2020年5月26日更新
戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP>さまざまな悩み・不安>耐震が不安という悩み>基礎補強について>制震ダンパー設置による地震対策
弊社ハイウィルでは、大正8年の創業以来、約1世紀にわたりさまざまな木造家屋を改築して参りました。その間にさまざまな耐震補強も施して参りましたが、中には本当にこれで今までよく大丈夫だったな・・という程のあまりにヒドイ(耐震補強がまったくされていない)住まいもありました。
そもそも日本の木造一戸建て住宅の約40%は耐震不足と言われています。※ 平成15年国土交通省推計
東日本大震災が起きてから首都圏の弊社にもさまざまなご相談をいただき、都度耐震補強工事の対応させていただいておりますが、近年のマグニチュード6以上の地震のうち20.5%は日本で発生している事実がありますし、今後も東海地震、南海地震、首都直下型地震の危険性を多くの専門家が指摘しております。日本で暮らす以上、住まいの耐震補強といった地震対策を欠かすことはできません。
東日本大震災の影響から最近ではやっとテレビなどでも解説される機会が増えましたが、地震対策には大きく3つの工法があります。まず誰もが聞いたことのある耐震です。耐震補強は、読んで字のごとく地震に耐えうるために建物をより強固に固め、地震に対して真っ向から立ち向かい、耐え忍ぶという工法です。まさに耐震補強です。
そして、2つ目は最近テレビなどでも実際の現場の映像で解説などがされはじめた免震というものです。テレビなどでは、マンションの地下の基礎の状態を解説されているのを見た方も多いと思います。免震は、基礎と土台の間にエネルギー絶縁装置を設置して、構造躯体に作用する地震エネルギーを伝えないようにする工法です。これは耐震の欠点を補う画期的な考え方で、耐震の固めることにより地震の揺れがが増幅する欠点を補う工法になります。耐震の場合倒壊はしなかったけれども、実は内部はガタガタになっていて、次の地震がきたときには耐える力が残っていないというケースを解消する工法になりました。つまり揺れにくさという視点と損傷の軽減という意味で耐震の欠点を見事に補っているのです。
しかし、既存住宅で設置をするにはあまりに費用が高く、注文住宅など新築の際に設置される方がわずかにいらっしゃるというレベルの工法になります。新築のマンションではかなりの比率でこの免震工法の建物が多くなってきました。
弊社では木造の改築が多いので、従来は耐震補強工事を万全にしてお引き渡しをしてきました。現在も耐震補強工事を万全に施す体制は変わっておりませんが、ここで最後の工法をご紹介したいと思います。
それは制震という工法です。
この工法は、地震にブレーキをかける工法。地震による建物の揺れをエネルギーとしてとらえ、制震装置でそのエネルギーを吸収する工法です。ブレーキと同じ発想で地震で揺れる建物にブレーキをかける工法。ブレーキをかけることにより、建物の揺れ、構造体の損傷を軽減するという工法です。
以上3つの工法がありますが、地震のエネルギーを建物と絶縁してしまう免震が最も有効ではあります。しかし、既存の住宅に免震対策を施すには、住まいを持ち上げ、大々的な工事が必要です。費用も相当かかってしまうという問題があります。
免震と比較し経済的で設置への制約が少ない制震工法も弊社では採用し、耐震補強とともに改築ではとくに制震ダンパーという制震装置を設置しております。
今まで耐震補強の必要性が叫ばれてきました。もちろん必要なことです。既に診断をされた方はお分かりかと思いますが、今現在も耐震診断では構造評点1.0未満は倒壊の可能性があると言われ、耐震補強工事を勧められます。
熊本地震では耐震等級2の建物が倒壊したことで、構造評点は1.25以上が必要だと言えます。
この数字は、「現在のお住まいに必要な耐力」に対する「現在のお住まいが保有している耐力」の割合で、各方向の耐震性能評価の数字になります
「現在のお住まいが保有している耐力」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「現在のお住まいに必要な耐力」
=構造評点
つまり、不足している「必要な耐力分」の耐震補強が必要ということになります。ここで制震という発想が生まれました。現在保有している耐力に補強をして必要な耐力まで引き上げる耐震だけではなく、「現在保有している耐力」自体を制震する、つまり減衰させることで引き下げることが可能になるという発想です。
しかし、設置には注意が必要です。
制震ダンパー設置の補強計画をする際は、あくまでも耐震補強で、構造体の強度を高めておく必要があります。
ここで重要なのが、構造評点はあくまで1.5を目指すということです。そのうえで減衰の力を利用し、地震の初期の状態で建物の損傷を押さえ、そもそもの耐震構造を長持ちさせるという考え方です。
一番やってはいけないことは、制震ダンパーを入れることで、ギリギリ評点を1.0にすることです。
そもそもが耐力壁に設置するタイプがほとんどの制震ですので、耐力壁が破壊されてしまいますと、制震の効果は無くなってしまうからです。壁倍率の高い、制震ダンパーなどで耐震補強計画をたててしまうと、耐震補強目的で制震ダンパーを配置することになり、制震の本来の目的である減衰効果が、地震の後半で効くことになりますので、損傷防止ではなく倒壊防止の対策となり、本末転倒です。
制震ダンパーを設置されたいお施主様は、耐震工事の実績がある施工会社への相談を強くお勧めいたします。
耐震で失敗しない為の
『耐震補強リフォーム工事 完全ガイド』
500棟以上のスケルトンリノベーションの耐震改修知見を網羅!
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※すべてのページでYouTube動画解説リンクがありますので、合わせてご覧ください。
診断編の役割とコンセプト: 皆さんの漠然とした「家への耐震不安」に寄り添い、その正体を突き止めるための「診断」に特化したパートです。地震の歴史からご自宅の築年数が持つ意味を学び、耐震性の客観的な物差しを知り、そしてプロの診断技術の深淵に触れることで、読者の不安を「解決すべき具体的な課題」へと転換させます。すべての治療は、正確な診断から始まります。
記事(全6本):
➡️ あなたの家が生まれた時代:旧耐震・81-00住宅・2000年基準、それぞれの「常識」と「弱点」
➡️ 我が家の体力測定:耐震性の“三位一体”「評点・偏心率・N値」とは何か
➡️ 耐震診断の全貌:費用・流れ・依頼先は?プロが教える診断結果の正しい読み解き方
➡️ 究極の診断法「スケルトンリフォーム」。なぜ私たちは壁を剥がし、家の“素顔”と向き合うのか
➡️ 壁の中に潜む時限爆弾:見えない木材の腐食とシロアリが、あなたの家の体力を奪っている
記事(全4本):
➡️ 【2025年法改正】建築確認申請を“賢く回避”する、性能向上リノベーションの戦略的計画術
➡️ 検査済証なき家、再建築不可物件の再生シナリオ:法的制約の中で命を守るための現実解
➡️ 【費用全貌】モデルケースで見る耐震リフォーム工事のリアルな費用と、賢いコストダウン術
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実践・難関編の役割とコンセプト: このガイドの、増改築.com®の真骨頂。他社が匙を投げるような、極めて困難な状況を、いかにして克服してきたか。その具体的な「臨床報告」を通じて、私たちの圧倒的な技術力と、決して諦めない情熱を証明します。これは、単なる事例紹介ではなく、困難な状況にある読者にとっての、希望の灯火となるパートです。
記事(全5本):
➡️ 【難関事例①:傾き】家が傾いている…その絶望を希望に変える「ジャッキアップ工事」という選択
➡️ 【難関事例②:狭小地】隣家との距離20cm!絶望的な状況を打破する「裏打ち工法」とは
➡️ 【難関事例③:車庫】ビルトインガレージの弱点を克服し、評点1.5以上を達成する構造計画
➡️ 【難関事例④:無基礎】「この家には、基礎がありません」。絶望の宣告から始まった、奇跡の再生工事
➡️ 【最終方程式】「最強の耐震」×「最高の断熱」=家族の健康と資産価値の最大化
最終決断編の役割とコンセプト: 最高の未来を実現するための、最も重要な「パートナー選び」に焦点を当てます。技術論から一歩進み、読者が自らの価値観で、後悔のない、そして最高の決断を下せるよう、その思考を整理し、力強く後押しします。
記事(全4本):
➡️ 耐震リフォーム業者選び、9つの最終チェックリスト:「三位一体」と「制震の役割」を語れるか
➡️ なぜ、大手ハウスメーカーは木造リノベーションが不得意なのか?業界の構造的真実
➡️ セカンドオピニオンのススメ:あなたの家の診断書、私たちにも見せてください
➡️『【最終結論】500棟の経験が導き出した、後悔しない家づくりの“絶対法則”』へ
終章の役割とコンセプト: 物語を締めくくり、技術や知識を超えた、私たちの「想い」を伝えます。なぜ、私たちがこの仕事に人生を懸けているのか。その哲学に触れていただくことで、読者との間に、深い共感と、未来へと続く信頼関係を築きます。
記事(全1本):
➡️ 【特別寄稿】耐震とは、文化を未来へ繋ぐこと。四代目として。
フルリフォーム(全面リフォーム)で最も大切なのは「断熱」と「耐震」です。耐震に関する正しい知識を知り大切な資産である建物を守りましょう。
ハイウィル株式会社 四代目社長
1976年生まれ 東京都出身。
【経歴】
家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。
中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。
この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。 TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを職人として施工、管理者として管理。
2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟、営業、施工管理に従事。2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。250棟の木造改修の営業、施工管理に従事。
2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級4」への推進を目指し、 自身の500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン。
戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
一戸建て家のリフォームに関することを
お気軽にお問合せください
どのようなお悩みのご相談でも結構です。
あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。
営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
※すでにプランをお持ちのお施主様・設計資料をお持ちのお施主様は内容をフォームで送信後、フォーム下のメールアドレスに資料をお送りください。対応がスムーズです。
図面や写真等を送信いただく場合、また入力がうまくいかない場合は、上記内容をご確認のうえ、下記メールアドレスまでご連絡ください。
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