サッシについて

断熱性能 窓

 

今回のお題は、「断熱性能 窓」についてです。

結論から言いますと、快適な家にするためには窓の性能向上が不可欠です。

現実問題、窓の性能を上げなければ暖かい家にはなりません。

例えば、冬場家の中の暖かい熱がどこから逃げるのかというと、52%が窓から逃げると言われています。

その次は外壁が19%、換気扇から15%逃げます。

特に、第三種換気ですと、熱が逃げやすくなります。

また、夏場の場合、外の暑い空気がどこから入ってくるかというと、74%がやはり窓から入ってきます。

これらを考えると、やはり窓の性能をしっかりと上げることが家づくりには大事なことになります。

これは、新築でも戸建リノベーションでも同じです。

例えば、外側がアルミ、内側が樹脂のアルミ複合サッシというものがあります。

アルミ複合サッシで、熱を反射してくれるLow-Eガラスの場合を、グラスウール16kの断熱材100㎜厚と比較した場合、どれくらいの性能があるかというと、たった16㎜の厚の性能しかないんですね。

これが、外側・内側樹脂の樹脂サッシでLow-Eガラスですと断熱材30㎜厚の性能になり、樹脂サッシでトリプルガラスでやっと55㎜厚の性能になります。

じゃあトリプルガラスの樹脂サッシにすればいいかというと、まだ価格が高い商品ですので、値段と熱が逃げる損量を計算しながら、そこまでお金を掛ける必要があるのかを考えなければなりません。

やはり、窓は熱的には壁に空いた大きな穴ということです。

そのため、近頃では窓の小さい家というのが多くなりました。

窓が小さいと何が困るかというと、やはり開放感がないということです。

周囲を家に囲まれている場合は、それほど窓は必要無いのかもしれませんが、隣の家まで距離があったりする場合は、やはり自然の風や光を入れて、エアコンなどの機械的なものをなるべく使わずに済むような家づくりも大事です。

このバランスというものを考えながら設計をすることが大事になるかと思います。

ですので、家づくりの際は、どういう性能の窓にするか、どの位置に設置するか、どんな大きさの窓にするかということをしっかりと設計者と話しあいながら選んで頂きたいと思います。

サッシ選びとランニングコスト

今回のお題は、「サッシ選びとランニングコスト」についてです。

結論から言いますと、窓は商品の値段とランニングコストを考えながら、どのグレードのものが必要かということを考えて選ぶということが一番大事になると思います。

一般的に住宅メーカーさんがよく使う、外側アルミ・内側樹脂、Low-Eペアガラスのサッシを基準にして説明します。

新潟などの5地域で、平均的な1棟分の窓の面積から逃げる熱量は83,400円となります。

これが4地域になりますと、熱量の逃げ方が10~15%アップしますし、3地域ですと20~25%アップします。

リフォーム屋さんと言われる業者の中には、未だにLow-Eガラスを使っていない会社もあります。

Low-Eガラスにするかしないかだけで、実は年間8,500円分も逃げる熱量がアップしますので、年間約92,000円分の熱が窓から逃げるということになります。

確かに商品の値段は安いんですが、1棟あたり100万円かかるサッシを基準にすると、Low-Eガラスガラスではない、普通のペアガラスのサッシにすると90万円でおさまることになります。

しかし、年間約8,500円ずつ多く払うとすると、約11年で元が取れるわけですから、差額の10万円はお金をかける意味があると思います。

更に1ランク上の、外側・内側とも樹脂の樹脂サッシを見てみましょう。

近頃樹脂サッシが増えてきましたが、性能を考えると非常にいいことだと思います。

標準的なアルミ樹脂複合サッシを、樹脂サッシに取り替えた場合、商品は100万円のものが110万円にあがります。

商品は10万円アップするんですが、年間の熱損失量が9,700円分抑えられます。

つまり、年間72,000円くらいが熱を逃がす費用ということになります。

ということは、年間約10,000円ずつ得をする訳ですから、約10年で元が取れるということですね。

それであればやった方がいいんじゃないかということになります。

例えば、5地域で樹脂サッシ・Low-Eトリプルガラスまでグレードを上げるとどうなるかというと、商品の値段は100万円のものが170万円になって、70万円アップします。

確かに性能がいいので、熱損失量が抑えられて、年間約20,000円安くなります。

しかし、商品が70万円アップするので、元を取るためには約35年かかるわけですので、そこまでする必要があるのかという考え方になります。

このように、商品コストとランニングコストを考えながら、サッシのグレードを選んでいくのが良いと思います。

これが2地域や3地域だったりすると、ランニングコストのマイナス分がもっと上乗せになります。

そうすると、元を取るための年数が20年くらいになりますので、2地域や3地域では、Low-Eトリプルガラスのメリットが出てくるということです。

やはり、地域によってサッシとガラスのグレードを考えていくべきだと思います。

また、近頃関西地域でも樹脂サッシが非常に増えてきました。

寒い地域だけではなく、暖かい地域では夏場の熱を抑えてエアコンの効きをよくするために、この樹脂サッシを使うケースが増えてきました。

冬と夏の両方の面から商品コストとランニングコストを考えてサッシ選びをして頂ければと思います。

サッシ形状とコスト

今回のお題は、「サッシ形状とコスト」についてです。

結論から言いますと、窓の形を変えると30%以上値段が下がるものもあるということです。

性能がいいサッシにしたいけれどコストが上がってしまうので、どうにかして抑えることができないかという場合、窓の形状をちょっと変えてみると値段が変わりますので、覚えておいてください。

例えば、図のPoint1のように、たてすべり出し窓を、開かないフィックス窓にすると、約半分の値段になります。

また、上げ下げ窓にすると、実はたてすべり出し窓よりも値段が上がります。

このように、どんな形状のサッシを選ぶかによって、値段が結構変わります。

サッシの両側が動く引き違い窓で、横幅1650㎜、高さ1100㎜の16511という、腰窓などによく使うサッシがあります。

これを、片側を開かないフィックス窓にすると、値段が15%くらい下がります。

ちょっとデザイン性を良くするために、真ん中をフィックスにして、左右を両側から引き寄せるようなサッシにすると、約1割高くなったりするんですね。

どうしても、見た目も大事ですので、お金を掛けるところと掛けなくてもいいところを考えながら、サッシの形状を選ぶといいと思います。

Point2のように、たてすべり出し窓を並べることがありますが、これもひとつフィックス窓にすると、値段が26%下がります。

このようにして予算を抑えていくのもいいんじゃないでしょうか。

また(よこ)すべり出し窓もそうですね。

これも、ひとつをフィックス窓にすると、値段が28%下がります。

Point3のように、ふたつ並んだたてすべり出し窓の片側をフィックス窓にすると、小さい窓ふたつより、大きいフィックス窓と小さいたてすべり出し窓の組み合わせにした方が、値段が13%安くなります。

更に、片側を横引の窓にすると21%さがります。

引き違いサッシというのは、実は性能面からすると、すべり出し窓よりもちょっと性能値が劣っているんですよね。

たてすべり出し窓の連窓にすると、実は家の気密性能や断熱性能が上がります。

気密や断熱にこだわるのであれば、このようなすべり出し窓を使うのもいいんじゃないでしょうか。

図の一番下のように、すべり出し窓二つを、フィックス窓とすべり出し窓の組み合わせにすると、16%値段が下がりますし、フィックス窓とよこ引き窓の組み合わせにすれば、更に26%値段が下がります。

このようにサッシの形状によって値段が変わりますので、今ある図面のまま進めるのではなく、どうしたら値段が抑えられるのかという打ち合わせも大事かなと思います。

 

インナーサッシ

 

今回のお題は、「インナーサッシ」についてです。

インナーサッシとはなにかというと、元々あるサッシの内側に付ける樹脂サッシのことです。

結論から言いますと、間取りの変更や外壁を剥がすくらいの工事であれば、インナーサッシではなくて、新築で使うような樹脂サッシを使って頂きたいと思います。

一般的なアルミフレームで単板ガラスのサッシがあります。

新潟や群馬などの、省エネ基準地域区分5地域の場合、アルミ単板サッシの家が、1年間に窓から逃がす熱の量は120,921円分になります。

これが4地域ですと、10~15%多く熱が逃げますし、3地域になると20%以上多くの熱が逃げることになります。

冬暖かくしたいということでインナーサッシを付ける場合、よくあるのが単板ガラスのインナーサッシを付ける方がいます。

正直、それだとあまり暖かくなりません。

なぜかというと、元々あるアルミ単板サッシを、まともなサッシとして考えてはいけないからです。

図を見てもらうとわかるように、U値といって、熱の抵抗を表す熱還流率の数字ですが、アルミ単板サッシですと6.51W/(㎡・K)であるのに対して、今のLow-E複層ガラスの樹脂サッシは1.48W/(㎡・K)で、全く数字が違います。

つまり、このアルミ単板サッシは、断熱性能的には壁に空いた穴と考えなくてはなりません。

そこにインナーサッシを付けるわけですから、せめてLow-Eペアガラスのインナーサッシを付けることで、Low-Eペアガラスの樹脂サッシに近づけることができますが、それでも性能は劣ります。

でも、そこまですれば、年間の光熱費を40,000円くらい抑えることができるわけですから、インナーサッシを付けるメリットがあると思います。

ただし、このLow-Eペアガラスのインナーサッシは、けっこう値段が高くて、新品の樹脂サッシと値段がさほど変わりません。

間取りを変更したり、外壁を剥がすような工事ではなく、ただ単にサッシだけを取り替えたいという場合は、インナーサッシもいいと思いますが、窓を治すタイミングでリフォームもするという場合は、新しい樹脂サッシに取り替えることをおすすめします。

なぜかというと、値段がさほど変わらないのに性能がいいからです。

簡単に付けられるという意味では、インナーサッシもメリットがあると思いますが、大掛かりにリフォームをする場合は、インナーサッシよりも性能がいい樹脂サッシを選ぶといいと思います。

 

更新日:2020/10/6

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< 著者情報 >

大沼 勝志 『増改築.com®』新潟下越店
(自然派ライフ住宅設計株式会社代表)

 

自然派ライフ住宅設計㍿ 代表取締役

一級建築士事務所 自然派ライフ住宅設計㍿ 代表

一般社団法人住教育推進機構 理事長

大沼『木の家』リノベアカデミー 理事長

一般社団法人日本伝統再築士会新潟支部支部長

耐震診断士/古民家鑑定士/伝統再築士/工務店コンサルタント/住教育インストラクター/ 空き家アドバイザー

 

私の父は、私が幼い頃、新潟県新発田市で工務店を経営しており、田舎によくある入母屋造 りの住宅を建てていて、地域の家守りとして近隣の方々の信頼を得ておりました。 その父が、私の修行中に急逝し、工務店閉鎖を余儀なくされました。

私は、「いつか日本一の工務店になる!」を胸に、様々な経験を踏んでまいりました。

大工から現場監督へ、現場監督から一級建築士へと、あらゆる角度から住まいづくりのノウ ハウを吸収してまいりました。

住宅建材・建具・家具など 800 点以上のオリジナル商品開発や、物流改革によるコスト圧 縮、合理的かつ現実的な施工管理システムの導入にも携わりました。

サラリーマン生活の最後は、年商 155 憶のビルダーの代表取締役も経験致しました。

しかし、その経験から地域密着型の工務店こそが本来の住まいづくりができる存在だと感 じるようになり、2016 年自ら代表取締役の座を退き、自然派ライフ住宅設計を設立いたし ました。

「建てた人が、住んでから本当に喜んでくれる住まいづくり」を掲げて活動していくうちに、 住宅専門誌や住教育をすすめる団体、全国の工務店から自然派ライフ住宅設計の住まいづ くりを注目して頂き、作り手と住まい手両者に対する啓蒙活動やコンサルティングも、‟大 沼『木の家』リノベアカデミーとして行うようになり、全国の建築業界の方々や、建材メー カーでのセミナー活動も行っております。

、また、住まいづくりをお考えのお客様と実際に触れ合い、家づくりについて住まい手が学ぶ べきことをお伝えする「住まいづくりセミナー」も行っております。

一般社団法人住教育推進機構 大沼「木の家」リノベアカデミーは、お客様との話し合いを 大切にし、ご家族にとっての本当の価値、住まい心地、性能には絶対に手を抜かない住まい づくりを目指しています。

「大沼さんって何者ですか?」の問いには、‟建築屋“とお答えしています。

『増改築.com®』新潟下越店(自然派ライフ住宅設計株式会社)施工事例

農家造りの一軒家を二世帯住宅へ

・築40年

・90坪

・4487万

新潟市 T様

伝統構法の築140年住宅を基礎補強

・築140年&築40年

・60坪

・3700万

 

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