戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP > 施工事例 > 都道府県で探す > 東京都 > 新宿区 > 施工事例 S様 ビルトインガレージ住宅を基準の1.5倍の構造評点へ耐震補強!
都心に多く存在する半地下車庫(ビルトインガレージ)の木造住宅。近年では狭小3階建が多いですが、半地下の車庫がついている二階建て(中二階)の建物も多く存在します。このタイプの建物は耐震性に問題があるケースが多く今回も特別な工法を使ってリノベーションしました。詳しく解説していきます。
今回の戸建てリノベーション事例は東京都新宿区のS様。20年前に半地下車庫付き住宅を中古で購入後、大きなリフォームをすることはなくご使用されておられました。東日本大震災後に耐震診断を受けたところあまりに評点が低く不安になりこの度耐震改修を最優先した戸建てリノベーションを検討されたのがきっかけです。複数のリフォーム会社へご相談されておりましたが、半地下RC車庫+木造2階建ては耐震工事が出来ないとの回答だったとのことでした。上部構造評点で1.5を超える提案をする会社がない中で戸建て性能向上リノベーション実績が豊富なハイウィルへご相談されたのが最初の出会いでした。
駐車場の家賃が3万を超える、都心エリアでのインナーガレージの需要は確かに高く人気があります。しかしながら、耐震面では不安が残ります。半地下車庫は、地下部分がRC構造になっており、その上に木造が乗る構造になり混構造になってきます。この場合、半地下RC車庫の真上にのみ、そのまま木造2階建てが乗っているケースの場合は耐震改修での構造計算が可能となります。車庫にそのまま二階が乗っていないケースでは平面的な混構造となってしまうため、耐震改修での構造計算できないケースとなります。半地下2階建て住宅は、構造計算上は3階(3層)扱いとなりますので注意が必要です。
建物概要 | |
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名前 | S様 |
場所 | 東京都新宿区 |
築年数 | 築30年 |
構造種別 | RC半地下+木造一戸建て(在来工法) |
家族構成 | 大人2人 子供2人 |
対象面積 | 26.3坪 |
リフォーム部位 | 基礎補強/間取り変更/断熱サッシ/セルロースファイバー/耐震補強/ |
工期 | 5ヶ月 |
価格 | 2450万(税別) |
今回の戸建てリノベーション&フルリフォームで、S様からのご要望は以下の5点です。
S様邸のご要望は、1階を扉で間仕切れる大きめLDKにし、2階は既存2部屋を3部屋にされたいとご要望でした。(既存図面は新築当初2階は3部屋だったのをリフォームし2部屋にしています)S様の今回のリフォーム工事に当たり、優先順位は耐震性能を上げる事、防音対策でした。間取りは既存間取りを余り変えずに、構造にコストを掛けたプランになっております。
●半地下ガレージの問題点は、ガレージ車庫部分に横方向の壁【横方向の耐力壁】がないことにあります。その上に、1階2階の建物が乗っているということ。ここを部屋して壁を設けることで耐震補強は可能ですが、あくまで車庫として使用し、耐震性能を基準値の1.5倍、新築での最高耐震等級である耐震等級3相当にする耐震補強計画を立てなければいけないところがポイントとなります。
●半地下はコンクリート構造(RC)車庫の真上にのみ、そのまま木造2階建てが乗っているケースの場合は、耐震改修での構造計算が可能となります。車庫にそのまま二階が乗っていない(1階2階部がオーバーハング等している)ケースでは平面的な混構造となってしまうため、耐震改修での構造計算できないケースとなります。
●半地下2階建て住宅は、構造計算上は3階(3層)扱いとなりますので注意が必要です。
●既存1階部分(構造計算上は2階)
半地下ビルトインガレージ(車庫)の特徴は、1階部が中二階程度の高さになっていることです。構造上はこの部分は2階として計算をしなければなりません。窓は少ないもののガラスが単板となっており、防音したいご要望もいただきました。
●既存2階部分(構造計算上は3階)
●既存半地下への階段部分
半地下へ下りる階段室ですが、半地下に入るところからはカビが生えています。湿気もあり断熱処理が必要なことがわかります。
●既存半地下部分
間取り変更のプラン
S様の耐震・防音等 構造性能を上げる半地下ビルトインガレージ戸建てのフルリフォーム&フルリノベーション工事はこうしてはじまりました。
●解体は手壊し作業(人力解体)
新宿区のS様の半地下ビルトインガレージフルリフォームでは、構造評点を国の基準値(1.0)の1.5倍以上の評点1.5以上でのご要望から、内部のみからの補強では耐力が足りず、外壁からの耐力補強が必須となりました。そのため、内部のみのスケルトン解体ではなく、外壁までを解体する内外部スケルトンリフォームとなります。その為、完全な躯体(スケルトン)残しのフルリフォームとなります。
フルリフォームやフルリノベーションで最も大変工程の一つが、この解体工事となります。
そもそも内外部スケルトンリフォームのような躯体残しのリフォームでは、新築のような機械壊しが出来ないことから、解体職人による手壊し作業(人力解体)となります。それもリノベーション後の間取りを検討し、抜く柱や抜けない柱など細心の注意を払いながらの解体となります。躯体残しの解体の際は、ロケーションやフルリフォームの内容によって、解体を2回に分けることがあります。今回はガレージ部の構造計算がありますので、現状のビルトインガレージ部分を裸にしてから精密な構造計画を立てるために時間を要します。その為に、内部のみを先行して解体し、補強計画を立案後に外部を解体する計画としました。
●解体後の躯体チェック
内部の解体が終わった段階で、計画前の既存建物の本当の姿が見えてきます。非破壊法での補強計画では、リアルな補強計画は立てられませんので、この段階で補強計画前の既存建物の痛みや予想と違っている部分がないかを入念にチェックしていきます。
S様邸は築20年強と新耐震基準で建てられた建物ですが、やはりいろいろな問題が出てきました。使える躯体と使えない躯体を選別してく作業となります。
!大事な構造部のすべてが目視可能となるスケルトンリフォーム
内部の天井・壁・床だけでなく外壁まで解体しスケルトン状態(躯体残し)にする戸建てリノベーションの最大のメリットはこのような重要な主要構造部のすべての状態が目視でわかることになります。非破壊で耐震補強計画を立てるよりもより精度の高い補強計画が立てられます。今回のビルトインガレージの耐震補強では、通常の耐震補強工事だけでは、構造評点を1.5以上にすることができませんでしたので、全面解体とさせていただきました。フルリノベーション後は、これらの構造上の弱点をすべて修正し補強することで新築と同水準、もくしくはそれ以上の建物性能をもつ構造躯体へ甦らせることが可能となります。
構造上のチェックが終わると、今回のメインとなるガレージ部分の基礎工事へと移行します。今回はガレージの横方向の耐力を確保するために、フレーム補強をする計画となりました。S様は正式な構造計算書をご要望されておられたことから、通常の鉄梁補強なども補強方法としては有効ですが、混構造となりますので、ガイドラインがない事から数値化が難しくなります。そのため耐震補強での数値を国が明確化している大臣認定の補強金物のみの使用に限定されます。つまり選択肢が限定されるということです。S様は数社に同じご要望を相談され、どの会社もできないと回答したのはこの解決法がないから、もしくはノウハウがないかのどちらかだと思います。
S様邸では、新耐震基準の建物であることから、、本来であれば基礎補強はマスト事項ではありませんでした。しかし、鉄筋を有していないコンクリート無筋基礎であることが判明し、基礎補強が必要でした。ガレージ部の補強の前提として、フレーム補強の指示として、フレームとなる横方向に鉄筋コンクリート基礎が必須あったことから、50㎝以上根切をして配筋、コンクリート打ちとなりました。、建物の重さとのバランスもかかわってきます。足元だけ固めていても屋根を含めた建物とのバランスが悪いと大地震が起きた際にせん断力が働き、ホールダウン金物が抜けるような事態になるケースもあるからです。今回のフレームも国で認められている商品となり、施工の手順が決められています。手順通りに施工をしなければ、全く意味のない耐震補強となってしましますので、大規模な戸建てリノベーションをされる際には、木造を熟知し、実績が豊富な会社へ相談することをお勧めする理由でもあります。
東京都新宿区のS様のご要望のメインとなる工事です。都内では数多いビルトインガレージ。敷地内に車庫スペースが取れず、建物の中に車庫が埋め込まれている建物です。
タイプもさまざまですが、一階が車庫で3階建てのもの、半地下に車庫がありその上に二階屋が建っているものなどです。
今回のS様の建物は後者の半地下のビルトインガレージ2階建て住宅でした。
今回Sさまは、数社に耐震を相談してダメだったとのことですが、理由は先述しているとおりですが、難易度が高いからです。地下部が駐車場でRC造となり、その上に、1階2階が乗っている建物は、基本的な構造計算上の1階と2階の耐力は1.5倍にして計画する必要があります。しかも建物の荷重が最もかかるガレージ部の耐力を強くする必要があるわけです。本来横方向の耐力壁を取れるところが開口部となって大きな空洞になっている為、耐震的には大きな弱点となります。S様は上部構造評点1.5以上での計画をご要望されておられましたので、ハードルはかなり高いといえます。
このようなケースで『増改築.com』運営会社であるハイウィル株式会社では、今回のビルトインガレージ住宅の耐震補強計画を立案するにあたり、正式な報告書の作成に当たり、構造計算においては日本建築防災協会の認定を受けている補強金物のみを使用する必要があります。世の中にはたくさんの補強材や金物がありますが、耐震設計においては、大臣認定及び日本建築防災協会の認定を受けていない商品や部材は採用できませんので、注意が必要です。弊社においてもまざまな方法を模索しました。
ポイントとなるのは
車を入れられる状態で、空洞部分に横方向の耐力を出すこと。
になります。
車を入れられる状態にする必要から、横方向に壁となる補強部材は使用できません。そうなると真っ先に考えるのが仕口ダンパーになります。仕口で柱と梁に固定する方法があります。しかしながら、大臣認定を取得している仕口ダンパーかつ、耐力計算をして評点1.5を出せるものは存在しませんでした。
そのため、弊社が過去に日本初で新商品の施工をした経験のあるYKKAP社の『フレームプラスG2』よりヒントを得て、構造計算をスタートしました。本来フレームプラスは窓に設置する商品ですが、窓を耐力壁と見なすことができる製品であることから、空洞となるガレージでの利用を検討しました。
耐震改修をする上で弱点となるのが、サッシとなります。窓などの開口部は、耐震計画上壁とみなすことはできませんので、単純に窓が多ければ多いほど耐力は落ちます。YKKAP社の 「フレームプラス」は、窓周りをフレームで補強することで、耐力壁と見なすことができる商品です。「フレームプラス」は耐震補強設計後に利用できる製品となり、「フレームプラス」を用いた耐震補強設計・施工管理は、YKK APの技術認定講習を修了した認定設計者および認定施工管理者が行うのがルールとなっています。
基礎が終わり大工工事へと移行します。構造躯体の強度を担保するためのメイン工事となります。
●新宿区S様邸のビルトインガレージ住宅のフルリフォームでは、半地下補強に加え、一階部、二階部の補強も必要です。
その為、室内の内壁の指定箇所、そして外部においてはすべて壁倍率2.5倍の構造用合板を張り、外周面との両面張りで壁倍率5倍での構造計算となりました。
新宿区S様の戸建てビルトインガレージ住宅フルリフォームでの断熱材は、セルロースファイバーを採用。
極力『防音』対策をしたいというご要望から、新聞紙を原材料としたエコ素材でありながら「断熱」「防音」「防燃」「防虫」「防湿」の効果を併せ持つセルロースファイバーはまさに理想的な素材を採用。
構造部の構造補強が終わると、造作工事に入ります。
約5か月の工事を経て、いよいよ竣工です。
コロナ禍で打ち合わせは、メールやお電話などがメインとなりましたが無事この日を迎えることが出来ました。
S様邸の様子をご紹介します。
== 外観==
== 1F LDK ==
既存建物は単板ガラスかつ断熱材もスカスカの状態でした。
== 半地下・1F 水まわり ==
Before
S様、この度は弊社をご利用頂きましてありがとうございました。S様の一番のご要望は耐震でした。しかもビルトインガレージのある建物で耐震をメインにしたい、とのことで大手を含め複数の会社に依頼をしたところ、どの会社も評点1.5以上で計画ができなかった、とのことで弊社にご依頼をいただきました。弊社の回答は「1.5大丈夫です!」それに対し、本当に大丈夫なのですか?という疑問を抱かれたことは無理もないことだと思います。大手を含む数社からできないと言われてきたのですから。弊社の改修工事において耐震工事を得意としており、難易度の高い耐震改修工事を何棟も施工してきました。半地下のビルトインガレージ住宅は構造計算上は3層扱いとなります。また正式な計算書が必要であれば、弊社では公的に認められた大臣認定の金物商品を使う事を義務付けております。費用はかかりますがこの現場の耐震にはYKKapのフレームプラスを2基設置するしかありませんでした。また、既存建物は音が筒抜けになる、とのことでしたので、セルロールファイバーも採用となりました。費用はかかりましたが、耐震等の問題が解決できたことにより、お喜び頂いたことは、私共も大変嬉しく、特にやりがいのある現場でした。お引渡しの日には、内装のセンスも褒められ、「ハイウィルさんは本当に施工技術もインテリアセンスのレベルも高い会社なんですね」と大変ありがたいお言葉をいただきました。これ以上のお褒めの言葉は無く、スタッフ一同感動をしております。
S様、この度はご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
■全国のフルリフォーム・リノベーション『ピックアップ事例』※プロの詳細解説付きレポート
どのようなお悩みのご相談でも結構です。
あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。
営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
2025年(令和7年)の4月1日建築基準法改正が決定、2025年(令和7年)4月以降に着手するフルリフォームに確認申請が義務化されることにより、現在大変混みあっております。
お問い合わせ・ご相談多数のため、ご返信、プランのご提案までに日数を頂いております。ご了承の程お願い申し上げます。
首都圏のリノベーションにつきましては、2024年度工事枠は11月解体着工のお施主様まで埋まっております。
・直近は2024年12月下旬の解体着工スタートより空きありとなります。※2024年10月9日時点
※ご契約順に施工班の予定を組ませて頂いております。スケルトンリフォームには6ヶ月程度の期間が必要になります。余裕をもったスケジュールでご相談をお願い申し上げます。
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