建物概要 | |
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名前 | S様 |
場所 | 東京都中央区 |
築年数 | 築50年 |
構造種別 | 木造一戸建て |
家族構成 | 大人2人 |
対象面積 | 26.3坪 |
リフォーム部位 | ベタ基礎/間取り変更/断熱サッシ/セルロースファイバー/耐震補強/ |
工期 | 8ヶ月 |
価格 | 3400万(税別) |
今回のリフォームで、S様からのご要望は以下の6点です。
S様邸のリノベーションでは、新築とスケルトンリフォームのどちらが最適かというご相談からスタートし、建物の状態や敷地条件、ご要望を踏まえて、耐震補強・断熱性能の向上・間取りの全面変更を組み合わせた最適なプランを提案させていただきました。
築50年の木造住宅でありながら、基礎補強や制震ダンパーの導入により耐震等級2相当の安全性を確保し、断熱材にはセルロースファイバーを採用することで、高い断熱性と遮音性を兼ね備えた快適な住環境を実現しました。
また、細長い敷地いっぱいに建てられ、隣家との距離が極端に近いという制約がある中で、施工性を考慮し、軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板を採用することで、狭小地でもスムーズに施工を進めることができました。さらに、生活動線を考慮した間取りの変更や、将来的なバリアフリー対応を施すことで、長く安心して暮らせる住まいへとアップデートし、S様ご夫婦が求める「地震に強く、快適で住みやすい家」を実現することができたと考えております。
S様邸は、東京都中央区の住宅密集地に位置する築50年の木造一戸建て です。これまで大規模な改修は行われておらず、建物の耐震性・断熱性・間取りの使い勝手、設備の老朽化など、多くの課題が顕在化していました。
さらに、S様邸は当初の建築確認申請では2階建てとして届け出されているものの、実際には屋根裏のような3階部分が存在し、また、約20年前に1階奥に7.5畳の書庫を増築している ため、現行の建築基準法と適合させる上での法的な整理も必要 でした。
<S様邸の主な課題>
① 耐震性の不足
② 断熱性能の欠如
③ 間取りの不便さ
④ 設備の老朽化
⑤ 工事の難易度が高い
●水周り
S様ご夫婦からのご相談は、「間取りの全面変更、耐震、断熱などを考えてスケルトンリフォームをするべきか、それとも新築にするべきか」 という根本的な選択からのご相談でした。
「フルスケルトンリフォーム」と「新築」どちらが適しているかを比較検討したうえで、最適なプランをご提案する必要がありました。
<ご要望の整理>
① 建物の状態を適切に診断し、リフォームと新築のどちらが最適か検討したい
耐震性・断熱性の向上を前提 に、現行の建築基準に適合する方法を検討。
1階の増築部分(未申請)が今後の工事に与える影響を評価 し、必要な法的整理を行う。
スケルトンリフォームが可能な状態か、あるいは新築の方が合理的かを判断。
② 地震に強い家にしたい(耐震補強を徹底)
建物の耐震性能を向上させるため、基礎補強や耐力壁の追加、制震ダンパーの導入などを検討。
屋根裏のような3階部分が耐震性に与える影響を考慮し、適切な補強方法を決定。
1階増築部分の構造強度を評価し、必要に応じて補強または改築。
③ 快適な温熱環境を確保し、省エネ性能を向上させたい(断熱・遮音対策)
冬の寒さ・夏の暑さを軽減するため、高性能な断熱材を採用し、断熱性能を大幅に向上。
Low-Eペアガラス+樹脂サッシの導入による窓の断熱性向上。
セルロースファイバー断熱材を活用し、住宅密集地ならではの遮音性を確保。
④ 間取りを変更し、生活しやすい動線にしたい(バリアフリー対応)
昔ながらの細かく区切られた間取りを見直し、開放的なLDKを実現。
階段の勾配を緩やかにし、将来的なバリアフリー化を考慮。
廊下幅を広げ、スムーズな移動ができるようにする。
1階の増築部分の使い方を見直し、動線の効率を改善。
⑤ 敷地の特性を考慮した施工計画(狭小地・隣家との距離の問題)
建物の解体・改修作業を安全かつスムーズに行うための施工計画を立案。
隣家との距離が近いため、養生や防音対策を徹底。
狭小地でも施工可能な工法を選定し、資材搬入の手順を事前に確立。
【中央区S様邸 戸建てリノベーション後プラン】
▲1階 戸建てリノベーション後プラン
▲2階 戸建てリノベーション後プラン
▲3階 戸建てリノベーション後プラン
<リノベーションの方向性>
S様邸のリノベーションでは、耐震・断熱・間取りの改善を包括的に行うため、フルスケルトンリフォームを採用 しました。
建物を一度スケルトン(構造躯体のみの状態)にして、基礎・柱・梁の状態を確認。
耐震補強・基礎補強を施し、構造の安全性を確保。
断熱・遮音対策を徹底し、快適な住環境を実現。
間取りを全面変更し、現代の生活スタイルに合った住まいへ改修。
この方針により、新築と比較してコストを抑えながらも、安心・快適な住まいを実現するプランが決定しました。
リノベーションの最初の工程として スケルトン解体 を実施しました。これは、建物の骨格である 柱・梁・基礎のみを残す 形で、内装・外装・屋根の一部までを撤去する大掛かりな解体作業です。
S様邸は築50年の木造住宅であり、 耐震補強や断熱改修を適切に行うためには、一度建物をスケルトンの状態にして、構造部分の状態を正確に把握することが必須 でした。特に、 古い建物は予想外の劣化やシロアリ被害が発見される可能性があるため、慎重な解体作業が求められました。
また、 中央区という都心部の密集地に立地していたため、通常の重機による解体が難しく、手作業を中心とした特殊な解体方法が採用されました。
S様邸は 隣家との距離が非常に近く、大型重機の使用が制限される状況 でした。隣家と接する面は、 最短で約30cmしか離れていない部分もあり、通常の解体方法では近隣建物への影響が懸念されました。
そのため、 壁や屋根の解体はすべて手壊しで慎重に進め、解体の衝撃や粉塵の飛散を最小限に抑えました。
特に外壁の解体は、 壁をそのまま外側へ倒すと隣家に接触するリスクがあったため、部屋内側からワイヤーを使って慎重に引き込み、内側に倒しながら解体する方法を採用 しました。この方法により、 壁が隣家へ倒れるリスクをゼロにし、隣家の外壁を傷つけることなく安全に作業を進めることが可能 となりました。
また、解体時の振動を軽減するため、解体前に壁や天井の各部分を小さなブロック状に切り分け、手作業で順番に取り外すという方法 も併用しました。これにより、 作業中の騒音や振動が最小限に抑えられ、近隣への影響を大幅に軽減 することができました。
解体作業が完了すると、次の工程として 建物の構造チェック を行いました。
長年使用された建物では、解体して初めて分かる劣化や問題が多く存在するため、柱や梁、基礎部分の状態を詳細に点検 し、必要な補修計画を策定しました。
柱・梁のシロアリ被害や腐食の確認
建物の水平・垂直チェック
基礎部分についても、解体後に詳細な調査を実施しました。
基礎のひび割れのチェック
基礎の強度確認
スケルトン解体は、単に「古い部分を壊す」作業ではなく、建物の状態を正確に把握し、今後の補強や改修の方針を決定する重要な工程 です。
S様邸では、近隣との距離を考慮し、慎重に解体作業を進めるとともに、構造チェックや補修計画の策定を綿密に行いました。
この工程を通じて、 「耐震性能を高めるために必要な補強箇所」 や 「断熱改修の際に考慮すべき点」 が明確になり、次の基礎補強・耐震補強工事にスムーズに移行することが可能となりました。
解体後の詳細な調査結果をもとに、S様邸のリノベーションが本格的にスタートすることとなります。
!大事な構造部のすべてが目視可能となるスケルトンリフォーム
内部の天井・壁・床だけでなく外壁まで解体しスケルトン状態(躯体残し)にする戸建てリノベーションの最大のメリットはこのような重要な主要構造部のすべての状態が目視でわかることになります。
フルリノベーション後は、これらの構造上の弱点をすべて修正し補強することで新築と同水準、もくしくはそれ以上の建物性能をもつ構造躯体へ甦らせることが可能となります。
解体工事が完了し、基礎工事です。既存の基礎は現在の耐震基準と比較すると無筋基礎のため、地震時の水平・鉛直荷重に対する耐力が十分ではない ため、新設基礎と既存基礎を強固に一体化させる補強工事 を行いました。
添え基礎補強の施工では、あと施工アンカーを用いた基礎接合と、新設基礎の鉄筋補強を組み合わせることで、基礎全体の剛性と耐震性を向上 させました。以下の手順で施工を進めています。
添え基礎補強の最大の目的は、新設基礎と既存基礎を強固に結び付け、耐震性を向上させること です。そのために、接着系あと施工アンカー(D-10、SD295)を使用し、200mmピッチで設置 しました。
アンカー設置の詳細
あと施工アンカーの効果
あと施工アンカーの設置後、基礎立ち上がり部分の鉄筋補強を行い、添え基礎の強度を確保 しました。
主筋(D13、SD295)の設置
腹筋(D10、SD295)の配置
あばら筋(D10、SD295)の設置
この鉄筋補強により、基礎全体の耐力が均等に分散され、地震時の応力集中を防ぐことが可能 となりました。
鉄筋の配置が完了した後、型枠を組み立て、コンクリートを打設する準備を整えました。
型枠の設置
コンクリートの打設
コンクリート打設後、適切な養生期間を設け、強度が十分に発現するのを待ちました。
養生期間
型枠の脱型
最終仕上げ
今回の基礎補強工事では、既存の基礎に大きなクラックはなかったものの、耐震性能向上のために添え基礎補強を実施 しました。
この補強工事により、S様邸の基礎は、今後の大地震にも耐え得る安全な住宅基盤へと強化されました。
S様邸では、当初ベタ基礎補強を希望されておられました。地盤が良好であればベタ基礎を推奨しますが地盤が強くないエリアであったことから添え基礎補強を採用しました。
すべてがベタ基礎が良いというわけではありません。
ベタ基礎は建物全体と同程度の荷重となりますので、建物の重さとのバランスもかかわってきます。足元だけ固めていても屋根を含めた建物とのバランスが悪いと大地震が起きた際にせん断力が働き、ホールダウン金物が抜けるような事態になるケースもあるからです。
大規模な戸建てリノベーションをされる際には、木造を熟知し、実績が豊富な会社へ相談することをお勧めする理由でもあります。
●ベタ基礎って?
布基礎が立ち上がりとフーチングで持たせる基礎に対して、ベタ基礎は、立上りだけでなく、底板一面も耐圧盤を設け、立ち上がりと底面が一体化された鉄筋コンクリートになっている基礎をいいます。
建物の荷重を底板全体の面で受け止めるため、ベタ基礎は不同沈下を起こさない。といわれますが、それは良好な地盤での話です。
基礎の下の地盤面の地耐力が均一でない場合は、不同沈下が起こる可能性が充分あるのです。
耐震の世界では、重い瓦屋根は外して、軽いものに変えましょうと言われておりますが、それ自体は間違っていませんが、この理屈でいくと。屋根の瓦を外して、基礎はベタ基礎にしても、地盤に与える荷重は、瓦屋根以上の荷重がベタ基礎の荷重により地盤面にかかることになります。
地盤が軟弱な場合、布基礎を採用した方が有利な場合も出てきます。
そもそも正しい基礎補強方法を知らず、基礎補補修程度しか行わないリフォーム会社が多くを占めている現状ですが、
戸建て一軒家のリノベーションで、基礎補強をする際は、このような知識のある会社に相談することが必要です。
基礎補強工事が完了し、建物の安定性が確保された後、木工事として柱・梁の補強や間取りの変更を実施 しました。この工程では、耐震性能の向上を図りながら、住みやすい間取りへと変更し、さらに将来的なバリアフリー対応も見据えた施工を行いました。
S様邸は築50年の木造住宅であり、現代の建築基準と比較すると耐震性能が不足している ため、単に既存の構造を活かすのではなく、補強を施しながらより安全な建物へと再構築する必要がありました。また、耐震補強と同時に、間取り変更による開放的な空間づくりを実現し、将来的にも快適に住み続けられる家へとアップデート しました。
まず、建物全体の安全性を向上させるため、構造計算を基にした耐震補強設計を実施 しました。
現行の耐震基準に適合するための補強計画
耐力壁の追加と補強
床剛性の強化
耐力壁の追加による補強だけでなく、地震のエネルギーを吸収する制震ダンパーを導入 しました。
制震ダンパーの効果
設置方法と設置箇所の選定
間取り変更に伴い、開放的なLDKを実現するために、梁の補強工事を実施 しました。
広い空間を確保するための補強計画
梁の補強方法
補強後の効果
長く快適に住める家とするため、将来的なバリアフリー化を見据えた設計を導入 しました。
廊下幅の拡張
段差の解消
将来的な手すり設置の準備
今回の木工事では、耐震性能の向上と居住性の向上を両立させる施工を実施 しました。
この補強工事により、S様邸は耐震性能を確保しながら、快適な住環境を実現することができました。
S様邸のリノベーションでは、省エネ性能の向上と快適な住環境の実現を目指し、高性能な断熱材を採用 しました。断熱工事は、冬の寒さや夏の暑さを軽減し、冷暖房の効率を高めるだけでなく、結露やカビの発生を防ぎ、住宅の耐久性を向上させる重要な工程です。
さらに、S様邸は東京都中央区の住宅密集エリアに位置しており、周囲の騒音対策も必要 でした。そのため、一般的な断熱材よりも吸音性に優れた「セルロースファイバー」を採用 し、高い断熱性能と遮音効果の両方を兼ね備えた施工を実施 しました。
S様邸のリノベーションでは、使用する断熱材を部位ごとに最適化し、それぞれの役割を最大限に発揮できるよう施工 しました。
壁:セルロースファイバー120mm(高断熱・高吸音)
天井・勾配天井:セルロースファイバー250mm(強化断熱+吸音)
床:ミラネクストラムダ75mm(高断熱+省スペース)
窓:Low-Eペアガラス+防火樹脂サッシ(断熱性能向上)
S様邸は住宅密集地にあるため、周囲の騒音対策が重要な課題 でした。特に、車の音、人の話し声、生活音が直接室内に響くことが懸念されるため、吸音性に優れたセルロースファイバーを採用 しました。
セルロースファイバーの吸音効果
遮音施工のポイント
このように、断熱と防音を両立した施工により、夏は涼しく冬は暖かいだけでなく、静かで快適な居住環境を実現 しました。
断熱工事の精度を高めるため、施工方法にもこだわり、細部にわたって丁寧な作業を実施 しました。
吹き込み工法によるセルロースファイバー充填
床断熱材(ミラネクストラムダ75mm)の設置
断熱サッシの取り付け
今回の断熱工事では、断熱性能と遮音性能の両方を向上させるため、セルロースファイバーを中心に最適な断熱材を組み合わせた施工 を行いました。
これらの施工により、S様邸は 一年を通して快適な温熱環境を保ちつつ、騒音を気にせず静かに過ごせる理想的な住まいへと生まれ変わりました。
<HEAT20とは?>
HEAT20とは、「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」という団体名です。
その団体が設定しているのが、屋根や外壁、床、窓などの「外皮」と呼ばれる部位の断熱や遮熱などといった性能の評価基準であり、G1とG2の2段階あります。G2の方がより高性能な性能を有する外皮となっています。
▲HEAT20-G2の家は、省エネ基準の家の30~50%の暖房費を削減できる
「増改築.com®」によると、断熱リフォームの基準として、平成28年の建築物省エネ法基準に相当するUa値0.87が等級4(最高等級)とされています。しかし、この基準だけでは、真の省エネ住宅とは言えません。実際に、日本の断熱等級4は、2020年の建築基準法で努力義務とされているに過ぎません。しかし、2022年4月には断熱等級5が新設され、さらに2022年10月には断熱等級6・7が新設されました。断熱等級6・7は、これまでの断熱等級4と比べて、はるかに高いレベルの断熱性能が求められます。 HEAT20の計画においては、ZEH基準のUa値0.6を基準としています。これは、外壁105mm、U値2.33の樹脂アルミ複合サッシ窓で、天井の断熱材は105mmあれば実現できるとされています。さらに上位の「HEAT20 G1」グレードでは、6地域でUa値0.56となり、このレベルでは断熱環境を体感できるとされています。
最上位の「HEAT20G2」グレードでは、5地域でUa値0.46となっています。
断熱改修(温熱改修)リフォームを成功させるためには、これらの基準や計画をしっかりと理解し、適切な施工方法を選択することが重要となります。
S様邸は東京都中央区の住宅密集地に位置しており、隣家との距離が非常に近く、外壁工事の施工性が大きな課題 となりました。特に、隣家と接触している部分が3mあり、施工時の作業スペースが極めて限られていることが最大の難点 でした。
通常、外壁工事では既存の外壁材を撤去し、新しい外壁材を張る作業が必要になりますが、この作業には足場の設置が不可欠 です。しかし、S様邸のように隣家との距離が極端に近い場合、通常の足場が組みにくく、施工性の良い外壁材を選定する必要がありました。
そこで、軽量で施工性に優れた「ガルバリウム鋼板」を採用 し、狭小地ならではの制約に対応しながら、安全かつ効率的に施工を進めました。
S様邸は、敷地いっぱいに建てられているため、建物の周囲にほとんどスペースがなく、外壁工事を行うための足場設置が困難な状況 でした。
通常の足場(くさび式足場や単管足場)の設置が厳しい
ギリギリのスペースでの作業を想定した施工計画が必要
外壁材の搬入経路が極端に狭く、大型パネルの運搬が困難
既存の外壁の撤去作業も慎重な対応が必要
上記の施工環境を考慮し、外壁材には「ガルバリウム鋼板」を採用 しました。ガルバリウム鋼板は、軽量でありながら高い耐久性を持ち、施工時の負担を最小限に抑えられるため、狭小地での工事に最適 です。
軽量で持ち運びやすく、狭い足場でも作業が可能
施工スピードが速く、工期を短縮できる
現場加工がしやすく、限られた作業スペースでも施工が可能
外壁の取り付けは「通気工法」を採用
最小限のスペースで施工可能な「張り替え工法」を採用
S様邸の外壁工事では、隣家との距離が極端に近く、通常の施工方法では作業が困難なため、施工性を重視したガルバリウム鋼板を採用 しました。
この施工方法により、高い耐久性とメンテナンス性を確保しながら、難易度の高い外壁工事を無事に完了させることができました。
構造部の構造補強が終わると、造作工事に入ります。
S様邸のフルリノベーションが完了し、耐震性能・断熱性能・快適性のすべてを兼ね備えた住宅へと生まれ変わりました。築50年の木造住宅であったS様邸は、これまでに大規模な改修を行っておらず、耐震性や断熱性の不足、間取りの使い勝手の悪さ、設備の老朽化など、多くの課題を抱えていました。しかし、今回のリノベーションでは、基礎補強・耐震補強・断熱改修・間取り変更を総合的に組み合わせ、次世代基準の住まいへと再構築 しました。
今回のリノベーションでは、単なる設備更新ではなく、耐震・断熱・動線のすべてを改善し、長く快適に住み続けられる家へと再構築しました。築年数が経過した木造住宅でも、適切な補強と改修を施すことで、新築同等、あるいはそれ以上の住環境を実現できることを証明しました。
施工の過程では、住宅密集地での施工スペースの制約、隣家との距離を考慮した外壁工事、既存の増築部分の法的整理、そして耐震・断熱の最適なバランスをとるための設計の難しさなど、数多くの課題に直面しました。しかし、それぞれに最適な工法を選定し、S様のご要望を最大限に反映したリノベーションを実現 することができました。
S様ご夫婦からも、
「まるで新築のように生まれ変わり、快適な生活ができるようになった」
というお喜びの声をいただいております。
この施工事例が、同じような築年数の住宅でリノベーションを検討している方の参考になれば幸いです。
== 外観==
== 竣工 ==
▲玄関ドアはジエスタ 宅配ポストも取り付けました
▲3F
▲3Fベランダ
== 水まわり ==
▲新しいキッチンはTOTO ザ・クラッソです
▲シンクはスクエアすべり台シンクです
▲TOTOハイウィルオリジナルトイレです
手洗スリムシリーズを取り付けました
▲浴室はTOTOサザナ1616サイズ
▲魔法びん浴槽を採用しています
この度は、S様邸のリノベーションをお任せいただき、誠にありがとうございました。今回のプロジェクトでは、「新築とスケルトンリフォームのどちらが最適なのか」というご相談から始まりましたが、建物の状態や立地条件、ご要望を詳しく伺い、現地調査を重ねることで、リノベーションという選択肢が最適であると判断し、計画を進めさせていただきました。
築50年の建物は、耐震性や断熱性能において現代の基準には適合しておらず、また、過去に増築された部分もあったため、構造補強や法的整理が必要となる複雑な案件でした。さらに、隣家との距離が極端に近く、足場の設置や外壁工事の施工性を考慮する必要がありましたが、狭小地ならではの課題を一つずつ解決しながら、安全かつ確実に工事を進めることができました。
耐震補強においては、基礎の補強から柱・梁の補強、耐力壁の追加、制震ダンパーの導入まで、万全の対策を施し、耐震等級2相当の強固な構造を実現しました。断熱工事では、HEAT20 G2グレードを目指し、セルロースファイバーを壁や天井に充填することで、断熱性と吸音性を兼ね備えた快適な住環境を整えました。特に、住宅密集地ならではの外部騒音に配慮し、静かな暮らしを実現するための遮音対策も徹底しました。間取りの変更では、細かく区切られていた空間を大胆に見直し、開放的なLDKを実現するとともに、将来的なバリアフリー対応として廊下の幅を広げ、段差を解消することで、長く安心して暮らせる住まいへとアップデートしました。
工事が進む中で、建物の状態や施工条件に合わせて計画を調整する必要がありましたが、S様ご夫婦と密に連携を取りながら、一つひとつの課題をクリアし、理想の住まいを形にすることができたと感じております。竣工後に「まるで新築のように生まれ変わり、快適な生活ができるようになった」とのお言葉をいただけたことが、私たちにとっても大きな喜びです。これからの暮らしが、より豊かで快適なものとなることを心より願っております。今後とも、お住まいに関するお困りごとがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
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営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
2025年(令和7年)4月1日より建築基準法改正が施行されました。現在大変混みあっております。
お問い合わせ・ご相談多数のため、ご返信、プランのご提案までに日数を頂いております。ご了承の程お願い申し上げます。
改正後の新法では、4号特例措置が廃止され、一般住宅の多くの建物である2階建て以下かつ200平方メートル以下の建築物は2号となり、大規模修繕・大規模模様替えを行う場合には、建築確認申請が必要となります。
大規模修繕や大規模模様替えを行う場合、
つまり、主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の50%を超える修繕工事等を行う場合は、建築確認申請が必要となることが決まりました。
今回の改正では、床の下地を含む張替え、階段の変更、間取りの変更等が含まれます。
詳細解説はこちらをお読みください。
⇒ https://www.zoukaichiku.com/application
※すでにプランをお持ちのお施主様・設計資料をお持ちのお施主様は内容をフォームで送信後、フォーム下のメールアドレスに資料をお送りください。対応がスムーズです。
図面や写真等を送信いただく場合、また入力がうまくいかない場合は、上記内容をご確認のうえ、下記メールアドレスまでご連絡ください。
営業時間:10:00~18:00(土日祝日を除く)