戸建てフルリフォームなら「増改築.com®」TOP>施工事例>都道府県で探す>東京都>江東区> 二世帯住宅リフォーム(完全分離型)施工事例
大田区仲六郷での再建築不可の建物にお住いのO様の施工事例。町域内の雑色駅より徒歩圏内の建物です。雑色駅は六郷地域の拠点として、駅の東西両側に長く伸びた比較的大きな商店街があり、駅周辺は低層の建物が多いエリアです。O様からのご依頼は、
◆「子世帯夫婦」と「お母様+ワンちゃん」がお互い最低限のプライバシーは確保出来るような2世帯住宅を希望されておられました。
→玄関入りすぐ「2階(夫婦主寝室)への階段」と「廊下(母主寝室&シェア空間)側」へ別れるような間取りをイメージされておりました。
現状、建物にしっかりとした基礎がない事をご不安視されておられましたので、しっかりとした基礎補強が必要とアドバイスをさせていただきました。家外周4面の内、2面が隣家と近く、作業時十分なスペースが取れないため一部は裏打ち工法となりました。
二世帯リフォームをご希望とのことでプライバシーにも配慮しセルロースファイバーによる断熱材を充填し防音対策も。
◆部屋構成としてイメージされておられたのが、
・1階:母の主寝室+シェア空間(ゆくゆく子供部屋?)+ミニキッチンスペース(メインキッチンで作った料理を温め直すレベル)
・2階:私達夫婦の主寝室+LDK+ベランダ・屋上:BBQが出来るようなスペース
◆その他要望
・子供が小学生になる頃位には、子供部屋が必要になる事が予想される
・風呂、洗面所は1階を希望風呂については、現状「0.75坪タイプ」の為、最低限一回り大きい「1坪タイプ」を設置したい
・トイレは1階と2階1つずつの、合計2つ希望
・キッチンは設置スペースの都合がつけば、ビルトイン食洗機を設置したい
・母の主寝室は和室希望。また仏壇を置くスペースが欲しい
・玄関に「コート掛け」や「クローゼット」のような物があれば便利
・基本的にフローリング材、壁紙、天井材にはこだわらない風呂、トイレ、キッチンも現状メーカーにこだわり無し
このような具体的なご要望を頂きました。
建物概要 | |
---|---|
名前 | O様 |
場所 | 東京都大田区 |
築年数 | 40築年 |
構造種別 | 木造一戸建て |
家族構成 | 大人3人/子供1人/犬1匹 |
対象面積 | 22.5坪 |
リフォーム部位 | 基礎補強/間取変更/断熱サッシ取替/外壁リノベーション/セルロースファイバー/耐震等級3/外構/屋上庭園 |
工期 | 6ヶ月 |
価格 | 2300万(税別)※外構込 |
今回の東京都大田区O様二世帯住宅リフォームでのご要望は以下の6点です。
!Iw値とは?
1981年以前の旧耐震基準で建てられた木造家屋では、2000年の品確法で定められた『耐震等級』という耐震指標保有水平力、耐震等級によって耐震力を測れないため、Iw値という指標で耐震力を測ります。「Iw値=家の保有耐力/耐震のために必要な耐力」によって数値化されます。1.0をクリアすることで震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性が低いとされており、国の耐震改修の最低基準値となっている指標であります。
お母様が暮らしているご実家に、家族が増えた息子さんご夫婦との同居を機に部分共有型のリフォームのご要望を頂きました。1階が親世帯と共有の浴室/洗面スペースです。2階が子世帯スペースになります。
一番O様邸で大変だったのは、屋上に上がる階段位置でした。本来なら、1階から2階、2階から屋上の階段を同じ位置に出来れば居室スペースを少しでも多く確保できるのですが、1階から2階の階段位置から屋上に上がる階段を設置してしまうと、屋上棟屋が北側斜線に引っかかってしまい設置が出来なかったのです。弊社に何度も足を運んで頂き、今の位置に決める事が出来ました。1階から2階に上ったら直ぐに屋上の階段があるので、子世帯の空間を通らずに屋上に上がる事ができます。
都会ならではの、限られた空間に2世帯の生活空間をご提案出来て嬉しく思います。
▲建物までのロケーション
▲建物までのロケーション
●再建築不可のため、接道条件を満たしておらず新築を予定したが断念されたO様。再建築不可のケースではGoogleマップでも対象が見つからないことが多く現地で路地を入り建物を見つけます。
▲既存外観
▲1階玄関外観
●大田区O様は二階の屋根を解体して屋上にしたいとご要望がありました。斜線のチェックが必要になります。外壁は既存の外壁に上張りをサイディングでされている状態でした。
●既存1階
大田区O様の1階部分は、現在O様がおひとりでお住まい中でございました。
▲既存LDK
▲既存1階和室
●築60年2階部
二階は一階の和室と違い、人が住んでいたこともあり、一階ほどの痛みはありませんでした。若干の傾きを体感レベルで把握できたことから、解体後にはジャッキアップによる補正、もしくは屋起こしが必要な旨をお伝えしました。
▲2階和室
▲2階既存和室です。
間取りの変更プラン
▲1階 二世帯住宅リフォーム前の既存平面図
▲2階 二世帯住宅リフォーム前の既存平面図
▲1階 二世帯住宅リフォームプラン平面図
▲2階 二世帯住宅リフォームプラン平面図
▲屋上 二世帯住宅リフォームプラン平面図
▲二世帯住宅リフォームプラン立面図
既存住宅は、ほとんど1階での生活動線で母様とわんちゃんで暮らされてました。
息子さんのご家族が増えご実家に戻られるのを機に、1階を親世帯・2階を子世帯の部分共有型の二世帯フルリフォームをされたいとご要望を頂きました。
●解体は手壊し作業になります。O様の耐震補強計画では、上部構造評点(Iw値)を国の最低基準の1.5倍以上をご要望されておられました。内部だけでなく外壁までを解体する躯体残しのスケルトンリフォームとなります。1.5倍以上の数値を計画する場合は、基礎は鉄筋コンクリート基礎でなければなりません。築60年の建物は無筋基礎のため鉄筋コンクリート基礎補強が絶対条件となり、かつ内部からの補強だけにとどまらず、外部からの補強も必要となります。解体後は、非破壊段階での構造計算が、そのまま計画として成り立つのか、既存の状態と当てはめ入念に躯体チェックをしていきます
▲躯体の状態まで内壁から解体を進めます。
▲この段階では階段を残しておきます。
▲この段階では間取り変更による柱を抜く箇所等の解体は進めず、あくまでも既存の構造体を躯体状態まですることを目的として解体を進めていきます。
▲O様邸は二世帯住宅リフォームとなることから、大幅に間取りが変更されます。
▲完全分離型の2世帯住宅リフォームは、間取りが大きく変わるケースが多くO様も例外ではありません。基礎の位置も間取り変更に合わせて変えなくてはなりません。
▲解体時に既存の釘等までを処理することが次工程の木工事の際に工事が進めやすくなりますので、大工が作業しやすい環境を作るためにこのような処理も進めていきます。
▲1階部の解体体が終了しました。一部基礎がないところもあります。
▲建物の調査を進め、解体前に行った構造計算等が、現状の構造躯体でそのまま補強が可能か否かの判断をしていきます。
▲基礎らしい基礎がなく束石で支えられている状況です。
!大事な構造部のすべてが目視可能となるスケルトンリフォーム
内壁だけでなく外壁までを解体するフルスケルトンリフォームの最大のメリットはこのように重要な主要構造部のすべての状態が目視でわかることになります。フルリノベーション後は、これらの構造上の弱点をすべて修正し補強することで新築と同水準、もくしくはそれ以上の建物性能をもつ構造躯体へ甦らせることが可能となります。
基礎伏図
構造上のチェックが終わると、O様の二世帯住宅リフォーム(完全分離型)では、基礎補強工事へと移行していきます。
他社の提案では基礎は補修をすれば大丈夫との提案を頂いていたようですが、O様の建物は、築60年を経過した建物であり旧耐震基準の建物であることから基礎に鉄筋が入っていない「無筋基礎」になることから、弊社では立ち上がりを抱き合わせ基礎(添え基礎)補強かつベース部分も補強するベタ基礎補強にて提案させていただきました。
▲既存の布基礎に立ち上がり部を抱き合わせなければいけないので注意が必要です。
▲アンカーサイズM12にて既存無筋コンクリートへ打ち太さD13の鉄筋をピッチ200㎜にて千鳥上に配筋していきます。
▲ベース部分
▲基礎無筋基礎部分への配筋をおこないます。
▲配筋工事が完了しました。
▲ベース部分にも配筋を施工
▲立ち上がり部分に補強を行わずにベース基礎のみで補強と言っている会社を見かけますが立ち上がりへの補強がないと補強にはなりませんので注意が必要です。
●ベタ基礎って?
布基礎が立ち上がりとフーチングで持たせる基礎に対して、ベタ基礎は、立上りだけでなく、底板一面も耐圧盤を設け、立ち上がりと底面が一体化された鉄筋コンクリートになっている基礎をいいます。
建物の荷重を底板全体の面で受け止めるため、ベタ基礎は不同沈下を起こさない。といわれますが、それは良好な地盤での話です。
基礎の下の地盤面の地耐力が均一でない場合は、不同沈下が起こる可能性が充分あるのです。
耐震の世界では、重い瓦屋根は外して、軽いものに変えましょうと言われておりますが、それ自体は間違っていませんが、この理屈でいくと。屋根の瓦を外して、基礎はベタ基礎にしても、地盤に与える荷重は、瓦屋根以上の荷重がベタ基礎の荷重により地盤面にかかることになります。
地盤が軟弱な場合、布基礎を採用した方が有利な場合も出てきます。
戸建てフルリフォームやリノベーションで、基礎補強をする際は、このような知識のある会社に相談することが必要です。
1階 柱壁伏図
1階 床伏図
2階 小屋伏図
基礎補強工事が終わり大工工事へと移行します。構造躯体の強度を担保するためのメイン工事となります。この段階より間取り変更を想定した解体が始まります。いわゆる躯体の組み換えです。大田区O様邸の二世帯住宅リフォームでは大幅な間取り変更が必要となり、既存の端を抜き梁を架けたり補強個所が多く、大工工事の段階でこれらの解体を進めていきます。
▲仮の筋交いで補強を入れながら、木工事をスタートしてきます。
▲二階にも補強を入れながら仮筋交いを入れ倒壊を防止します。
▲ルーフバルコニー化する屋根も解体前に仮筋交いを入れ補強をいれます。
▲尺梁を入れていきます。作業は2名で行います。
▲二階床は水平耐力を担保するために、剛床工法しました。
➡剛床の詳しい解説はこちら
▲桁と梁を耐震金物で固定します。
▲2階の剛床が完了しているのがわかります。指示通りに金物補強を入れていきます。
▲スケルトンになった1階部。外壁を解体するまえに構造補強の中心となる部分については完了しました。
東京都大田区再建築不可というロケーションでのリノベーションですが、補強工程が終わると断熱改修へと移行します。断熱材は、セルロースファイバーを採用。
グラスウール断熱と比較し、吸音効果と調湿効果を望める素材となり、施工後にその快適性は体感できる断熱材です。
O様も、充填後には、中での作業音が外に漏れにくくなり、お施主様もビックリされておりました。
▲1階LDK部へのセルロースファイバー断熱充填(壁への充填)
▲一階天井へもセルロースファイバーを充填。
▲手で触ってもパンパンに膨らんでいるのがわかるほど充填していきます。
▲天井、壁の充填が完了しました。
▲二階天井は300㎜の充填を行い断熱層を設けました。
▲二階居室への充填
▲二階の天井、壁の充填が完了
▲外面に面する外周面が魔法瓶のように囲われるようにセルロースファイバーが充填されています。パンパンの状態です。
▲1階の外周面の内壁面への充填が終わりました。
▲1階居室への充填
▲1階の天井、壁の充填が完了
▲弊社では約70%のお施主様がセルロースファイバーを採用されております。
O様は屋根はベランダルーフバルコニーへとリフォームされたいご要望でしたので、斜線制限内でプランニングしております。
▲既存屋
▲この状態から斜線を逃げてバルコニーを作ります
▲屋上ルーフバルコニーの防水層は金属防水となりますので下地を補強しておきます。
▲金属防水下地が完了しました。
▲屋上ルーフバルコニー部分への金属防水工事
▲斜線がかかる屋根面はガルバリウム鋼板へ葺き替えします。
▲あとはベランダの仕上げ工事のみです。
▲完了
▲外壁面には、壁倍率2.5倍の構造用合板を全面に張っていきます。
▲防湿と薄いシートを貼り通気胴縁を打っていきます。
▲サイディングを貼っていきます。
▲目地コーキングを打ち完了となります。
構造部の構造補強が終わると、造作工事に入ります。
約6カ月の工事を経て、いよいよ竣工です。
O様邸の様子をご紹介します。
== 外観==
▲外壁はサイディング仕上げ
▲屋上は新規に設置
== 1F エントランス・玄関 ==
▲玄関収納はPanasonicベリティス
▲玄関は共有スペースになります。
== 2F LDK ==
メインのLDKは2階になります。
階段を上ってすぐにワンフロアでLDKを設置しました。
既存のLDKは1階にありました。
キッチンはブロックキッチンを使用されており、O様邸は天井高が1階2階とも2160と木造戸建てでは少し低めの設定です。出来る限り今回のリフォームで天井高を取れるように施工をさせて頂きました。(一部天井に梁が出来ます)
== 階段 ==
▲ 2階へ上がる階段です。1段目が開いているのはルンバの設置位置です。
▲ 1階から2階へ上がる階段裏は極力空間として利用
▲ 2階から棟屋へ上る階段です。少し勾配があります。
== 1F 洋室 ==
▲ 1階親世帯のキッチンです。
▲ 1階親世帯 和室です。
▲ 1階親世帯和室は既存も同じ位置にありました。
== 水まわり ==
Before
▲既存キッチン
▲既存浴室
▲既存洗面室
▲既存トイレ
▲ 新規2階キッチンは トクラスBb2100mmです。
▲ 1階新規キッチンはトクラスBb1500mmです。
▲ 1階ユニットバスはLIXILアライズ1616サイズです。
▲1階トイレは再利用です。
▲ 1階洗面化粧台はLIXILピアラ750サイズです。
== 2F 洋室 ==
▲二階子世帯 クローゼット扉は付けず天井に下地を入れカーテンやブラインドで納めます。
▲二階子世帯 洋室
▲二階子供世帯 ホールです。
▲2階から棟屋への階段です。
限られたスペースでの二世帯リフォームのため、プラン段階でかなり苦労しました。その後、構造計画の中では基礎補強がマストとなりましたので、O様には基礎補強後に、外周面の壁補強をすることが前提でIw値1.5(国の耐震推奨基準は1.0)を超える計画を提出させていただきました。
また、O様のエリアは準防火エリアとなりますので、使用するサッシや玄関ドアはすべて防火タイプとさせていただきました。建物が仕上がる中で、何度も仕様に関する相談を随時対応させていただきました。大変お喜びいただきまして施工冥利につきます。
O様、この度はご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
■全国のフルリフォーム・リノベーション『ピックアップ事例』※プロの詳細解説付きレポート
戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
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営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
2025年(令和7年)4月1日より建築基準法改正が施行されました。現在大変混みあっております。
お問い合わせ・ご相談多数のため、ご返信、プランのご提案までに日数を頂いております。ご了承の程お願い申し上げます。
改正後の新法では、4号特例措置が廃止され、一般住宅の多くの建物である2階建て以下かつ200平方メートル以下の建築物は2号となり、大規模修繕・大規模模様替えを行う場合には、建築確認申請が必要となります。
大規模修繕や大規模模様替えを行う場合、
つまり、主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の50%を超える修繕工事等を行う場合は、建築確認申請が必要となることが決まりました。
今回の改正では、床の下地を含む張替え、階段の変更、間取りの変更等が含まれます。
詳細解説はこちらをお読みください。
⇒ https://www.zoukaichiku.com/application
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