不動産の取引までの流れ、そして耐震等級3を取得するまでの施工工事例をご紹介
S様は・・・
建物概要 | |
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名前 | S様 |
場所 | 兵庫県神戸市中央区 |
築年数 | 築35年 |
構造種別 | 木造一戸建て |
家族構成 | 大人2人 |
対象面積 | 57㎡(17.24坪) |
リフォーム部位 | 添え基礎/間取り変更/断熱サッシ交換/外壁サイディング/断熱工事/屋根葺き替え/躯体補強工事/水回り一式交換 |
工期 | 4.5ヶ月 |
価格 | 1800万円 |
今回S様の中古住宅を買ってリノベーションにて、S様からのご要望は以下の6点です。
施主さまの施主様のご要望は 断熱はセルロースファイバーを採用し耐震等級3、物件の面積が思っていたよりも小さくなってしまったので、なるべく広く感じられる間取りにして欲しい、設備関係の多くはサンワカンパニーのものを採用しました。
設備も意匠の一部と考えオシャレなもので揃えました。
S様は生まれも育ちも神戸市中央区、50年間神戸暮らしでいらっしゃいます。
数十年前に奥様のご希望でマンションを購入され、住宅ローンも完済されて悠悠自適の生活をされておられる感じでした。
とある日そんなS様より増改築.comにご相談のご連絡をいただきました。
神戸市中央区三宮駅周辺で3000万円以下そして震等級3の戸建てを買いたいと思っていますとのご相談でした。
弊社よりメールで物件の希望条件をお伺いしましたところ、S様のご希望は以下の通りでした。
・地震に強い耐震等級3の住宅にしたい
・予算は3000万円以内
・神戸市中央区のOO町とその周辺
・広さにはこだわりがないが夫婦で困らない広さ
・断熱はこだわりたい セルロースファイバー
・少し別荘的な雰囲気を入れたい
建物に関しても何点かご要望をお伺いいたしました。
耐震等級3にするためには事前に建物の情報を取得し基準に合わせることが出来るのかどうかを確認する必要があるのですが、内装の仕様は自由にできますので、ゆっくりご検討いただけます。
S様の中古住宅購入申込を行いました。 同時に住宅ローンの事前審査を行います。
今回の物件は建て替え時にセットバックが必要な住宅になります。そのため建築当初違法物件ではないことの確認が必要となってまいります。
通常はフラット35リノベを利用します。物件の審査が厳しいのでフラット35のリノベ基準をクリアする事が重要になってまいります。 今回は床面積の関係で通常の銀行の住宅ローンを利用致します。
※フラット35リノベの概要は
中古住宅を購入してリノベーションという選択肢:ローンが組めないケース
をご覧下さい。
間取りの変更プラン
▲1階 既存平面図
▲2階 既存平面図
▲1階 新規平面図
▲2階 新規平面図
築35年の建物になります。進入路が狭く解体や材料の運搬が困難になることが予想されます。
神戸市中央区S様の中古住宅リノベーション工事はこうしてはじまりました。
いよいよS様邸中古住宅リノベーションの着工となります。
S様邸は基本、内部をスケルトン状態にまで解体するリノベーションとなります。今回はサッシも交換を行いますので、一部外部も解体を行います。
解体後は木構造を裸の状態にし、想定した状況と合致しているのかを確認し、当初の提案通りに可能かどうか確認を行います。
▲玄関
▲玄関の位置は変わりません。基礎をどうするのか検討中
▲道路面の基礎の状態を確認
▲道路面基礎その2
▲今回は基礎がしっかりあるので、不足分を補う添え基礎をします。
▲お風呂の場所も変わりませんが高さと広さの調整が必要になります。
▲お風呂場と、その隣はトイレ
▲お風呂を広げるためトイレの位置は移動します
▲キッチンの位置はそのままですが、もちろん配管関係は新設します。
▲勝手口はなるべく既存の開口スペースを利用します。
▲階段の予定になります。
▲キッチン周りは水がしみ込んでいるのがわかります。
▲補強する箇所を持ち帰って設計していきます。
▲この年代の建物には金物が入っていません。
▲お風呂はサイズアップするので、このままでは入りません。補強しながら解体します。
▲解体後は梁の大きさなどもしっかりと確認します。
▲この向きは開口が多いですね。
▲建築当時はしっかり建てられたお家だなと印象を受けます。
▲既存図面などがない場合は解体後に正確に把握していきます。
▲側部はこのように柱も入っております。
▲道路面には柱が少ないので相当数の柱を新規で入れる補強が必要になります。
▲複雑に絡み合った梁や柱をきっちり整理して補強計画を立て直します。
▲キッチンの壁は窓を小さくして補強になると思われます。
!大事な構造部のすべてが目視可能となる中古住宅リノベーション
内部をスケルトン状態。いわゆる躯体状態まで解体するリノベーションの最大のメリットはこのような重要な主要構造部のすべての状態が目視でわかることになります。
リノベーション後は、これらの構造上の弱点をすべて修正し補強することで新築と同水準、もくしくはそれ以上の建物性能をもつ構造躯体へ甦らせることが可能となります。
解体作業が終わるとまずは基礎工事に入ります。どんなに建物を丈夫に作っても基礎がしっかりとしていないと意味がありません。
今回はベタ基礎補強ではなく添え基礎で補強していきます。
既存の基礎の状態が思っていたよりも良かったのですが、補強計画に則ってしっかり補強していきます。
▲お風呂の基礎配筋
▲ユニットバスの型枠
▲ユニットバス横幅を少し広げています。
▲基礎枠を外してユニットバスの基礎が完成
▲キッチンの添え基礎
▲基礎が足りてないところには新しく基礎を作ります。
▲基礎の場所ごとに図面と比較してミスが起こらないようにチェックします。
▲緊結部分のスパンを確認
▲型枠の施工風景
▲新しく出来上がった基礎の立ち上がり
▲新規基礎
▲配筋の緊結
▲土台と既存基礎ががっちり合体。
▲添え基礎で補強
▲添え基礎を行っていきます。捨てコン
▲添え基礎完成1
▲添え基礎完成2
▲添え基礎完成3
神戸市中央区S様は耐震等級も気になされての工事になりますので、計画に則り補強していきます。
1階部分を広いワンフロアに変更したので、邪魔な柱は撤去を行いその分以上に柱を増やします。
今回は外壁のメンテナンスをされておられることからもわかるように、木の状態が割と良い状態でしたが、築年数やメンテナンスによって状況は変わってくるので注意が必要です。
もちろん不動産を購入される場合は契約以前にお家の状態を把握して、ロスがないように進めていくのもポイントです。
(解体後に見えない部分で木が腐って使い物にならないケースも多々ありますので、注意が必要です。弊社でも考えられるリスクは事前にご説明し、ご納得いただいてからご契約をいただいております。)
▲新規に入った柱や配管の様子がうかがえます。
▲新規の窓
▲こちらの窓は塞ぎます。
▲補強計画に基づいて補強していきます。
▲補強写真1
▲補強写真2
▲色が変わっているのは防蟻処理
▲補強の様子
▲補強の様子2
▲窓枠
▲バルコニーにでる掃き出し窓
▲バルコニーに出るドアです。2WAYでバルコニーに出ることができます。
中古住宅の場合、屋根や外壁のメンテナンスが必要なタイミングで売り出されることが多いように思われます。築年数や物件の状況によりそのメンテナンス方法はかなり変わりますが、購入の際は目を背けることなくしっかりと見極めが必要になります。
今回屋根はガルバリウム鋼板へと変更しました。野地板を張替えルーフィングを施工後にガルバリウム鋼板で仕上げました。
弊社のルーツは大正8年創業の社寺仏閣専門の瓦葺き業者として創業したルーツがあります。最近では和瓦を新たに吹き替えるお客様も少なくなってきました。
ガルバリウム鋼板を張るのは板金職人、瓦を葺くのは瓦職人とテリトリーも変わってまいります。
▲屋根はガルバリウム鋼板
▲屋根の工事は防水処理が最も重要なポイントとなります。
▲ルーフィング施工後
▲しっかりとはめ込んで施工していきます。
▲この後バルコニーを設置します。
▲棟包みを行います。
▲屋根の張替えが無事に終わりました。
▲完成!
外壁は窓の変更が多かったためサイディングをご提案させて頂きましたが、以前に外壁リフォームを行ったことがあるということで、必要箇所を左官で補修するにとどめ、その後塗装を行いました。
補修した部分はどうしても既存の壁との段差ができてしまいますが、極力目立たないように既存の壁に合わせて補修を行うように職人にお願いをしました。
▲玄関ドアの面は元々開口も多かったのでほぼやり直しを行いました。
▲ノダ ラスカットを使用。長期優良住宅や45分準耐火にも対応
▲バルコニー用の外部ドア
▲大きかった窓を小さく作り直した跡があります。
▲勝手口のカットした外壁を補修していきます。
▲なるべく既存の壁と差が出ないように施工していきます。
神戸市中央区のS様邸、断熱材はセルロースファイバーを採用する予定でしたが、間取り変更、電気の配線が最後まで残り、セルロースファイバーを断念することになりました。高性能グラスウールに変更です。
グラスウールは優しく扱って丁寧に施工することがポイントです。
築年数の古い物件は断熱材が施行していない場合も多々ございます。しっかりと断熱材を施工することで住み心地も格段に上がります。
中古住宅を購入する場合でリノベーション済物件を購入する場合は、断熱の施工風景の写真などを見せてもらうとよいのではないでしょうか。
▲高性能グラスウールを壁一面に充填
▲勝手口
▲新旧の柱がある場合は断熱作業が大変です。
▲窓、柱が新しくなりました。
▲天井の断熱材が入る前に電気配線をします。
▲配線の本数が増えると電気屋さんは大変ですね。
▲配線と断熱材充填
▲天井にもしっかりと充填
▲2階の壁も高性能グラスウールで充填
▲断熱材が隙間なく充填されていることを確認したら施工ボードで閉じていきます。
▲高性能グラスウール、断熱材は隙間ができると効果が半減してしまいます。
▲配線と隙間なく断熱材が充填されていることを確認して閉じていきます。
神戸市中央区のS様邸は中古住宅リノベーションですが、内装工事の段階までくると新築なのかリフォーム住宅なのか室内からでは違いが判らなくなります。
この内装工事によって仕上がりの綺麗さが大きく変わる重要な工事ですが、通常の表層のリフォームや部分リフォームでは、重要な構造部分が隠れてしまうので、リフォーム済み物件を探される際は注意が必要です。
▲ボードを張り終えました。
▲洋室1
▲洋室1の収納階段の上のスペースを利用
▲収納と開き戸
▲階段
▲階段の袖壁
▲洗濯機置き場
▲2階廊下
▲壁一面窓になり明るいですね。
▲収納を横からみたら面白い形ですね。
▲勝手口と階段との取り合い、計算通りでよかったです。
▲トイレの換気扇がつきます
▲ボードのつなぎ目ねじ穴など凸凹を無くします。
▲クロスの仕上がりの出来は、このパテ処理によって大きく変わります。
▲階段横の収納の内部にもクロスを貼ります
▲洋室1入り口から
▲2下処理後クロスを張ったところ。今回はピンク系のクロスを選定。
神戸市中央区S様邸の内部スケルトン状態まで解体しサッシ入れ替えた中古住宅リノベーションは4.5カ月で無事に完成いたしました。
設備や建具はサンワカンパニーを中心としたモデルハウスのようなオシャレなものをチョイス、フローリングは無垢のフローリング材を使用、壁紙はすべて施主様がお決めになりましたが、色のチョイスや張り分けも上手に考えられておられますね。
S様のセンスが光るお家へと生まれ変わりました。
S様邸の様子をご紹介します。
== 外観==
▲S様邸外観
▲玄関ドアはYKKの引き戸を採用しています。
== 1F エントランス・玄関 ==
▲玄関前面にスペースがないためポストはお家に設置
▲リビングより玄関方向
== 1F LDK ==
▲フローリングは無垢フローリング(e-KENZAIアカシア無垢材)です
▲キッチンの奥は勝手口です。手前の引戸の向こうが玄関と階段になります。建具はサンワカンパニーのノッポです。
▲冷蔵庫の隣は洗濯機置場。洗面所の入り口も一見分かりませんね。
== 水回り ==
▲キッチンはサンワカンパニーのプレーンK。キッチンスペースを有効に利用する為ミリ単位で調整しました。
▲洗面はPanasonicのCline
▲バリアフリーを考え1階の洗面室とトイレは同じスペースに。トイレは1F2F共にTOTOハイウィルオリジナルトイレです。
▲2階のトイレ室はブルー系です。爽やかな仕上がりです。
▲お風呂はサンワカンパニーのノウム
== 2F ==
▲階段をのぼると居室が2部屋とトイレがあります。
▲トイレのドアとは思えない素敵なドアです。
▲洋室1 無垢フローリングとクロスのコーディネートがいい感じです。
▲洋室1の収納
▲収納は可動式で便利です。
▲洋室2も同じく無垢フローリング。ベランダがあります。
▲洋室2の収納は収納力抜群です。収納内のクロスにもそれぞれこだわりを感じますね。
神戸市中央区のS様邸、いよいよ完成しました。お問合せから数えると約1年間のお付き合いとなりました。
S様には床面積の有効利用を考えて設計とメールで修正の打ち合わせを何度も重ねて頂きました。建物のスペックも新築の建売住宅と比較しても、高性能な住宅に生まれ変わりました。耐震等級3を取り入れた高断熱住宅として大幅な性能向上リノベーションを行うことが出来ました。
当初の物件予定金額より物件金額自体が上がってしまった為、限られた予算の中で意匠的にはすべてのご希望を取り入れたリノベーションを行えたわけではありませんでしたが、その分スペックは将来地震が起きても安心して住み続けて頂ける住宅になりましたし、高断熱で冬は暖かく夏は涼しく暮らし続けて頂けるのではないでしょうか。
築35年で解体も検討された住宅が、建物の資産性が長期に保たれる住宅として生まれ変わることができました。
S様、この度はご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
■全国のフルリフォーム・リノベーション『ピックアップ事例』※プロの詳細解説付きレポート
戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
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※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
2025年(令和7年)4月1日より建築基準法改正が施行されました。現在大変混みあっております。
お問い合わせ・ご相談多数のため、ご返信、プランのご提案までに日数を頂いております。ご了承の程お願い申し上げます。
改正後の新法では、4号特例措置が廃止され、一般住宅の多くの建物である2階建て以下かつ200平方メートル以下の建築物は2号となり、大規模修繕・大規模模様替えを行う場合には、建築確認申請が必要となります。
大規模修繕や大規模模様替えを行う場合、
つまり、主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の50%を超える修繕工事等を行う場合は、建築確認申請が必要となることが決まりました。
今回の改正では、床の下地を含む張替え、階段の変更、間取りの変更等が含まれます。
詳細解説はこちらをお読みください。
⇒ https://www.zoukaichiku.com/application
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