラップ&ビルド」を繰り返してきました。
「家は、30年も経てば寿命が来る」 「古くなったら建て替えるのが当たり前」
そんな「古い常識」が、長らく私たちを支配してきました。
しかし、時代は変わりました。 人口減少、少子高齢化、そして地球環境問題…。
限られた資源を浪費し、大量の廃棄物を出し続ける「使い捨て」の社会は、
もはや持続不可能(サステナブルではない)であることに、私たちは気づき始めています。
今、求められているのは、欧米のように、良いものを作り、
長く大切に使い続ける「ストック型社会」への転換です。
そして、その転換を実現するための、最も強力で合理的な「設計思想」こそが、
「スケルトン&インフィル」なのです。
このカタカナ言葉の裏側には、
あなたの家を「30年で価値ゼロになる消費財」から、「100年先まで受け継がれる資産」へと変えるための、
革命的なヒントが隠されています。
次の節では、なぜこれまでの日本の家が「短命」だったのか、
その原因を「スケルトン&インフィル」の視点から解き明かしていきましょう。
✔ここでのポイント:
結論として、日本の家が短命だった最大の原因は、寿命の異なる「構造体(スケルトン)」と「内装・設備(インフィル)」をごちゃ混ぜにして作ってきたことにあります。
「日本の木造住宅は、寿命が短い」 これは、誰もが一度は耳にしたことがある定説でしょう。
国土交通省のデータなどを見ると、日本の住宅の平均寿命は「約30年」とされています。
イギリスの「約77年」、アメリカの「約55年」と比較すると、その短さは際立っています。
なぜ、これほどまでに日本の家は短命なのでしょうか?
「日本の気候風土(高温多湿)が、木造に適していないから?」 「地震が多いから?」
確かに、それらの影響もゼロではありません。
しかし、法隆寺のような千年以上も建ち続けている木造建築があることを考えれば、
それらが決定的な理由ではないことが分かります。
最大の原因は、「家の作り方」そのものにありました。
これまでの日本の家づくりは、「スケルトン(骨格)」と「インフィル(内装・設備)」を、
明確に区別せず、ごちゃ混ぜにして作ってきたのです。
家を構成する要素は、それぞれ「寿命」が全く異なります。
構造体(スケルトン): 基礎、柱、梁(はり)など、家の骨格となる部分。適切に作られ、メンテナンスされれば、50年、100年、あるいはそれ以上持つポテンシャルがあります。
内装・設備(インフィル): キッチン、トイレ、お風呂、壁紙、フローリング、給排水管、電気配線など。これらは、日々の使用による劣化や、ライフスタイルの変化、技術の進歩によって、15年〜30年程度で交換や更新が必要になります。
問題は、この「寿命100年のスケルトン」と「寿命20年のインフィル」が、
複雑に絡み合って作られていたことです。
例えば、 「給排水管が、基礎のコンクリートの中に埋め込まれていて、交換できない」
「電気配線が、壁の中に複雑に入り組んでいて、増設や変更が難しい」
「間仕切り壁が、構造体と一体化していて、簡単に取り外せない」
このような状態で、インフィル(設備や内装)の寿命が来たら、どうなるでしょうか?
「キッチンを新しくしたいだけなのに、床や壁を大規模に壊さないといけない…」
「配管が水漏れしたけど、修理するには基礎を壊すしかない…」
結果として、「部分的な修理や交換が、現実的に不可能(あるいは莫大な費用がかかる)」という事態に陥ります。
そして、まだ十分に使えるはずの「スケルトン(骨格)」まで、
道連れにする形で、家全体が「寿命」と判断され、解体されてしまうのです。
これが、「日本の家が短命」であることの、構造的な原因です。
「寿命の短いもの」に合わせて、「寿命の長いもの」まで捨ててしまう。
こんなに「もったいない」、非合理的なことはありません。
「スケルトン&インフィル」は、この問題を根底から解決する思想です。
「長持ちするもの(スケルトン)」と「変えていくもの(インフィル)」を、
最初から明確に「分離」して設計する。 そうすれば、
インフィルの寿命が来た時に、スケルトンを傷つけることなく、
インフィルだけを簡単に交換・更新することができます。
まるで、古くなったパソコンのパーツ(メモリやHDD)を交換して、
最新の性能にアップグレードするように。 あるいは、体型が変わったり、流行が変わったりした時に、
服を着替えるように。
家も、その時々の住まい手のニーズに合わせて、中身を自由に変えていくことができるのです。
これこそが、家を長寿命化し、100年先まで受け継いでいくための、唯一にして最大の秘訣なのです。
次の第1章では、「スケルトン」と「インフィル」の定義について、
さらに詳しく、分かりやすい例えを使って解説していきます。
章の概要:
結論として、スケルトンは「構造躯体(100年持つべき骨格)」、インフィルは「内装・設備(20〜30年で交換すべき肉体)」を指します。両者を明確に分離することが、家の長寿命化の第一歩です。 序章では、「スケルトン&インフィル(S&I)」がこれからの家づくりの「新しい常識」であることをお話ししました。
では、具体的に「スケルトン」と「インフィル」とは、家のどの部分を指すのでしょうか? この章では、専門用語をできるだけ使わず、身近な例え話や図解(イメージ)を用いて、S&Iの定義を分かりやすく解説します。
✔ここでのポイント:
結論として、スケルトンとは、家の「骨格」であり「命綱」です。人間で言えば「骨」、パソコンで言えば「筐体(ケース)」にあたります。絶対に壊してはいけない、100年持たせるべき「構造躯体」のことです。
「スケルトン(Skeleton)」は、直訳すると「骨格」や「骸骨」という意味です。
家づくりにおいては、建物を支える、最も重要で、絶対に壊してはいけない部分を指します。
想像してみてください。 もし、人間から「骨」がなくなったら、どうなるでしょうか?
立つことも、歩くこともできず、フニャフニャと崩れ落ちてしまいますよね。内臓を守ることもできません。
スケルトンは、まさに家にとっての「骨」そのものです。
あるいは、デスクトップパソコンを思い浮かべてみてください。
マザーボードや電源、HDDなどが収まっている、あの頑丈な「筐体(ケース)」がスケルトンです。
中身のパーツを守り、パソコンとしての形を維持するための、基本的な枠組みです。
具体的な家のパーツで言うと、以下の部分がスケルトンに当たります。
基礎: 建物を地面に固定し、全体の重さを支えるコンクリートの土台。
柱・梁(はり): 木造なら木材、鉄骨造なら鉄骨、RC造なら鉄筋コンクリートでできた、家の骨組み。地震や風の力に耐えるための「耐力壁(たいりょくへき)」も含まれます。
床スラブ・屋根: 建物の水平方向の骨格となる部分(特にマンションの場合、コンクリートの床や天井の躯体)。
これらの部分は、一度作ったら、簡単に交換したり、修理したりすることができません。
もし、ここがダメになったら、それはすなわち「家の寿命」を意味します。
だからこそ、スケルトンは、50年、100年と長持ちするように、頑丈に、丁寧に作られなければならないのです。
✔ここでのポイント:
結論として、インフィルとは、家の「中身」であり、時代の変化に合わせて「アップデート」していくべき部分です。人間で言えば「筋肉・内臓」、パソコンで言えば「メモリ・HDD」にあたります。
一方、「インフィル(Infill)」は、「中身」や「詰め物」という意味です。
スケルトンという頑丈な「器」の中に入れられる、内装や設備、間仕切りなど、暮らしに関わる全ての要素を指します。
人間で例えるなら、「筋肉」や「内臓」です。 これらは、年齢とともに衰えたり、病気になったりします。
しかし、現代医学の発達により、治療したり、場合によっては移植(交換)したりすることができます。
パソコンで例えるなら、「メモリ」や「HDD(ストレージ)」、「グラフィックボード」といったパーツです。
「動きが遅くなったな」「容量が足りなくなったな」と感じたら、
新しいパーツに交換したり、追加したりして、性能をアップグレードしますよね。
具体的な家のパーツで言うと、以下の部分がインフィルに当たります。
内装材: 壁紙(クロス)、フローリング、畳、天井材など、目に見える仕上げ部分。
設備機器: キッチン、トイレ、お風呂(ユニットバス)、洗面台、給湯器、エアコン、照明器具など。
配管・配線: 給水管、排水管、ガス管、電気配線、LANケーブルなど、壁や床の中を通っているライフライン。
間仕切り壁・建具: 部屋と部屋を仕切る壁(構造に関係のない壁)や、ドア、ふすまなど。
これらの部分は、日々の生活で摩耗したり、汚れたりします。
また、家族構成の変化(子供の誕生、独立、親との同居など)や、
ライフスタイルの変化、設備の技術進歩(省エネ性能の向上など)に合わせて、
定期的に(15年〜30年周期で)交換や更新が必要になる部分です。
インフィルは、スケルトンとは対照的に、「変えられること」「更新できること」が前提となっています。
✔ここでのポイント:
結論として、「寿命の違うもの」をごちゃ混ぜにすると、短い方の寿命に引きずられて、全体がダメになってしまうからです。これが、これまでの日本の家が短命だった「スクラップ&ビルドの悲劇」の根本原因です。
ここまで見てきたように、スケルトンとインフィルは、その「役割」も「寿命」も、全く異なります。
スケルトン: 役割=家を支える / 寿命=超長期(50年〜100年以上)
インフィル: 役割=暮らしを支える / 寿命=短期・中期(15年〜30年)
それなのに、これまでの日本の家づくりは、この二つを「分離」するという意識が希薄でした。
例えば、 「配管(インフィル)を、基礎のコンクリート(スケルトン)の中に埋め込んでしまう」
「間仕切り壁(インフィル)を、構造体(スケルトン)と一体化させてしまう」
このような作り方をしてしまうと、インフィルの寿命が来た時に、
スケルトンを壊さなければ修理や交換ができません。
「配管が水漏れしたから、基礎を壊すしかない」
「間取りを変えたいけど、壁を壊すと家が弱くなる」
結果として、莫大な費用と手間がかかるため、リフォームやメンテナンスが敬遠され、
「だったら建て替えた方が早い」という結論になってしまうのです。
これが、まだ使えるはずのスケルトンまで道連れにして、
家全体を短命化させてきた、「スクラップ&ビルドの悲劇」のメカニズムです。
「スケルトン&インフィル」の思想は、この悲劇を断ち切るための、最も合理的で、唯一の解決策です。
設計段階から、両者を明確に「分離」する。 具体的には、
配管を、コンクリートの中に埋め込まず、床下や天井裏の「点検・交換できるスペース(ピット)」に通す。
間仕切り壁を、構造体から独立させ、将来的に撤去や移動が簡単にできるようにしておく。
このように作っておけば、インフィルの寿命が来ても、スケルトンを一切傷つけることなく、
インフィルだけを「パカッ」と取り外して、新しいものに交換することができます。
それはまるで、パソコンのケース(スケルトン)はそのままに、
中身のパーツ(インフィル)を最新のものに入れ替えて、いつまでも快適に使い続けるのと同じことです。
「分ける」こと。 それこそが、家を「使い捨て」から救い出し、
100年愛される「資産」へと変えるための、最初にして最大の鍵なのです。
次の第2章では、この「スケルトン&インフィル」がもたらす、具体的な3つのメリットについて解説します。
章の概要:
結論として、スケルトン&インフィル(S&I)のメリットは、①圧倒的な「長寿命化」、②ライフスタイルに合わせた「自由な可変性」、③環境に優しい「サステナビリティ」の3点に集約されます。
第1章で、家を「骨格(スケルトン)」と「中身(インフィル)」に分けることの重要性を解説しました。
では、このS&Iという設計思想は、具体的に、あなたと社会にどのような恩恵をもたらすのでしょうか?
この章では、S&Iが実現する3つの大きな「価値」について、詳しく見ていきます。
✔ここでのポイント:
結論として、S&Iは、家を「30年で価値ゼロになる消費財」から、「100年先まで価値を維持する資産」へと変革します。骨格(スケルトン)さえ適切にメンテナンスすれば、家は世代を超えて受け継がれる存在となります。
日本の住宅市場には、「木造住宅は築20年〜30年で資産価値がほぼゼロになる」という、悲しい「常識」が存在します。
これは、建物の物理的な寿命というよりは、第1章で触れたように、
インフィルの劣化がスケルトンの価値まで引き下げてしまう、市場の評価システムの歪みによるものです。
しかし、S&Iの考え方を取り入れた家は、この「30年の壁」を軽々と超えていきます。
想像してみてください。 頑丈に作られた「スケルトン(骨格)」は、
定期的な点検と、必要なメンテナンス(外壁塗装や屋根の補修など)さえ行えば、
50年、100年と持ちこたえる力を持っています。
一方、「インフィル(内装・設備)」は、
15年〜20年ごとに、その時代の最新のものにアップデートされていきます。
キッチンは最新のシステムキッチンになり、お風呂は高断熱のユニットバスになり、
内装は好みのデザインに一新される。
外側(スケルトン)は、時を経て味わいを増したヴィンテージの風格をまとい、
内側(インフィル)は、常に新築同様の快適さと機能性を保ち続ける。
そんな家が、30年で価値ゼロになるでしょうか? なるはずがありません。
欧米の住宅市場では、適切にメンテナンスされた古い家ほど、
高い価値で取引されることが珍しくありません。
S&Iは、日本においても、家を「使い捨ての消費財」から、
親から子へ、子から孫へと受け継ぐことができる、真の「資産」へと変えるための、最も強力な武器となるのです。
✔ここでのポイント:
結論として、S&Iは、人生のステージ(結婚、出産、子供の独立、老後など)に合わせて、家の間取りや機能を自由に変えられる「柔軟性(フレキシビリティ)」を提供します。
家を建てた時、あるいは買った時、その間取りは「その時点での家族」にとっては最適かもしれません。
しかし、家族の形は、時間とともに変化していきます。
新婚時代: 夫婦二人の、広々としたワンルームのような空間が理想。
子育て期: 子供の成長に合わせて、個室が必要になる。
子供の独立後: 夫婦二人に戻り、使わなくなった子供部屋を持て余す。趣味の部屋や、広いリビングに改装したい。
老後: バリアフリー化や、介護のためのスペースが必要になる。
従来の、スケルトンとインフィルが一体化した家では、
こうした変化に対応するために、大規模な解体工事を伴う、高額なリフォームが必要でした。
最悪の場合、「間取りが変えられないから」という理由で、
住み慣れた我が家を離れなければならないこともありました。
しかし、S&Iの家は違います。
「間仕切り壁」や「設備配管」が、構造体(スケルトン)から独立しているため、
将来的な間取り変更が、非常に容易に行えるのです。
例えば、
子供部屋の間仕切り壁を、将来撤去しやすい簡易な構造にしておく。
床下に十分なスペース(二重床など)を確保し、キッチンやトイレの位置を移動できるように配管ルートを設計しておく。
このような工夫をしておけば、ライフスタイルの変化に合わせて、
まるで模様替えをするように、家の形を自由に変えていくことができます。
「家に自分を合わせる」のではなく、「自分に家を合わせる」ことができる。
この圧倒的な「自由な可変性」こそが、長く快適に住み続けるための鍵となるのです。
✔ここでのポイント:
結論として、S&Iは、「作っては壊す(スクラップ&ビルド)」を繰り返す社会から脱却し、地球環境への負荷を最小限に抑える、サステナブルな社会の実現に貢献します。
最後に、社会全体にとっての価値についてお話ししましょう。
これまでの「スクラップ&ビルド」の家づくりは、地球環境に多大な負荷をかけてきました。
大量の資源浪費: 家を建てるためには、大量の木材、コンクリート、金属などの資源が必要です。30年ごとに建て替えるということは、その度に膨大な資源を消費し続けることを意味します。
大量の廃棄物(ゴミ): 家を解体すれば、大量の産業廃棄物が出ます。その処理には、多大なエネルギーとコストがかかり、環境汚染のリスクも伴います。
大量のCO2排出: 資材の製造、輸送、建設、そして解体・廃棄の過程で、地球温暖化の原因となるCO2が大量に排出されます。
S&Iは、この「大量消費・大量廃棄」のサイクルを断ち切ります。
一度作ったスケルトン(骨格)を、100年、200年と大切に使い続けることで、
資源の消費を大幅に削減できます。
建て替えによる解体廃棄物の発生を抑制できます。
建設や解体に伴うCO2排出量を削減できます。
自分たちの快適な暮らし(インフィルの更新)を追求しながら、
同時に、地球環境への配慮(スケルトンの維持)も忘れない。
S&Iは、これからの時代に求められる、「環境に優しい(エコな)」家づくりの、最も現実的で、効果的なアプローチなのです。
次の第3章では、このS&Iの考え方が、マンションと戸建て、
それぞれのリノベーション現場でどのように実践されているのか、具体的な事例を見ていきましょう。
章の概要:
結論として、「スケルトン&インフィル(S&I)」の考え方は、マンションリノベーションではすでに広く普及していますが、戸建て(特に木造住宅)においても、適切な構造補強と断熱改修を組み合わせることで、十分に実現可能です。
第2章では、S&Iがもたらす「長寿命化」「可変性」「サステナビリティ」という3つの価値について解説しました。
では、この理想的な設計思想は、実際の家づくりの現場でどのように実践されているのでしょうか?
この章では、マンションと戸建て、それぞれの具体的なリノベーション事例を通じて、S&Iのリアルな姿を見ていきましょう。
✔ここでのポイント:
結論として、マンションにおけるS&Iの実践は、専有部分の内装・設備・間仕切り壁を全て解体し、コンクリートの躯体(スケルトン)だけの状態に戻してから、全く新しい空間をゼロから作り直す「フルスケルトンリノベーション」が王道です。
S&Iという言葉が最も一般的に使われるのは、マンションリノベーションの世界でしょう。
マンションは、構造上、S&Iの考え方を適用しやすい建物です。
スケルトン(共有部分): 鉄筋コンクリート(RC)造の柱、梁、床スラブ、天井スラブ、外壁など。これらはマンション全体の資産であり、個人の判断で勝手に手を加えることはできません。非常に頑丈で、寿命も長いのが特徴です。
インフィル(専有部分): 各住戸内の間仕切り壁、天井、床、キッチン、トイレ、配管、配線など。これらは区分所有者(あなた)の資産であり、自由にリノベーションすることができます。
マンションにおけるS&Iリノベーションの「王道」は、一度、専有部分のインフィルを全て解体・撤去し、コンクリートの躯体が剥き出しの状態(スケルトン状態)に戻すことから始まります。
この「何もない状態」から、
配管・配線の一新: 古くなった給排水管や電気配線を全て新品に交換し、将来のメンテナンスがしやすいルートで再敷設します。
断熱改修(内側から): コンクリートの壁や天井の内側に、高性能な断熱材を施工し、マンション特有の「冬の寒さ」や「結露」を解消します。
間取りの再構築: ライフスタイルに合わせて、自由な間取り(例:3LDKを広々とした1LDKに変更など)をゼロから作り上げます。
このように、頑丈なスケルトン(コンクリート躯体)はそのまま活かし、
インフィル(内装・設備・配管)を完全にリセットすることで、
築古のマンションが、新築同様、あるいはそれ以上の性能とデザイン性を持った空間へと生まれ変わるのです。
✔ここでのポイント:
結論として、木造戸建てにおけるS&Iの実践は、マンションよりも難易度が高い「挑戦」ですが、既存の柱や梁(スケルトン)を活かしつつ、耐震性と断熱性を現代の最高水準まで引き上げる「性能向上リノベーション」によって実現します。これこそが、家を次世代へ引き継ぐための、究極のS&Iです。
一方、日本の住宅の主流である「木造戸建て」はどうでしょうか? 木造は、マンション(RC造)に比べて、スケルトンとインフィルの境界が曖昧になりがちです。
例えば、
筋交い(すじかい)が入った壁(耐力壁): これは「インフィル(間仕切り)」ではなく、家を支える重要な「スケルトン(構造)」の一部です。安易に撤去することはできません。
柱や梁: これらは当然「スケルトン」ですが、古い家では、断熱材が全く入っていなかったり、シロアリの被害に遭っていたりすることがあります。
そのため、木造戸建てにおけるS&Iリノベーションは、マンションのように「全部壊して、作り直す」だけでは不十分です。
既存のスケルトンの「健康状態」を正確に診断し、必要な「治療(補強・改修)」を施すという、
より高度な技術と判断力が求められる「挑戦」となります。
私たち『増改築.com®』が提案する、木造戸建てのS&Iリノベーション(性能向上リノベーション)のプロセスは、以下の通りです。
構造・劣化診断(スケルトンの健康診断): 床下や天井裏に潜り、柱、梁、基礎の状態を徹底的に調査します。シロアリ被害や腐朽があれば、その治療が最優先です。
耐震補強(スケルトンの強化): 現代の耐震基準(耐震等級3相当)を満たすよう、金物による接合部の補強、耐力壁の追加、基礎の補強などを行います。これにより、古い家が、大地震にも耐えられる強靭な骨格を手に入れます。
断熱・気密改修(スケルトンの保護と快適化): 壁、床、天井に高性能な断熱材を隙間なく充填し、気密シートで覆います。これは、快適な温熱環境を作るだけでなく、壁体内結露を防ぎ、スケルトン(木材)を腐朽から守るための重要な処置でもあります。
インフィルの更新と可変性の確保: 強化・保護されたスケルトンの中に、新しいキッチン、バス、トイレ、内装を作り込みます。この際、将来の間取り変更を見据えて、間仕切り壁を構造から独立させるなどの工夫を凝らします。
このように、木造戸建てにおけるS&Iは、単なる内装の更新ではありません。
家を支える「骨格(スケルトン)」そのものを、現代の技術で蘇らせ、100年先まで生き抜く力を与える。
そして、その強靭な骨格の中で、住まい手の暮らし(インフィル)が、
時代とともに自由に変化していくことを可能にする。
これこそが、私たちが目指す、木造住宅における「究極のS&Iの実践」であり、
日本の家を「使い捨て」から救う、唯一の道なのです。
次の終章では、このS&Iという思想が、あなたと、そして私たちの社会の未来に、
どのような意味を持つのか、改めて考えてみましょう。
章の概要:
結論として、「スケルトン&インフィル(S&I)」は、単なる建築の工法や技術論ではありません。
それは、家を「個人の消費財」から「社会の共有財産(ストック)」へと昇華させ、
大切に使い継いでいくための、新しい時代の「哲学」そのものです。
この記事を通じて、S&Iが持つ本質的な意味、そしてそれがもたらす「長寿命化」「可変性」「サステナビリティ」という価値について、ご理解いただけたかと思います。
最後に、私たちがこの思想を通じて、100年先の未来に何を残そうとしているのか、その想いをお伝えします。
✔ここでのポイント: 結論として、あなたがS&Iの考え方でリノベーションした家は、単なる個人の資産を超えて、100年後の美しい街並みを形成する、貴重な「社会的ストック」となります。
ヨーロッパの古い街並みを歩いた時、私たちはなぜ、そこに美しさや心地よさを感じるのでしょうか?
それは、そこに建ち並ぶ石造りやレンガ造りの建物たちが、何百年という時を超えて、
その街の歴史と文化を語りかけてくるからです。
それらの建物は、個人の所有物であると同時に、その街の景観を形作る「公共の財産」でもあります。
日本はどうでしょうか?
「スクラップ&ビルド」を繰り返してきた結果、
私たちの街からは、歴史の厚みや、時間とともに深まる味わいが、失われてしまいました。
30年ごとに新しいピカピカの家が建ち、また壊されていく。
そこに「街並み」としての連続性や、記憶の継承はありません。
しかし、あなたが、ご自身の家を「スケルトン&インフィル」の思想で再生させることを決意した瞬間から、
その流れは変わります。
あなたが、耐震補強と断熱改修を施し、100年の命を吹き込んだ、その木造住宅。
それは、あなたとご家族の快適な暮らしを支える「器」であると同時に、
50年後、100年後の未来の誰かが、
「この家、素敵だな」「この街に住みたいな」と感じる、美しい街並みの一部となるのです。
あなたの家づくりは、未来の風景をつくる、誇り高い「社会貢献」でもあるのです。
✔ここでのポイント:
結論として、私たち『増改築.com®』は、S&Iの思想に基づいた「性能向上リノベーション」を通じて、日本の良質な木造住宅を、次世代に継承すべき「優良なストック」へと再生させることを使命としています。
私たち『増改築.com®』は、単に古くなった家をきれいにするだけの、リフォーム会社ではありません。
私たちの使命は、日本の風土に適した、素晴らしい可能性を秘めた「木造住宅」を、
スクラップ&ビルドの悪循環から救い出し、
100年先まで受け継がれる「優良なストック」へと再生させることです。
そのための唯一にして最強のメソッドが、
これまで解説してきた「スケルトン&インフィル」に基づく「性能向上リノベーション」です。
既存の「スケルトン(骨格)」の価値を見極め、現代の技術で強靭に再生させること。
その中に、住まい手のライフスタイルの変化に柔軟に対応できる、可変性の高い「インフィル(暮らし)」を作り込むこと。
そして、高い断熱・気密性能によって、エネルギー消費を抑え、地球環境に貢献すること。
私たちは、一棟一棟のプロジェクトを通じて、この理想を現実のものとしています。
それは、決して簡単な道のりではありません。
新築を建てるよりも、はるかに高度な技術と、深い知識、
そして何よりも「家への愛情」が求められる仕事です。
しかし、再生された家が、お施主様の笑顔で満たされ、再び力強く時を刻み始める瞬間。
その感動が、私たちを突き動かす原動力となっています。
✔ここでのポイント:
結論として、S&Iによる家づくりは、単なる消費ではなく、あなた自身の豊かな未来、そして子供や孫たちの世代、さらには地球環境への、最も賢明で価値ある「投資」です。
家づくりを、「消費」と捉えるか、「投資」と捉えるか。
それによって、あなたの選択は大きく変わります。
もし、「30年住めればいい」「見た目だけきれいになればいい」と考えるなら、
表面的なリフォームで十分かもしれません。それは、一時的な満足を得るための「消費」です。
しかし、もしあなたが、
「人生100年時代を、最後まで安心して、快適に暮らしたい」
「子供たちに、価値ある資産(家)を残してあげたい」
「地球環境に配慮した、サステナブルな暮らしがしたい」
そう願うのであれば、あなたの選択肢は「スケルトン&インフィル」に基づく家づくりしかありません。
それは、初期費用はかかるかもしれません。
しかし、長期的な視点で見れば、光熱費の削減、メンテナンス費用の抑制、
そして何より「資産価値の維持」によって、十分に元が取れる、最も賢明な「投資」となります。
あなたの家は、今、その分岐点に立っています。
使い捨ての「消費財」として終わらせるのか。
それとも、100年先へとバトンをつなぐ「未来への資産」へと生まれ変わらせるのか。
未来を選ぶのは、あなた自身です。
そして、その賢明な選択を、私たち『増改築.com®』は、全力でサポートさせていただきます。
さあ、一緒に、未来への投資を始めましょう。
ハイウィル株式会社 四代目社長
1976年生まれ 東京都出身。
【経歴】
家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。
中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。
この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。 TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを大工職人として施工、管理者として管理。
2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟、営業、施工管理に従事。
2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。
250棟の木造改修の営業、施工管理に従事。
2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級6」への推進を目指し、 自身の通算500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン。
フルリフォーム(全面リフォーム)で最も大切なのは「断熱」と「耐震」です。性能向上を第一に考え、末永く安心して住める快適な住まいを目指しましょう。
戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
一戸建て家のリフォームに関することを
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どのようなお悩みのご相談でも結構です。
あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。
営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※2026年の大型補助金が確定したことで現在大変込み合っております。
耐震性能と断熱性能を向上させるフルリフォームには6か月~7か月の工期がかかります。
補助金獲得には年内に報告を挙げる必要があることから、お早目にご相談をお願いいたします。(5月着工までが目安)
ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
(3月までの着工枠が埋まりました)・・・2026/02/01更新
※すでにプランをお持ちのお施主様・設計資料をお持ちのお施主様は内容をフォームで送信後、フォーム下のメールアドレスに資料をお送りください。対応がスムーズです。
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