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更新日:2025.7.17

 

断熱リフォーム 完全ガイド【特殊ケース攻略編①】【最重要】軽量鉄骨住宅の断熱リフォーム(熱橋対策のすべて)

断熱リフォーム ハイパフォーマンスグレードバナー

性能向上リノベーション(断熱編)

1. なぜハウスメーカーの鉄骨住宅は寒いのか?―「熱橋」という名の“熱の高速道路”

2. 唯一無二の解決策 ―「鉄骨の完全被覆」という絶対的な掟

3. 【部位別・完全マニュアル】鉄骨住宅の熱橋対策 ― 500棟の知見をここに凝縮

4. 軽量鉄骨リフォームにおける業者選び ― なぜ「専門知識」と「実績写真」が不可欠なのか

まとめ:諦めていた我が家が、最高の快適空間に

大和ハウス、積水ハウス、セキスイハイム、旭化成ヘーベルハウス、パナソニックホームズ…。日本を代表するハウスメーカーが建てた、築30年以上の軽量鉄骨住宅にお住まいのあなたへ。

「夏は二階が蒸し風呂のようで、とてもじゃないが居られない」 「冬は床が氷のように冷たく、スリッパなしでは歩けない」 「暖房をつけてもつけても、どこからか冷気がやってきて一向に暖まらない」

このような悩みを、長年「鉄骨の家だから仕方ない」と諦めていませんでしたか?

ハウスメーカーに相談しても、「断熱改修は内窓の設置くらいしか…」と言われたり、高額な建て替えを勧められたり。近所のリフォーム会社に聞いても、木造の経験はあっても鉄骨住宅の断熱改修は断られてしまう。その結果、多くの方が解決策を見いだせずにいます。

しかし、断言します。軽量鉄骨住宅の断熱リフォームは、正しい知識と技術があれば、必ず成功します。

この章では、なぜハウスメーカーの鉄骨住宅がこれほどまでに寒いのか、その根本原因である「熱橋(ねっきょう)」という現象を徹底的に解き明かし、実際の改修事例写真をもとに、その唯一無二の解決策を、日本一詳しく解説していきます。

1. なぜハウスメーカーの鉄骨住宅は寒いのか?―「熱橋」という名の“熱の高速道路”

築30年のハウスメーカー軽量鉄骨の内部スケルトン解体後

 

木造住宅と軽量鉄骨住宅。その断熱性能における決定的な違いは、構造体の素材そのものにあります。

ご存じの通り、木材はそれ自体が優れた断熱材です。熱の伝えにくさはコンクリートの約12分の1。一方で、構造体である「鉄」は、木の約300倍以上も熱を伝えやすい、強力な熱の伝導体です。

この「熱を伝えやすい部分が、断熱層を貫通して、内外の熱を直接伝えてしまう現象」こそが、「熱橋(ねっきょう)」、英語では「ヒートブリッジ(熱の橋)」と呼ばれる、鉄骨住宅最大の弱点です。

 

 

鉄骨の柱や梁が、断熱材を無視して熱を伝える「熱の高速道路」となってしまう。

 

 

壁の中に高性能な断熱材をパンパンに充填したとしても、その壁を支える鉄骨の柱や梁がむき出しのままでは、全く意味がありません。冬になれば、その鉄骨は外の冷気を吸い込んで、氷のように冷たい「熱の橋」となり、室内の熱をどんどん奪っていきます。夏はその逆で、外の熱気を室内に運び込むのです。

例えるなら、最高級のダウンジャケットを、金属のワイヤーで縫い合わせたようなものです。ダウンの部分は暖かくても、冷たい金属のワイヤーが体に触れていれば、決して快適にはなりません。

この熱橋がもたらす弊害は、単に「寒い・暑い」だけではありません。

 

  • 不快なコールドスポット: 壁の鉄骨部分だけが異常に冷たくなり、不快感を生む。

  • 激しい結露の発生: 冷たい鉄骨の周りで空気が冷やされ、壁の中や室内で激しい結露が発生。カビや構造体の錆びの原因となる。

  • エネルギーの無駄遣い: 逃げていく熱を補うため、冷暖房が常にフル稼働状態になり、光熱費が高騰する。

つまり、軽量鉄骨住宅の断熱リフォームとは、この「熱橋」との戦いそのものなのです。

2. 唯一無二の解決策 ―「鉄骨の完全被覆」という絶対的な掟

では、この強力な熱の高速道路「熱橋」をどうすれば止められるのか。 答えは、たった一つです。

「断熱材で、構造体の鉄骨を、一切の隙間なく、完全に包み込む(被覆する)」

これ以外に、解決策は存在しません。

壁の間に断熱材をただ入れるのではなく、柱、梁、床の鉄骨、天井の鉄骨、窓周りの鉄骨、外壁に面する全ての鉄骨部材を、一つひとつ丁寧に断熱材で覆い、「熱の橋」を物理的に断ち切るのです。これは、非常に手間のかかる、外科手術のような精密な作業です。だからこそ、専門知識と経験を持つ業者でなければ、決して成し遂げることはできません。

この「鉄骨の完全被覆」を実現するために、私たちは部位ごとに最適な断熱材を使い分けます。

  • 柱や梁の被覆に: 高性能フェノールフォームボード「フェノバボード」など、薄くても断熱性が高い板状の断熱材。

  • H型鋼の隙間などに: 複雑な形状にも追従できる、高性能グラスウール「パーフェクトバリア」や「セルロースファイバー」

  • 不規則な隙間に: 現場で発泡させて隙間を埋める「硬質発泡ウレタン」

3. 【部位別・完全マニュアル】鉄骨住宅の熱橋対策 ― スケルトンリノベ500棟の知見をここに凝縮

ここからは、実際に私たちが手がけたセキスイハイムの住宅の断熱改修事例をもとに、各部位の熱橋対策を写真付きで具体的に解説します。

 

A. 床の熱橋対策 ― 鋼製床からの底冷えを断つ

 

  • 課題: 床を支える骨組み(大引)が鋼製のため、床全体が巨大な熱橋となっている。

  • 対策手順:

    1. 気流止めの施工: まず、壁と床の取り合い部分に断熱材を充填し、床下からの冷たい空気が壁の中に侵入するのを防ぎます。

    2. 木下地の新設: 冷たい鋼製床の上に、熱を伝えにくい木材で新たに下地を組み、鋼材と居住空間を「縁切り」します。

    3. 高性能断熱材の充填: 新設した木下地の間に、高性能断熱材(例:ミラネクストラムダ75mm)を隙間なく敷き詰めます。

    4. 気密処理: 最後に、下地合板を張り、その継ぎ目や壁際をすべて気密テープで塞ぎ、床下からの空気の侵入を完全に止めます。

B. 壁の熱橋対策 ― 氷の柱を魔法瓶に変える

 

  • 課題: 壁の中に等間隔で並ぶ鉄骨の柱が、強力な熱橋となっている。

  • 対策手順:

    1. 柱の被覆: まず、室内側から鉄骨の柱の表面に、板状の高性能断熱材(例:フェノバボード30mm)を貼り付け、完全に被覆します。これが最も重要な工程です。

    2. 断熱材の充填: 柱と柱の間の空間に、セルロースファイバーや高性能グラスウールなどの断熱材を、天井の梁(桁)まで隙間なく充填します。

    3. 防湿気密シートの施工: 最後に、壁全体の室内側に防湿気密シートを連続して張り、壁内結露を防ぎます。

 
C. 天井・梁の熱橋対策 ― 天井からの熱のシャワーを止める

 

  • 課題: 天井を支える巨大なH型鋼の梁が、小屋裏の熱気や冷気を室内に伝える最大の熱橋となっている。

  • 対策手順:

    1. H型鋼の充填・被覆: H型鋼の凹んだ部分や周囲の隙間に、高性能グラスウールなどを徹底的に詰め込み、さらに梁全体を断熱材で包み込み、完全に被覆します。

    2. 気流止めの施工: 2階の天井と壁の取り合い(桁周り)にも、気流止めを施工します。

    3. 主断熱の施工: 梁の被覆が終わった後、天井全体にセルロースファイバーなどを300mm以上の厚みで吹き込み、主となる断熱層を形成します。

D. 特殊部位の熱橋対策
 

 

  • 折半屋根の隙間: 波型になった屋根と梁の間にできる複雑な形状の隙間には、現場発泡ウレタンを吹き付け、気密と断熱を同時に確保します。

  • 階段周り: 断熱層の厚みが確保しにくい階段周りの壁には、薄くても性能の高い断熱材を選定し、防湿気密シートの施工をより一層丁寧に行います。

4. 軽量鉄骨リフォームにおける業者選び ― なぜ「専門知識」と「実績写真」が不可欠なのか

ここまで読んで、軽量鉄骨住宅の断熱改修が、いかに特殊で専門的な技術を要するか、お分かりいただけたかと思います。一般的なリフォーム会社や、木造住宅の経験しかない業者では、まず対応できません。

あなたの断熱リフォームを成功に導く、本物のプロフェッショナルを見抜くためのチェックリストをご紹介します。

【プロを見抜くためのチェックリスト】

  • □ 最初の会話で「熱橋」という言葉が出てくるか? → この言葉を使わずに鉄骨住宅の断熱を語る業者は、根本原因を理解していません。

  • □「鉄骨を断熱材で覆う(被覆する)」という提案をしてくるか? → 壁に断熱材を「詰める」だけの提案は、熱橋対策を全く考えていない証拠です。

  • □ 軽量鉄骨住宅の、具体的な「施工中」の写真を見せてくれるか? → 完成写真だけでは意味がありません。鉄骨をどのように被覆したか、その過程を見せられるかどうかが、経験の証です。

  • □「気密測定」を提案、あるいは実施できるか? → 施工の精度を客観的な数値で証明する意識があるかどうかは、信頼性を見極める重要な指標です。

  • □ 大和ハウス、セキスイハイムなど、ご自宅のハウスメーカーの施工経験があるか? → メーカーごとに構造のクセや特徴があります。経験があれば、よりスムーズで的確な施工が期待できます。

これらの質問に、明確に、自信を持って答えられる業者こそが、あなたの家の悩みを解決できる、真のパートナーです。

まとめ:諦めていた我が家が、最高の快適空間に

軽量鉄骨住宅の断熱リフォームは、不可能な工事ではありません。それは、「熱橋」という明確な敵に対する、科学的で、外科手術のように精密な戦いなのです。

正しい知識と、それを実現できるだけの高い技術力を持つ専門家と出会うこと。それさえできれば、長年諦めていたあなたの住まいは、木造住宅をもしのぐほどの、最高の快適空間へと生まれ変わります。

この章で、最大の難関である軽量鉄骨住宅を攻略する知識を身につけたあなたは、もはやほとんどの住宅に対応できる、専門家レベルの視点をお持ちです。次の章では、軒ゼロ住宅や土壁の家など、さらにニッチで特殊なケースの攻略法を見ていき、知識の総仕上げといたしましょう。

【特殊ケース攻略編②】その他の特殊なケースと対策 へ進む

< この記事の著者情報 >

稲葉 高志

 

ハイウィル株式会社 四代目社長

1976年生まれ 東京都出身。

【経歴】

家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。

中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。

この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。  TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを大工職人として施工、管理者として管理

2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟営業、施工管理に従事

2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。

250棟の木造改修の営業、施工管理に従事

2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級4」への推進を目指し、 自身の通算500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン

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    4代目代表よりご挨拶

    稲葉高志

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