戸建フルリフォームなら「増改築.com®」TOP >耐震補強リフォーム工事 完全ガイド>【最終方程式】「最強の耐震」×「最高の断熱」=家族の健康と資産価値の最大化
更新日:2025/08/28
✔ここでの概要:
私たちは、この長い「耐震リフォーム工事完全ガイド」を通じて、家の再生に関わる、あらゆる技術と計画、そして、難関事例の数々を、旅してきました。
いよいよ、その旅の、最終目的地に、たどり着きました。この記事は、このガイドの最終章として、全ての議論の、その先にある、たった一つの、しかし、最も本質的な「問い」を、皆様に投げかけます。そして、その問いに対する、500棟以上の経験の先に、私たちが辿り着いた「最終結論」としての「究極の方程式」を、皆様と共有します。
✔ここでのポイント:
まず、この最終章が、いかに重い「結論」であるか、その背景をお話しします。
それは、単なる一つの意見ではありません。500棟を超える、多種多様な木造住宅の再生に、命を懸けて向き合ってきた、私たち、増改築どっとコムが、その、膨大な経験と、試行錯誤の果てに、ようやく辿り着いた、リノベーションという行為に対する、揺るぎない「哲学」であり、「最終回答」なのです。
この、壮大なガイドを、ここまで、読み進めてくださった皆様。本当に、ありがとうございます。
私たちは、この旅の中で、実に、多くのことを、学んできました。
耐震における「三位一体」の重要性から、法改正を乗り越えるための、高度な戦略まで。
あるいは、「再建築不可」や「無基礎」といった、絶望的な状況を、乗り越えるための、奇跡の技術まで。
その、一つひとつの知識は、皆様が、ご自身の家を、再生させるための、強力な「武器」であると、確信しています。
しかし、この、最後の章で、私がお伝えしたいのは、もはや、個別の技術論では、ありません。
それら、全ての技術の、さらに、その先にある、たった一つの、問い。
そして、その問いに対する、私たちなりの、現時点での「最終結論」。
500棟を超える、ご家族の、人生と、向き合ってきた、私たちだからこそ、辿り着くことのできた、リノベーションという行為の「本質」について、お話しさせていただきたいと思います。
その、本質とは、リフォームを計画する、全ての人が、一番最初に、自問すべき、一つの「問い」に、集約されます。
それは、「あなたは、これから行う工事で、一体、何を手に入れたいのですか?」という、問いです。
そして、その問いは、さらに、二つの、具体的な選択肢へと、分かれていきます。
あなたは、単に「家を、新しく見せる」ための、『リフォーム』を、しますか?
それとも、ご家族の「命と健康、そして資産」を、未来永劫、守り抜くための、『性能向上リノベーション』を、しますか?
この、二つの道は、似ているようで、その、向かう先は、全く、異なります。
そして、どちらの道を、選ぶかによって、皆様の、未来の暮らしの質は、決定的に、変わってしまうのです。
✔ここでのポイント:
では、その、二つの道の、違いとは、一体、何なのか。一般的な「リフォーム」が、主に「見た目」の刷新に、重点を置くのに対し、私たちの提唱する「性能向上リノベーション」が、いかにして、ご家族の「命」と「健康」という、より、根源的な価値を守ることを、目的としているのか。その、決定的な違いを、二つの「死のリスク」という、観点から、明らかにします。
性能向上リノベーションという、私たちの仕事の、全ての根幹。それは、「家の中に、潜む、目には見えない、二つの“死のリスク”から、ご家族を、断固として、守り抜く」という、強い、決意です。
一つ目のリスクは、「地震による、突然死」のリスクです。
これは、皆様も、よくご存じの、ある日、突然、私たちの、平穏な日常を、一瞬にして、奪い去る、巨大地震による、建物の「倒壊」のリスク。言うまでもなく、これは、ご家族の「命」に、直結する、最大の脅威です。この脅威に、立ち向かうのが「耐震リフォーム」です。
そして、もう一つのリスク。それは、「家の寒さによる、緩慢なる死」のリスクです。
これは、多くの方が、まだ、その、本当の恐ろしさに、気づいていない、しかし、地震と、同じくらい、あるいは、それ以上に、私たちの、命を脅かす、静かなる、暗殺者。「ヒートショック」のリスクです。
暖かいリビングから、氷のように冷たい、脱衣所や、トイレへと、移動した瞬間、急激な、血圧の変動が、心筋梗塞や、脳卒中の、引き金となる。日本において、このヒートショックが、原因で、亡くなる方は、交通事故の、数倍にも上ると、言われています。この、静かなる脅威から、ご家族の「健康」と、そして「命」を守るのが「断熱リフォーム」なのです。
一般的な「フルリフォーム」は、多くの場合、古くなったキッチンを入れ替え、壁紙を張り替え、といった、「見た目」の刷新に、その、主眼が置かれます。
しかし、私たちは、問いたい。 どんなに、美しいキッチンも、どんなに、お洒落な壁紙も、地震で、家が、倒壊してしまえば、全ては、瓦礫の山です。 どんなに、広々としたリビングも、冬の夜、その、寒さが、ご家族の、命を脅かす「凶器」と、なり得るのだとしたら、その、本当の価値は、どこにあるのでしょうか。
「見た目」を新しくすること。それは、素晴らしいことです。しかし、その前に、まず、やるべきことがある。
それは、その家が、ご家族の「命」と「健康」を、あらゆる脅威から、守り抜くための、「最高のシェルター」として、機能しているかどうか、その、根本的な性能を、問い直すこと。
それこそが、性能向上リノベーション とは何か、という、問いに対する、私たちの、揺るぎない、答えなのです。
✔ここでのポイント:
最後に、この記事を通じて、皆様が、どのような「答え」と「未来」を、手に入れることができるのか。その、ゴールを、明確に、お示しします。それは、私たちが、500棟以上の経験の果てに、導き出した、「最強の耐震」×「最高の断熱」=「家族の健康と資産価値の最大化」という、究極の方程式。その、全貌です。
では、どうすれば、その、二つの「死のリスク」から、家族を、完全に、守り抜き、そして、その家の価値を、未来永劫、高め続けることが、できるのか。 その、私たちの、500棟以上の経験の、全てを、注ぎ込んだ、最終結論。それが、この記事のタイトルにもなっている、「究極の方程式」です。
【最強の耐震】 × 【最高の断熱】 = 【家族の健康と、資産価値の、最大化】
この、方程式こそが、皆様が、これから、目指すべき、リノベーションの、唯一無二の、そして、最高の、ゴールであると、私たちは、確信しています。
そして、この考えそのものが我々『増改築ドットコム』のコンセプトそのものでもあります。
> 『増改築ドットコム』コンセプト記事はこちら:
➡️ 記事『日本初の戸建て性能向上リノベーション専門サイト「増改築.com®」コンセプト』へ
この記事は、この、究極の方程式の、「証明の旅」です。 この先の章で、私たちは、
方程式の、左辺を構成する、「最強の耐震」と「最高の断熱」とは、具体的に、どのようなレベルを指すのか。
そして、なぜ、この二つが、「+(足し算)」ではなく、「×(掛け算)」で、結ばれ、耐震と断熱を同時に工事することが、圧倒的な「相乗効果」を生むのか。
最後に、その結果として、右辺にある「家族の健康」と「資産価値」が、いかにして、最大化されるのか。
その、全ての、論理と、実証を、皆様と、共に、解き明かしていきます。
特に「断熱」に関しては、それだけで、一冊の、体系的なガイドが必要となるほど、奥深い世界です。
ご興味のある方は、ぜひ、この「耐震リフォーム工事完全ガイド」とは別に、私たちが、総力を挙げて、執筆した、もう一つのバイブル➡️『断熱リフォーム 完全ガイド』も、併せて、ご覧ください。後半の断熱解説の際に改めて詳しく解説します。
この旅を、終える頃には、皆様は、もはや、「リフォーム」という、言葉を、以前と、同じ意味で、使うことは、なくなるでしょう。 そして、ご自身の家が、単なる、住まうための「箱」ではなく、ご家族の、未来を守るための安全な家であり、暖かい家である、「最高のシェルター」へと、生まれ変わる、その、無限の可能性を、確信しているはずです。 さあ、それでは、家づくりの、最後の、そして、最も、本質的な、学びの旅へと、出発しましょう。
章の概要:
序章で、私たちは、「リフォーム」と「性能向上リノベーション」という、二つの、異なる道を示す、根源的な「問い」の前に立ちました。この記事の、全ての根幹をなす、この「性能向上リノベーション」という、私たちの哲学。
その、明確な「定義」から、この最終章の物語を始めます。多くの方が、混同しがちな、一般的な「フルリフォーム」と、私たちの「性能向上リノベーション」は、その目的も、プロセスも、そして、もたらされる価値も、全く異なります。
なぜ、私たちは「見た目」だけでなく、家の「ハコ」としての、根本的な性能に、こだわり続けるのか。
その、決定的違いを、明らかにします。
✔ここでのポイント:
まず、皆様が、リノベーション雑誌などで、よく目にされる、一般的な「フルリフォーム」が、抱える、本質的な「限界」について、お話しします。
たとえ、家一棟を、丸ごと、新しくする、大掛かりな工事であったとしても、その目的が、「見た目」の刷新に、留まっている限り、皆様の、未来の暮らしに潜む、本当のリスクを、何一つ、解決することはできない、という、厳しい現実を、直視していただきます。
*「フルリフォーム」あるいは、「全面リフォーム」。 この言葉には、まるで、魔法のような、響きがあります。
古くなった、我が家が、新築のように、美しく、生まれ変わる。その、輝かしいイメージに、多くの方が、夢と、期待を、膨らませることでしょう。
そして、実際に、世の中の、多くの「フルリフォーム」は、その、期待に、応えようとします。
真新しいシステムキッチン、高級感のあるフローリング、お洒落な壁紙、そして、最新のユニットバス。工事が終わった、その瞬間、皆様の家は、間違いなく、新築と、見紛うばかりの、美しさを、手に入れているはずです。
しかし、ここで、一度、立ち止まって、考えてみていただきたいのです。
もし、そのリフォームが、深刻な「病」を、抱えた患者さんに対して、最高のメイクアップアーティストが、最高の化粧を、施すようなものであったとしたら。 その患者さんは、確かに、その瞬間、驚くほど、美しく、健康的に、見えるかもしれません。
しかし、その、美しい、化粧の下で、病巣は、静かに、そして、確実に、進行し続けているとしたら。
その「美しさ」に、一体、どれほどの、本質的な価値が、あるというのでしょうか。
築年数を経た、古い木造住宅も、全く、同じです。 その、壁や床の、内側には、
地震の力に、耐えきれないほど、弱った「骨格(構造体)」
冬の寒さ、夏の暑さを、全く、防ぐことのできない、機能不全に陥った「皮膚(断熱材)」 といった、深刻な「病」が、潜んでいることが、ほとんどです。 「見た目」だけを、新しくする、一般的なフルリフォームは、これらの、家の、命と健康を、根本から脅かす「病巣」を、何一つ、治療することなく、ただ、その上から、新しい化粧を、施しているに過ぎないのです。 私たちは、500棟以上の現場で、その、あまりにも、虚しく、そして、危険な現実を、目の当たりにしてきました。だからこそ、私たちは、単なる「フルリフォーム」とは、一線を画す、全く新しい、リノベーションの、在り方を、提唱するのです。
✔ここでのポイント:
では、私たちが、その、人生を賭けた、リノベーションの、最終回答として、ご提案する「性能向上リノベーション」とは、一体、何なのか。
その、明確な「定義」と、私たちが、目指す、具体的な「性能目標」について、お話しします。
それは、単に、家を「修繕」するのではなく、新築の、標準的な性能すら、遥かに、超えるレベルへと、家の価値を「再創造」する、という、私たちの、揺るぎない思想の表明です。
私たちが、提唱し、そして、実践し続ける「性能向上リノベーション」。
その、目的は、単に、家を「新しく見せる」ことでは、ありません。
私たちの、唯一無二の目的。それは、皆様の家を、地震、台風といった、外部からの、あらゆる「脅威」と、家の内外の、過酷な「温熱環境」から、ご家族の、命と、健康と、そして、大切な資産を、未来永劫、守り抜くための、「最高のシェルター」へと、生まれ変わらせることです。
この、揺るぎない、目的意識の違いこそが、一般的な「フルリフォーム」と、私たちの「性能向上リノベーション」とを分ける、決定的で、そして、最も、本質的な、違いなのです。
「最高のシェルター」という、私たちの理想は、決して、曖昧な、精神論では、ありません。
それは、国の定める、新築住宅の、基準値を、遥かに、超える、という、極めて、具体的で、そして、客観的な「数値目標」によって、裏付けられています。
耐震性能: 国が定める、新築住宅の、最低基準である「耐震等級1」の、1.5倍以上の強度を持つ、「耐震等級3(上部構造評点1.5以上)」を、私たちの、標準的な目標とします。
断熱性能: 国が、2025年から、新築住宅に、ようやく義務化する、省エネ基準「断熱等級4」を、遥かに超える、「断熱等級6(HEAT20 G2グレード)」以上を、標準仕様とし、暖かい家を実現します。
「中古住宅だから、性能は、ある程度で、仕方ない」。そんな、古い価値観とは、完全に、決別する。
そして、今、市場に、流通している、ほとんどの、新築の、建売住宅よりも、遥かに、高性能で、そして、価値のある家を、リノベーションによって、創造する。
それこそが、性能向上リノベーション とは何か、という、問いに対する、私たちの、明確な答えなのです。
✔ここでのポイント:
この、新築を超える、という、極めて高い目標を、達成するために、絶対に、避けては通れない、最初のステップ。
それが、「スケルトン解体」です。なぜ、私たちは、家を、一度、骨格だけの「丸裸」の状態にすることに、これほどまでに、こだわるのか。
それが、家の、本当の病巣を、発見するための、唯一の「精密検査」であり、耐震と断熱を同時に工事するための、またとない「手術室」である、という、その、戦略的な意味を、解説します。
では、どうすれば、この、新築を超える、という、野心的な目標を、達成することが、できるのでしょうか。
その、全ての、プロセスの、始まりであり、そして、最も重要な工程。それが、「スケルトン解体」です。
『第1部:【診断編】我が家の“カルテ”を読み解き、真実と向き合う』の➡️『⑤究極の診断法「スケルトンリフォーム」』にて詳しく解説したしましたね。
なぜ私たちは壁を剥がし、家の“素顔”と向き合うのか
私たちは、性能向上リノベーションにおいて、まず、家の、内装、そして、時には、外装をも、全て、解体し、その、構造躯体、すなわち、「骨格」だけの、丸裸の状態にします。 なぜなら、最高の「治療」は、常に、最高の「診断」から、始まるからです。
家の、壁や床の、内側に隠された、
雨漏りや、結露によって、腐ってしまった、柱や土台。
シロアリに、食い荒らされた、構造材。
鉄筋の入っていない、脆弱な「無筋基礎」。
あるいは、スカスカで、全く、機能していない、古い断熱材。
これらの、家の、命と健康を、蝕む、本当の「病巣」は、この、「スケルトン」という、徹底的な、精密検査を行って、初めて、その、全貌を、現すのです。 この、家の、本当の姿と、真摯に、向き合うことなくして、本当の安全な家を、創ることなど、到底、不可能なのです。
そして、この、家が、丸裸になった、その瞬間は、私たちにとって、耐震リフォームと断熱リフォームという、二つの、最も重要な手術を、同時に、そして、最も、完璧な形で、行うための、最大にして、最後の「チャンス」でもあります。
壁の内側が、完全に、露出しているからこそ、私たちは、構造計算に基づいた、最適な位置に、寸分の狂いもなく、耐力壁を、設置することができます。
床下が、完全に、オープンになっているからこそ、私たちは、基礎の、隅々まで、補強を施し、そして、断熱材を、一切の隙間なく、敷き詰めることが、できるのです。
この、「スケルトン解体」という、一度きりの、機会を、最大限に活用し、耐震と断熱の工事を、同時に行う。
その、圧倒的な、合理性こそが、「性能向上リノベーション」の、真髄なのです。
次の章では、いよいよ、この、究極の方程式の、左辺を構成する、一つ目の要素、「最強の耐震」について、その、具体的な、中身へと、踏み込んでいきましょう。
章の概要:
ここからは、「最終方程式」を構成する、一つ目の、そして、命を守る上で、最も重要な要素である「最強の耐震」について、その技術の核心へと、深く踏み込みます。
2016年に発生した熊本地震は、私たち、専門家に、そして、社会に、あまりにも厳しい、しかし、目を背けてはならない「教訓」を、突きつけました。
なぜ、建築基準法を守るだけの「耐震等級1」では、もはや、不十分なのか。
なぜ、私たちは、その1.5倍の強度を持つ「耐震等級3(評点1.5)」を、絶対的な目標として、掲げるのか。
そして、その、絶対的な安全性を、実現するために、なぜ、多くの業者が、見過ごしがちな「基礎補強」こそが、全ての土台となるのか。その、揺るぎない、理由を解説します。
✔ここでのポイント:
まず、私たちが、なぜ、これほどまでに、高い耐震性能に、こだわるのか。その、全ての議論の出発点となった、2016年「熊本地震」の、衝撃的な、事実について、お話しします。
「耐震等級2」でさえも、倒壊した、という、あまりにも厳しい現実。それは、「命を守る」という、最低限のレベルを超え、「災害後も、安心して、住み続けられる家」を、実現するためには、もはや「耐震等級3」が、最低条件である、という、新しい常識を、私たちに、教えてくれました。
長年にわたり、日本の耐震リフォームにおける、一つの「ゴール」とされてきた指標。
それが、建築基準法で定められた、最低限の耐震性能、「耐震等級1」の確保でした。
そして、より、意識の高いお客様や、施工会社が、その、さらに上を目指す「耐震等級2」(耐震等級1の1.25倍の強度)。これらを実現すれば、大きな地震に対しても、一応の、安心は得られる。
それが、2016年4月13日までの、私たちの、業界の「常識」でした。
しかし、その常識は、翌4月14日、そして、16日に、熊本県を襲った、二度の、巨大な揺れによって、無残にも、崩壊します。
2016年の熊本地震が、私たち、専門家に、突きつけた、最も、衝撃的な事実。
それは、「震度7の、巨大な揺れが、短期間に、二度、同じ場所を襲った場合、耐震等級2の、比較的新しい木造住宅でさえも、倒壊し得る」という、信じがたい、現実でした。
もちろん、耐震等級2の住宅は、一度目の、本震では、そのほとんどが、倒壊を免れ、多くの、人命を救いました。
しかし、一度目の揺れで、すでに、大きなダメージを受けていた、その建物に、二度目の、同レベルの揺れが、襲いかかった時。その、繰り返される、強烈な力に、耐えきれず、ついに、倒壊に至ってしまったのです。
この事実は、私たちに、根本的な、価値観の転換を、迫りました。 耐震性能の、目的とは、一体、何なのか。
それは、ただ、一度目の揺れから「命を守る」だけで、十分なのだろうか。
いいえ、違うはずです。 本当の安全な家とは、巨大地震の後、避難所での、不自由な生活を、強いられることなく、ご自身の家で、そのまま、安心して、暮らしを、再建できる、ということ。その、「災害後の、生活の質」までをも、守り抜いてこそ、本物の「耐震」と、言えるのではないでしょうか。
そして、その、過酷な、熊本地震の、二度の震度7にも、耐え抜き、ほとんど、無被害で、建ち続けた家々。
それが、「耐震等級3」(耐震等級1の1.5倍の強度)で、建てられた、住宅だったのです。
この、動かぬ事実こそが、私たちが、全ての性能向上リノベーションにおいて、「耐震等級3(上部構造評点1.5)」を、もはや「理想」ではなく、「最低限、クリアすべき、標準仕様」として、お客様に、ご提案する、揺るぎない、理由なのです。
✔ここでのポイント:
耐震の議論になると、多くの場合、話は、壁の量や、柱の太さ、金物の種類、といった、「地上部分」のことに、集中しがちです。 しかし、どんなに、屈強な肉体を持つ、アスリートも、その「足元」が、脆弱であれば、最高のパフォーマンスを、発揮することはできません。
家の耐震も、全く同じです。 これまで、私たちが、繰り返し、その重要性を、訴えてきた、耐震の「三位一体」。
「壁」「床・屋根」、そして「結束力」。
その、全ての力を、最終的に、受け止め、大地へと、安全に、流す、最も重要な、身体の「土台」。それが、「基礎」です。
そして、1981年5月31日以前の「旧耐震基準」で建てられた、木造住宅の、多くが、この、最も重要な「土台」に、致命的な、爆弾を、抱えています。 それが、「無筋基礎」です。
「無筋基礎」とは、その名の通り、基礎の、コンクリートの中に、強度を、高めるための「鉄筋」が、全く、入っていない、あるいは、入っていても、極めて、量が少ない、基礎のことです。
コンクリートは、上からの、圧縮力には、強いのですが、地震の際に、発生する、横からの、引張力や、曲げの力には、極めて、弱い、という性質を持っています。
その、弱点を、補うのが、鉄筋の役割です。 鉄筋の入っていない、無筋の基礎は、地震の、強烈な力が、加わった瞬間、まるで、ビスケットのように、簡単に、ひび割れ、そして、砕け散ってしまいます。
もし、その、全ての土台である、基礎が、破壊されてしまったら。その上に立つ、どんなに強固な壁も、どんなに頑丈な床も、一体、何の意味があるというのでしょうか。 旧耐震住宅の、耐震リフォームにおいて、この「無筋基礎」への、適切な「補強」を行うことは、もはや、議論の余地のない、絶対的な、必須事項なのです。
しかし、それにも関わらず、世の中の、多くの耐震リフォームでは、この、最も重要な、基礎補強が、驚くほど、軽視され、そして、安易に、省略されています。 なぜか。 理由は、二つあります。
一つは、基礎補強工事が、床を剥がし、時には、地面を掘削する、極めて、手間と、コストのかかる、大掛かりな工事だからです。 そして、もう一つが、より、根深い問題ですが、完成してしまえば、床下に隠れ、誰の目にも、見えなくなってしまうからです。
だからこそ、一部の、不誠実な業者は、「基礎は、簡単な補修で、大丈夫ですよ」と、お客様を言いくるめ、その、最も重要な工事から「逃げ」、目先の、見積もり金額を、安く見せようとするのです。
私たち、増改築どっとコムは、そのようは、卑劣な、ご提案は、決して、行いません。
なぜなら、それは、プロとしての、誇りを捨てるだけでなく、お客様の、命を、危険に晒す、許されざる、裏切り行為であると、知っているからです。
✔ここでのポイント:
最後に、「最強の耐震」を実現するための、私たちの、仕事の、進め方について、お話しします。それは、棟梁の「経験」や「勘」といった、曖昧なものに、頼るのでは、決してない。全ての判断を、客観的な「構造計算」という、科学の物差しに、委ね、その、安全性を、誰の目にも、分かる形で「見える化」する、という、私たちの、揺るぎない、姿勢です。
「お任せください。この道、40年の、私の“勘”が、この家を、強くしてみせます」。
もし、リフォーム会社の担当者から、このような、言葉を聞いたとしたら。皆様は、その、ベテランらしい、自信に満ちた、言葉に、頼もしさを、感じるかもしれません。
しかし、私に言わせれば、それこそが、現代の、耐震リフォームにおいて、最も、警戒すべき、危険な「病」です。
もちろん、長年の経験が、培った、職人の「勘」は、素晴らしいものです。しかし、ご家族の、命を守る、という、絶対的な、使命の前では、その、個人の、主観的な、感覚は、あまりにも、無力で、そして、無責任です。
なぜなら、同じように見える、木造住宅でも、一棟、一棟、その、成り立ちも、弱点も、全く、異なるからです。
その、唯一無二の、家の「個性」を、正確に、診断し、最適な「処方箋」を、導き出すことができるのは、もはや、個人の「勘」や「経験則」では、ありません。
私たちの、耐震リフォームにおける、唯一の、そして、絶対的な、羅針盤。それが、「構造計算」という、客観的で、そして、冷徹な、科学の眼です。
私たちは、まず、現地調査に基づき、皆様の家の、現在の状態を、コンピュータ上に、3Dモデルとして、正確に、再現します。
そして、そのモデルに対して、震度6強から7クラスの、巨大地震が、襲いかかった場合、家の、どの部分に、どれだけの力がかかり、どこが、破壊される可能性があるのかを、精密に、シミュレーションします。
その結果、導き出される、現在の、家の強さの指標。それが、「上部構造評点(Iw値)」です。
そして、私たちは、その、客観的な、数値に基づいて、どこに、どのような、補強を加えれば、評点が、最も、効果的に、向上するのか、という「最適解」を、導き出していくのです。
この、科学的なプロセスを経て、初めて、私たちは、自信を持って、皆様に、断言することができます。
「この耐震リフォームによって、あなたの家は、評点1.5以上、すなわち、消防署や、警察署と、同レベルの、最高の安全性を、手に入れることができます」と。
この、「見える化された安全」こそが、皆様に、絶対的な「安心」を、お届けするための、私たちの、最低限の、誠意なのです。
章の概要:
✔ここでのポイント:
まず、私たちが、なぜ、これほどまでに「断熱」に、こだわるのか。
その、全ての議論の出発点となる、日本の住宅が抱える、衝撃的な「現実」について、お話しします。
それは、日本の家が、先進国の中で、突出して「寒い」という事実と、その「寒さ」が、引き起こす、交通事故死よりも、遥かに多くの、命を奪う「ヒートショック」という、見えざる、暗殺者の存在です。
前章で、私たちは、「最強の耐震」が、地震という「突然死のリスク」から、家族の命を、いかにして守るのか、その重要性を、確認しました。
しかし、もし、私が、「あなたの家そのものが、冬の間、ご家族の命を脅かす“凶器”になっているかもしれない」と、申し上げたら、皆様は、どう思われるでしょうか。
これは、決して、大げさな、脅し文句では、ありません。日本の、特に、古い木造住宅が抱える、紛れもない「現実」なのです。
驚かれるかもしれませんが、日本の住宅の「断熱」に関する基準は、他の、先進国と比較して、信じられないほど、低いレベルに、長年、放置されてきました。
つい最近まで、新築住宅でさえ、断熱性能に関する、法的な「義務」は、存在しなかったのです。
その結果、日本の多くの家は、「冬は、寒くて当たり前」という、危険な、常識のもと、驚くほど、断熱性能が低いまま、建てられ、そして、住み続けられています。
そして、その「寒さ」こそが、地震とは、また別の、静かなる「死のリスク」を、私たちの、すぐ身近な場所に、生み出しているのです。
その、静かなる暗殺者の名前。それが、「ヒートショック」です。 皆様も、一度は、耳にしたことが、あるかもしれません。ヒートショックとは、暖かいリビングなどから、暖房の効いていない、氷のように冷たい、脱衣所や、トイレ、廊下へと移動した際に、その、急激な温度変化に、身体が、ショックを受け、血圧が、乱高下し、心筋梗塞や、脳卒中といった、命に関わる、深刻な発作を、引き起こす現象です。
そして、その被害は、私たちの想像を、遥かに、超えています。 正確な統計は、難しいとされていますが、専門家の調査によれば、日本国内で、このヒートショックに関連する、入浴中の、急死者数は、年間、実に、1万9000人にものぼる、と推計されています。
これが、どれほど、衝撃的な数字か、お分かりいただけるでしょうか。
同年の、交通事故による、死亡者数が、約2,600人ですから、実に、その7倍以上もの方々が、交通事故ではなく、ご自宅の「寒さ」によって、命を落とされている、ということになるのです。
そして、その悲劇の、ほとんどが、冬場の、11月から2月にかけて、集中して、発生しています。
地震は、いつ来るか、分かりません。しかし、冬は、毎年、必ず、やってきます。
皆様の家は、その、毎年、必ずやってくる、静かなる暗殺者に対して、あまりにも、無防備な状態に、置かれているのかもしれないのです。
✔ここでのポイント: この、深刻な「ヒートショック」のリスクから、ご家族を、完全に守るために、私たちは、一体、どれほどの「暖かさ」を、目指すべきなのでしょうか。このセクションでは、もはや、時代遅れとなった、日本の、最低基準ではなく、世界の、トップランナーたちが、競い合う、「ZEH(ゼッチ)」や「HEAT20」といった、本物の、高性能断熱住宅の「基準」について、解説します。
なぜ、日本の住宅は、これほどまでに、「寒い」のでしょうか。 その、根本的な原因は、これまで、国が定めてきた、断熱性能の「基準」そのものが、あまりにも、低すぎたからに、他なりません。
ようやく、2025年から、新築住宅に対して、断熱性能の、最低基準(断熱等級4)が、義務化されますが、それすらも、諸外国の基準から見れば、周回遅れ、と言わざるを得ない、レベルなのです。
だからこそ、私たちは、日本の、最低基準の、遥か、先を見据えなければなりません。
私たちが、断熱リフォームの、目標として、標準的に、採用しているのが、「ZEH(ゼッチ)」や「HEAT20」といった、より高い、次元の、性能基準です。
① ZEH(ゼッチ)基準(断熱等級5相当) ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。これは、「家の断熱性能を、大幅に向上させ、かつ、高効率な設備を、導入することで、消費するエネルギーを、極限まで減らし、さらに、太陽光発電などで、エネルギーを創り出すことで、一年間の、エネルギー消費量の収支を、おおむねゼロにする」という、住宅の、考え方です。 この、ZEHとして、認定されるためには、国の定める、省エネ基準を、遥かに超える、高い断熱性能(断熱等級5相当)を、クリアする必要があります。
② HEAT20 G2グレード(断熱等級6相当) そして、私たちが、さらに、その上の、目標として、見据えているのが、HEAT20という、民間の、団体が、提唱する、より、本質的な、性能基準です。 HEAT20は、単なる、エネルギー消費量だけでなく、「その家に住まう人が、どれだけ、健康で、快適な、温熱環境を、享受できるか」という、「室温」そのものに、焦点を当てています。 その中でも、私たちが、標準仕様として、目指す「G2グレード」は、「冬の、最も寒い時期でも、家の中の、体感温度が、おおむね、13℃〜15℃を、下回らない」という、極めて高い、性能レベルを、目標としています。
暖房を、消した、翌朝でも、リビングが、凍えるような、寒さにならない。それこそが、ヒートショックのリスクを、根本から、断ち切るための、本当の暖かい家の、姿なのです。
✔ここでのポイント: 最後に、この「最高の断熱」という、目には見えない性能を、いかにして、客観的な「数値」として、皆様に、お約束するのか。その、科学的な、裏付けとなる「外皮計算(Ua値)」の、重要性について、解説します。私たちの仕事は、曖昧な、感覚論では、ありません。全ての、快適性は、緻密な、計算によって、「見える化」され、そして、保証されるのです。
「お任せください。うちで、リフォームすれば、暖かくなりますよ」。
多くの、リフォーム会社の担当者は、笑顔で、そう、言うかもしれません。しかし、その「暖かさ」には、何の、科学的な、裏付けも、保証も、ありません。
私たちが、ご提供するのは、そのような、曖昧で、無責任な、約束では、ありません。 私たちは、耐震性能を「構造計算(上部構造評点)」で、お約束したのと、全く同じように、断熱性能もまた、「外皮計算(Ua値)」という、客観的な、科学の物差しで、皆様に、お約束します。
Ua値(外皮平均熱貫流率)とは、少し、専門的な言葉ですが、簡単に言えば、「その家が、どれだけ、熱を、外に、逃しやすいか」を示した、数値です。 この、Ua値は、数値が、小さければ、小さいほど、熱が逃げにくく、断熱性能が高い、ということを意味します。それは、まさに、自動車の「燃費」と、同じです。
私たちは、断熱リフォームの、設計段階で、まず、皆様の家の、現在のUa値を、正確に、算出します。そして、私たちが、ご提案する、断熱材や、窓サッシを、導入した場合、そのUa値が、どこまで、劇的に、向上するのかを、専用のソフトで、精密に、シミュレーションし、その、計算結果を、皆様に、ご提示します。
例えば、「現在のUa値1.56を、HEAT20 G2グレードの基準である、Ua値0.46まで、向上させます」というように。
この、「見える化された快適性」は、皆様に、二つの、大きな価値を、もたらします。
① 健康で、豊かな暮らし それは、冬でも、家の中の、どこにいても、温度差の少ない、暖かい家が、実現される、という、「健康」への、約束です。
ヒートショックの、恐怖から、解放され、ご家族、全員が、心から、安心して、暮らせる、という、何物にも代えがたい、価値です。
② 経済的な、未来 そして、それは、家の「燃費」が、劇的に、向上し、この先、何十年と、払い続ける、冷暖房の、光熱費を、大幅に、削減できる、という、「経済性」への、約束です。
この、断熱という、皆様の健康に、直結する、深く、そして広大なテーマについては、それだけで、一冊の、体系的な専門書が書けるほどです。
だからこそ、私たちは、この「耐震リフォーム工事完全ガイド」とは別に、私たちの500棟以上に及ぶ、木造スケルトンリノベーションの、全ての知見を注ぎ込んだ、もう一つのバイブルをご用意しております。それが、➡️『断熱リフォーム 完全ガイド』です。
これは、単なる情報の寄せ集めではありません。全16章、5つのパートで構成され、YouTubeの動画解説シリーズも完備した、壮大な実録です。このガイドを読み進めることで、あなたは、
「断熱・気密・換気」という“快適性の三位一体”の、本当の意味。
断熱の、さらに先にある「蓄熱」と「自然素材」こそが、本物の心地よさを創り出す、という科学的な真実。
そして、家の燃費を示す「BEI」を理解し、断熱と設備を、トータルで設計するという、未来の家づくりの、新しい常識。 といった、他では決して語られることのない、生きた知識を手に入れることができます。
私たちの最終的な目標は、あなたが「寒い・暑い」という不快な環境に対し、正しい知識と賢明な計画、そして信頼できるパートナーという武器をもって立ち向かい、「長期的に安心して快適に暮らせる住まい」を実現し、その「資産価値を未来へ繋いでいく」ことです。 このガイドが、あなたの断熱リフォームを成功に導く、唯一無二の「羅針盤」となることを、固くお約束します。ぜひ、そちらも、併せて、ご一読ください。
次の章では、いよいよ、この、方程式の「乗数(×)」、耐震と断熱の同時 工事が、もたらす、相乗効果について、お話しします。
章の概要:
これまでの章で、私たちは、「最強の耐震」と「最高の断熱」という、二つの、極めて重要な性能について、学んできました。
では、なぜ、私たちの「最終方程式」は、「耐震+断熱」という、単純な「足し算」ではなく、「耐震×断熱」という、「掛け算」で、表現されているのでしょうか。
その答えは、「同時工事」という、私たちの、揺るぎない思想にあります。
この章では、なぜ、耐震リフォームと断熱リフォームを、別々の機会に行うことが、性能的にも、経済的にも、取り返しのつかない、大きな損失を生むのか。
そして、この二つの手術を、同時に行う「性能向上リノベーション」こそが、1+1を、3にも、5にもする、圧倒的な「相乗効果」を生み出すのか。その、秘密を、解き明かします。
まず、なぜ、私たちが、これほどまでに「耐震と断熱の同時 工事」に、こだわるのか。その、最も、本質的な理由について、お話しします。それは、家の壁や床を、一度、全て剥がす「スケルトン解体」という行為が、皆様の家の、未来の性能を、決定づける、「最大にして、そして、おそらくは、最後となる、絶好の機会」である、という、動かすことのできない、事実です。
皆様に、一つ、想像してみていただきたい、状況があります。
もし、皆様の、大切なご家族が、深刻な病を患い、「心臓」の、大掛かりな、外科手術を、受けることになったとします。
そして、いよいよ、手術当日。執刀医が、胸を、大きく切り開き、心臓の治療を、行っている、まさにその最中に、そのすぐ隣にある「肺」にも、また別の、深刻な病巣が、発見されたとしたら。
その時、皆様は、執刀医に、どう、お願いしますか?
「先生、せっかく、胸を開いているのですから、どうか、肺の病巣も、この機会に、一緒に、取り除いてください」と、お願いするでしょうか。
それとも、「先生、心臓だけで、結構です。肺のことは、また、数年後に、お金が貯まったら、もう一度、胸を切り開いて、手術してください」と、お願いするでしょうか。 答えは、言うまでも、ありませんね。
実は、皆様が、これから行おうとしている「性能向上リノベーション」も、これと、全く、同じなのです。
家の、壁や床を、全て剥がし、その骨格を、丸裸にする「スケルトン解体」。それは、まさに、家の、胸を切り開く「開胸手術」に、他なりません。 そして、その、家の内部が、完全に、露出した、その瞬間こそが、
家の「心臓」である、「耐震性能」
家の「肺」である、「断熱性能」 という、二つの、生命維持に、不可欠な、臓器を、同時に、そして、最も、完璧な形で、治療することができる、「最大にして、最後のチャンス」なのです。
もし、この、またとない機会に、耐震リフォームだけを行い、断熱材の入っていない、スカスカの壁を、そのままに、再び、壁を閉じてしまったとしたら。
それは、肺の病巣を、見て見ぬふりをして、患者の胸を、閉じてしまう、医師と、同じです。
その、壁の内側に、残された「病巣」を、再び、治療するためには、数年後、もう一度、何百万円という、高額な費用をかけて、同じ場所を、解体し直さなければならないのです。
これほど、非合理で、そして、もったいない話は、ありません。
「今は、予算がないから、まず、耐震だけやって、断熱は、5年後にしよう」。
一見、それは、賢明な、資金計画のように、聞こえるかもしれません。
しかし、私たち、プロの視点から見れば、それは、長期的に見て、最も、費用がかさむ、最も、非効率な選択なのです。
なぜなら、皆様が、家の性能を高めるために、支払う費用の内訳は、単純な、材料費や、工事費だけでは、ないからです。
そこには、工事を行うために、必然的に発生する、様々な「共通経費」が、含まれています。
そして、もし、耐震リフォームと断熱リフォームを、別々に行えば、皆様は、これらの「共通経費」を、二度、支払わなければならなくなるのです。
では、その「共通経費」とは、具体的に、何でしょうか。
① 解体工事費・産業廃棄物処理費 耐震補強のために、壁や床を、解体します。そして、その数年後、今度は、断熱改修のために、全く同じ場所の、壁や床を、再び、解体します。皆様は、同じ場所を壊すためのお金を、二度、支払うのです。
② 仮設工事費(足場など) もし、外壁に、関わる工事であれば、その都度、家の周りに、数十万円から百万円以上かかる、「足場」を、組まなければなりません。二度の工事は、二度の、足場代を、意味します。
③ 職人の手配・人件費 一度、工事を終えた、大工、内装職人、塗装職人たちを、数年後、再び、同じ場所に、呼び戻さなければなりません。その、全ての、人件費と、手配の経費が、二重にかかります。
④ お客様自身の、時間的・精神的コスト そして、何よりも、工事期間中の、騒音、埃、そして、職人の出入りといった、皆様ご自身の、そして、ご近所の、時間的、そして、精神的な負担。その、ストレスに満ちた、非日常を、二度も、経験しなければならないのです。
これらの、全ての「二重払い」を、合計すれば、その金額は、時に、数百万円単位にものぼります。
耐震と断熱の同時 工事。それは、これらの、全ての無駄を、省き、皆様の、貴重な予算の、一円たりとも、無駄にすることなく、全てを、家の、本質的な「価値」へと、転換させるための、最も、賢明で、そして、合理的な、選択なのです。
耐震と断熱の同時工事が、もたらすメリットは、単なる、コスト効率だけに、留まりません。
実は、この二つの性能は、互いに、影響を与え合い、高め合う「相乗効果」を、持っているのです。
このセクションでは、なぜ、完璧な「断熱・気密」が、家の「耐震性能」をも、向上させるのか。その、専門家だけが知る、構造的な、秘密について、お話しします。
なぜ、私たちの方程式が、「耐震+断熱」という、単純な「足し算」では、ないのか。
それは、この二つの性能が、お互いの価値を、飛躍的に高め合う、「乗数(じょうすう)」の、関係にあるからです。
特に、「最高の断熱」は、「最強の耐震」の、効果を、さらに、高める、という、驚くべき、相乗効果を、持っています。 その鍵を握るのが、「気密性」です。
前章で、私たちは、暖かい家を実現するためには、断熱材を、ただ、入れるだけでなく、気密シートや、テープによって、家の「隙間」を、徹底的に、なくす、「気密処理」が、不可欠である、と学びました。
そして、この、「家全体を、一つの、隙間のない、魔法瓶のようにする」という、気密処理こそが、実は、家の耐震性能にも、極めて、良い影響を、与えるのです。
どういうことか。 地震の力に、最も、強く抵抗できる、理想的な構造。
それは、家全体が、一体となった「固い箱」である、と、私たちは、学んできました。
そして、緻密な気密処理は、壁、床、天井を構成する、一枚一枚の、構造用合板や、石膏ボードといった「面材」の、継ぎ目を、気密テープで、固く、連続的に、繋ぎ止めていきます。
これにより、家全体が、より、隙間のない、一体化した「箱」となり、地震の「ねじれ」の力に対して、より、強く、抵抗できるようになるのです。
もちろん、これは、構造計算の、数値に、直接、現れるものでは、ありません。
しかし、500棟以上の現場を、見てきた、私の、経験則として、丁寧に、気密処理を、施された家は、構造的な「剛性」も、明らかに、高い、という、確信があります。
このように、耐震と断熱は、決して、別々のものでは、ありません。
最高の断熱は、ヒートショックから、家族の健康を守ると同時に、家の耐震性能をも、下支えする。 最高の耐震は、地震から、家族の命を守ると同時に、断熱材を、完璧に施工するための、最高の「器」となる。
この、二つの性能が、互いに、高め合い、そして、融合する、その、一点にこそ、「性能向上リノベーション」という、私たちの、仕事の、本質が、あります。
この、耐震と断熱の、幸福な「結婚」について、より深く、知りたい方は、ぜひ、私たちの、もう一つのバイブル、『断熱リフォーム 完全ガイド』も、ご参照ください。
次の、最終章では、この、究極の方程式が、もたらす、輝かしい「未来」について、お話しします。
章の概要:
この長く、そして、壮大な「最終方程式」を巡る物語も、いよいよ、締めくくりの時を迎えました。最後に、この「最終方程式」を、正しく、理解し、実践することで、皆様の家が、どのような、究極の存在へと、生まれ変わるのか。
その、輝かしい、未来の姿を、お示しします。それは、単なる「家」という、箱を超え、ご家族の、命、健康、そして、資産、その全てを、あらゆる脅威から守り抜く、安全な家であり、暖かい家である、「最高のシェルター」なのです。
この記事の知識を、皆様の、賢い資金計画へと、結びつけるための、最後の、そして、最も重要なメッセージです。
この、ガイド全体の、そして、私たちの、500棟以上の経験の、全てを、注ぎ込んだ「最終回答」を、ここに、示します。性能向上リノベーション とは何か。それは、私たちが、導き出した「最終方程式」そのものを、現実の、形にすること。すなわち、ご家族の「健康」と「資産価値」という、二つの、究極の価値を、最大化するための、思想であり、技術の、体系なのです。
私たちは、この、壮大なガイドの冒頭で、皆様に、一つの、問いを、投げかけました。
「あなたは、単なる『リフォーム』をしますか?
それとも、
『性能向上リノベーション』をしますか?」と。
この、長い、長い、旅路の果てに。今、ようやく、その、問いに対する、私たちの、明確な「最終回答」を、皆様に、お伝えする時が、来ました。
性能向上リノベーション とは、一体、何なのか。
それは、「【最強の耐震】 × 【最高の断熱】 = 【家族の健康と、資産価値の、最大化】」という、私たちが、導き出した、この「最終方程式」を、一棟、一棟の、お客様の家で、愚直なまでに、誠実に、そして、最高の技術で、実現していく、という、私たちの、仕事の、全てです。
この、方程式が、解かれた時、皆様の家は、もはや、単なる「家」という、箱であることを、やめます。
それは、ご家族の、未来を守るための、「最高のシェルター」へと、生まれ変わるのです。
それは、巨大地震という「突然死のリスク」から、ご家族の、かけがえのない“命”を守る、シェルターです。 耐震等級3という、圧倒的な強度が、その、揺るぎない、土台となります。
それは、ヒートショックという「緩慢なる死のリスク」から、ご家族の、日々の“健康”を守る、シェルターです。断熱等級6( HEAT20 G2グレード)を超える、圧倒的な断熱性能が、その、優しく、そして、暖かい家の、温熱環境を、創造します。
それは、未来の、エネルギー価格の、高騰や、インフレといった、「経済的なリスク」から、ご家族の“資産”を守る、シェルターです。 圧倒的な、省エネ性能が、日々の光熱費を、削減し、そして、その、客観的な、高い性能が、中古住宅市場において、揺るぎない「資産価値」を、維持し続けます。
耐震リフォームと断熱リフォームを、同時に工事し、この、三つの、守りを、完璧な形で、実現すること。 それこそが、性能向上リノベーションの、本質であり、私たちが、皆様に、ご提供したい、最高の「価値」なのです。
この、究極の方程式を、現実の、形にするために、皆様が、パートナーとして、選ぶべき、施工会社が、持つべき、最も重要な「資質」について、お話しします。
それは、単なる、技術力や、経験値ではありません。この、複雑な「方程式」を、解き明かすための、深い「理解力」と、それを、実現しようとする、揺るぎない「哲学」を、共有できる、真のパートナーです。
皆様は、今や、この、究極の方程式の、意味を、深く、理解されています。
では、皆様が、これから、相談しようとしている、リフォーム会社は、どうでしょうか。
彼らは、この、方程式の、存在を、知っているでしょうか。
もし、彼らが、「耐震は耐震、断熱は断熱」と、二つの性能を、別々の、足し算としてしか、捉えられていないとしたら。
もし、彼らが、ヒートショックという、言葉の、本当の恐ろしさと、耐震との、深い関係性を、理解していないとしたら。
もし、彼らが、耐震と断熱を同時に工事することの、圧倒的な、相乗効果を、お客様に、情熱を持って、語ることができないとしたら。
その会社に、皆様の、ご家族の、命と、健康と、そして、資産の、全てを、委ねることは、果たして、できるでしょうか。
皆様が、本当に、探すべきは、単に、腕の良い、大工さんを、抱えた工務店では、ありません。
皆様が、本当に、探すべきは、この「最終方程式」を、皆様と、共に、最高の形で、解き明かしてくれる、真のパートナーです。
その、パートナーを、見極めるために、ぜひ、こう、問いかけてみてください。
「あなたは、私たちの家を、どのような、存在に、したいですか?」と。
その問いに対して、「綺麗で、お洒落な家にします」としか、答えられないのか。
それとも、「地震や、温度差といった、あらゆる脅威から、ご家族の、未来を守り抜く、最高のシェルターを、一緒に、創りましょう」と、その、熱い、哲学を、語ってくれるのか。
その、答えの中にこそ、皆様が、本当に、信頼するに値する、パートナーの、真の姿が、現れるはずです。
最後に、この、長く、そして、希望に満ちた、物語を、読み終えてくださった、皆様への、心からの、メッセージと、ご提案です。知識は、力です。そして、その力を、現実の、行動へと、変える、最初の「一歩」を、踏み出すための、最後の、後押しを、させてください。
この、壮大なガイドを通じて、皆様は、もう、ご存じのはずです。 皆様の、お住まいが、たとえ、どんなに古く、そして、多くの課題を、抱えていたとしても。正しい知識と、正しい技術、そして、正しい哲学を持った、パートナーと、出会うことさえできれば、新築を超えるほどの、最高の「シェルター」へと、生まれ変わる、無限の可能性を、秘めている、ということを。
その、可能性を、信じること。それが、全ての、始まりです。
そして、その、素晴らしい、未来を、現実のものとするための、最後の、そして、最も重要な、羅針盤。
それが、私たちが、このガイド全体を通じて、ご紹介してきた、様々な、知識と、そして、その、さらに、深い、専門的な知見を、網羅した、私たちの、二つのバイブル、『耐震リフォーム工事完全ガイド(本コンテンツ)』と『断熱リフォーム 完全ガイド』です。 この、二つの、羅針盤を、その手に。
ぜひ、私たち、増改築どっとコムの、扉を、叩いてみてください。 そこから、あなたの家の、そして、あなたの家族の、未来を、最大化するための、新しい、壮大な物語が、始まります。
あなたの家族の、未来を最大化する家づくり、私たちと一緒に、始めませんか?
私たちは、その、皆様の、勇気ある、一声を、決して、無駄には、しません。
私たちの、500棟以上の、経験と、知識、そして、何よりも、揺るぎない情熱の、全てを、注ぎ込み、皆様の、ご家族のためだけの、最高の「最終方程式」を、必ずや、解き明かしてみせることを、お約束します。
皆様からの、ご連絡を、心より、お待ちしております。
> 耐震補強リフォーム完全ガイド次の記事はこちら:
➡️ 記事『28. 耐震リフォーム業者選び、9つの最終チェックリスト:「三位一体」と「制震の役割」を語れるか』へ
耐震で失敗しない為の
『耐震補強リフォーム工事 完全ガイド』
500棟以上のスケルトンリノベーションの耐震改修知見を網羅!
耐震補強リフォーム工事をする前に必ず読んでください!
耐震補強リフォーム工事完全ガイドは4部構成(診断編6記事・治療編11記事・計画編4記事・未来編7記事)の全28話構成で、耐震補強リフォーム工事に必要な全知識をを網羅的に解説します。読みたいテーマが決まっている方は以下からお進みください。
※すべてのページでYouTube動画解説リンクがありますので、合わせてご覧ください。
診断編の役割とコンセプト: 皆さんの漠然とした「家への耐震不安」に寄り添い、その正体を突き止めるための「診断」に特化したパートです。地震の歴史からご自宅の築年数が持つ意味を学び、耐震性の客観的な物差しを知り、そしてプロの診断技術の深淵に触れることで、読者の不安を「解決すべき具体的な課題」へと転換させます。すべての治療は、正確な診断から始まります。
記事(全6本):
➡️ なぜ今、あなたの家に「耐震」という対話が必要なのか
➡️ あなたの家が生まれた時代:旧耐震・81-00住宅・2000年基準、それぞれの「常識」と「弱点」
➡️ 我が家の体力測定:耐震性の“三位一体”「評点・偏心率・N値」とは何か
➡️ 耐震診断の全貌:費用・流れ・依頼先は?プロが教える診断結果の正しい読み解き方
➡️ 究極の診断法「スケルトンリフォーム」。なぜ私たちは壁を剥がし、家の“素顔”と向き合うのか
➡️ 壁の中に潜む時限爆弾:見えない木材の腐食とシロアリが、あなたの家の体力を奪っている
断熱リフォームで失敗しない為の『断熱リフォーム 完全ガイド』
500棟以上のスケルトンリノベーションの断熱改修知見を網羅!
断熱リフォームをする前に必ず読んでください!
何から読めばいいかわからない方は総合案内よりお進みください。
導入編2記事・基礎知識編3記事・部位別実践編4記事・特殊ケース攻略編2記事・計画実行編5記事の全16話構成で、断熱リフォームに必要な全知識をを網羅的に解説します。読みたいテーマが決まっている方は以下からお進みください。
※すべてのページでYouTube動画解説リンクがありますので、合わせてご覧ください。
ハイウィル株式会社 四代目社長
1976年生まれ 東京都出身。
【経歴】
家業(現ハイウィル)が創業大正8年の老舗瓦屋だった為、幼少よりたくさんの職人に囲まれて育つ。
中学生の頃、アルバイトで瓦の荷揚げを毎日していて祖父の職人としての生き方に感銘を受ける。 日本大学法学部法律学科法職課程を経て、大手ディベロッパーでの不動産販売営業に従事。
この時の仕事環境とスキルが人生の転機に。 TVCMでの華やかな会社イメージとは裏腹に、当たり前に灰皿や拳が飛んでくるような職場の中、東京営業本部約170名中、営業成績6期連続1位の座を譲ることなく退社。ここで営業力の基礎を徹底的に養うことになる。その後、工務店で主に木造改築に従事し、100棟以上の木造フルリフォームを大工職人として施工、管理者として管理。
2003年に独立し 耐震性能と断熱性能を現行の新築の最高水準でバリューアップさせる戸建てフルリフォームを150棟、営業、施工管理に従事。
2008年家業であるハイウィル株式会社へ業務移管後、 4代目代表取締役に就任。
250棟の木造改修の営業、施工管理に従事。
2015年旧耐震住宅の「耐震等級3」への推進、「断熱等級4」への推進を目指し、 自身の通算500棟を超える木造フルリフォーム・リノベーション経験の集大成として、性能向上に特化した日本初の木造フルリオーム&リノベーションオウンドメディア 「増改築com®」をオープン。
フルリフォーム(全面リフォーム)で最も大切なのは「断熱」と「耐震」です。性能向上を第一に考え、末永く安心して住める快適な住まいを目指しましょう。
戸建てリノベーションの専属スタッフが担当致します。
一戸建て家のリフォームに関することを
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どのようなお悩みのご相談でも結構です。
あなたの大切なお住まいに関するご相談をお待ちしております。
営業マンはおりませんので、しつこい営業等も一切ございません。
※設計会社(建築家様)・同業の建築会社様のご相談につきましては、プランと共にご指定のIw値及びUa値等の性能値の目安もお願い申し上げます。
※現在大変込み合っております。ご提案までに大変お時間がかかっております。ご了承のほどお願い申し上げます。
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