戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP > 断熱リフォーム(リノベーション)の費用や工期、工事内容について>断熱リフォーム 完全ガイド【計画・実行編⑤】最高のパートナーを見つける「業者選び」と「計画の立て方」
更新日:2025.7.17
1. 計画の立て方 ―優先順位の決め方
2. 最高のパートナーを見つける「業者選び」究極のチェックリスト
3. 見積書の解読法と契約前の最終確認
結論:あなたが、最高の監督になる
これまでの旅で、あなたは最高の断熱リフォームを実現するための「知識」「科学」「技術」「費用」のすべてを手にしました。しかし、どれほど優れた設計図を描いても、腕の悪い料理人に渡せば、せっかくの高級食材が台無しになってしまうのと同じです。
最高の断熱リフォームを実現するための知識は、今、あなたの手の中にあります。しかし、その知識を現実の空間へと昇華させるためには、もう一つ、そして最も重要なパズルのピースが必要です。
それが、あなたの理想を共有し、高い技術力でそれを形にしてくれる「最高のパートナー=施工会社」の存在です。
断熱リフォームの成否は、99%、この業者選びで決まると言っても過言ではありません。この章では、数多あるリフォーム会社の中から、真の実力を持つ専門家を見つけ出し、後悔のないリフォーム計画を立てるための、最終的かつ最も重要なステップを解説します。
まず、リフォーム計画の全体像をどう描くか、という戦略から始めましょう。もちろん、家全体を一度にフルリフォームするのが理想です。我々はフルリフォームの専門会社ですが、予算や暮らしの都合上、それが難しいケースが多いのも事実です。そんな時に有効なのが、二つの賢い戦略を提案しましょう。
「ゾーン断熱」とは、家全体ではなく、家族が最も長く過ごす場所(ゾーン)、あるいは健康リスクが最も高い場所に絞って、集中的に断熱リフォームを行う考え方です。
優先順位の付け方:
LDK(リビング・ダイニング・キッチン): 家族が最も長く過ごし、快適性が求められる中心的な空間。
寝室: 睡眠の質に直結する重要な空間。
脱衣所・浴室: ヒートショックのリスクが最も高い、命を守るべき空間。
計画のポイント: ゾーン断熱で最も重要なのは、断熱するゾーンとしないゾーンの「境界」を、いかに処理するかです。例えば、LDKだけを断熱する場合、隣接する廊下や階段室との間の壁や建具にも断熱・気密処理を施さなければ、暖めた空気が逃げてしまい、効果が半減してしまいます。断熱したゾーンを、一つの「魔法瓶の部屋」として完結させることが成功の鍵です。
「一度に大きな予算は組めないが、最終的には家全体の性能を高めたい」という方に最適なのが、「段階的改修」です。プロジェクトを複数年にわたるフェーズに分け、計画的に性能を向上させていきます。
段階的改修のモデルプラン例:
【フェーズ1(1年目)】緊急性と補助金を活かす「窓」と「屋根」の改修
補助額が非常に大きい「先進的窓リノベ事業」を活用し、家中の窓を高性能なものに交換。
もし雨漏りなどの心配があれば、屋根の防水工事と同時に、天井断熱を施工。
【フェーズ2(3年目)】最も長く過ごす「LDK」の徹底改修
フェーズ1で窓の性能は上がっているため、LDKの床・壁の内断熱工事に集中。
【フェーズ3(5年目)】残りの個室と「設備」の更新
寝室や子供部屋の断熱改修と、高効率給湯器(エコキュート等)への交換を行う。
計画のポイント: 段階的改修で最も重要なのは、「最終的な完成形を見据えた、長期的なマスタープランを最初に描くこと」です。例えば、フェーズ1で窓を交換する際に、フェーズ2で行う壁の断熱材の厚みを考慮しておかないと、窓の取り付け位置がずれてしまい、後から手戻り工事が発生する、といった事態になりかねません。
ここからが本章の核心です。断熱リフォームを依頼する相手は、「近所のリフォーム会社」ではありません。
あなたが探すべきは、「断熱と気密の科学を理解し、それを現場で完璧に再現できる、専門技術者集団」なのです。
まず、候補となる会社のウェブサイトで、以下の点を確認します。
□ 施工事例の「質」と「量」
美しい完成写真(After)だけでなく、断熱材や気密シートを施工している「工事中」の写真を、数多く掲載しているか? → これが、技術に自信がある何よりの証拠です。
□ 専門用語の有無
サイト内に「UA値」「C値」「BEI」「熱橋」「気密測定」といった、本ガイドで学んだ専門用語が、当たり前のように出てくるか? → これが、性能を語る資格があるかの第一関門です。
□ 情報発信の姿勢
ブログなどで、断熱に関する専門的な知識や、自社の理念を積極的に発信しているか? → ユーザーに正しい知識を伝えようという、誠実な姿勢の現れです。
一次スクリーニングを突破した会社に、いよいよ相談のコンタクトを取ります。その際に、以下の「魔法の質問」を投げかけてみてください。相手が本物のプロフェッショナルか、ほぼ見抜くことができます。
Q1:「貴社の断熱リフォームにおける、標準的なUA値とC値の目標はいくつですか?」 → プロであれば、「UA値は0.46以下、C値は1.0以下を標準としています」といった、明確な数値目標を即答できるはずです。「お客様のご要望に応じて…」などと曖昧な答えしか返ってこない場合は要注意です。
Q2:「(軽量鉄骨住宅の場合)この家の『熱橋対策』について、具体的にどのように施工されますか?」 → 「熱橋」という言葉を理解し、「まず鉄骨を断熱材で完全に被覆することが最重要です」と答えることができれば、本物の知識を持っている可能性が高いです。
Q3:「工事後の『気密測定』は、標準で行っていますか?費用は別途ですか?」 → 性能に自信のある会社は、気密測定を標準工程に含んでいることが多いです。「ご希望であれば…」という姿勢の会社より、性能の確認を義務として捉えている会社の方が、信頼性は高いと言えます。
Q4:「これまでに、先進的窓リノベや子育てエコホームなどの補助金申請の実績はどのくらいありますか?」 → 補助金に精通しているかは、施主の金銭的負担を大きく左右する重要な能力です。具体的な実績を尋ねましょう。
調査の質:
ただ部屋の寸法を測るだけでなく、床下や天井裏の状態を確認しようとするか。あなたの「寒い、暑い」という体感を、温湿度計などを使って数値で把握しようとしてくれるか。その姿勢に、プロとしての探求心が現れます。
提案の質:
「この断熱材がおすすめです」というだけでなく、「あなたの暮らし方と家の性能を考えると、なぜこの断熱材が最適なのか」を、科学的根拠(UA値結果など)と共に示してくれるか。リスクやデメリットまできちんと説明してくれるか。その提案に、誠実さと技術力が現れます。
いよいよ見積書を比較検討する段階です。しかし、この見積書には、多くの罠が潜んでいます。
見積書の罠①:「〇〇工事一式」という言葉
「内装工事 一式」「断熱工事 一式」といった、詳細な内訳のない項目が多用されている見積書は危険信号です。何にいくらかかっているのか全く分かりません。必ず、材料名、数量、単価、手間賃まで記載された「詳細見積書」を要求してください。
見積書の罠②:安すぎる断熱材
同じ「壁断熱」という項目でも、安価なホームセンターで売っているような汎用品の低性能グラスウールを使うのと、高性能なグラスウールやセルロースファイバーを使うのとでは、費用も性能も全く異なります。使用する断熱材の「メーカー名」「製品名」「厚みや密度」まで、明確に記載されているか確認しましょう。
見積書の罠③:「気密工事」の項目がない
見積書に「防湿気密シート施工」や「気密テープ処理」といった、気密工事に関する項目が一切ない場合、その業者は気密の重要性を理解していない可能性が極めて高いです。
□ 詳細な仕様が明記されているか?(断熱材、窓、設備などのメーカー・製品名まで)
□ 工事の範囲は明確か?(「ここまでが今回の工事」という範囲が図面等で示されているか)
□ 保証の範囲と期間は十分か?(構造、防水だけでなく、「結露」に対する保証があるか)
□ 工事後の性能確認は含まれているか?(**「気密測定(C値測定)の実施と報告」**が契約に含まれているか。これは必須の確認項目です)
□ 支払いスケジュールは妥当か?(着工前に過大な支払いを要求されていないか)
お疲れ様でした。これで、断熱リフォームの計画から実行までの、全ての旅路が終わりました。
あなたはもはや、ただのリフォームの依頼者ではありません。
家の性能を科学的に理解し、最適な工法と素材を知り、現実的な計画を立て、そして本物のプロフェッショナルを見抜く力を持った、このプロジェクトの「最高の監督」です。
断熱リフォームの成功は、最終的に、このガイドで得た知識を武器に、業者と対等に渡り合い、主体的にプロジェクトを導いていく、あなた自身の力にかかっています。
この「パーフェクトガイド」が、あなたのその旅路において、常に傍らで道を示す、信頼できるパートナーとなることを心から願っています。さあ、最高の快適性と未来の安心を手に入れるための、最初の一歩を踏み出しましょう。
ハイウィル株式会社 四代目社長
1976年生まれ 東京都出身。
【経歴】
家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。
中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。
この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。 TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを大工職人として施工、管理者として管理。
2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟、営業、施工管理に従事。
2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。
250棟の木造改修の営業、施工管理に従事。
2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級4」への推進を目指し、 自身の通算500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン。
フルリフォーム(全面リフォーム)で最も大切なのは「断熱」と「耐震」です。性能向上を第一に考え、末永く安心して住める快適な住まいを目指しましょう。
戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
一戸建て家のリフォームに関することを
お気軽にお問合せください
どのようなお悩みのご相談でも結構です。
あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。
営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
※すでにプランをお持ちのお施主様・設計資料をお持ちのお施主様は内容をフォームで送信後、フォーム下のメールアドレスに資料をお送りください。対応がスムーズです。
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