戸建てフルリフォームなら「増改築.com®」TOP>施工事例>都道府県で探す>東京都>文京区> 二世帯住宅へ全面リフォーム(耐震等級3相当)S様
S様は執筆業をされておられ、普段は地方に撮影所を完備するスタジオ併設のお住まいに住まわれております。頻繁に東京にお戻りになられることから、ご実家で同居を前提とした二世帯住宅への全面リフォームのご相談として弊社にいらっしゃいました。ご実家ではご両親が縫製のお仕事をされておられ、ご両親の作業場も考慮した2世帯住宅への全面リフォームとなります。また、築60年と建物が老朽化していること、補修こそされておりますが、過去に火事で一部が被害に遭ったということもお聞きしましたので、スケルトン状態にして躯体の状態を調査し、しかるべき補強をされることをお勧め致しました。S様は耐震等級3での性能向上をご要望されておられましたので、こちらも構造計算を行い補強計画を立案しました。
建物概要 | |
---|---|
名前 | S様 |
場所 | 東京都文京区 |
築年数 | 築60年 |
構造種別 | 木造一戸建て |
家族構成 | 大人3人 |
対象面積 | 26坪 |
リフォーム部位 | 断熱工事/外壁工事/内外部スケルトンリフォーム/耐震等級3 |
工期 | 6ヶ月 |
価格 | 2200万(税別) |
今回の全面リフォームで、S様からのご要望は以下の6点です。
S様はご夫婦で自宅の1室でお仕事をさせていらっしゃるので、全面リフォーム後も引き続き仕事スペースは同じ大きさ位で欲しいとご要望を頂きました。
▲既存外壁は昔のマルチサイディング
▲既存サッシには雨戸が付いています
●既存外壁はマルチサイディングなので目立った劣化した箇所などはありませんでした。
▲階段は急勾配で上り下りが不安になります。
▲玄関は昔ながらのランマの付いた引き違い戸です。
●既存廊下の壁も全て真壁で造られています。
リフォーム後はフラットな大壁の造りになります。
●既存キッチン箇所はお隣様のボヤを貰ってしまった箇所なので、構造から心配な場所です。
▲既存キッチンはブロックキッチン
▲既存トイレは洋風トイレです。
▲窓が大きく在来の浴室
●浴室はタイル張りの在来お風呂、大きな窓もあるので冬の寒さが厳しいお風呂です。
▲洗面化粧台は比較的新しい物です。
●各居室和室が中心の造りです。
▲窓が大きく昔のサッシなので冬はとても寒いです。
▲断熱が無いので窓を小さくして断熱効果を上げたい。
間取りの変更プラン
▲ 既存図面
▲ 全面リフォームプラン
新しい間取りは和室を無くし全てフローリングでバリアフリー仕様です。
S様の2世帯住宅化全面リフォーム(耐震等級3)工事はこうしてはじまりました。
●解体は手壊し作業
S様邸は内部のみをスケルトン状態にする全面リフォームではなく、外壁までも剥離する全面リフォームとなりますので、完全な躯体残しの工事となります。
▲室内の面材より解体を進めていきます。
▲S様邸は外部にサイディングが張られておりましたが、土壁の上からサイディングを上張りしている状態となっていたため、サイディングを剥がした状態でさらに、土壁を解体していくため手間が通常の現場以上にかかりました。
▲躯体だけの状態まで解体していきます。
▲解体を進めていくと火事でダメージを受けている柱が出てきました。火災の際に被害を受けていた躯体部は差し替えて補強を入れておきます。
●解体後の躯体チェック
▲柱を抜いた際に梁補強をどのように補強するかを現場にて大工、管理者、設計で打ち合わせを行います。
▲S様邸では火事があった際に一部改修をされており柱の位置が既存平面図と違う箇所がありました。またピッチも一部狂っている箇所がありました。これらの現況を踏まえ、正式な構造計算へと移行していきます。
▲柱の直下で基礎が割れています。無筋基礎となっているため、基礎補強は必須となります。
▲ブロックで束の代用をしていました。
▲昔お隣さんの小火を貰いS様邸もキッチン廻りが小火にあった箇所です。構造の柱が煤になって真っ黒です。
▲水周り部分は予想していた通り土台が腐食しておりました。差し替えとなります。
!大事な構造部のすべてが目視可能となる全面リフォーム
全面リフォームの最大のメリットはこのような重要な主要構造部のすべての状態が目視でわかることになります。
全面リフォーム後は、これらの構造上の弱点をすべて修正し補強することで新築と同水準、もくしくはそれ以上の建物性能をもつ構造躯体へ甦らせることが可能となります。
構造上のチェックが終わると、全面リフォームでは、基礎工事へと移行していきます。
S様は耐震改修が今回の二世帯住宅化全面リフォームでのメインテーマとなっておりますので、基礎補強は重要な工程となります。
築年数が古く旧耐震基準で建てられている建物になりますので、基礎は当然無筋基礎の状態となっていました。
添え基礎(抱かせ基礎・増し基礎)補強が必要となります。
今回は、全面リフォーム後の間取りから通常の補強では耐震等級3への計画が難しく特許工法を採用しました。計画上耐力壁となる1階部分へは基礎と土台、柱、梁までを一体化させる工法です。
基礎は、既存の基礎に増し基礎(抱き合わせ基礎・添え基礎)補強となりますが、特許工法ではここで10kNの引っ張りに耐えられるアラミド繊維を配筋に結束しコンクリートで固めます。土台より上部の上部構造体へは耐力壁に設置する補強プレートで耐力壁をアラミド繊維と固定することで壁倍率6.3倍となります。
▲敷地の境界線ギリギリで建てられている建物であることから増し打ち基礎は外側ではなく内部からのアプローチとなりました。既存の基礎に対しては増し打ち、新たに間仕切り壁が設置される土台下には、新たに布基礎を新設となります。
▲6.3倍の壁倍率となる耐力壁部分に配筋後に9kNの引張力に耐えるアラミド繊維を結束します。
▲配筋後にアラミド繊維を配筋に結束し底面部のコンクリート打設を行います。
▲地震力は耐力壁、つまり壁倍率が高いところへ最も作用します。その為、耐力壁設置部分へは、基礎と土台を固定し地震が来た際に、土台が基礎から抜けないように補強が必要です。
▲増し打ち基礎と新設基礎が入り組むコーナー部分の納まり
▲アラミド繊維がコンクリート内に納められました。
▲型枠を一部取り除くと内側に新たに基礎が設置されていることがわかります。
▲増し打ち基礎が完了しました。
東京都文京区S様邸の全面リフォームでは旧耐震基準の建物かつ無筋基礎であったことから、増し打ちによる基礎補強(抱き合わせ基礎補強・ツイン基礎)を行いました。
旧耐震基準で建てられた建物の多くは無筋基礎であることが多く、耐震改修をする上では、基礎より上部、つまり土台より上部構造体を補強しても、肝心な基礎が割れてしまったり、土台が基礎から抜けてしまっては耐震は絵に描いた餅となってしまいます。(もちろん評点も減点対象となります)古い基礎の外側(もしくは内側)の地盤面を堀り、立ち上がり基礎部と底面部をL型に配筋しあと施工アンカーにより緊結します。既存の基礎の表面仕上げにコンクリートが接着なじみ易いよう凸凹を付ける(目荒らし)、新規の基礎との接着力を高めるのがポイントになる。
大規模な戸建て全面リフォームをされる際には、木造を熟知し、実績が豊富な会社へ相談することをお勧めする理由でもあります。
●増し打ち基礎(抱き合わせ基礎・ツイン基礎)って?
基礎補強の方法にはさまざまな方法があります。その代表的な補強法に増し打ち基礎補強(抱き合わせ基礎・ツイン基礎)による基礎補強があります。
良好な地盤では立ち上がり部と底面が一体化された鉄筋コンクリートになっている基礎であるベタ基礎による補強を行うケースもありますが
基礎の下の地盤面の地耐力が均一でない場合は、不同沈下が起こる可能性があるためしっかりとした地盤調査が必要になります。
増し打ち基礎は、既存の基礎に対して外側(もしくは内側)に新たにL型に鉄筋コンクリート基礎を新設し、既存の基礎と抱き合わせる形で接着させる補強法となります。旧耐震基準の建物の多くが無筋基礎であることが多い為、鉄筋コンクリート基礎をあと施工アンカーにより接着し補強します。
戸建て全面リフォームで、基礎補強をする際は、このような知識のある会社に相談することが必要です。
1階平面補強箇所
2階平面補強箇所
床伏図
●基礎が終わり大工工事へと移行します。構造躯体の強度を担保するためのメイン工事となります。今回の築60年二世帯住宅化全面リフォームでは、耐震等級3での耐震改修がメインとなります。構造計算された指示に基づき、補強を行っていきます。
▲2世帯住宅化全面リフォームとなることから、大幅な間取り変更となりました。既存の柱を抜き新たに柱を立てる箇所などが多数できて参ります。梁の補強の方法も構造計算ですべて定められているため仕様に乗っ取り確実な施工をしていきます。
▲充腹梁での補強
▲充腹梁にシールを張り、ビスを打つピッチを指定しています。
▲基礎と結合したアラミド繊維を固定する補強プレートを設置することで土台、柱、梁までが一体化されます。
二階部の補強プレート補強
▲ベランダ部分の床下地工事。構造用合板を井桁に2重張りをします。
▲構造計算された補強計画に基づき、充腹梁の設置、補強プレートの設置をしていきます。
▲S様邸は1階・二階合わせて24か所に壁倍率6.3倍の補強プレートを設置することで耐震等級3の建物へと耐震補強されました。
▲木部補強が終わると大量のプラスターボードが納入され現場は造作フェーズへと移行していきます。
▲階段の側板を施工していきます。
▲この段階になるとフロアーや建具の工事になっていきます。お施主様へは、現場へ足をお運び頂きながら、空間のイメージと選定された建具やフロアがイメージと相違が無いかをチェックしていただきます。
▲補強が完了した時点(断熱材が充填される前)に補強された構造体をお施主様に見ていだき、次の工程へと移行していきます。
●木部補強が終わると造作工事へと移行していきます。
東京都文京区のS様の戸建て全面リフォームでの断熱材は、高性能グラスウールを採用。
▲断熱工事のキモは何といっても隙間なく施工がされているかどうかにつきます。
▲隙間なく充填されているかのチェックを行ったのち、耐力壁となる補強箇所へ構造用合板を張っていきます。
▲グラスウール充填時の注意はコンセントや筋交部への充填になります。隙間がないようチェックをします。
▲耐力壁設置部には構造用合板が張られ、グラスウールが見えている部分がプラスターボードとなります。
▲屋根は断熱材付きの断熱トップを採用しました。
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▲外部までを解体する全面リフォームとなりましたので、外周面はすべて構造用合板で補強しました。
▲基礎と構造体を緊結する補強ガゼットは室内からの補強となりましたので外部がそのまま前面に構造用合板を張りました。
▲ベランダの部屋側はサイディングの色見を変えました。
▲サイディング施工が完了
構造部の構造補強が終わると、造作工事に入ります。
▲階段部の造作工事
▲LDK造作工事
▲玄関土間工事を残した造作工事が進んでいきます。
▲内装工事が進むと器具つけと呼ばれる住宅設備機器工事に入っていきます。
▲建具は枠から施工、扉のつり込みは最後です。
▲竣工間近となり建具扉が搬入されてきます。
約6か月の工事を経て、いよいよ竣工です。
S様邸の様子をご紹介します。
== 外観==
▲外壁はサイディング仕上げです。
▲1階は防犯の為、窓にシャッターと格子を付けています。
== 1F エントランス・玄関 ==
▲ブロックは既存のままです。
▲ポーチはタイル仕上げです。
== 1F LDK ==
▲こそ壁を造り造り付けのカウンターを設置しています。
▲キッチンはLIXILシエラです。
▲窓枠はしっくいホワイト
既存建物はブロックキッチンでした。
== 階段 ==
既存階段1間半の急勾配の階段でした。新規階段は14段で登りやすい勾配に変えています。
== 1F下駄箱・2F洗面台 ==
▲下駄箱はPanasonicベリティスの間口1200のコの字プランです。
▲2階に新たに給排水を持ってきて小さな洗面化粧台を設置しました。
== 1F ・2F 洋室 ==
▲クローゼット扉は折戸のパナソニックベリティスです。
▲ベランダに出るサッシです。構造上ベランダに出る窓のまたぎはフラットにはなりませんでした。
▲同じく建具はPanasonicベリティスの折れ戸です。
== 1F 水まわり ==
Before
▲既存キッチン
▲既存浴室
▲既存洗面室
▲既存トイレ
▲LIXIL シエラ
▲LIXIL アライズ
▲LIXIL オフト
▲ハイウィルオリジナル
== バルコニー ==
S様は、ご実家での同居を想定された二世帯住宅化全面リフォームでした。築年数が古いことから、耐震改修を前提としたご相談から始まりましたが、弊社では、費用をかける大掛かりな工事となることから、耐震等級3での補強をお勧めさせていただきました。構造計算は必須になって参りますが、費用対効果をご検討いただき、特許工法にて施工させていただきました。
建物の置かれているロケーションから外部からの補強が難しく、内側からの基礎補強、耐震補強を行いました。
現場での打ち合わせに何度もお呼びしてお打合せを重ね、大変お喜びいただけました。長期間に渡り、安心してお住まい頂ければと考えております。
S様、この度はご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
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お問い合わせ・ご相談多数のため、ご返信、プランのご提案までに日数を頂いております。ご了承の程お願い申し上げます。
改正後の新法では、4号特例措置が廃止され、一般住宅の多くの建物である2階建て以下かつ200平方メートル以下の建築物は2号となり、大規模修繕・大規模模様替えを行う場合には、建築確認申請が必要となります。
大規模修繕や大規模模様替えを行う場合、
つまり、主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の50%を超える修繕工事等を行う場合は、建築確認申請が必要となることが決まりました。
今回の改正では、床の下地を含む張替え、階段の変更、間取りの変更等が含まれます。
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