2020.05.26 更新

基礎が無い家(建物)への基礎新設工事

基礎のない家
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基礎がない家 補強

基礎がない家(建物)への基礎新設工事

1-1 基礎がない家(建物)?

今回は築50年東京都渋谷区のフルリノベーション工事での事例の中から、基礎のない建物について解説していきます。

 

下記の写真は、リノベーションの相談を受けて現場調査をさせて頂いた時の写真です。昭和30年代の築の建物のようで、基礎は玉石建てのような作りになっていました。

基礎がない家への基礎新設工事 既存玄関
基礎がない家への基礎新設工事 既存建物

1971年(昭和46年)建築基準法改正にて、布基礎が義務付けされましたが、それ以前に建てられた建物の多くが玉石建てでした。

 

玉石建て基礎とは、その名の通り、玉石の上に土台を乗せる工法です。伝統構法での「石場建て」という建て方になりますが、これは基礎がないのではなく石(礎石)の上に柱を乗せているのです。

 

現在の建築物は、鉄筋コンクリート基礎の上に土台を組み、その上に柱を建てていますよね。さらに、土台と基礎、土台や柱、柱と梁といった主要構造躯体には金物での補強をするのが現在の在来工法やツーバイフォー工法での剛構造の建物です。

対する「石場建て工法」は、建物と地面が直接、緊結されていない工法です。そのため、地震力がダイレクトに建物に伝わらない為、免震構造であるといえます。

 

大地震の際は、礎石から柱がずれることで建物にかかる地震力を逃すことができるからです。神社仏閣などがこのような作りになっているのを気づく方も多いのではないでしょうか?

石場建て基礎

石場建て基礎

今回の渋谷区の建物は、床下の懐はなく足固めと呼ばれる柱間の横木ではなく石の上に敷土台が設置された作りなのかと予測し解体に入りました。

基礎がない家への基礎新設工事
基礎がない家への基礎新設工事

解体をすると躯体の状態がはっきりとわかるようになってきます。

やはり土台に基礎は乗っていないことがわかりました。一部石に乗っている土台はありましたが石ごと土台が沈んでいる状態です。土の上に土台が乗っている状態のため、水分を含み土台は朽ち果てている状態です。

基礎がない家への基礎新設工事
基礎がない家への基礎新設工事

2 基礎がない家(建物)への(対処法)施工事例

2-1 ジャッキアップによる土台上げ

 

ここからは、どのように基礎がない(使えない)建物に基礎を新たに新設していくのかを見ていきたいと思います。

 

本来基礎の上に土台があって、その土台に柱が設置されるのが、現在の建物の作りになっていますので、土台がGLライン(地面)と同じ高さになっているこちらの建物は新たに設置する基礎高を検討後、旧躯体をジャッキアップで持ち上げていく工程になります。大変大掛かりな工事となります。

 

基礎がない家への基礎新設工事

耐圧版設置に伴い鋤取りを行います。

 

下の写真のように、室内の天井、壁、床をすべて解体し、骨格(躯体)の状態にするリフォームを言います。

 

基礎がない家への基礎新設工事

仮筋交い・仮補強

基礎がない家への基礎新設工事

ジャッキを複数台用意し構造躯体をジャッキアップ

基礎がない建物の構造体となりますので、相当傷んでいるため、全体を補強し、いよいよジャッキアップを行って、構造体上げます。

2-2 型枠、配筋、耐圧版工事

 

ジャッキアップ後は、型枠を設置し、コンクリート基礎工事への工程へと移行していきます。

今回はベタ基礎工事になりますのでコンクリート打設は、耐圧盤と立上がり基礎を2度打ちとしました。砕石→転圧後に、防湿シート張りをして、配筋工事となります。ジャッキアップされた躯体の中で、配筋工事を進めます。

基礎がない家への基礎新設工事

タテ筋D10、ヨコ筋D13、アンカー筋D10で配筋をしていきます。

基礎がない家への基礎新設工事

ピッチ150㎜でヨコ筋を配筋していきます。

配筋が終わると、耐圧版工事となります。1回目のコンクリート打設をしていきます。

基礎がない家への基礎新設工事

耐圧版への打設が完了

基礎がない家への基礎新設工事

ジャッキアップにより土台が浮いている状態となります。

 

2-3 立ち上がり基礎コンクリート打設

 

耐圧版が完了後は、立ち上がり基礎への型枠工事をして、2回目の打設を行います。予め立ち上がり基礎へは、土台と緊結する為のアンカーを設置し、宙に浮いた状態の土台を戻す際に、アンカーボルトで緊結します。

 

基礎がない家への基礎新設工事

立ち上がり基礎完成

基礎がない家への基礎新設工事

土台戻しアンカーボルト緊結

土台と基礎の緊結を終え、基礎なし(基礎がない、使えない)建物への基礎新設工事が完了しました。本来、このような工事は曳家を入れ

行う大工事です。家をそのまま移築するなど(お寺など)弊社でも曳家に相談することもありますが、住宅では自社で行っております。

 

3基礎がない家(建物)の注意点

「増改築.com」では日々、木造における難易度の高い工事相談がいいのですが、今回ご紹介したような、構造躯体全体をジャッキアップにて基礎を新設する工事は、その最たる例と言っても良いでしょう。工事的なロケーションに恵まれた現場であれば、難易度は下がりますが、都市部などの入り組んだ場所では、搬出車が横付け出来ない、当然コンクリートミキサー車も離れた位置に停め、手運びとなることもあります。

鋤取りひとつを取っても、通常の倍以上の手間がかかります。その為、工事的なノウハウ、経験値が必須になってきます。工事をされる際には、このような工事の多数の実績、経験がある会社へ相談することを強くお勧めいたします。

 

 

基礎がない家への基礎新設工事
基礎がない家への基礎新設工事
基礎がない家への基礎新設工事

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< 著者情報 >

稲葉 高志

 

ハイウィル株式会社 四代目社長

1976年生まれ 東京都出身。

【経歴】

家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。

中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。

この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。  TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを職人として施工、管理者として管理

2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟、営業、施工管理に従事。2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。250棟の木造改修の営業、施工管理に従事

2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級4」への推進を目指し、 自身の500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン

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