一戸建てリフォーム、特に新築そっくりの状態にするようなスケルトンリフォームでは、改装と違い、構造部に手を加えるリフォームになりますので、構造部の補強は必須になります。ここでは、土台と柱について、補強例とともに解説いたします。
現場DATA
住所 東京都中野区 K様
構造 木造2階建 軸組み工法
築年数 築43年
家族構成 ご夫婦+お母様
面積 1階 64.98㎡
2階 49.5㎡
工事内容 一戸建て(一軒家)のスケルトンリフォーム(改築工事)
工事期間 3ヶ月
一戸建て(一軒家)リフォームもスケルトンリフォーム前は築43年の外装は板張り屋根は瓦葺きのお住まいです。
1階左に有るシャッターは駐車スペースは、一戸建て(一軒家)リフォーム後は居室スペースにして部屋にする計画です。
この頁でのポイントは、築30年以上の木造住宅でメンテナンスが行き届いていない住宅、あるいは長期間空き家になっていた一戸建て(一軒家)リフォーム(改築)においてよくあるケースである土台や柱の腐食についてお話いたします。補強は補強でも土台と柱にフォーカスをしていきたいと思います。
二階を背負わない下屋部分の浴室の土台を外部の板を外してみた状態です。土台の腐食が進んでいるのがわかります。こちらの建物は空き家状態のままだったので、メンテナンスはほとんどされていない状態でした。よく見ると、筋交いの接合部も腐食しているのがわかります。2階を背負ってはいませんが、角の柱も腐食していて柱としての機能をはたしていない状態です
土台の差し替えを提案させていただき柱は既存柱に添え木をして金物で緊結処置をいたしました。筋交いと桁にも金物で緊結をします。2階を背負っている通し柱では上記のような方法はとれませんので柱の一部差し替えを行います。
隅柱で通し柱となっている部分は耐力壁としても最も重要な壁になりますので、土台と柱の差し替えを行います。このような工事は改装工事ではできませんので、一戸建て(一軒家)リフォームでのみ全体的な構造部の手直し補強が可能になります。
こちらの一戸建ては築40年以上でそもそもの構造体力が全体的に不足している点から構造診断をした結果、今回のケースでいうならば外壁にサイディングを張る予定であり、下地として外部全面に構造用合板(ラーチ)を張ることが決まっており倍率が稼げることからガチガチの耐震補強という提案ではなく構造上の弱点となる箇所に制震装置を数か所設置し、制震ダンパーを設置する提案をさせていただきました。
室内側より断熱材を充填しています。専用のビスで一つの壁に150箇所とめます。ここでは写真を撮っていませんが、この上に構造用合板が張られます。このように、既存の状態に応じて、最も安全な構造へ変更していく作業が一戸建て(一軒家)リフォームでは必要になります。このケースでは基礎はしっかりしていましたので、基礎の補強はいれなくても問題はありませんでしたが、基礎が痛んでいるケースでは、土台をいくら差し替えてもその土台を支える基礎が機能していない場合は土台の役割を果たさないということになりますので基礎補強も必要になります。
次にご紹介するケースは、土台の腐朽ではない土台に問題があった事例をご紹介しましょう。通常、布基礎の上に土台は乗っています。そして土台の上に柱が建っている状態。これが正常の状態となります。基礎と土台をアンカーボルト等で緊結、土台と柱をホールダウン金物などで固定することで地震や台風などの引っ張り力に対して対抗し、基礎と一体化して引っ張り力に対抗するのが木構造となっております。
その大前提を揺るがすような状態となっていた事例を次のページでご紹介しましょう。土台に問題があった事例をクリックしてみてください。
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