戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP > 断熱リフォーム(リノベーション)の費用や工期、工事内容について> 断熱リフォーム 完全ガイド【導入編②】 お住まいの「健康診断」を始めよう ~見逃してはいけない5つの危険なサイン~
更新日:2025.7.7
サイン①:「温度」の異常 ― 家の中に“国境”や“シベリア”が存在する
サイン②:「水」の異常 ― 窓が流す涙と、壁の中の“隠れカビ”
サイン③:「空気」の異常 ― “チリ”と“ホコリ”が教えてくれる隙間の存在
サイン④:「お金」の異常 ― 働きすぎのエアコンと、高すぎる光熱費
サイン⑤:「建材」の異常 ― 少しの勇気で覗いてみる床下と天井裏
診断結果:あなたの住まいは「断熱メタボリックシンドローム」?
【導入編①】では、多くの日本の住宅が抱える断熱性能の問題と、それが私たちの健康、家計、そして資産価値にまで及ぼす深刻な影響についてお話ししました。
「もしかして、うちも…?」 そう感じられた方も少なくないでしょう。
この章では、その漠然とした不安を「確信」に変えるため、ご自宅でできる簡単な「健康診断」を行います。難しい知識や道具は必要ありません。これから挙げる「5つの危険なサイン」に、いくつ心当たりがあるか、ご自身の暮らしを振り返りながら読み進めてみてください。これらは、住まいがあなたに送っている性能不足のSOS信号なのです。
快適な住まいの絶対条件は、家中どこにいても温度が安定していることです。しかし、性能の低い家では、部屋ごと、あるいは場所ごとに、まるで国境でもあるかのように劇的な温度差が生まれてしまいます。
症状1:リビングと脱衣所の「ヒートショック境界線」 冬、22℃の暖かいリビングから一歩廊下に出ると気温は12℃、お風呂に入る前の脱衣所は8℃…。この急激な温度差こそ、血圧の乱高下を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中の引き金となる「ヒートショック」の温床です。交通事故による死亡者が年々減少する一方で、家庭内での不慮の事故死は増加傾向にあり、その大きな原因がこの家の中の温度差にあるのです。
症状3:二階だけが真夏日。「天井からの熱放射」 夏、日中の太陽に熱せられた屋根は、夜になってもその熱を室内に向かって放出し続けます(熱放射)。その結果、二階の寝室だけが夜中まで蒸し風呂状態で、エアコンをつけっぱなしにしないと眠れない…という事態に。 これは、天井や屋根の断熱が不十分で、日中の熱を遮断できていないことの明確なサインです。
水気、特に「結露」は、見た目の不快さ以上に、建物の寿命と住む人の健康を静かに、しかし確実に蝕んでいく非常に危険なサインです。
症状4:冬の朝、窓がびっしょり。「結露」というSOS 冬場、窓ガラスやアルミサッシの枠がびっしょりと濡れるのは、外の冷気で窓の表面温度が極端に低くなっている証拠です。この水分を放置すれば、カーテンや窓枠にカビが発生し、アレルギーや喘息の原因になるだけでなく、窓枠の木材を腐らせ、壁紙を剥がし、建物の耐久性を著しく低下させます。
症状5:なんだかカビ臭い…。見えない「壁内結露」の恐怖 目に見える結露よりもさらに深刻なのが、壁の中で発生する「壁内結露」です。断熱や気密の施工が不十分だと、室内の暖かく湿った空気が壁の中に侵入し、見えないところで結露してしまいます。これがカビの温床となり、「原因不明のカビ臭さ」や、最終的には柱や土台の腐食という、建物の構造的な欠陥に繋がるのです。
空気は見えませんが、その「流れ」や「質」は、住まいの気密性能、つまり「隙間の多さ」を正直に教えてくれます。
症状6:ホコリが集まるコンセント コンセントや壁のスイッチプレートの周りが、なぜかいつも黒ずんでいたり、ホコリっぽかったりしませんか?それは、壁の中の隙間を通して、内外の空気が意図せず行き来している証拠です。 その隙間から、冬は冷たい空気が、夏は湿った空気が侵入し、断熱効果を大きく損ねています。
症状7:換気扇が呼ぶ隙間風の音 キッチンの換気扇を「強」で回したとき、閉まっているはずの窓のあたりから「ヒュー」という音が聞こえる。これは、家全体の気密性が低く、換気扇が家中の隙間から空気を無理やり引っ張ってきているサインです。 本来あるべき給気口から計画的に給気できておらず、空気の流れが全くコントロールできていない証拠でもあります。
快適性や健康だけでなく、「家計」も家の性能を測る重要なバロメーターです。
症状8:夏も冬もエアコンがフル稼働。なのに快適じゃない 「これだけ電気代を払っているのに、なぜうちの家は快適にならないんだろう…」。その答えは、家の性能が低く、冷暖房で作った快適な空気が、窓や壁からどんどん外に逃げているからです。まるで穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるように、無駄なエネルギーコストを払い続けている状態と言えます。 高すぎる光熱費は、家の性能が低いことを示す、最も分かりやすい症状の一つなのです。
もし可能であれば、ご自宅の床下点検口や天井点検口から、中を少しだけ覗いてみてください。プロでなくても分かる、決定的なサインが隠れているかもしれません。
症状9:床下で垂れ下がる、役目を終えた断熱材 床下を覗いたとき、断熱材が垂れ下がったり、完全に脱落していたりする光景は、築年数の経った住宅では決して珍しくありません。 これでは断熱材は全く機能しておらず、床下空間の冷気や湿気が室内に直接影響を与えてしまいます。
症状10:まだら模様になった天井裏の断熱材 天井裏の断熱材が、部分的に薄くなっていたり、全く敷かれていない箇所があったりすると、そこが大きな熱の逃げ道となります。 特に、後から追加した照明器具の周りなどが断熱欠損になっているケースが多く見られます。
お疲れ様でした。 もし、これら10個のサインのうち、複数に心当たりがあるなら、あなたのお住まいは、人間でいうところの「生活習慣病」、すなわち「断熱メタボリックシンドローム」に陥っている可能性があります。
個々の症状は些細に見えるかもしれませんが、それらが複合的に絡み合うことで、家の快適性、住む人の健康、そして家計といった、暮らしの質全体を静かに、しかし確実に蝕んでいくのです。
しかし、ご安心ください。これらの症状は、原因さえ特定できれば、「断熱リフォーム」という的確な治療法によって、根本から改善することが可能です。
ご自身の住まいの現状が「症状」として見えてきた今、次はいよいよ、その治療法を学ぶための「知識」を身につけるステップへと進みます。次の【基礎知識編】では、これらの問題を解決する核心、「断熱」と「気密」の科学に迫ります。
断熱リフォームで失敗しない為の『断熱リフォーム 完全ガイド』
500棟以上のスケルトンリノベーションの断熱改修知見を網羅!
断熱リフォームをする前に必ず読んでください!
何から読めばいいかわからない方は総合案内よりお進みください。
導入編2記事・基礎知識編3記事・部位別実践編4記事・特殊ケース攻略編2記事・計画実行編5記事の全16話構成で、断熱リフォームに必要な全知識をを網羅的に解説します。読みたいテーマが決まっている方は以下からお進みください。
※すべてのページでYouTube動画解説リンクがありますので、合わせてご覧ください。
ハイウィル株式会社 四代目社長
1976年生まれ 東京都出身。
【経歴】
家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。
中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。
この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。 TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを大工職人として施工、管理者として管理。
2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟、営業、施工管理に従事。
2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。
250棟の木造改修の営業、施工管理に従事。
2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級4」への推進を目指し、 自身の通算500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン。
フルリフォーム(全面リフォーム)で最も大切なのは「断熱」と「耐震」です。性能向上を第一に考え、末永く安心して住める快適な住まいを目指しましょう。
戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
一戸建て家のリフォームに関することを
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営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
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